影山 正美(かげやま まさみ、男性、1967年5月2日 )は、神奈川県藤沢市出身のレーシングドライバー。血液型はRh+B型。元レーシングドライバーの影山正彦は実兄。
経歴
富士スピードウェイでレースデビューを果たした。結果は予選23位、決勝7位入賞というジャンプアップであった。
若手ドライバーがレースキャリアをスタートさせる登竜門として知られていた富士フレッシュマン・シリーズに初参戦。1989年に日産ザウルスカップ(ジュニア・フォーミュラ)でフォーミュラカー・レースにデビュー。1990年に新設されシリーズ初年度であったフォーミュラ・トヨタ・シリーズにステップアップすると、全4戦中3勝を挙げシリーズの初代チャンピオンとなった。同年の影山は全日本F3選手権にもダブルエントリーし、上位カテゴリーとなるF3にもデビューした。当時F3では少数派となっていた日産・CA18Dエンジンで健闘を見せた。同年の全日本F3で全戦を日産エンジンで戦ったのは影山が唯一であった。1991年と1994年にはマカオグランプリF3にも参戦した。
高い完走率と1994年の全日本F3選手権シリーズ2位の成績を有望と見なされ、後にF1ドライバーとなる高木虎之介・中野信治と、影山の3名に全日本F3000選手権(後にフォーミュラ・ニッポンと改称)の第7戦鈴鹿ラウンドに参戦する機会を与えられた。1995年、ヨコハマ・アドバン・タイヤのワークス・ドライバーとしてF3000シリーズにフル参戦。第7戦の十勝では3位表彰台を獲得する。1998年にはシリーズ2位にランクし、シリーズにおけるキャリアハイの成績を収めた。スタンディング・スタートにおける抜群の瞬発力は「ドルフィン・キック」と評され、日本を代表するトップ・ドライバーの一人となっていった。
1989年、当時ツーリングカーの最高位とされていた全日本ツーリング選手権(グループA)に参戦した。また、1995年からの3年間、ヨコハマ・アドバン・タイヤのワークス・ドライバーとして参戦した全日本ツーリングカー選手権(JTCC)においても、後にル・マン24時間を9度制覇しルマン・マイスターと呼ばれるようになるレジェンド、トム・クリステンセンを相手に健闘を示した。
1990年からN1耐久シリーズ(1995年にスーパー耐久シリーズと改称)に参戦し、1992年と2007年にはチャンピオンを獲得した。N1耐久には毎年恒例となっている24時間レースがあり、十勝インターナショナル・スピードウェイで行われているこのレースに8回参戦し、2度の優勝と3度の2位を獲得。彼のチームは常に完走を果たしており、走りぬくことが難しいとされるこのレースにおいて好成績を収めている。
グループAは体制を新しくし、1994年に全日本GT選手権と改称された(2005年にSUPER GTと改称)。1997年にはシリーズ2位となり、日産のワークスドライバーとなった翌1998年にはチームメイトの元F1ドライバー、エリック・コマスと共に日産GT-Rでシリーズ・チャンピオンを獲得した。その後、2000年にシリーズ2位、2003年にシリーズ3位を獲得し、2004年に通算9勝でGT最多勝ドライバーとして表彰を受けた。2005年以降、日産の若手ドライバー育成及び車両開発プロジェクトの一翼を担うようになり、GT300クラスに350Zで参戦。
高い開発能力を買われ、韓国のハンコックタイヤから開発を依頼され、2008年はハンコックのワークス・ドライバーとして参戦した。同年はシリーズ最多出場ドライバーとして、111戦の参戦という功績を讃えられ、再びSUPER GTより表彰された。
海外レースへの参戦では、5回に及ぶル・マン24時間レースへの参戦が挙げられる。同レースには1996年にトヨタの若手育成プログラムの一員として初参戦して以後、1998年と1999年に日産ワークス・チームの一員としてチーム・メイトである元F1ドライバー、鈴木亜久里と共に参戦した。2000年及び2008年にもル・マンに参戦し、第68回大会である2000年にはLMP1クラスで6位という自身の参戦中最高位を獲得した。
2014年時点での全日本GT選手権・SUPER GTを通じて唯一21年連続参戦ドライバーであった。また、ポルシェ・カレラカップジャパン(PCCJ)のオフィシャルアドバイザー、ポルシェ・レーシングエクスペリエンス(PRE)チーフインストラクター、ポルシェGT3チャレンジカップ(GT3CC)個人アドバイザーなどを務めている。
レース戦績
- 1987年 - 富士フレッシュマンシリーズで、レースデビュー
- 1988年 - 富士フレッシュマンシリーズ・TS1300(#16 レイトンハウストリイサニー/サニーB310)(シリーズ7位)
- 1989年 - 全日本ツーリングカー選手権・ディビジョン3(#20 トヨタ・カローラレビン)(シリーズ25位)
- 1990年
- フォーミュラ・トヨタ(シリーズチャンピオン)
- ザウルスカップ・関東シリーズ(シリーズ4位)
- N1耐久シリーズ
- 全日本F3選手権(#81 オロナミンC RT TOMEI/ラルトRT33→RT34・日産CA18DE)
- 1991年
- 1992年
- 全日本F3選手権
- N1耐久シリーズ・クラス2(シリーズチャンピオン)
- 全日本ツーリングカー選手権・ディビジョン3(スポット参戦)(シリーズ9位)
- インターナショナルF3リーグ・富士
- 1993年
- 全日本F3選手権(#16 SAS・JUST・TOMEI/ラルトRT36・無限MF204)(シリーズ15位)
- 全日本ツーリングカー選手権・ディビジョン3(#32 アルパイン・シビック)(シリーズ12位)
- N1耐久シリーズ・クラス2(#21 ギャザズFALKENプレリュード)
- インターナショナルF3リーグ・富士
- 1994年
- 全日本F3選手権(TOM'S #16 TOM'S 033F/トムス033F・トヨタ3S-G)(シリーズ2位・1勝)
- N1耐久シリーズ・クラス1(#2 Projectμ BP GT-R)(シリーズ2位・2勝)
- 全日本ツーリングカー選手権<Rd.3-4 SUGO スポット参戦>(TOM'S #37 エッソ トヨタ コロナ)(シリーズ21位)
- 全日本F3000選手権(最終戦鈴鹿スポット参戦)
- 1995年
- 全日本F3000選手権(ADVAN ローラ MF308/ローラT95-50・無限MF308)(シリーズ13位)
- 全日本ツーリングカー選手権(土屋エンジニアリング #25 STP ADVAN セレス→STP ADVAN エクシヴ)(シリーズ10位)
- 全日本GT選手権・GT1クラス(Team LeMans #25 FEDEX 300ZX-LM)
- 1996年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(ADVAN PAL CHECKERS #7)(シリーズ11位)
- 全日本ツーリングカー選手権(土屋エンジニアリング #25 ADVAN エクシヴ)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(BROS FACTRYs #25 FEDEX 300ZX-GTS)
- ル・マン24時間耐久レース
- 1997年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(NAVI CONNECTION #27)(シリーズ5位)
- 全日本ツーリングカー選手権(土屋エンジニアリング #25 ADVAN エクシヴ)(シリーズ6位)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(TOYOTA TEAM SARD #39 DENSO SUPRA GT)(シリーズ2位・2勝)
- 1998年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(SHIONOGI TEAM NOVA #1)(シリーズ2位・2勝)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(NISMO #23 ペンズオイル・ニスモGT-R)(シリーズチャンピオン・2勝)
- ル・マン24時間耐久レース
- 1999年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(BE BRIDES IMPUL #19)(シリーズ6位・1勝)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(TEAM IMPUL #12 カルソニックスカイライン)(シリーズ6位)
- ル・マン24時間耐久レース
- 2000年
- 全日本GT選手権・GT500クラス(NISMO #1 ロックタイト・ゼクセルGT-R)(シリーズ2位・1勝)
- ル・マン24時間耐久レース
- 2001年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(COSMO OIL RACING TEAM CERUMO #11)(シリーズ9位)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(NISMO #23 ペンズオイルゼクセルGT-R)(シリーズ4位)
- 2002年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン<スポット参戦>(Team LeMans #7)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(NISMO #23 カストロールピットワークGT-R)(シリーズ19位)
- 2003年
- 全日本GT選手権・GT500クラス(NISMO #22 モチュールピットワークGT-R)(シリーズ3位・1勝)
- 第10回十勝24時間レース・Class1(FALKEN MOTOR SPORTS #33 FALKEN PORSCHE)
- 2004年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン<スポット参戦>(COSMO OIL RACING TEAM CERUMO #12)
- 全日本GT選手権・GT500クラス(NISMO #22 モチュール ピットワーク Z)(シリーズ9位・1勝)
- スーパー耐久シリーズ・Class1(TEAM PCJ ADVAN #24 PCJ ADVAN PORSCHE)(シリーズ4位)
- 2005年
- SUPER GT・GT300クラス(ENDLESS SPORTS #13 エンドレスアドバンZ)(シリーズ6位・1勝)
- スーパー耐久シリーズ・Class1(ENDLESS SPORTS #3 エンドレスアドバンZ)(シリーズ4位)
- D1グランプリ(ORC Z33)(1回戦敗退)
- 2006年
- SUPER GT・GT300クラス(ENDLESS SPORTS #13 エンドレスアドバンCCI Z)(シリーズ4位)
- スーパー耐久シリーズ・Class1(ENDLESS SPORTS #3 エンドレスアドバンZ)(シリーズ2位)
- 2007年
- SUPER GT・GT300クラス(ENDLESS SPORTS #13 エンドレスアドバン洗剤革命Z)(シリーズ5位・1勝)
- スーパー耐久シリーズ・Class1(ENDLESS SPORTS #3 エンドレスアドバンZ)(シリーズチャンピオン・5勝)
- 2008年
- SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE )(シリーズ21位)
- 第15回十勝24時間レース・IP-4クラス(NISMO #35 MOTUL NISMO GT-R/GT-R R35)
- 2009年
- SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE )(シリーズ9位・2勝)
- Asian LeMans Series LM-GT2クラス(HANKOOK KTR #97 HANKOOK PORSCHE )(総合6位)
- 2010年
- SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE )(シリーズ16位)
- スーパー耐久シリーズ・Class3(TECHNO FIRST RACHNG #34 technoasset・テクノZ34・nismo)(1勝)
- 2011年 - SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE )(シリーズ3位・1勝)
- 2012年 - SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE )(シリーズ2位・2勝)
- 2013年 - SUPER GT・GT300クラス(HANKOOK KTR #33 HANKOOK PORSCHE )(シリーズ19位)
- 2014年
- SUPER GT・GT300クラス(apr #30 IWASAKI apr GT-R ) (シリーズ32位)
- Lamborghini Blancpain Super Tofeo World Final スポット参戦
- 2015年 - LAMBORGHINI BLANCPAIN SUPER TROFEO ASIA SERIES 参戦
全日本フォーミュラ3選手権/全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権
全日本F3000選手権/フォーミュラ・ニッポン
全日本GT選手権/SUPER GT
全日本ツーリングカー選手権(JTC)
全日本ツーリングカー選手権(JTCC)
ル・マン24時間レース
関連項目
外部リンク
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全日本GT選手権 |
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SUPER GT |
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- 194 - 95年まではGT1クラス。
- 294 - 95年まではGT2クラス。
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