第84回アカデミー賞(だい84かいアカデミーしょう)は、2011年の映画を対象としており、2012年2月26日に発表・授賞式が行われた。司会はビリー・クリスタル。
2011年9月、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は司会を務めるのはエディ・マーフィであると発表した[3]。しかし11月、授賞式プロデューサーのブレット・ラトナーが降板したことにより[4]、アカデミーは過去に司会を務めたクリスタルに交代すると発表された[5]。
第84回アカデミー賞のノミネートは2012年1月24日にサミュエル・ゴールドウィン・シアター(英語版)でAMPAS会長のトム・シェラックと女優のジェニファー・ローレンスによって発表された[6][7]。授賞式は2012年2月26日に行われた。
受賞とノミネート
太字が受賞者である。
特別賞
特別賞を贈る第3回ガヴァナーズ賞(英語版)授賞式が行われた[8]。
アカデミー名誉賞
ジーン・ハーショルト友愛賞
複数ノミネート・受賞作品
- 複数ノミネート作品
- 複数受賞作品
プレゼンターとパフォーマー
プレゼンター
パフォーマー
『イン・メモリアル』トリビュート
『イン・メモリアル』トリビュートは司会のビリー・クリスタルがプレゼンターを務めた。ジャズ歌手のエスペランサ・スポルディングがルイ・アームストロングの曲「この素晴らしき世界」を南カリフォルニア児童合唱団と共に歌い、2011年から2012年初めにかけて亡くなった映画業界人の追悼映像が流された。
この他で、石岡瑛子、ジェフ・コナウェイ、ハリー・モーガン、マイケル・ガフ、ババ・スミス、ラウル・ルイス、テオ・アンゲロプロスが取り上げられていないと指摘された[15]。
新たな規則変更
2011年6月14日、アカデミー会長のトム・シェラクにより、以下の部門での規則が変更になったと発表された[16]。
- 作品賞: 最終的な候補作品は5本ないし10本である。これまでと同様に選好投票が行われるが、今回からは最低でも全体の5%から1位指名を受ける必要がある。アカデミーのエグゼクティブ・ディレクターのブルース・デイヴィスは、「作品賞へのノミネートは『たぐいまれな功績』を示すものでなければならない。作品賞に値する作品が8作しかなかった年に無理に四捨五入する必要はない」と説明した。
- 長編アニメ映画賞: これまでは毎年設置の可否が検討されていたが、今後は対象作品が8本を下回った場合をのぞいて自動継続となることが決定した[17]。
- 長編ドキュメンタリー映画賞: 本部門の資格期間が変更された。それまでは前年の9月1日から翌年の8月31日の間に上映されていた作品が対象であったが、今回より同一年の1月1日から12月31日の間に変更された。なお、第84回アカデミー賞では2010年9月1日から2011年12月31日の間に公開されたドキュメンタリー映画が対象となる。
- 視覚効果賞: 本部門ではこれまで、公式なノミネート発表の数週間前に選考対象作品7本が先行発表されていた。第83回より本部門の候補枠が3本から5本に増えたことに伴い、先行発表作も10本となった。
投票傾向
今回ノミネート以前に1億ドル以上を売り上げた作品賞ノミネート作は1本のみであった(前年は3本あった)[18]。ノミネートが発表された2012年1月24日時点で最も興行収入が高かったのは『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で1億5960万ドル、次いで『マネーボール』の7550万ドル、以下、『戦火の馬』(7230万ドル)、『ミッドナイト・イン・パリ』(5640万ドル)、『ヒューゴの不思議な発明』(5590万ドル)、『ファミリー・ツリー』(5130万ドル)、『ツリー・オブ・ライフ』(1330万ドル)、『アーティスト』(1330万ドル)、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(1070万ドル)であった[19]。
記録
- 『別離』は外国語映画賞を受賞したが、これはイラン映画としては初のことである[24]。
脚注
- ^ Oscar Insider (2012年2月13日). “Oscars® Pre-Show Team Comes Together!”. AMPAS. http://oscar.go.com/blogs/oscar-news/oscars-pre-show-team 2012年2月27日閲覧。
- ^ a b “Brian Grazer replacing Brett Ratner as new Oscar producer”. Inside Movies. Entertainment Weekly (2011年11月9日). 2011年11月9日閲覧。
- ^ http://www.oscars.org/press/pressreleases/2011/20110906.html
- ^ “Academy Statement Regarding Brett Ratner”. oscars.org. 2011年8月11日閲覧。
- ^ http://tvbythenumbers.zap2it.com/2011/11/10/billy-crystal-to-return-as-host-for-84th-academy-awards/110348/?utm_campaign=WP>Twitter&utm_medium=twitter&utm_source=twitter
- ^ BBC2012Noms. “Oscars 2012: Nominees in full”. BBC News. BBC. 2012年1月24日閲覧。
- ^ Lauren Schutte (2012年1月9日). “'Hunger Games' Star Jennifer Lawrence to Announce Academy Awards Nominations”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/jennifer-lawrence-hunger-games-oscars-nominations-279717 2012年1月20日閲覧。
- ^ Kilday, Gregg (2011年8月2日). “Oprah Winfrey to Receive Academy's Hersholt Humanitarian Award”. The Hollywood Reporter. Prometheus Global Media. 2012年1月25日閲覧。
- ^ "Tina Fey to Present at 84th Academy Awards Oscar Sunday, February 26, AMPAS, February 17, 2012.
- ^ "Kermit the Frog and Miss Piggy to Present at 84th Academy Awards", AMPAS, February 17, 2012.
- ^ Will Ferrell and Zach Galifianakis to Present at 84th Academy Awards® Oscar® Sunday, February 26, AMPAS, February 21, 2012.
- ^ "Milla Jovovich to Host Academy's Sci-Tech Awards", AMPAS, February 6, 2012.
- ^ Stylist Kate Young to dress Portman Fashion, Shopping & Style
- ^ Michael Thurston (2012年2月19日). “Hollywood gears up for Oscars”. Yahoo! News. オリジナルの2012年2月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120222230302/news.yahoo.com/hollywood-gears-oscars-103106911.html 2012年2月20日閲覧。
- ^ http://www.vulture.com/2012/02/who-was-left-out-of-the-oscars-in-memoriam-montage.html
- ^ “Academy Builds Surprise Into Best Picture Rules”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. (2011年6月14日). http://www.oscars.org/press/pressreleases/2011/20110614a.html 2011年6月15日閲覧。
- ^ “アカデミー賞、長編アニメ賞でも選考ルール変更 ノミネート増で日本に影響大!?【第84回アカデミー賞】”. シネマトゥデイ. (2011年6月20日). https://www.cinematoday.jp/news/N0033191 2012年1月25日閲覧。
- ^ “2010 Academy Award Nominations”. Box Office Mojo. 2011年3月2日閲覧。
- ^ “Oscars 2012: 'The Help' has biggest box office among nominees”. Tribune Company. (2012年1月25日). http://latimesblogs.latimes.com/movies/2012/01/box-office-help-academy-awards-moneyball.html 2012年1月25日閲覧。
- ^ “Oldest/Youngest Acting Nominees and Winners by Category”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences (2011年). 2012年2月27日閲覧。
- ^ The Telegraph (2012年2月24日). “The Oscars 2012 in numbers”. The Daily Telegraph. 2012年2月26日閲覧。
- ^ Guiness World Records (2012年2月24日). “Oscars 2012: Meryl Streep extends record tally for most nominations”. guinnessworldrecords.com. 2012年2月26日閲覧。
- ^ Norman, Barry (2012年1月30日). “Meryl's magic! As she gets a record 17th Oscar nomination, the many faces of Ms Streep”. Daily Mail. 2012年2月26日閲覧。
- ^ Michaud, Chris (2012年2月26日). “Iran's 'A Separation' wins best foreign language Oscar”. Chicago Tribune. 2012年2月27日閲覧。
- ^ Nasir, Farhat. “Pakistani Film "Saving Face" on Acid Attacks Wins Oscar!”. HitechAnalogy. 2012年2月28日閲覧。
関連項目
外部リンク