ハンス・ジマー(Hans Zimmer、ハンス・ツィマー、1957年9月12日 - )は、ドイツ出身の作曲家。映画音楽の制作で知られる。
これまでに計12回のアカデミー賞ノミネート(内受賞2回)、計15回のゴールデングローブ賞ノミネート(内受賞3回)、計4回のグラミー賞受賞など、数多くの受賞経験を有する最も著名な映画音楽作曲家の一人である。
10代でイギリスに渡り、その後アメリカに移り住む。現在は妻スザンヌと4人の子供とともにロサンゼルス在住[1][2]。
来歴・人物
西ドイツ(当時)のフランクフルトで生まれ、10代でイギリス・ロンドンに移住し、学費が高いことでも知られる名門ハートウッド・ハウス・スクールに通う[3]。キーボードとシンセサイザーの演奏者として、「ラジオ・スターの悲劇」で有名なバグルスなどのバンドと仕事をしていた(「ラジオ・スターの悲劇」のミュージックビデオで、ジマーの姿を確認できる)。
1980年代にイギリスの映画音楽作曲家スタンリー・マイヤーズに師事した後、渡米。1988年の『レインマン』の音楽がアカデミー賞にノミネートされ、一躍脚光を浴びる。
2000年代以降は、特にクリストファー・ノーラン監督とのタッグで知られ、『バットマン ビギンズ』以降の長編7作品中6作品で作曲を担当しており、内3回でオスカー・ノミネーションを果たしている。
後進の育成に積極的であり、自身が率いる作曲家グループ「リモート・コントロール・プロダクション」(旧名:メディア・ヴェンチャーズ・エンタテインメント・グループ)の門下生には、マーク・マンシーナ、トレヴァー・ラビン、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ、ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ、クラウス・バデルト、スティーヴ・ジャブロンスキー、ラミン・ジャヴァディ、ローン・バルフ等がいる。
1994年の『ライオン・キング』、2021年の『DUNE/デューン 砂の惑星』でアカデミー作曲賞および、ゴールデングローブ賞を受賞する。
作品の特徴
特徴
シンセサイザーとオーケストラをミックスさせた、壮大で耳当たりの良いメロディアスな楽曲が特徴的である。低音域の強調やミュート、コーラスなども効果的に用い、映像の展開や演者の動き、また心境の変化などにも合わせた緻密な編曲を組むだけでなく、場面や舞台に応じた幅広いジャンルの曲調を操ることもできる。従来はバックグラウンドで単調に流される傾向が強かった映画音楽の役割を、これまで以上に演出効果の一部として音楽に担わせることを成功させている。
作曲にはWindowsマシン上のCubaseを用いており、彼オリジナルのサンプル音源やVST Expressionを駆使して自分の頭の中で鳴る音楽を表現してきた。
その他
『ザ・ロック』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』のテーマは特に有名。
日本ではフジテレビ系で放送されていた『料理の鉄人』のBGMにも使われた、映画『バックドラフト』のテーマ曲などが有名である。また日米両国で大ヒットを記録した『ラスト サムライ』のサントラ作曲を手掛けたが、これはちょうど彼の100作品目という節目であった。
また、世界的人気ゲームである『Call of Duty』シリーズの1作品である『Call of Duty: Modern Warfare 2』にて初めてゲームに楽曲を提供し話題になった。
類似楽曲による提訴問題
彼の手掛けた『グラディエーター』のスコアはゴールデングローブ賞の音楽賞を受賞したほか、アカデミー作曲賞にノミネートされるなど高い評価を受けたが、ホルストの組曲「惑星」の「火星」やワーグナーの「ニーベルングの指環」と酷似しているという指摘を受け、2006年にホルスト財団から著作権侵害で訴訟を起こされた。ジマー側は盗作ではないと主張し全面的に争っている[4][注 1]。
主な作曲作品
関わったその他の作品
関連人物
脚注
注釈
- ^ これについてジマーは、同作品のサントラの追加版CDアルバム『モア・ミュージックfromグラディエーター』のノートの中で、「(12曲目:グラディエーター・ワルツについて)多くの人々が、この楽曲はホルストの惑星を思い出させると感想を述べてくれた。確かに私はホルストと同じ言語、ヴォキャブラリーを使っているが、シンタックスまで同じだとは言わない」とか、「(6曲目:剣闘士(グラディエーター)となった奴隷について)すでにお分かりのように、これはワーグナー作品の模造品である」とコメントをしている[5][6]
出典
外部リンク
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