bB(ビービー)は、トヨタ自動車で生産(ただし、2代目モデルはダイハツ工業が生産)・販売されていたトールワゴン型の小型車でネッツ店専売車。
初代はヴィッツ(NBCプラットフォーム)、2代目はパッソ/ダイハツ・ブーン(Aプラットフォーム)をベースにしていた。
シンプルかつ実用的で、ユーザーが手を加えやすいデザインとし、当時マイナーであった日本のカスタマイズ文化が一般に定着されることを前提にして開発された。そのため、2000年1月7日に幕張メッセで開催された東京オートサロンにbB専用ブースを設けた上で、ノーマルカーを一切置かずカスタムカーのみで初披露された。その際、トヨタのカスタマイズ部門モデリスタのストリート・ビレット、ディーラーオプション装着車のキャルルックおよびSUPER V セレクションの3台の他、トヨタが選抜した、当時人気のあったアフターマーケット・メーカーであるダムド、Gスクエア、ヴァルド、データシステム、ゼノン、ジアラ、ラッキースター、ケンスタイルのオリジナルエアロパーツを身にまとったドレスアップ/コンプリートカーの合計11台が展示された。なお、アフターマーケット・メーカーのエアロパーツ共々、日本全国のネッツ店で購入し装着する事が可能であった。
初代ヴィッツシリーズのファンカーゴとプラットフォームを共有し、エンジンは1,300ccと1,500ccの2種類が設定された。スタイルは箱型のアメリカンなもので、20歳代の男性をターゲットとした。箱型のボディ形状からなる広い室内や車体前後の見切りのよさなどもあり、幅広い層のドライバーから人気を得、初期受注は計画の6.5倍の32,500台となった。
なお開発にあたっては、ベースの初代ヴィッツ、ファンカーゴが存在していたこともあり、時代を先取りしたバーチャル・リアリティ(仮想的現実)を用いた試作車のいらない「フルデジタル設計」で製作されている。
TRDからコンプリートカー・「TRDターボ」が発売されていた。また、TRDで研修を修了した各ディーラーのメカニックが「TRDターボ」と同じ製品のターボキットを取り付けるチューニングプランも存在した。
先代はヴィッツと同じプラットフォームをベースとしたが、2代目はコストと最小回転半径を小さくするため、パッソ(ブーン)用プラットフォームにベースが変更された(実際、最小回転半径は初代比0.6m縮小され4.9mとなった)。しかし、ホイールベースの延長によって居住性を高め、1.5Lエンジン(詳細は後述)も設定されるなど、パッソより車格が上がっていた。
目標月間販売台数は5,000台(2005年12月当時)と発表されている。先進的かつ迫力あるデザインと若者の心を刺激するオリジナリティあふれる装備内容が評価され、初代bB同様前期型の販売は好調に推移し、発売から1か月間で月販目標台数5,000台の約2.5倍にあたる約1万2,500台を受注。初代に引き続き、若年層のみならず幅広い年齢層から好評を得た[3]。
エクステリアデザインは、初代では「箱」を強調していたが、当時大ヒットとなっていたホンダ・フィットや2代目日産・キューブに対抗するため、先進性も取り入れ、うねりを効かせたさらに派手なデザインとなった。フロントグリルにはネッツ店専売車種であることを表す楕円形に「N」をかたどったエンブレムが付けられ、初代ではバックモニター付車除き装着されていなかった[4]トヨタのCIエンブレムもリアドアに装着された。リアコンビネーションランプの形状は、以前販売されていたWiLL VSにも似た形状となっていた。またアウタードアハンドルが初代のフラップ[要曖昧さ回避]式からグリップ式に、リアナンバープレートの位置が初代のバックドア上からバンパー上に、それぞれ変更となった。
ダイハツブランドでは、「クー」の名称で2006年5月8日に発売された。外装はおとなしめなデザインとなり、装備も実用性を重視し、bBとの差別化を図っていた。なお、2代目はベース車やクー同様ダイハツ工業で生産されていた[注釈 2]。2008年4月10日にトヨタ自動車・ダイハツ工業・富士重工業の3社による業務提携強化を発表し、その一環として、OEM車種のスバル・デックスが同年11月13日に発表・発売された。
快適装備面では、特にオーディオ関連の装備を充実させており、最上級グレードの「Z Q Version」ではコンパクトカーとしては異例の9スピーカーやAUX端子を備え、デジタルオーディオプレーヤーなどのポータブル機器を接続することも可能。さらにPレンジに入っているときのみ使用でき、フロントのシートを沈み込ませることにより、外からの視線をさえぎり、快適な姿勢でくつろぐことのできる「マッタリモード機能付フロントシート」を全グレードに設定していた。グレード体系は「S」・「Z」の2体制を継続し、「X Version」も初代に引き続き設定されたが、「Z」には新たに前述の「Q Version」が設定された。
エンジンは刷新され、1.3Lダイハツ製K3-VE型と、新開発のダイハツ製1.5L3SZ-VE型エンジンが設定された。共に直4DOHC16バルブ。これにより低排出ガス性能が高められ「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得し、2WD車は「平成22年度燃費基準」も達成した。
北米市場向けのサイオン・xBは引き続き2007年まで生産され、日本国外向けカローラセダン /オーリス/ブレイドなどに使用されている新MCプラットフォームを流用したコンセプトモデル・サイオン・t2Bを元に全面改良され、日本市場向けのbBと袂を分かつことになる。なお、同車は国内市場でも2007年10月に「カローラルミオン」の名称で発売された。
当初は同じコンパクトトールワゴンであるファンカーゴと統合される予定であったが、結局はそれぞれフルモデルチェンジすることとなり、ファンカーゴは車名も変えてラクティスとなった。
販売的には、2009年4月以降に実施されたエコカー減税の対象外であったことが影響し、かなりの苦戦を強いられた[注釈 3]。兄弟車であったクーやデックスの販売が終了した後も、bBは2016年8月末まで販売が継続され、発売から10年を超えるロングランモデルとなった。
ブラックボックス (black Box)の頭文字から命名された。なぜ小文字と大文字か、という疑問であるが、それは実際の車体が黒ではないことと、子供も大人も楽しめることを意味している。[要出典]
bBは当初からカスタマイズされることを想定していたため、多くのメーカーからbB用のエアロパーツがラインナップされ、さまざまな形にカスタマイズされている。最近では初代モデルをベースに、全長をストレッチしてリムジン仕様に改造されたモデルまで出現している。ちなみにリムジン仕様は、沖縄県の宿泊施設で宿泊客送迎用に使われている。
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