“ティム”ティモシー・M・ガン (Timothy M. "Tim " Gunn , 1953年 7月29日 - )は、アメリカ合衆国 のファッションコンサルタント でテレビパーソナリティ 。1982年から2007年までパーソンズ美術大学 の講師を務め、2000年8月から2007年3月までファッションデザイン学科の学部長を務めた。その後Liz Claiborne 社のチーフ・クリエイティブ・オフィサー に就任している。リアリティ番組 の「プロジェクト・ランウェイ 」の助言役(メンター )としてよく知られている。同番組におけるティムの人気上昇を受けて、スピンオフ 番組『Style up スタイルアップ 〜ティム・ガンのファッション チェック 』が制作され、著書『A Guide to Quality, Taste and Style』も発刊された。
生い立ち
ティムは ワシントンD.C. にて生まれ育った。父のジョージア・ウィリアム・ガンはジョン・エドガー・フーヴァー がFBI 長官を務めた時代のFBI捜査官だった[ 1] 。ティムは高校時代を通じて水泳で才能を発揮し[ 1] 、卒業後はCorcoran College of Art and Design へ進学、彫刻 分野の美術学士 を習得している[ 2] 。
後年になり、17歳当時に服薬自殺を図った経験があることを、若年層のLGBT における自殺問題解消を目的としたオンラインビデオチャンネル「It Gets Better プロジェクト」に寄稿したビデオにて、公表している[ 3] 。
キャリア
1982年にパーソンズ美術大学 での勤務を始め、1989年から2000年には副学部長を務め、2000年8月には学部長へ就任した。「21世紀に向けた教育課程の改革と活性化に貢献した人物」と評価されている[ 4] 。
2004年の『プロジェクト・ランウェイ 』第1シーズンから出演し、"Make it work. (形にしよう)" のキャッチフレーズで有名になる。また 2007年9月にケーブルテレビチャンネルのBravo にて始まったリアリティ番組『Style up スタイルアップ 〜ティム・ガンのファッション チェック 』では一般視聴者へのファッションアドバイザー役をこなした。
2007年2月放送の『アグリー・ベティ 』[ 5] と2009年8月放送の『私はラブ・リーガル 』に、架空のファッション番組のリポーターとして、自分自身の役でカメオ出演 している。
2007年にパーソンズを離れ、同年3月にLiz Claiborne 社のチーフ・クリエイティブ・オフィサー に就任した[ 6] 。
2007年4月に『A Guide to Quality, Taste and Style』(共著:ケイト・モロニー =パーソンズ・ファッションデザイン副学部長、カバー撮影:Markus Klinko & Indrani )をAbrams Image Publishersより出版した。プロモーションの一環で訪れたカリフォルニア州 パームスプリングス市 近郊のパームデザート市 は、彼の訪問を記念して4月27日(パームデザートへのティムの訪問日)を"Timothy M. Gunn Day"として公式な記念日に選定した。また、彼の功績を記念して、パームスプリングス市より感謝状が、ランチョ・ミラージュ市 より盾がそれぞれ贈られた[ 7] 。また2007年5月にサンフランシスコ・ベイエリア を訪れた際には、 Project FiveFour 07の審査員として登場し、Fashion Institute of Design & Merchandising の学生12人がデザインしたガウンを審査した。このコンペの収益は経済的な理由でプロム ドレスを買うことのできない高校生へ向けた現地のチャリティ事業「The Princess Project」へ寄付された[ 8] 。
2009年5月にはCorcoran College of Art and Design の卒業式講演者を務め、同校の名誉博士号を受けている[ 9] 。
ティムは『ザ・レイト・レイト・ショー・ウィズ・クレイグ・ファーガソン 』の"Dear Aquaman"というコーナーに時々出演し、Aquaman (クレイグ・ファーガソン )の助手や代役として、番組に寄せられる手紙に回答したり助言をしている[ 10] 。
『ママと恋に落ちるまで 』の第100話でバーニーのパーソナルテイラーとしてゲスト出演している[ 11] 。
『ゴシップガール 』シーズン4第6話に彼自身の役で出演している[ 12] 。
他分野での露出
2007年8月、Jeffrey Lependorfの"Tim Gunn's Podcast (a reality chamber opera)"がニューヨークのCornelia Street Cafeで初演された[ 13] 。翌年には New York International Fringe Festival にて再演された。
2009年9月開催のNew York Fashion Week に合わせてマーベル・コミック よりファッションをテーマにしたコミックブック Models Inc. が発刊され、ティムは第1巻のVariant cover とbackup story「LOADED GUNN」に登場した。プロジェクト・ランウェイ・ファンのMark Sumerak が脚本 を制作、Phil Jimenez が作画を担当した。ティムはNew York Fashion Museum(架空の博物館)を乗っ取ろうする悪の組織を阻止するためにアイアンマン のアーマーを着て登場している[ 14] 。
2010年8月、ティムは第62回プライムタイム・エミー賞 で、ジミー・ファロン をブルース・スプリングスティーン のアルバムボーン・イン・ザ・U.S.A. 風にスタイプアップさせるオープニングスキット(寸劇)に出演した。
コメント物議
メリル・ストリープ やヒラリー・クリントン 、 キム・カーダシアン など著名な女性のファッション性についてのコメントでティムは度々物議を醸している。ヒラリーへの批評では「彼女はジェンダー が分からなくなったんじゃないかと思う。彼女のドレス姿は男っぽく見える。」と発言[ 15] し、メリルに関しては「彼女と『衣服の記号論』についておしゃべりしてみたいね。…ファッションに関しては『よくお分かり』みたいだから。」とコメントしている[ 16] 。キムについては彼女のファッション新ラインについて「ファッションテイストがずれてるから、あまり長く続けるのは良くないと思う」と述べた[ 17] 。
私生活
トリ・スペリング と一緒にプレゼンターを務めるティム。2007年11月
ティムはニューヨーク に在住し、ゲイ であることを公にしている。最近のインタビューでは自身についてAセクシュアル だと認識していると述べていて[ 18] [ 19] [ 20] 、それまで9年間続いたパートナーシップが突然終わった1980年代前半以降は恋愛関係を持ったことがないと語り、関係がなくなった後も以前のパートナーに対する思いがずっとあるとも語っている[ 20] 。
ティムは動物毛皮を使用した服飾デザインについて猛烈な反対派であり、2008年には動物の権利 保護団体 PETA が制作した、中国国内で毛皮目的で飼育されるウサギに関するビデオのナレーションを務めた[ 21] 。彼は毛皮目的で扱われる動物ついて「筆舌に尽くしがたいほど無責任な行為」だと主張している[ 22] 。
出演作品
著書
Gunn, Tim; Moloney, Kate (2007), Tim Gunn: A Guide to Quality, Taste & Style , Harry N. Abrams, Inc. ISBN 0-81099284-1
Gunn, Tim; Calhoun, Ada (September 2010), Gunn's Golden Rules: Life's Little Lessons for Making It Work , Gallery ISBN 1-43917656-6
Gunn, Tim (May 2011), Shaken, Not Stirred , Tim Gunn, ASIN B004UN4L9E
邦訳
出典
^ a b “10 Things You Need To Know About Tim Gunn ”. Radar Magazine. 2008年3月18日時点のオリジナル よりアーカイブ。2011年1月24日 閲覧。
^ Randy Shulman (2007年9月27日). “Naked Gunn: Bravo's style maven and gay icon, Tim Gunn” . Metro Weekly. http://metroweekly.com/feature/?ak=2990 2008年3月13日 閲覧。
^ http://www.eonline.com/uberblog/marc_malkin/b204140_tim_gunn_reveals_suicide_attempt_urges.html
^ “Tim Gunn's Bio” , Bravo (Project Runway ), オリジナル の2009年2月4日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20090204174350/http://bravotv.com/project-runway/bio/tim-gunn 2007年10月31日 閲覧。
^ “Tim Gunn and Kathy Griffin to guest-star on Ugly Betty” , The Advocate , (2007-01-18), http://www.advocate.com/news_detail_ektid41161.asp 2007年10月31日 閲覧。
^ “Liz Claiborne Press Release” , Liz Claiborne , Inc.: Press Release , (February 1, 2007), http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=82611&p=irol-newsArticle&ID=956778 2007年10月31日 閲覧。
^ “California Gunn” , Publishers Weekly , Inc.: Article , (2007-04-17), オリジナル の2007年9月21日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20070921105227/http://www.publishersweekly.com/eNewsletter/CA6437972/2286.html 2007年4月27日 閲覧。
^ Sasse, Angela. "Danville Runway" Diablo Magazine, May 2007.
^ [1]
^ “Craig Ferguson - Dear Aquaman with Tim Gunn Season 6 Episode 980 ”. YouTube . 2009年12月2日 閲覧。
^ Kate Stanhope. “Tim Gunn and Kenny Rogers to appear on How I Met Your Mother” . TVGuide.com . http://www.tvguide.com/News/Kenny-Rogers-Tim-1010565.aspx
^ “Tim Gunn to Guest-Star on Gossip Girl ”. TVGuide.com. 2010年8月17日 閲覧。
^ http://www.jeffreylependorf.com/
^ “Introducing Marvel Comics' Hired Gunn”, TV Guide : pp. 13, (2009-09-07)
^ The Huffington Post , Tim Gunn: Hillary Clinton Confused About Her Gender 2008-02-19. Accessed 2010-08-14.
^ stuff.co.nz, Tim Gunn slams Meryl Streep's style 2010-08-14. Accessed 2010-08-14
^ shopping blog.com, Tim Gunn Criticizes Kardashians' Bebe Fashion Line 2010-02-20. Accessed 2010-08-14
^ http://www.nypost.com/p/entertainment/fashion/fashions_night_out/gunn_slinger_zlPlWaab0rcZky6Ah8DDFN#ixzz0ztUEIdZF
^ Frutkin, a.j. (2007-10-15), “Get Used To It” , MediaWeek , オリジナル の2007年10月16日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20071016211026/http://www.mediaweek.com/mw/current/article_display.jsp?vnu_content_id=1003658137 2007年10月31日 閲覧。
^ a b Daw, Robbie (2006-11-01), Tim Gunn - The Mentor , Instinct , http://instinctmagazine.com/celebrity-interviews/tim-gunn 2009年8月19日 閲覧。
^ Fashion Victims, Narrated by Tim Gunn
^ “The Discerning Brute Chats With Tim Gunn About Going Fur Free. He recently made an appearance on the History Channel's America: The Story of US, as a minor narrater and speaker. ” (2009年2月26日). 2009年9月9日 閲覧。
^ a b Siegel, Tatiana (2010年5月5日). “Tim Gunn Shoots for "The Smurfs"” . Variety (Reed Business Information ). http://www.variety.com/article/VR1118018821.html?categoryid=13&cs=1 2010年5月6日 閲覧。
外部リンク
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