十代目 松本 幸四郎(じゅうだいめ まつもと こうしろう、1973年〈昭和48年〉1月8日 - [3])は、歌舞伎役者、日本の俳優。屋号は高麗屋。定紋は浮線蝶、替紋は四ツ花菱[1][2]。歌舞伎名跡「松本幸四郎」の当代。日本舞踊松本流の三世家元を兼ねる。東京都港区出身。身長175cm、体重80kg、血液型AB型[5]。本名は藤間 照薫(ふじま てるまさ)[3]。松竹エンタテインメント業務提携[6]。
概要
豊かな演技力で古典から復活狂言、上方歌舞伎から新作歌舞伎まで挑戦し、二枚目から実悪、色悪、女方までつとめる。また、父と同じ、万能型であり『アマデウス』や劇団☆新感線の舞台など、歌舞伎以外の演劇でも幅広い活躍を見せ、テレビ俳優としても知られる。
2008年(平成20年)には江戸川乱歩の推理小説『人間豹』の歌舞伎化を企画。父・九代琴松(=九代目幸四郎)演出のもとで『江戸宵闇妖鉤爪(えどの やみ あやしの かぎつめ)』を国立劇場で上演した。原作の時代背景である昭和初期の東京を幕末の江戸に置き換えたこの新作歌舞伎で、染五郎は神谷芳之助と「人間豹」こと恩田乱学の二役を演じた。隠密廻り同心・明智小五郎は父・九代目幸四郎が演じている。
若手の歌舞伎役者を中心とした草野球チームを結成しており、幸四郎は投手を務めている。このチームのメンバーには幸四郎のほか、二代目中村獅童、十一代目市川海老蔵、二代目尾上松也などが名を連ねている。
2003年に、高校時代からの友人である関園子と結婚した。2005年に長男の齋(いつき)、2007年には長女の薫子(かおるこ)が生まれている。2009年に長男・齋は四代目松本金太郎を襲名して歌舞伎座で初舞台を踏み、2012年には長女・薫子が芸名・松田美瑠(まつだ みる)として舞踊の初舞台を踏んだ。
なお、美瑠の初舞台の公演(日本舞踊松本流「第十回松鸚会」宗家松本幸四郎古希記念舞踊公演、東京・国立劇場大劇場、2012年8月)で、舞踊劇に出演中の染五郎が舞台の迫(せり)から奈落に転落し、右手首複雑骨折などの大けがを負った。この負傷により、しばらく休業を余儀なくされたが、同年10月には復帰会見を行い[7]、翌2013年2月に日生劇場で行われた2月公演で歌舞伎舞台に復帰した[8]。
2016年12月、2018年1月に父が隠居名・「松本白鸚」を二代目として襲名することに伴い、自らも高麗屋の当主名・「松本幸四郎」を十代目として襲名し、同時に長男に染五郎の名を譲ることを発表した[9]。
2018年1月2日、高麗屋三代襲名披露公演『壽 初春大歌舞伎』(歌舞伎座)初日にて、十代目松本幸四郎を襲名した[10]。
2020年3月12日、2024年5月に公開予定の映画『鬼平犯科帳』(監督・杉田成道)で、主役の長谷川平蔵役に抜擢されたことが発表された。祖父、八代目松本幸四郎(初代松本白鸚)のテレビでの当たり役であり、叔父である二代目中村吉右衛門も28年間にわたり演じた「鬼平」を継承、ということになり、祖父から数えると五代目鬼平となる[11]。
年譜
- 2003年11月 - 高校時代からの友人・関園子と結婚。
- 2005年3月 - 長男・藤間齋(ふじま いつき)誕生。
- 2007年2月 - 長女・藤間薫子(ふじま かおるこ)誕生。
- 2007年6月 - 歌舞伎座『侠客春雨傘』で藤間齋が初お目見え。父・九代目幸四郎と共に高麗屋三代の顔見世。
- 2009年6月 - 歌舞伎座『門出祝寿連獅子』で齋が四代目松本金太郎を襲名して初舞台。
- 2012年8月27日 - 国立劇場『第十回松鸚会 宗家松本幸四郎古希記念舞踊公演』にて、長女・薫子が芸名・松田美瑠(まつだ みる)としてデビューした。この舞台での共演の途中、染五郎が舞台の迫から奈落に転落し重傷を負う[13]。
- 2016年12月8日 - 十代目松本幸四郎襲名を発表[9]。
- 2018年1月2日 - 歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』にて、松本幸四郎を十代目として襲名[10]。
受賞歴
人物
- 子供の頃からザ・ドリフターズのとりこで「土曜日だけは夜9時まで起きていても良くて、8時だョ!全員集合を父も含めて家族全員で見ていました」と語り、「市川染五郎さんに長女が生まれました、8時だよ、全員集合!」といかりや長介が全員集合の冒頭で言ったことを後から知って嫉妬した[17]。
- 狐忠信役の役者に扮した加藤と黒衣の志村によるコント「吉野山」は市川猿之助と2016年8月に歌舞伎座で上演した「東海道中膝栗毛」の中で逆輸入した[17]という。
- 小学生の頃、壁を相手にした「ひとり野球」をしていたことが有名[18]。自分で6球団を考え、正の字のスコアブックをつけていた。
- 大の巨人ファン。2024年5月6日、劇場版『鬼平犯科帳 血闘』のプロモーションとして巨人・阪神戦(東京ドーム)の始球式に背番号546で登場し、長年の夢を叶えた[19]。
- ゲーム『逆転裁判』にハマり、(謎解きモノにもかかわらず)何度もプレイしていた[20]。
- 10代の頃、仙道敦子のファンクラブに入っており、仙道が鬼平犯科帳で平蔵の妻・久栄を演じた際、撮影所で仙道本人に告白した[21]。
- 生牡蠣だけで/砂肝だけでお腹いっぱいになってみたい[22][注釈 1]。
出演
歌舞伎
復活上演
新作歌舞伎
テレビドラマ
NHK
日本テレビ
テレビ朝日
TBS
テレビ東京
フジテレビ
時代劇専門チャンネル
映画
舞台
劇場アニメ
ゲーム
教育番組
バラエティ
ラジオ
CM
画像
脚注
注釈
- ^ なお父・松本白鸚は若い頃に寿司屋で赤貝48貫を食べ、寿司屋に怒られたという
- ^ 1931年初演作品の88年ぶりの再演
- ^ 『逆転裁判』シリーズ1作目からの愛好家[34]。
出典
関連項目
外部リンク
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太字は恩賜賞受賞者。名跡は受賞時のもの。表記揺れによる混乱を避けるため漢字は便宜上すべて新字体に統一した。 |
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※2017年度は授賞式中止
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