カローラセレス(COROLLA CERES)は、トヨタ自動車がかつて生産・販売していた4ドアハードトップ型の乗用車である。
7代目(E100型)カローラシリーズの派生車として1992年5月に発売された。トヨタとしては初のコンパクト(スモール)クラスでの4ドアハードトップ(4ドアクーペ)モデルである。取扱ディーラーはカローラ店で、生産は関東自動車工業(現・トヨタ自動車東日本)横須賀工場で行われていた。
姉妹車にトヨタオート店(現・ネッツ店)扱いのスプリンターマリノがある。相違点はフロントノーズの造形とテールランプのデザインのみ。
カリーナEDやコロナEXiVが生み出した4ドアハードトップブームに乗る形で発売されたモデルだが、その後のRVブームの時期にさしかかると4ドア車そのものの不人気に加え、その低いルーフが生み出す独特のスタイルと引き替えに失った居住性が災いし、販売成績は下落の一途を辿った。
カローラが8代目(E110型)にフルモデルチェンジした1995年以降も、本車はモデルチェンジされることなくE100型のまま生産が継続され、エンジン、トランスミッション、サスペンションなどの主要コンポーネンツのみE110型の部品を移植される形で、1998年7月まで生産が続けられた。
1994年より開催された「全日本ツーリングカー選手権(JTCC)」(通称:ニューツーリング)に土屋エンジニアリングより参戦した。FFの前輪荷重負担の大きさを考慮し、フロントタイヤに18インチ、リアタイヤに15インチと前後異径サイズを使用していることが大きな特徴。基本的にはグループA時代のAE101型カローラレビン・スプリンタートレノで培った技術を採用している。エンジンは3S-GE型を搭載していた。選ばれた理由は、当時のトヨタのこのクラスの中で前方投影面積が最小で空気抵抗面で有利と思われたため。実戦では期待されたストレートもさることながらコーナリング性能も通常のカローラセダンよりも速くなかなかのものだった。
1994年は鈴木恵一・新田守男がドライブした。1994年のドライバーズポイントスタンディングはランキング12位(全29位)。トヨタ車としてはコロナに続いて2番目の成績であった(トヨタ勢はコロナ(6台)、カローラセダン(2台)、カローラセレス(1台)、スプリンターマリノ(1台)が参戦)。
1995年は影山正美がドライブし、第1戦は4位入賞を果たしている。第2戦まで参戦した後、コロナEXiVにチェンジしている。1995年よりレギュレーションが改訂され、公認前後スポイラーを装着した。
ADVANカローラセレスの資料は非常に少ない。画像は「Racing on」や「日本の名レース」などに掲載されている。また、Central Hobbyよりジグソーパズルが発売されている。その他レアな資料としては、1995年3月、横浜ゴム作成の「'95 YOKOHAMA PERFORMANCE RADIALS 販売店様用」(販売店向けタイヤカタログ)の12ページに「ADVAN A032R」の挿絵として活用されている。動画では、横浜ゴム作成のADVANイメージビデオとベストモータリング1994年9月号で確認できている。
JTCCブームもあり、TRDがカローラ(4ドアセダン)とセレスをベースに「TRD2000」というコンプリートモデルを99台限定で発売した(ちなみに発表当日に完売している)。エクステリアは「TRD2000」の専用ステッカーのみで特別な装飾は無いものの、エンジンが通常搭載される1,600ccの4A-GE型から、セリカ(T202型)・MR2(W20型)等や実際のJTCCカーにも搭載される3S-GE型に換装されているのが特徴で、価格も通常のカローラの倍である330万円以上であった。
「COROLLA」はラテン語で「花の冠」という意味を持つ。
「CERES」は、ローマ神話の実りの女神のケレースに因んでいる[4]。
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