エスクァイア (Esquire) は、トヨタ自動車が生産・販売していたMクラス高級ミニバンである。製造はトヨタ車体富士松工場が担当していた。
5ナンバーサイズミニバンであるR8#型ノア・ヴォクシー(以下、まとめて「2車」)をベースに「上質感」と「上級感」、そして「高級感」を持たせることを目的に開発された。2車よりも発表は遅れたが、開発自体は2車と同時に行われていた[1]。
基本的なデザインは2車と共通しているが(フロントバンパーベースについてはノアと同一品で加飾品を変更している)、フロントグリルはアンダーグリルまで伸びたT字構えの大型タイプとし、中心部から両端部にかけてパターンを変化させた縦基調のメッキ加飾バーを配置し、グリルバーとヘッドランプにスモーク加飾を施した。また、サイドにはステンレスベルトモールを配し、アウタードアハンドルにもメッキ加飾を施した。バックドアはアウタードアハンドルのデザインを2車(車名浮き出し文字が一体成型)と変更し、独立した車名バッジがナンバープレート左側付近に配置される。
内装ではエアコンコントロールパネルにピアノブラック塗装を、インパネ助手席側の大型オープントレイとドアトリム上部に金属調加飾とステッチを、メーターは金属調加飾の三眼リングと立体的な文字目盛を採用した。
廉価グレード[注 1]が設定されていないことや、外観にメッキやステンレスの加飾を、内装に合成皮革を多く用いていることもあり、価格帯は2車に比べて高めに設定されている。また、3ナンバー登録のドレスアップモデルは設定されないため[注 2]、全車5ナンバー登録となる。 外装ではノア・ヴォクシーの廉価グレードに設定されているホイールキャップ仕様車は、エスクァイアでは2車との高級感の差別化を図る為に設定されておらず、全グレードアルミホイール仕様車となる。
2車同様に、ガソリン車とハイブリッド車の2つのパワートレインが用意され、仕様も2車と同じである。
ガソリン車は2.0Lの「3ZR-FAE型」にSuper CVT-iを組み合わせて採用し、アイドリングストップシステムも搭載。
ハイブリッド車はリダクション(減速)機構付THS IIを採用し、エンジンは1.8L・ミラーサイクル仕様の「2ZR-FXE」型を採用する。
そうした技術により、車両重量1650kg以下の「Xi」の4WD車を除く全車で「平成27年度燃費基準+20%」を達成した(ハイブリッド車は「平成32年度燃費基準+20%」も達成[注 3])。
英語で男性向け敬称を意味する「ESQUIRE」に由来。フロントエンブレムは、その語源である中世ヨーロッパの従騎士の盾と矛、紳士のスーツ姿の襟元をモチーフにしており、エンブレムには「ESq」(Esq.)の文字が隠されている[1]。
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