ヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis, 1965年8月11日 - )は、アメリカ合衆国の女優、プロデューサー。日本では「ヴィオラ」表記が定着しているが[1][2]、本来ファースト・ネームは「ヴァイオラ」と発音する[3][4][5]。2017年までにアカデミー賞、エミー賞、トニー賞を受賞し、演劇の三冠王を達成。
略歴
サウスカロライナ州カルフーン郡セント・マシューズ出身。6人兄弟の五番目[6]。父親は馬の調教師、母親はメイド、主婦であった[7][8][9]。
Rhode Island Collegeで演劇を専攻して1988年に卒業[10]。その後ジュリアード音楽院で4年学ぶ[8]。
1993年にジュリアード音楽院を卒業後、1999年に「 Everybody's Ruby」のルビー・マッカラム(英語版)役の演技でオビー賞を受賞。1990年代後半から2000年代にかけて、『ニューヨークの恋人』(2001年)、『エデンより彼方に』(2002年)、『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』など、いくつかの映画やテレビシリーズで支持を獲得。2001年、オーガスト・ウィルソン(英語版)の「キング・ヘドリー2世(英語版)」で、トニー賞演劇助演女優賞(英語版)を受賞。2008年、映画『ダウト〜あるカトリック学校で〜』の演技は彼女にゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞助演女優賞、アカデミー助演女優賞などの候補や受賞をもたらした。デイヴィスは2010年代に大きな成功を収めた。2010年、オーガスト・ウィルソンの戯曲『フェンス(英語版)』でトニー賞 演劇主演女優賞を受賞[11]。2011年、コメディドラマ『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で主役の1960年代の家庭教師役を演じ、アカデミー主演女優賞の候補となり、全米映画俳優組合賞主演女優賞を受賞した[12][13]。
2014年からABCテレビドラマ『殺人を無罪にする方法』で弁護士アナリーズ・キーティング(英語版)役を演じており、2015年に黒人女性として初めてプライムタイム・エミー賞主演女優賞ドラマ部門(英語版)を受賞した。2016年、映画『スーサイド・スクワッド』でアマンダ・ウォラー役を演じ、以前出演した演劇を映画化した『フェンス』に出演[14]。後者の演技でアカデミー賞、英国アカデミー賞、クリティクス・チョイス・アワード、全米映画俳優組合賞、ゴールデングローブ賞などを受賞[15][16]。デイヴィスは夫ジュリアス・テノンと製作会社ジュヴィ・プロダクションを創設した。2015年の『Lila & Eve』、2016年に『ジュリアン』の製作を手掛けた[17]。彼女は3度アカデミー賞の候補となり、1度受賞した唯一の黒人女性であり、演技の三冠王を達成した唯一の黒人俳優である[18][19][20]。2012年と2017年に、雑誌『タイム』による「世界で最も影響力のある100人」に選出された[21][22]。
自叙伝『Finding Me』でグラミー賞最優秀朗読アルバムを受賞し、EGOT達成。
私生活
私生活では2003年に俳優のジュリアス・テノンと結婚。ジュリアスには以前の関係でもうけた2人の子供がおり、2011年にはヴィオラとの初めての子となる娘を養子に迎えた[23]。
主な出演作品
映画
テレビシリーズ
年 |
日本語題 原題 |
役名 |
備考 |
吹き替え
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1996 |
NYPDブルー NYPD Blue |
女性 |
第4シーズン第1話「決意」 |
|
2000 |
City of Angels |
リネット・ピーラー看護婦 |
計24話出演 |
—
|
2001 |
プロビデンス Providence |
エレノア・ワイス |
第4シーズン第4話「You Can Count on Me」 |
|
堕ちた弁護士 -ニック・フォーリン- The Guardian |
弁護士 |
第1シーズン第5話「幼馴染」 |
|
サード・ウォッチ Third Watch |
マーゴ・ロドリゲス |
第3シーズン第8話「Act Brave」 |
|
2002 |
LAW & ORDER:犯罪心理捜査班 Law & Order: Criminal Intent |
テリー・ランドルフ |
第1シーズン第20話「警察官の誇り」 |
|
CSI:科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation |
キャンベル弁護士 |
第3シーズン第6話「死刑執行停止」 |
|
2003 |
ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル The Practice |
アイシャ・クレンショー |
第8シーズン第1話「We the People」 |
|
2003-2008 |
LAW & ORDER:性犯罪特捜班 Law & Order: Special Victims Unit |
ドナ・エメット |
計7話出演 |
|
2004 |
Century City |
ハンナ・クレイン |
計9話出演 |
—
|
2005 |
スレッシュホールド 〜The Last Plan〜 Threshold |
ヴィクトリア・ロッシ |
第1シーズン第5話「Shock」 |
|
2006 |
WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! Without a Trace |
オードリー・ウィリアムズ |
第4シーズン第23話「命の格差」 |
|
2007 |
Traveler |
ジャン・マーロウ捜査官 |
計8話出演 |
—
|
2008 |
ブラザーズ&シスターズ Brothers & Sisters |
エレン・スナイダー |
第2シーズン第14話「戸惑いの波」 |
|
アンドロメダ・ストレイン The Andromeda Strain |
シャーリーン・バートン博士 |
全4話のミニシリーズ 計3話出演 |
|
2010 |
ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ United States of Tara |
リンダ・P・フレイジャー |
計6話出演 |
|
2014-2020 |
殺人を無罪にする方法 How to Get Away with Murder |
アナリーズ・キーティング |
主演、計90話出演 兼製作(計16話) 2015年プライムタイムエミー賞主演女優賞ドラマ部門受賞、2016年と2017年同賞ノミネート |
五十嵐麗[31]
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2018 |
スキャンダル 託された秘密 Scandal |
第7シーズン第12話「正義への道のり」
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2022 |
ピースメイカー Peacemaker |
アマンダ・ウォラー |
計2話出演(クレジットなし) |
上村典子
|
ファーストレディ The First Lady |
ミシェル・オバマ |
計10話出演 兼製作総指揮 |
皆川純子
|
出典
- ^ “ヴィオラ・デイヴィス、黒人女優として初の快挙。”. VOGUE JAPAN (2017年2月28日). 2017年3月1日閲覧。
- ^ “第89回アカデミー賞助演女優賞はヴィオラ・デイヴィス”. 映画ナタリー (2017年2月27日). 2017年3月1日閲覧。
- ^ 小西友七; 南出康世 (25 April 2001). "Viola". ジーニアス英和大辞典. ジーニアス. 東京都文京区: 大修館書店 (published 2011). ISBN 978-4469041316. OCLC 47909428. NCID BA51576491. ASIN 4469041319. 全国書誌番号:20398458。
- ^ Oscars 2017: Performance by an Actress in a Supporting Role Nominees(18s〜) - YouTube - 2017年3月1日閲覧。
- ^ ABCのツイート(836045171988975620) - 2017年3月1日閲覧。
- ^ "Viola Davis’ path from poverty in Central Falls to Hollywood glamour" February 22, 2009, Providence Journal.
- ^ Veteran Actors, First Time Nominees.
- ^ a b Buckley, Michael (2004年3月14日). “Chats with Intimate Apparel's Viola Davis and New York Newcomer, King Lear's Geraint Wyn Davies”. Playbill.com. 2008年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月22日閲覧。
- ^ "Viola Davis: "The Help" and "Daring Yourself to Dream Big". Archived 2011年10月4日, at the Wayback Machine. August 1, 2011, Life Goes Strong.
- ^ RIC to Award 1,300 Degrees at Commencement Exercises, from the website of Rhode Island College.
- ^ Boroff, Philip (June 14, 2010). “Denzel Washington, Viola Davis, ‘Memphis,’ Win Top Tony Awards”. Bloomberg L.P.. July 8, 2012閲覧。
- ^ SAG Awards 2012: Complete list of winners The Associated Press via New York Daily News, January 30, 2012.
- ^ “The 100 Most Influential People In The World”. Time. (April 18, 2012). http://www.time.com/time/specials/packages/article/0,28804,2111975_2111976_2112127,00.html
- ^ “Viola Davis announces 'Fences' wrap: let the Oscar campaigns begin”. Serving Cinema. (June 14, 2016). http://servingcinema.com/2016/06/viola-davis-fences-pittsburgh/ January 9, 2017閲覧。
- ^ “Viola Davis Wins First Golden Globe for ‘Fences’”. Variety. (January 8, 2017). http://variety.com/2017/tv/awards/viola-davis-golden-globes-win-supporting-actress-fences-1201953647/ January 9, 2017閲覧。
- ^ “Critics Choice Awards 2016: Viola Davis wins best supporting actress”. Entertainment Weekly. (December 12, 2016). http://ew.com/article/2016/12/12/critics-choice-2016-best-supporting-actress-viola-davis/ January 9, 2017閲覧。
- ^ “Projects”. JuVee Productions. 2016年1月31日閲覧。
- ^ Mic. “Oscars 2017: Viola Davis just became the first black actress to earn 3 Oscar nominations”. Mic. 2017年1月24日閲覧。
- ^ Maxwell Strachan (2017年2月26日). “Viola Davis Just Became The First Black Woman To Win An Oscar, Emmy And Tony For Acting”. Huffington Post. 2017年2月26日閲覧。
- ^ Lisa Ryan. “Viola Davis, First Black Actor to Win Oscar, Emmy, and Tony”. Nymag.com. 2017年2月27日閲覧。
- ^ “The 100 Most Influential People In The World”. Time. (April 18, 2012). http://www.time.com/time/specials/packages/article/0,28804,2111975_2112127,00.html [リンク切れ]
- ^ “The 100 Most Influential People In The World: Viola Davis”. Time. http://time.com/collection/2017-time-100/4736294/viola-davis/ April 21, 2017閲覧。
- ^ https://www.bravotv.com/blogs/other-celebrity-women-you-may-have-forgotten-secretly-adopted/
- ^ “ヘルプ ~心がつなぐストーリー~”. ディズニー公式. 2021年7月29日閲覧。
- ^ “エンダーのゲーム”. ふきカエル大作戦!! (2014年1月21日). 2021年7月29日閲覧。
- ^ “スーサイド・スクワッド”. ふきカエル大作戦!! (2016年9月10日). 2021年7月29日閲覧。
- ^ “Best Actress in a Supporting Role” (2017年2月26日). 2017年2月28日閲覧。
- ^ “「ラ・ラ・ランド」がゴールデングローブ賞を席巻、映画部門で最多7部門受賞”. 映画ナタリー. (2017年1月9日). https://natalie.mu/eiga/news/216147 2017年1月10日閲覧。
- ^ “ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2021年8月12日). 2021年8月15日閲覧。
- ^ “ブラックアダム -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2022年12月2日). 2022年12月2日閲覧。
- ^ “殺人を無罪にする方法 シーズン1”. ディズニー公式. 2021年7月29日閲覧。
外部リンク
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