ヴァンガード(VANGUARD)は、トヨタ自動車が製造・販売していたクロスオーバーSUVである。「アクティブ&ラグジュアリー」、「高級クロスオーバーSUV」をコンセプトに開発された。従来からある豪華な装飾だけを施こして高級を求める手法ではなく、「質」・「機能」・「装備」を高めて高級感を訴求した車種であった。
2007年8月30日に発売。「Active & Luxury」をテーマに、走行性能と内外装スタイルを融合させる目的で開発された車種である。当モデルは日本国外向けRAV4(3代目)のロングボディ[2]をベースとしており、内外装の設計の多くもそれと共通で、日本向けのRAV4には設定のない、3列7人乗り仕様やV6 3.5Lエンジンが選択できた。
先代にあたるクルーガーが過去2系列(カローラ店・ネッツ店)で販売されていた経緯もあり、トヨペット店およびカローラ店の2系列で販売されていた。実質的にはトヨペット店における2代目ハリアーやカローラ店におけるクルーガーの後継車種とされた[3]ミディアムクラスのクロスオーバーSUVである。
前任のクルーガー(全長4,690mm)と比較すると、全長は4,570mmと一回り以上短くなっており、同じく3列7人乗りを設定している初代三菱・アウトランダー(全長4,640mm)や、2列5人乗りのみの設定である2代目日産・エクストレイル(全長4,590mm)と比較してもさらに短かった。このため、室内長でもクルーガーの2,645mm(7人乗り)や初代アウトランダーの2,515mm(同)と比べ、2,445mmと短くなっており、小型ミニバンのパッソセッテ/ダイハツ・ブーンルミナスの2,550mmやシエンタの2,515mmよりも短く、3列目は非常用と捉えられていた[4]。
背面スペアタイヤはオプション扱いであった。装着しない場合、パンク対策用タイヤ修理キット(シガーライターソケット使用のエアコンプレッサー、パンク修理剤、バルブのセット。パンク修理剤を使用した際は最高速度が80km/hに制限されていた)が別途搭載された。
V6 3.5Lは2012年で終了し、その後は2.4Lのみの販売になっていたが、翌年11月末をもって販売を終了した。
エンジンは、2.4L 直列4気筒の2AZ-FE型、3.5L V型6気筒の2GR-FE型を搭載。プラットフォームは、オーリスなどに用いられている新MCプラットフォームを採用していた。トランスミッションは2.4Lは全グレード7速マニュアルモード付きCVT(SuperCVT-i)、3.5Lはスーパーインテリジェント5速オートマチックが設定されていた。なお、ハリアーおよびクルーガーに用意されたハイブリッドモデルは設定されなかった。
サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リアがダブルウィッシュボーン式。駆動方式は当初4WDのみだったが、2008年8月19日に2.4LエンジンのみにFFが追加された。また4WD車には、前輪駆動状態と四輪駆動状態を自動的に電子制御するアクティブトルクコントロールや、横滑り防止装置、ヒルスタートアシストコントロールが全車標準装備されており、走行安定性も高められていた。
受注台数が、月販目標台数2,500台の3倍以上である8,000台を受注し、好調なスタートを切った。
2008年11月以降、ハリアー 3.5Lモデルの販売終了に伴い、販売数は好調に推移し、トヨタのSUVラインナップにおいても、18か月連続で月間最多登録台数を記録していた。2009年4月は自販連の新車販売台数でランキング30位に入り(ランクインは6度目)、SUV部門全体でも1位(2007年11月以来2度目)となった。
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