トヨタ店(トヨタてん)は、トヨタ自動車のディーラーの一つ(旧トヨタ自動車販売)。トヨタが最初に作った販売店である。
キャッチコピーは「フロンティアへ 人を、地域を、もっと笑顔に」。2016年3月までは「最上の出会いをトヨタ店で。」。
概要
戦後すぐに自社販売網の再構築を目指したトヨタ自動車工業(TMC)が、1946年秋までに46都道府県毎に1社ずつ(北海道は札幌と旭川の2社)、各地の有力地場資本と提携し整えたTMC初の販売チャネルである。当初の社名は「○○トヨタ自動車販売[注 1](○○はおおむね都道府県名)」であったが、TMCの指示により47社は1948年夏以降「○○トヨタ自動車」へ変更となり[注 2]、その後トヨペット店と分派した。
専売車種にセンチュリー、クラウンなどの高級車、および商用車(ライトバン・トラックなど)が多かったため、富裕層や法人ユーザーに強みを持っている。
2020年5月(東京地区では2019年4月)からの全車種取扱開始で事実上のチャネル制度廃止となり社名の縛りは無くなったが、「トヨタ店」ブランドを継続使用しているディーラーが多い。
その一方、他チャネルとの合併・再編が進んだことで「トヨタ店」を名乗るディーラーが存在しなくなった地域がある(詳細は「#販売体制」で後述)。
販売体制
トヨタ店はおおむね各都道府県に1つの販売店としているが、東京都・神奈川県・富山県・沖縄県はトヨタ店を名乗るディーラーが存在しない。
また、広大な面積を誇る北海道では以下4つのトヨタ店が存在している。
2020年5月に開始された全車種併売化に伴い、地域によっては他のチャネルを吸収合併する動きが相次いでいる。
- 札幌トヨタグループである函館トヨタ自動車は、2020年7月1日付でネッツトヨタ道南(ネッツ店系列)と経営統合した[6]。
- 宮城トヨタ自動車は、2021年5月1日付で子会社だったネッツトヨタ宮城(旧・トヨタビスタ宮城)を、2023年4月1日付でトヨタ自動車から経営を譲受し子会社化していたトヨタカローラ宮城をそれぞれ吸収合併した。
- 静岡トヨタ自動車は、2020年7月1日付でネッツトヨタ浜松(ネッツ店系列)を吸収合併した[7]。
- 奈良トヨタ自動車は、2021年4月1日付で同資本のトヨタカローラ奈良を吸収合併し社名を「奈良トヨタ」に変更した。
- 長野トヨタ自動車はUグループ3社(長野トヨペット、トヨタカローラ長野、ネッツトヨタ長野)を吸収合併した。
- 香川トヨタ自動車(旧社)は2019年9月30日付で持株会社のTMKホールディングスに移行し、新・香川トヨタ自動車と香川トヨペットを傘下に入れた。2022年1月1日付で香川トヨタ自動車を存続会社としてこの両社が合併した。
- 西九州トヨタ自動車は、2022年4月1日付で長崎県での店舗運営を同じ昭和グループの福岡トヨタ自動車へ吸収分割により継承するとともに、同じ昭和グループのネッツトヨタ佐賀(ネッツ店系列)を吸収合併し、社名を長崎トヨタ自動車との統合前の社名だった佐賀トヨタ自動車へ変更。この再編により、佐賀県は旧ネッツ店を含めて屋号を「佐賀トヨタ」へ変更・統一、長崎県は屋号を「長崎トヨタ」(ロゴは福岡トヨタと同一デザインとなる「NT 長崎トヨタ」)へ変更したことで、15年ぶりに統合前のそれぞれの屋号へ回帰された[8]。
- 宮崎トヨタ自動車は、2023年4月1日付でグループ会社のトヨタカローラ宮崎、ネッツトヨタ宮崎、ネッツトヨタヒムカと吸収合併した。宮崎トヨタだった店舗以外の店舗名は地名の前に「カローラ」、「ネッツ」、「ネッツヒムカ」を付けている[9]。
大阪府では以前、旧・大阪トヨペットがトヨタ店の販売車種を扱っていた(反対に旧・大阪トヨタ自動車がトヨペット店の車種を扱っていた)が、2006年8月8日をもって両社の社名入替を実施し以下のように他都道府県と同様の取扱車種へ変更された
ただし、現在も一部に現・大阪トヨペットと入れ違っている車種もある(詳細)。
トヨタの各販売店系列のデザイン刷新に伴い看板などに使用するイメージカラーは臙脂色を基調としたデザインとなっている。
現在の取扱車種
※ 2023年11月現在
全国の取扱
- ★が付与された車種は専売車種
- ☆が付与された車種は2020年4月30日以前は専売車種扱いで、同年5月1日より全てのトヨタ車両販売店(一部除く)の取扱に移行した車種
- ◎が付与された車種は2020年5月1日の全車種併売化に伴って取扱を開始した車種
- ◇が付与された車種は2020年4月30日以前は大阪地区においては大阪トヨペットでの取扱だった車種
なお、軽自動車「ピクシス」シリーズに関しては、2020年4月30日までは青森トヨタ・秋田トヨタ・鳥取トヨタ・島根トヨタ・徳島トヨタ・香川トヨタ・愛媛トヨタ・高知トヨタ・西九州トヨタ・熊本トヨタ・大分トヨタ・宮崎トヨタ・鹿児島トヨタ・沖縄トヨタのみの取扱で、カローラ店・ネッツ店及び一部のトヨペット店との併売であった。これらとは別に、一部地域ではダイハツ車を扱っている店舗がある。
セダン
ワゴン
スポーツ
コンパクト
ミニバン
- アルファード◎(2020年4月30日まではトヨペット店の専売)
- ヴェルファイア◎(2020年4月30日まではネッツ店の専売)
- ヴォクシー◎(2020年4月30日まではネッツ店の専売)
- グランエース(全てのトヨタ車両販売店で扱う)
- シエンタ(全てのトヨタ車両販売店で取扱う)
- ノア◎(2020年4月30日まではカローラ店の専売)
- ハイエースワゴン◎(2020年4月30日まではトヨペット店の専売だった)
SUV
軽自動車
商用車
小型モビリティ
下記の車種については、大阪地区においては大阪トヨペットの取扱となっている(なお、北海道日高振興局管内ではひだかトヨタ自動車販売、東京地区ではトヨタモビリティ東京、神奈川地区ではトヨタモビリティ神奈川、富山地区ではトヨタモビリティ富山、沖縄地区では沖縄トヨタ自動車(トヨタウン店)の取扱となる)。
旧・大阪トヨタで取扱っていた車種
これまで旧・大阪トヨタでは、マークXなどのトヨペット店の車種を扱っていた(反対に旧・大阪トヨペットがトヨタ店の車種を扱っていた)が、2006年8月8日をもって両社の社名を入れ替え(旧・大阪トヨペット→現・大阪トヨタ/旧・大阪トヨタ→現・大阪トヨペット)、他の道府県と同様の取扱車種に変更された。ただし前述の通り、現・大阪トヨペットと一部取扱車種が入れ違っているものがある。
過去の取扱車種
専売車種
併売車種
- ソアラ(トヨペット店と併売。2005年にレクサス・SCとしてレクサスから発売)
- オリジン(全店併売)
- セルシオ(トヨペット店と併売。2006年にレクサス・LSとしてレクサスから発売)
- カルディナ(トヨペット店と併売)
- ブレイド(トヨペット店と併売)
- サクシード(トヨペット店と併売。ワゴンの販売終了後もバンは継続販売していたが、2020年5月にプロボックスバンへ統合)
- SAI(全てのトヨタ取扱販売店で扱う)
- アベンシス(トヨペット店、およびネッツ店と併売)
- エスティマ/エスティマ ハイブリッド(カローラ店と併売、2019年10月販売終了)
- タンク◎(ダイハツ・トールのOEM、2020年4月30日まではトヨペット店・ネッツ店での取扱、2020年9月販売終了)
- プレミオ◎(2020年4月30日まではトヨペット店の専売、2021年4月販売終了)
- プリウスα(全てのトヨタ車両販売店で取扱う、2021年4月販売終了)
- ポルテ(2020年4月30日まではトヨペット店との併売、2021年1月販売終了)
- スペイド◎(2020年4月30日まではカローラ店・ネッツ店での取扱、2021年1月販売終了)
- エスクァイア(2020年4月30日まではトヨペット店と併売、2022年1月販売終了)
- プリウスPHV(全てのトヨタ車両販売店で取扱う、2023年3月販売終了)
- C-HR(全てのトヨタ車両販売店で取扱う、2023年8月販売終了)
- パッソ◎(ダイハツ・ブーンのOEM、2020年4月まではカローラ店の専売、2023年10月販売終了)
一部トヨタ店のみの取扱
このほか、1957年にディーゼル店が設置され、大型商用車・ディーゼル商用車の取り扱いはディーゼル店に移管されたが、大都市圏のみにとどめられたため、設置されなかった地域ではその地域のトヨタ店が引き続き取り扱っていた。
以前はフォークリフトなどの産業車両(トヨタL&F)を取り扱っていた販売会社も存在したが、現在は沖縄トヨタ自動車を除き産業車両の販売部門は分社化されている。
沖縄県における扱い
沖縄県には1979年9月までトヨペット店が存在しなかった事や、ビスタ店が存在しなかったため、以下の車種を沖縄トヨタ自動車で取り扱っていた。
- コロナマークII(1979年10月から沖縄トヨペットでの取扱)
- コロナ(1979年10月から沖縄トヨペットでの取扱)
- コルサ(1979年10月から沖縄トヨペットでの取扱が開始されたが開始後も沖縄トヨタ自動車でも取扱された)
- ハイエース(1979年10月から2020年4月まで沖縄トヨペットでの取扱、2020年5月から沖縄トヨタ自動車による取扱が再開)
- トヨエース(1979年10月から沖縄トヨペットでの取扱)
- クレスタ(ビスタ店専売)
- ヴェロッサ(ビスタ店専売)
- ブリザード(ビスタ店専売)
また、トヨタ店専売車種の一部は、1979年9月まではトヨタカローラ沖縄とトヨタオート沖縄(後のネッツトヨタ沖縄)で取り扱っていた。
- カリーナ(1979年9月までトヨタオート沖縄での取扱、同年10月から沖縄トヨタ自動車での取扱)
- ダイナ(1979年9月までトヨタカローラ沖縄での取扱、同年10月から沖縄トヨタ自動車での取扱)
- コースター(1979年9月までトヨタカローラ沖縄での取扱、同年10月から沖縄トヨタ自動車での取扱)
- マッシーダイナ(トヨタカローラ沖縄での取扱)
ディーラー一覧
現在の運営会社
かつてトヨタ店を営んでいた会社
脚注
注釈
- ^ 地域によっては「○○トヨタ販売」だったところもある(愛知トヨタ販売、栃木トヨタ販売、福島トヨタ販売など)。詳細については各ディーラーの個別記事を参照。
- ^ 名称変更の経緯については栃木トヨタ自動車#沿革の該当部分にある注釈を参照。
- ^ 2022年7月にクラウン(2020年4月30日以前は専売車種扱い)のS30型へのフルモデルチェンジをもって先行リリースされたCUVのクロスオーバーが無地のクラウンを名乗っていたが、2023年10月の「クラウン(スポーツ)」の正式リリースとともに前者は「クラウン(クロスオーバー)」へ変更。同年11月にリリースされたセダンモデルが再び無地の「クラウン」を名乗っている。
- ^ トヨタでは、ガイアの後継ではなく、ブランニューモデルであるとしている。
- ^ a b 札幌トヨタグループ
- ^ トヨタ小野グループ
- ^ T-MIGグループ
- ^ 宮城トヨタグループ(MTG)
- ^ a b NEZASホールディングス
- ^ 神奈川トヨタ自動車は合併後も会社名として継続使用している。
- ^ HAATグループ
- ^ トヨタYOU&iグループ
- ^ ユー・グループ
- ^ 他3社との合併に伴い販売チャネルとしてのトヨタ店ではなくなっている。
- ^ 遠州鉄道グループ
- ^ ATグループ
- ^ 大阪トヨペットグループ
- ^ ヤサカグループ
- ^ a b c 西山グループ
- ^ a b 昭和グループ
- ^ 2022年4月に西九州トヨタ自動車の長崎県内事業を福岡トヨタ自動車が引継ぎ展開している。
- ^ 宮崎トヨタ自動車、トヨタカローラ宮崎、ネッツトヨタ宮崎、ネッツトヨタヒムカ
- ^ 鹿児島トヨタ・諏訪一族グループ
- ^ 東京トヨペット、トヨタ東京カローラ、ネッツトヨタ東京、トヨタ東京販売ホールディングス
- ^ トヨタカローラ横浜、ネッツトヨタ横浜、ネッツトヨタ湘南
- ^ 神奈川トヨタ自動車は合併後も会社名として継続使用している。
- ^ 富山トヨペット、ネッツトヨタノヴェルとやま
- ^ 2022年4月1日にはトヨタレンタリース富山を合併している。
- ^ 長野トヨペット、トヨタカローラ長野、ネッツトヨタ長野
- ^ 沖縄トヨペット、トヨタカローラ沖縄、ネッツトヨタ沖縄
- ^ トヨタカローラ愛豊、ネッツトヨタ愛知、ネッツトヨタ東海
出典
関連項目