イグノーベル賞受賞者の一覧
イグノーベル賞受賞者の一覧 は、第1回(1991年)から現在までの、イグノーベル賞 受賞者の一覧である。
イグノーベル賞は、4例(1991年の創作された架空 の3例、ならびに1994年の誤報に基づき選ばれた1例 。どちらもここには記載していない)を除きすべて実在の業績に対して授与されている。
受賞者の所在地および肩書きは、すべて受賞当時のものである。また、イグノーベル賞は「本家」ノーベル賞 と異なり、故人の業績に対しても授与されている。本文中「故〜」と記載されている受賞者は、受賞時点で既に故人であったことを示している。
1991年 - 1992年 - 1993年 - 1994年 - 1995年 - 1996年 - 1997年 - 1998年 - 1999年 - 2000年 - 2001年 - 2002年 - 2003年 - 2004年 - 2005年 - 2006年 - 2007年 - 2008年 - 2009年 - 2010年 - 2011年 - 2012年 - 2013年 - 2014年 - 2015年 - 2016年 - 2017年 - 2018年 - 2019年 - 2020年 - 2021年 - 2022年 - 2023年 - 2024年
1991年
1992年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
医学賞
F・カンダ(神田不二宏) E・ヤギ(八木栄一郎) M・フクダ(福田實) K・ナカジマ(中嶋啓介) T・オオタ(太田忠男) O・ナカタ(中田興亜) (資生堂 横浜 研究所)
彼らの先駆的な開発研究、『足 の悪臭 の原因となる化学物質 の解明』に対して。特に「自分の足が臭いと思っている人の足は臭く、思っていない人のは臭くない」という結論に対して[ 3] 。
考古学賞
エクレルール・ド・フランス (Eclaireurs de France) (「道を示す者たち」を意味する名前をもつプロテスタント の若者グループ、落書き の洗浄者)
フランス・ブルニクエール村近くにある、メイリエレス洞窟 (fr ) の古代 の洞窟壁画 を消したことに対して[ 4] [ 5] 。
経済学賞
ロイズ・オブ・ロンドン の投資家 (300年間の鈍く慎重な経営の相続人)
仲間の損失への支払いを拒否することによって、災害保険 を引き受けるという大胆な試みに対して。
規制緩和 によりネーム(ロイズに参加してリスクを無限責任で引き受ける出資者)になることが簡単になったため、1980年代後半には名誉と利益を求めてネームとなる新参者が激増していた。しかし1988年から1992年にかけて巨大事故・災害が続出し、投資 目的で加入していた多くのアンダーライター(保険引受人)が多額の損害を負担、破産 者が続出した[ 6] 。
生物学賞
セシル・ジェイコブソン 医師 (容赦なく気前のよい精子 提供者、精子バンクの多産な族長)
簡単で、独力でできる人工授精 に於ける品質管理の方法を考案したことに対して。
優れた資質の男性による人工受精を望む(女性)患者に対し、自身の精液 を使って受精 させた。 このことが発覚し、詐欺 および偽証 の罪に問われた。
化学賞
イベッタ・バッサ (色とりどりのコロイド の作製者)
20世紀 の化学 における無上の業績、「明るい青色をしたジェロー の合成 」においての、彼女の役割に対して。
ジェロー は、クラフトフーヅ から発売されているゼリー 菓子。子どもは大人が気味悪く感じるのを好む というマーケティング 調査に基づき、バッサは(大人が気味悪がる)明るい青色のジェローを開発しヒットとなった。
物理学賞
デイヴィッド・コーリー ダグ・バウワー (低エネルギー物理の勇者)
イギリス 作物 の幾何学 的破壊に基づく、場の理論 への環状の貢献に対して。
デイヴとダグは、イギリスでミステリー・サークル は自分たちが作っていたのだ、と告白した芸術家 の2人組。
栄養学賞
スパム の利用者 (缶入り食料品の勇敢な消費者)
54年間にもわたる無差別的消化力に対して。
文学賞
ユーリイ・ストルチコフ (モスクワ有機元素化合物研究所の止めることのできない著者)
1981年から1990年の間に948報、平均すると3.9日ごとに1報以上の割合で科学論文 を発表したことに対して。
ストルチコフは、ソビエト連邦 の結晶 化学者 (1926年-1995年)。研究所長として在任していた10年間に、研究所の施設を利用した研究者が執筆した論文の共著者となるのが半ば慣習化し、948本もの論文で共著者となっていた。ギフトオーサーシップ を参照。
美術賞
ジム・ノールトン (近代のルネサンス 的人間)
彼の古典的な解剖学 的ポスター 、「動物 界 のペニス 」に対して。
ノールトンは、ありとあらゆる動物の陰茎をスケッチし、それを画集にまとめて出版しようと計画。 そこへ米国国立芸術基金が飛び出す絵本の出版に援助をすると聞き、直ちに応募。ノールトンの申請は通ってしまった。
米国国立芸術基金
ノールトン氏が自身の仕事を「飛び出す絵本 」に拡張することへの奨励に対して。
平和賞
ダリル・ゲイツ (英語版 ) (前ロサンゼルス市警 本部長)
人々を団結させずにはおかれない、彼の独特な手法に対して。
ゲイツは、ロサンゼルス大暴動 の際のロサンゼルス市警本部長。
1993年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
心理学賞
ジョン・マック (英語版 ) (ハーバード・メディカルスクール )デイビッド・ジェイコブス (英語版 ) (テンプル大学 )
宇宙人によって誘拐 されたと信じている人たちは、おそらく本当に誘拐されたのであろうという結論に達したこと、とりわけ「誘拐の焦点は子作り である」という結論に対して。
マックは『アブダクション 』の著者でUFO 研究家。 ジェイコブスはUFO研究 史で博士号 を取得、『全米UFO論争史』などの著作がある。
消費者工学賞
ロン・ポピール (英語版 ) (絶え間ない発明家、年がら年中深夜テレビ で宣伝している人物)
「ヴェジ・オー・マティック」、「ポケット・フィッシャーマン」、「ミスター・マイクロフォン」、「殻の中で卵 を混ぜるもの」などの装置によって、産業革命 を再定義 したことに対して。
ポピールは発明家であり、Roncoという会社を設立して1950年代から全米のテレビで朝や深夜にインフォマーシャル を流し続け、自らの発明品を実演した。手軽さを売りにする回転肉あぶり機の「こうしてセットしたら、あとは放っておきましょう」("Set it, and forget it!")というフレーズや、「だけど待ってください、まだあるんです!」("But wait, there's more!")というフレーズが有名になった[ 7] 。
生物学賞
ポール・ウィリアムス・ジュニア (オレゴン州 健康課、大胆な生物学 の探偵 ) ケネス・W・ニューウェル (リバプール 熱帯医学校、大胆な生物学の探偵)
彼らの先駆的な研究、『ブタ が疾走している際のサルモネラ菌 の排泄 』に対して[ 8] 。
経済学賞
ラビ・バトラ (南メソジスト大学 教授)
世界的な経済の崩壊を防ぐために、充分な数の本を売ったことに対して。
『1990年の大恐慌』や『1995→2010世界大恐慌』などを著しベストセラー となった。
平和賞
フィリピン・ペプシコーラ ・カンパニー
億万長者を生み出すコンテスト のスポンサー となって間違った当選番号を発表したため、興奮して集まった当選者80万人を暴徒のように駆り立てて集合させ、フィリピン 史上最大の暴動 を引き起こしたことに対して[ 9] 。
1992年にフィリピン・ペプシ社は「ナンバー・フィーバー」というキャンペーン を開始、ペプシの瓶 に書いてある番号が当たりであれば最高100万ペソ (=4万ドル )の賞金が貰えるというものだった。 キャンペーンの成功に気をよくして当選番号を追加したが、この時既に出回っていたボトルの番号(一説には80万本も出回っていたと言われている)を当たりとして発表。 ペプシ社は直ぐに訂正したが憤激した消費者 は暴動を起こし、フィリピン国内に12あるペプシの工場は消費者に包囲され2名が死亡。38台の運搬トラックが破壊され、1万件以上の訴訟 が起こる事態となった。
映像技術賞
ジェイ・シッフマン (ミシガン州 フラミントンヒル)
車の運転とテレビの視聴を同時に可能にするための画像映写機「オート・ヴィジョン」を発明した[ 10] 。
ミシガン州議会
オート・ヴィジョンの使用を合法としたことに対して。
化学賞
ジェイムス・キャンベル ガイネス・キャンベル (テネシー州 ルックアウトマウンテン、芳香の熱心な配達人)
匂いを雑誌 のページにまでつけられるようにした憎むべき手法、香水 を染み込ませた紙片の発明に対して。
文学賞
E・トロパル R・カリフ F・ヴァンドワーフ P・W・アームストロング 他972名
ページ数の100倍の人数の著者がいる医学論文を発表したことに対して[ 11] 。
著者の出身国は次の通り。オーストラリア ・ベルギー ・カナダ ・フランス ・ドイツ ・アイルランド ・イスラエル ・ルクセンブルク ・オランダ ・ニュージーランド ・ポーランド ・スペイン ・スイス ・イギリス・アメリカ合衆国 [ 12]
数学賞
ロバート・フェイド (英語版 ) (サウスカロライナ州 グリーンヴィル)
ミハイル・ゴルバチョフ が反キリスト である正確な確率 (710,609,175,188,282,000分の1)を計算したことに対して[ 13] 。
物理学賞
ルイ・ケルヴラン (フランス、錬金術 の熱心な崇拝者)
鶏卵 の殻中のカルシウム は(生体内の)常温核融合 過程によってつくられる、という彼の結論に対して[ 14] 。
ケルヴランは「生物学的元素転換」を提唱した科学者。
医学賞
ジェイムス・F・ノーラン トーマス・J・スティルウェル ジョン・P・サンズ・ジュニア (慈愛に満ちた医療従事者)
彼らの痛々しい研究論文、『ジッパー に挟まれたペニスの緊急処理』に対して[ 15] 。
ちなみに彼らが推奨する方法は、先ず挟まったところに軟膏 を塗り、その後でファスナー のスライダーをペンチ で破壊するというもの。 なお、「ペンチを子どもに見せない」「ズボンの生地を傷つけない」という注意点がある。
1994年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
生物学賞
W・ブライアン・スウィーニー ブライアン・クラフト=ヤコブ ジェフリー・W・ブリットン ウェイン・ハンセン
彼らの画期的な研究『便秘 の軍人:米軍 内での罹患率』、特に腸 運動の頻度についての数多くの分析に対して。
前線で戦闘状態にある兵士は、後方の比較的安全な地域にいる兵士と比べて便秘気味になるということを突き止めた。
平和賞
ジョン・ヘーゲリン (英語版 ) (マハリシ経営大学、マハリシ大学科学技術・政策研究所)
「4000人の訓練された瞑想 者は、ワシントンD.C. の暴力犯罪を18%減少させる」ことを実証したという、彼の実験的な結論に対して。
実際、実験期間中の犯罪率は18%も低下しておらず、殺人事件の発生率は過去最高を記録していた。ヘーゲリンはインド人導師マハリシ による超越瞑想 (TM)の影響下にある自然法党 の活動家 でもあり、1992年 ・1996年 ・2000年 のアメリカ大統領選に出馬している。
医学賞
患者X (元アメリカ海兵隊 員、彼のペット である有毒なガラガラヘビ に噛まれた勇壮な犠牲者)
固い決心によって電気ショック 療法を使用したことに対して。
ダートとグスタファソンは、車のエンジン を3000rpmで5分回転させるパワーを持つ自動車 の点火プラグ を唇 に装着して毒蛇の毒を抜こうと試みたものの失敗した患者を治療し、その事例を論文で取り上げた。
リチャード・C・ダート (ロッキー山毒物センター) リチャード・A・グスタファソン (アリゾナ大学 健康科学センター)
彼らの十分な根拠をもつ医学論文、「ガラガラヘビの噛み傷に対する電気ショック治療 [要曖昧さ回避 ] の失敗」に対して。
昆虫学賞
ロバート・A・ロペズ (ニューヨーク州 ウェストポート、勇敢な獣医師 、大小すべての生物の友)
猫 から採取した耳ダニ を自分の耳に入れ、結果を丹念に観察・分析した一連の実験に対して。
心理学賞
リー・クアンユー (シンガポール 前首相)
つば を吐いたり、ガム を噛んだり、ハト に餌付けをしたりした、300万人のシンガポール市民を罰することの効果についての30年間の研究に対して。
文学賞
L・ロン・ハバード (熱烈なSF作家 、サイエントロジー の創始者)
人類にとって(あるいはその一部にとって)非常に有益かもしれない彼のパリっとした聖書、『ダイアネティックス 』に対して。
化学賞
ボブ・グラスゴー (英語版 ) (テキサス州 選出上院議員 、論理的な法律 の賢明な執筆者)
ビーカー 、フラスコ 、試験管 のほか、実験 用ガラス器具 を許可なく購入することを違法とする、1989年薬物規制法を起草したことに対して。
経済学賞
ジャン・パブロ・ダヴィラ (チリ 、金融先物取引 の疲れを知らないトレーダー 、コデルコ の従業員)
「売り」としたかったときに、「買い」とコンピュータに命令したことに対して。
ダヴィラは、この後損失を埋め合わせようと更にハイリスクの取引を行い、最後にはチリ の国民総生産 の0.5%相当を失った。 そのためチリでは「物事を完全にヘマする・滅茶苦茶にする」という意味の新しい動詞 「ダヴィラる (davilar)」という造語 が出来た。
数学賞
南部バプテスト連盟 アラバマ教会 (道徳の算術的な計量家)
もし人々が悔い改めない場合、どのくらいのアラバマ州 住民が地獄 に行くかを郡 ごとに見積もったことに対して。
1995年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
栄養学賞
ジョン・マルチネス (アトランタ 、J・マルチネス株式会社)
世界で最も高価なコーヒー 「ルアク・コーヒー 」に対して。
インドシナ に生息する山猫 に似た動物「ルアク」(マレージャコウネコ )が消化し、排泄したコーヒー豆から作られる。
物理学賞
D・M・R・ジョージェト R・パーカー A・C・スミス (イギリス、ノリッジ)
ぐちゃぐちゃになった朝食 のシリアル の精力的な分析に対して。
『朝食のシリアル・フレークの圧縮挙動における水分の影響についての研究』と題する論文として発表されている。
経済学賞
ニック・リーソン と、彼のベアリングス銀行 の上司 ロバート・サイトロン (カリフォルニア州 オレンジ郡 )
あらゆる金融機関には限界があることを実証するために、金融派生商品 の入り組んだ手法を駆使したことに対して。
両者はギャンブル 的な投資 を行い、結果として、ベアリングス銀行とオレンジ郡の破綻を招いた張本人。
医学賞
マルシア・E・ブーベル デイヴィッド・S・シャンナホフ=クァルサ マイケル・R・ボイル
『片側だけに強制された鼻孔 呼吸が認識力におよぼす効果』と題された彼らの研究に対して。
人間の鼻孔は一定間隔で片方ずつが通るようになっているが、そのことによって人間の思考能力が高まることを彼らは明らかにした。
文学賞
デイヴィッド・B・ブッシュ ジェイムズ・R・スターリング (ウィスコンシン州 マディソン)
彼らの研究論文『直腸 の異物:事例報告と世界の文献の総説』に対して。
肛門 から直腸に異物を挿入して取れなくなった事例に関する研究。論文によると、「7つの電球 、ナイフ の砥石 、2つの懐中電灯 、ばね 、かぎタバコ入れ、ポテト・ストッパーのついたオイル 缶、11個の異なる種類の果物 や野菜 や食べ物 、宝石 職人用のこぎり 、凍ったブタのしっぽ 、ブリキ のカップ 、ビール グラス 」が異物として入っていたとのこと。 ある特筆すべき患者は、メガネ 、スーツケース の鍵 、タバコ 入れ、雑誌を全部一緒に収集していた。
平和賞
台湾 立法院
政治家 にとって、他国と戦争するよりも、お互いに殴り、蹴り、騙しあう方が、より利益になることの実証に対して。
台湾では1988年に戒厳令 が解除され、1992年 に立法院の全面改選が行われた。 改選後の立法院では中国国民党 と民主進歩党 の対立が激しく、しばしば与野党議員の乱闘が生中継 された。
心理学賞
渡辺茂、坂本淳子、脇田真清 (慶應義塾大学 )
ピカソ とモネ の絵画を見分けられるようにハトを訓練し、成功したことに対して[ 16] 。
公衆衛生賞
マーサ・コルド・バッケニヒ (ノルウェー 、トロンドハイム) ルス・ニールセン (デンマーク 工科大学)
彼らの徹底的な研究、『温度への濡れた下着 の体温調節反応および熱的快適さに及ぼす影響』に対して。
歯学賞
ロバート・H・ビューモント (ミネソタ州 ショアビュー)
彼の切れのよい研究、『患者がワックス の塗ってあるデンタルフロス を選ぶか、あるいは塗っていないものを選ぶか』に対して。
化学賞
ビジャン・パクサド (英語版 ) (ビバリーヒルズ )
「DNA コロン」および「DNA香水」を創りだしたことに対して。
どちらにもDNAは全く含まれていないが、どちらも3重螺旋 形の瓶に入っている。
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
心理学賞
デイヴィッド・ダニング(コーネル大学 ) ジャスティン・クルーガー(イリノイ大学 )
彼らの謙虚な論文、『未熟と不注意:過大な自己評価へと導く自分自身の無能力を認めることが、どれだけ困難であるか』に対して。 (いわゆるダニング=クルーガー効果 )
ダニングとクルーガーは、学生に「論理学 」「文法 」「ユーモア 」のテストを受けさせ、同時にその能力について自己評価 をさせた。 その結果、多くの学生は平均よりやや上に位置すると自己診断したものの、テストの結果と自己評価の良し悪しは反比例 することが判明した。 ちなみに、「論理学」について授業をした後で再テストすると、自己評価とテストの成績は比例 する様になり、「正確な知識無しには無知を自覚することが困難である」と結論づけることが出来た[ 23] 。
文学賞
ジャスムヒーン (元エレン・グリーヴ。オーストラリア)
ある人々は食べ物を摂るけれども、本当はまったく必要ではないのだ、ということを説明した彼女の著書、『Living on Light(邦題:リヴィング・オン・ライト―あなたもプラーナで生きられる)[ 24] 』に対して。
エレン・グリーヴはブレサリアニズム(Breatharianism - 呼吸食主義または不食主義または光食主義)のグループで、ジャスムヒーンはその女性指導者。 彼女は1993年から一切飲まず食わずで生き続けたと主張したが、オーストラリアのテレビ番組『60ミニッツ』が行った再現実験で彼女は4日目に脱水症状を起こし脈拍数も倍に跳ね上がるなど危険な状態になってしまい、彼女の主張は実証できなかった。
生物学賞
リチャード・ヴァッセルスーグ (英語版 ) (ダルハウジー大学 )
彼の直接体験による報告書、「コスタリカ の乾季 オタマジャクシ の味の良さの比較」に対して。
物理学賞
アンドレ・ガイム (ネイメヘン大学)マイケル・ベリー (ブリストル大学 )
カエル を浮揚させるための磁石 の使用に対して。
水 の反磁性 を利用した磁気浮上 のデモンストレーション実験のコミカルさが評価された。なお、ガイムはグラフェン の開発者として2010年に本家のノーベル物理学賞を受賞した。
化学賞
ドナテラ・マラッツィーニ アレッサンドラ・ロッシ ジョヴァーニ・B・カッサーノ (ピサ大学 )ハゴップ・S・アキスカル (カリフォルニア大学サンディエゴ校 )
生化学 的には、熱烈な恋愛 と強迫神経症 の疾患とは区別できないようだ、という発見に対して。
経済学賞
文鮮明 (韓国、統一教会 の教祖 )
効率と安定成長を集団結婚 産業に持ち込んだことに対して。
協会の公式発表によれば、1960年には36組、1968年に430組、1975年に1800組、1982年に6000組、1992年に30,000組、1995年に360,000組、1997年に36,000,000組が結婚している。
医学賞
ウィリブロルト・ウェイマール・スフルツ ペク・ファン・アンデル エドゥアルト・モーヤールト (オランダ、フローニンヘン) イダ・サベリス(アムステルダム )
彼らの真実を浮かび上がらせる論文、『性交中の男女の性器 および女性の性的興奮時のMRI 像』に対して[ 25] 。
計算機科学賞
クリス・ニスワンダー (アリゾナ州 タクスコン)
猫がコンピュータ のキーボード 上を歩くのを検出するソフトウェア 「ポー・センス」の発明に対して。
平和賞
イギリス海軍
水兵に実包 を使うことを止めさせ、代わりに「バーン!」と叫ばせたことに対して。
射撃訓練における実弾使用を減らしたことにより、英国海軍はある程度の予算節減を達成した。
公衆衛生賞
ジョナサン・ウィアット ゴードン・マクノートン ウィリアム・トゥレット (グラスゴー )
彼らの警告的な論文、『グラスゴーのトイレ の崩壊』に対して。
彼らは、トイレの最中に便器 が壊れて病院へ運ばれるけが人がグラスゴー市内で増えていることを調査し、その原因を老朽化した陶磁器 製の便器が体重に耐えられなかったからだと結論した。 またグラスゴーでは多くの老朽化した便器がそのまま使われているため、トイレでのけが人は今後さらに増えるだろうと警告した。
2001年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
医学賞
ピーター・バルス(マギル大学 )
彼の衝撃的な医学論文、『落下するココナッツ による負傷』[ 26] に対して。
物理学賞
デイヴィッド・シュミット (マサチューセッツ大学)
「なぜシャワー ・カーテン は内側にふくらむのか」という疑問に対する、部分的な解答に対して[ 27] 。
論文では、シャワーからの水飛沫によって竜巻 の様な気流が生まれ、それによって部分的に気圧が低くなることからカーテンが内側に膨らむと結論付けている。
生物学賞
バック・ワイマー(コロラド州プエブロ)
悪臭のガス が広がる前に除去するために、交換可能な活性炭 フィルター が付いている気密性の下着「アンダー・イーズ」[ 28] を発明したことに対して。
経済学賞
ジュール・スレムロッド (英語版 ) (ミシガン大学 ) ウォシーチ・コプクヅク (ブリティッシュコロンビア大学 )
「もし長生きした場合相続税 率が低くなると認められるなら、人々は死ぬことを延期する方法を探すだろう」という彼らの結論に対して[ 29] 。
文学賞
ジョン・リチャーズ (イギリス、ボストン 。アポストロフィー 保護協会設立者[ 30] )
複数形 と所有格 の間の差異について、保護・奨励・弁護している彼の努力に対して。
心理学賞
ローレンス・W・シェーマン(マイアミ大学 )
彼の有力な研究論文、『未就学児の小集団内での歓喜や絶叫についての生態学 研究』[ 31] に対して。
天体物理学賞
ジャック・ヴァン・インプ (英語版 ) レクセラ・ヴァン・インプ (ミシガン州ロチェスターヒルズ、布教団体ジャック・ヴァン・インプ・ミニストリーズ[ 32] )
ブラックホール が地獄の所在地としての技術的要求を全て満たしている、という発見に対して。
平和賞
ヴィリウマス・マリナウスクス (リトアニア 、グルータス)
「スターリン ・ワールド」として有名なアミューズメントパーク(グルータス・パーク )を創設したことに対して。
技術賞
ジョン・キーオ (オーストラリア、ビクトリア州ハウソーン)
2001年に車輪 の特許 を取得したことに対して[ 33] 。
2001年にオーストラリアは新たに「イノベーション 特許」の制度を設けた。しかしイノベーション特許では申請の際に殆ど審査が行われないため、キーオはこの不備を批判する目的で「環状の運搬補助装置」という名前で特許を申請。 その特許明細によれば、車輪はそれまでの運搬方法──「物品を徒歩で運ぶ」方法や「氷 や雪 の表面など摩擦係数 の低い物体の上をスキー やそり 」等で運ぶ方法──に代わる画期的な運搬手段で摩擦係数の高い地面の上でも使えるという利点があった。 このキーオの特許は、結局オーストラリアで認可されてしまった。車輪の再発明 も参照。
オーストラリア特許庁
キーオに開発特許#2001100012を認可したことに対して[ 34] 。
公衆衛生賞
チッタランジャン・アンドレイド B・S・スルハリ (インド、バンガロール 。国立精神健康脳科学研究所)
「思春期 の少年にとって、鼻をほじくること は普通の行動である」という医学的発見を突き止めたことに対して[ 35] 。
2002年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
生物学賞
ノーマ・E・ブビアー チャールズ・G・M・パクストン フィル・バウワーズ D・チャールズ・ディーミング (イギリス)
彼らの論文『イギリスでの飼育条件下における、ダチョウ の人間に対する求愛行動』に対して。
物理学賞
アルント・ライケ(ミュンヘン大学 )
ビール の泡が指数 的減衰の数学法則に従うことの立証に対して。
境界領域研究賞
カール・クルスツェルニキ (英語版 ) (シドニー大学 )
『人のへそ の糸くずについての総合的調査―誰が、いつ、何色のを、どのくらいつけたか』を成し遂げたことに対して。
要するに「へそのゴマ 」についての研究。
化学賞
セオドア・グレイ (英語版 ) (イリノイ州 シャンペーン、ウルフラム研究所 )
周期表 (periodic table) のたくさんの元素を集め、それらを四脚の「周期表テーブル (periodic table table)」の形に並べたことに対して。
数学賞
K・P・スリークマル 故G・ニーマラン (インド、ケーララ農業大学 )
彼らの分析的な論文、『インド象 の体表面積の推定』に対して。
農民 と働く家畜 としても飼育されているインド象は、適切な投薬量が体重よりも体表面積によって決まることが解った。 しかし象の正確な体表面積を求めることは難しいため、ニーマランはCG 技術を駆使して研究を重ね、象の前足の太さと象の身長の計測から正確な体表面積を推定するシュリクマー関数 [ 36] を導出した。これにより象の生存率は大きく向上した。
文学賞
ヴィッキー・L・シルヴァーズ (ネバダ大学リノ校 ) デイヴィッド・S・クライナー (セントラル・ミズーリ州立大学、現在はセントラル・ミズーリ大学に改名)
彼らの興味深い論文、『文章読解においてあらかじめ不適切な強調がされていることの影響』に対して。
平和賞
佐藤慶太 (タカラ 株式会社社長)鈴木松美 (日本音響研究所所長) 小暮規夫(小暮動物病院常任理事)
コンピュータによって自動的にイヌ語(犬の言葉)をヒト語(人間の言葉)に翻訳 する機械「バウリンガル 」を発明し、種の間の平和と調和を促進したことに対して。
衛生学賞
エドゥアルド・セグラ、ラヴァカン・ド・アステ(スペイン、タラゴーナ)
猫と犬の洗濯機 を発明したことに対して。
経済学賞
次の会社の重役と団体役員、ならびに監査役(特記していない企業はアメリカ)エンロン 、ラーナウト&ハウスピー(ベルギー)、アデルフィア、国際商業信用銀行 (パキスタン)、センダント、CMSエネルギー、デューク・エネルギー、ダイネギー、ガズプロム (ロシア )、グローバル・クロッシング 、HIH保険(オーストラリア)、インフォミックス 、Kmart 、マクスウェル・コミュニケーションズ(イギリス)、リライアント・リソース、レントウェイ、ライト・エイド、サンビーム、タイコ、ウエイスト・マネージメント、ワールドコム 、ズィエロ、アーサー・アンダーセン 。
ビジネス の世界 に、数学 の虚数 概念を応用したことに対して。
いずれも、会計操作による粉飾決算 を行い、アメリカ合衆国の経済 と市場への信頼に打撃を与えた企業群。
医学賞
クリス・マクマナス (ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン )
彼の恐ろしいほどバランス感覚に優れた論文、『人間と古代の彫刻 における陰嚢 の非対称性』に対して[ 37] 。
論文によると、古代ギリシャの彫刻では陰嚢の大小が実際の人間とは左右逆になっている[ 38] 。
2003年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
工学賞
故エドワード・A・マーフィー・ジュニア ジョージ・ニコルス 故ジョン・スタップ
1949年に共同で「マーフィーの法則 」を考案したことに対して。
マーフィーが「失敗する方法があれば、誰かがそれをやる」と言ったのを、ニコルスが「マーフィーの法則」と命名。 スタップが記者会見でそのことを述べて、広まった。「マーフィーの法則」の由来 も参照。
物理学賞
ジャック・ハーヴェイ、ジョン・カルヴェーノ ウォーレン・ペインズ、スティーヴ・コール マイケル・ローレンス デイヴィッド・スチュアートロビン・ウィリアムズ (英語版 ) (オーストラリア)
彼らの有無をいわせぬ論文、『様々な表面上でヒツジ を引きずる際に必要な力の分析』に対して。
医学賞
エレナー・マグアイア (英語版 ) デイヴィッド・ガーディアンイングリッド・ジョンスルード (英語版 ) カトリーナ・グッド ジョン・アッシュバーナー リチャード・フラッコイアク クリストファー・フリス (ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)
ロンドン のタクシー 運転手の脳 は、他の一般市民と比べて高度に発達していることの証拠を提示したことに対して。
彼らは、一般人とタクシー運転手の脳をMRI で分析。 その結果、タクシー運転手は一般人と比べて海馬 の後部が発達し、そのため空間認知能力に秀でているということを明らかにした。
心理学賞
ジャン・ヴィットリオ・キャプラーラ クラウディオ・バーバラネリ(ローマ大学 )フィリップ・ジンバルドー (スタンフォード大学 )
彼らの論文、『政治家 の特異的に単純な性格』に対して。
彼らは、有権者が政治家を評価する際に、どの心理的因子を基準としているか調査。 その結果、「行動的であるか」「正直で信頼できるか」の二つの因子のみで判断していることが判り、スポーツ選手への評価と比べて単純な判断をしていると結論づけた。
化学賞
廣瀬幸雄 (金沢大学 )
金沢市 にある、ハト の関心を惹きつけることに失敗し続ける銅像 の化学的研究に対して[ 39] 。
この銅像は兼六園 にある日本武尊 像。 日本最古級の銅像だが、鋳造 当時の技術的制約により、大量の砒素 と鉛 を混ぜて鋳造されたため、ハトが寄らず糞害から免れていた。 この現象を利用して、人間や自然界にまったく影響を与えない程度の砒素を含んだタイル などを制作し、鳥害防止に役立てることが期待されている。
文学賞
ジョン・トリンカウス (英語版 ) (ニューヨーク市、ジックリンビジネススクール )
彼を悩ませた様々な些末事について几帳面に正確なデータを集め、80報以上の詳細な学術論文として発表したことに対して。
『ショッピングモール の観察』と題する一連の論文[ 40] 。
経済学賞
カール・シュヴェルツラーとリヒテンシュタイン公国
団体の会議、結婚式、ユダヤ教 の成人式 (バル・ミツワー )、その他集会のために、国の全土をレンタル できるようにしたことに対して。
境界領域研究賞
ステファノ・ギルランダ リセロッテ・ヤンソン マグナス・エンクイス(ストックホルム大学 )
彼らの必然的な結論の論文、『ニワトリはどちらかというと美人 を好む』に対して。
平和賞
ラール・ビハーリー (インド、ウッタル・プラデーシュ州 )
次の3つの業績に対して。
法律的には死んでいると宣告されたのに、活動的な人生を送っていること。
官僚 の堕落と貪欲な親類に対する死後遊説を、生き生きと行っていること。
「死人の会」を結成したこと。
農夫であったラール・ビハーリーは1976年、銀行 にローン の申し込みに行き、そこで彼が法的には死者であることを知らされた。 彼の叔父は役所に賄賂 を渡し、虚偽の死亡届 を作ってラール・ビハーリーの土地を相続してしまったのであった。 彼は死亡宣告され財産を奪われた同じ境遇にある100人以上の「死者」たちと接触し「死人の会」を結成し、後に2万人の会員を擁する圧力団体 に成長させた。 法的死者に対し世間の目を向けさせるため彼は様々なパフォーマンスを行い、2004年までに、死人の会は会員のうち4人の生存を政府に確認させる成果を収めている[ 41] 。
生物学賞
C・W・ムーリカ (英語版 ) (ロッテルダム自然博物館)
野生のマガモ の中に同性愛 の屍姦 愛好者がいるという、最初の科学的な記録をとらえたことに対して。
ムーリカは、自然博物館のガラスに衝突する鳥を観察・分析する際に、(衝突死した)マガモの死骸に同性のマガモが性交しているのを目撃。 調査の結果、死んだマガモは(同性愛の)マガモに追いかけられて衝突したことが判明した。
2004年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
医学賞
スティーブン・スタック (ウェイン州立大学) ジェイムス・グンドラック (オーバーン大学 )
彼らの発表論文『自殺 に対するカントリー・ミュージック の影響』に対して。
物理学賞
ラメッシュ・バラスブラマニアン (オタワ大学 ) マイケル・ターベイ (コネチカット大学、ハスキンス研究所)
フラフープ の力学 を探索し、解明したことに対して。
公衆衛生賞
ジリアン・クラーク (シカゴ高校農学科からハワード大学)
床 に落ちた食べ物を食べても安全かどうかについての「5秒ルール 」の科学的妥当性の研究に対して。
結果としては、たった5秒でも床に落ちた食品は細菌 がついてしまい、ルールは成り立たない。5秒ルール も参照。
化学賞
イギリス・コカ・コーラ ・カンパニー
テムズ川 の液体を、予防的な理由から消費者が入手できなくなった透明な形態の水「ダサニ」に変換する先端技術に対して。
ダサニはコカ・コーラ社が世界的に展開するミネラルウォーター のブランド 。 イギリスでは2004年1月に発売されたが、「インデペンデント 」紙が3月に、イギリス製ダサニはロンドン南東部のシドカップの工場で水道水 から作られていることを暴露した。 工場ではNASA も使用する逆浸透膜 の技術を使った浄化システムで「ピュアな」水を作っていると主張したが、通常「ミネラルウォーター」という言葉から泉水から湧き出る「天然」の水を期待して買っていた消費者は「水道水に高い金を払っていた」と激昂した。 加えて政府当局はイギリス製ダサニに発癌性 物質である臭素酸塩 が含まれており大量に飲めば危険と指摘、コカ・コーラ社は市場から製品を回収しダサニ・ブランドはイギリスから撤退した。 更に水の純化の過程で硬水 的味付けのために塩化カルシウム などを混ぜていた事も判明、ダサニ・ブランドの欧州 展開は打撃を受けた。
工学賞
ドナルド・J・スミス 故フランク・J・スミス (フロリダ州オーランド)
ヘアスタイル 「バーコード 頭」の特許(米国特許#4022227)を取得したことに対して。
文学賞
米国ヌーディスト研究図書館 (フロリダ州キシミー)
ヌーディスト の歴史を保存し、誰でも閲覧できるようにしたことに対して。
心理学賞
ダニエル・シモンズ (イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 ) クリストファー・チャブリス (ハーバード大学 )
人が何かに熱中している際には、例えゴリラの着ぐるみを着た奴が通りかかっていようが他の何かを簡単に見逃してしまう ことを示したことに対して。
2人は『錯覚の科学』の著者。色んなビデオ を流す際に前もって特定の事実に注意を払う様に指示すると、そのビデオで実際に流れていた他の事実に対しては何も見えなくなってしまうことを、一連の実験で示した。
経済学賞
バチカン
信徒のための祈りをインドへアウトソーシング (外部委託)したことに対して。
アメリカの企業がソフトウェア開発やコールセンター 業務を英語 人口が多く人件費 の安いインドにアウトソーシングし、アメリカ人の職を奪っていることが問題になっている。 そのような中、アメリカのカトリック教会 でも、聖職者 不足に対してインド等にいる聖職者に外注を行い、アメリカの信者達から委託を受けた死者・病気・家族の安息・サンクスギビングなどのための祈りをインドで代行してもらっている。
平和賞
井上大佑 (大阪府)
カラオケ を発明し、人々がお互いに許容しあう、全く新しい方法を提供したことに対して(歌によって相手に苦痛を与えるためには、自らも相手の歌による苦痛を耐え忍ばなければならない)。
井上は1999年に「タイム 」誌の『今世紀もっとも影響力のあったアジア の20人』に選ばれている。
生物学賞
ベン・ウィルソン (ブリティッシュコロンビア大学 ) ローレンス・ディル (サイモンフレーザー大学 ) ロバート・バッティ (スコットランド海洋科学協会) マグナス・ファルバーグ(オルフス大学) ハカン・ヴェステルベリ (スウェーデン国立漁業連盟)
ニシン がどうもおならでコミュニケーション しているようであることを示したことに対して。
2005年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
農業史賞
ジェームズ・ワトソン(マッセー大学 )
彼の学者らしい研究、『リチャード・バックリー氏の爆発するズボンの重要性』に対して[ 42] 。
1931年、ニュージーランドの農村部で突然無差別に男達のズボン が爆発するという怪現象が発生した。あるズボンは真っ二つに裂け、あるズボンはくすぶって煙を上げた。たちまち各地で同じ事例が報告され、ズボン爆発は全国を恐怖に陥れた。 原因は、揮発性のある農薬 が、綿 など天然素材と化学反応を起こして発火したことだと後に判明した。 こうした背景には、第一次世界大戦 後のニュージーランド農村で、出征、移民抑制、都市化 、近隣や農業労働者への依存の減少などによって農村の人手が減ったことがある。 農民は、政府が使用を推奨する発火しやすい過塩素酸ナトリウム 含有の強力な除草剤 を使って、戦後の経済ブームで開拓したものの雑草 だらけになっていた広大な牧草地で除草を安く手早く行おうとしていた。 この論文は、ズボン爆発を通じて、当時のニュージーランドの農業と社会の様々な側面を明らかにしたものである。
物理学賞
ジョン・メインストーントーマス・パーネル (英語版 ) (受賞時点で故人) (クイーンズランド大学 )
1927年にトーマス・パーネルが始めて以来忍耐強く行われたある実験(ピッチドロップ実験 )に対して[ 43] 。
パーネルが始めた実験は、ひとかたまりの凝結した粘度の高い黒タール がゆっくりと、ゆっくりとじょうごの中を垂れていく様子を観察するというもの。その結果、大体約9年ごとに一滴がおちることが判明した。
医学賞
グレッグ・A・ミラー (英語版 ) (ミズーリ州 オーク・グローブ)
3種類の大きさ、3種類の固さが選べる去勢 犬用の人造代用睾丸 「ニューティクルズ」を発明したことに対して[ 44] 。
飼い犬を去勢した際に、犬が非常に落ち込んだという経験から、去勢後の違和感をなくす目的でシリコン製の人工睾丸を発明し1995年に発売した。 この発明と大量生産化のためにミラーは家を抵当に入れてクレジットカードも限度まで使い切ったが、その後は10年で15万個のニューティクルズを売り、投資額の倍を回収したという[ 44] 。
文学賞
ナイジェリア のインターネット起業家 たち
大胆な短編シリーズを創作して電子メールで数百万人の読者に配信し、豊かな個性の登場人物の数々(サニ・アバチャ 将軍、マリアム・サニ・アバチャ夫人、法廷弁護士ジョン・A・ムベキ、その他大勢)を紹介した事に対して。 登場人物たちはそれぞれの巨額の富を維持するために読者にほんの小額の出資を求め、彼らのものである大金へのアクセスが確保できたあかつきには、それを助けてくれた親切な人に分けてあげようというのである。
有名な電子メール詐欺「ナイジェリアの手紙 」のこと。
平和賞
クレア・リンドとピーター・シモンズ (ニューカッスル大学 )
バッタ が映画『スター・ウォーズ 』の名場面集を見ている間、その脳細胞の活動を電子的にモニタリングしたことに対して[ 45] 。
昆虫の脳は体積1立方ミリメートルに満たないが、この極小の脳が、障害物をよけつつ目標に向かって空を飛ぶよう、単眼 からの情報を処理しながら筋肉に指示するという機能を果たしている。 この脳細胞の働きの解明は、将来のロボットの制御や自動操縦などにも貢献するはずである。 この論文は、Lobula Giant Movement Detector (LGMD) という神経細胞の働きとネットワークを調べるものであった。
経済学賞
ガウリ・ナンダ (マサチューセッツ工科大学 )
逃げ出して隠れる目覚まし時計 を発明し、人々を確実にベッド から叩き出し、理論上、平日に多くの生産的な時間を増加させたことに対して[ 46] [ 47] 。
ナンダはこの当時MITメディアラボ で研究していた大学院生。彼女は後に「Nanda Home」という会社を立ち上げ、「Clocky」と名付けた逃げる目覚まし時計などを開発・販売している[ 48] 。
化学賞
エドワード・カスラー (英語版 ) (ミネソタ大学 ) ブライアン・ゲッテルフィンガー (ミネソタ大学、ウィスコンシン大学 )
「人間はシロップ の中と水の中ではどちらの方が速く泳げるか?」という長年の科学的疑問に解を与えるため、念入りな実験を行ったことに対して[ 49] 。
シロップは水と比べて粘性 が高く、水よりもヒトが速く泳げると思われていた。 彼らは増粘剤 によって水の2倍もの粘性を持つ液体を作り実際にヒトを泳がせたが、(水中で泳いだ場合と比較しても)結果に変化は無く、泳ぐという「比較的"粗い"行動」では液体の粘性は殆ど影響しないと結論付けた。
生物学賞
ベンジャミン・スミス (アデレード大学、トロント大学 、スイス・ジュネーブ・フィルメニッヒ香水会社、フランス・アルシャン・チェムコム・エンタープライズ) クレイグ・ウィリアムズ (ジェームズ・クック大学 、南オーストラリア大学 ) マイケル・タイラー(アデレード大学 ) ブライアン・ウィリアムズ (アデレード大学) 早坂洋司(オーストラリアワイン研究所)
131種類のカエルがストレスを感じているときに出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化した、骨の折れる研究『においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査』に対して[ 50] [ 51] 。
栄養学賞
中松義郎 (ドクター中松)(東京都)
34年間、自分の食事を撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を過去にまで遡って分析し続けていることに対して。
流体力学賞
ビクトル・ベンノ・メイア=ロコウ (ブレーメン国際大学、オウル大学) ヨゼフ・ガル (エトヴェシュ・ロラーンド大学 )
基本的な物理学の法則を使いペンギン の体内に起こる圧力を計算し、詳細な報告『ペンギンがうんこする際に生じる圧力:鳥類の排便における計算』にまとめたことに対し[ 52] 。
2006年
2007年
2008年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
考古学賞
アストルフォ・ゴメス・デ・メロ・アラウージョ ジョゼ・カルロス・マルセリーノ (ブラジル、サンパウロ大学 )
アルマジロ の活動で土中がかきまわされることで、どのように人類の歴史が書き換わってしまうか、あるいは少なくとも考古遺跡 発掘現場の遺物の順序 などがどのように滅茶苦茶になるかを調査したこと[ 82] 。
生物学賞
マリー=クリスティーヌ・カディエルジュ クリステル・ユベール ミシェル・フラン (フランス、国立トゥールーズ獣医大学)
イヌに寄生するノミは、ネコに寄生するノミより高く飛ぶことを発見したことに対して[ 83] 。
化学賞
シャーリー・A・アンピエール (プエルトリコ 、プエルトリコ大学) ジョゼフ・A・ヒル (アメリカ、ニューイングランド生殖医療センター) デボラ・J・アンダーソン (ボストン大学 医学部、ハーバード大学 医学部) 洪傳岳、謝茶唱、吳珮芬、姜必寧 (台湾、台北医学大学 )
コカ・コーラ の精子 を殺す避妊 効果について、論争的な研究を発表したことに対して。
一種の都市伝説 として、コカ・コーラによる膣洗浄によって避妊出来るというものがあった[ 84] 。 アンピエール、ヒル、アンダーソンの3人はコカ・コーラに精子を殺す効果があることを発見した[ 85] 。 これに対し、台北医大のチームはコカ・コーラに精子を殺す効果がないことを発表した[ 86] 。
認知科学賞
中垣俊之 (北海道大学 /理化学研究所 ) 小林亮(広島大学 ) 石黒章夫(東北大学 ) 手老篤史 (北海道大学/Presto JST(科学技術振興機構 (JST) による戦略的創造研究推進事業)) 山田裕康(名古屋大学 /理化学研究所) アゴタ・トス(ハンガリー 、セゲド大学 )
単細胞生物の真正粘菌 にパズルを解く能力があったことを発見したことに対して[ 87] 。
いわゆる粘菌コンピュータ の研究。
経済学賞
ジェフリー・ミラー 、ジョシュア・タイバー ブレント・ジョーダン (アメリカ、ニューメキシコ大学 )
ストリップダンサー が客からもらえるチップ の金額は、ダンサーの排卵 周期に影響されることを発見したことに対して[ 88] 。
ダンサーのチップは排卵日にもっとも多い傾向があり逆に月経のある日は最も少ない傾向あった、またピルを服用するダンサーは服用していないダンサーよりも全周期の平均が少ない傾向があった。
文学賞
デイヴィッド・シムズ (イギリス、ロンドン、カス・ビジネス・スクール)
愛すべき論文、『このバカ野郎:組織内における憤慨の経験に対する、物語的手法 をもちいた探究』に対して[ 89] 。
医学賞
ダン・アリエリー (アメリカ、デューク大学 )
高価な偽薬 (プラセボ)は安価な偽薬よりも効力が高いことを示したことに対して[ 90] 。
栄養学賞
マッシミリアーノ・ザンピーニ(イタリア、トレント大学)チャールズ・スペンス (英語版 ) (イギリス、オックスフォード大学)
コンピュータで修正したポテトチップス の音を流すことにより、ポテトチップスを食べている人は自分の噛んでいるポテトチップスが実際以上にかりっとして新鮮であるように信じることを示したことに対して[ 91] 。
平和賞
非ヒト動物に対する生命工学に関するスイス 連邦倫理委員会およびスイス国民全員
「植物にも尊厳がある」という法理を適用したことに対して[ 92] 。
物理学賞
ドリアン・ライマー (アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校 スクリプス海洋研究所) ダグラス・スミス (カリフォルニア大学サンディエゴ校)、
大量の髪の毛、糸、その他ほとんどあらゆるものは、ひとりでにかつ必然的に、互いに絡まってもつれてしまうことを数学的に証明したことに対して[ 93] 。
2009年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
獣医学賞
キャサリン・ダグラス ピーター・ロウリンソン (イギリス・ニューカッスル大学 )
名前をつけられた牛は、名無しの牛よりもたくさんの牛乳 を出すことを示したことに対して[ 94] 。
平和賞
ステファン・ボーリガー、ステフェン・ロス ラース・エステルヘルウェグ マイケル・ターリー、 ビート・ニュービュール (スイス・ベルン大学 )
ビール のいっぱい入った瓶 と空の瓶のどちらが頭を叩き潰しやすいか、実験により示したことに対して[ 95] 。
争いの際にしばしばビール瓶が使われることに着目し、ビール瓶が空の時と中味がある時の衝撃力を測定してどちらが頭蓋骨 に損傷を与えるのに十分な骨折閾値を超えるかを調べた。 その結果、ビール瓶は空の時でも中味がある時でも頭蓋骨を骨折させうる危険な凶器であることを示した。
生物学賞
田口文章 、宗国冨、張光磊 (北里大学 大学院医療系研究科)
ジャイアントパンダ の排泄物から採取したバクテリアを用いると、台所の生ゴミは質量で90パーセント以上削減できることを示したことに対して[ 96] 。
医学賞
ドナルド・L・アンガー (アメリカ・カリフォルニア州 サウザンドオークス )
60年以上にわたり毎日、左手の指関節を熱心に鳴らし続ける一方右手は鳴らさずにいたことにより、指の関節炎 の原因を研究してきた功績に対して[ 97] 。
経済学賞
カウプシング銀行 、ランズバンキ銀行 、グリトニル銀行 の頭取、取締役、監査役アイスランド中央銀行 の総裁及び理事
小さな国の小さな銀行が急激に巨大銀行へと膨張することができること、その逆もあることを実地に示したことに対して(また国民経済全体でも同じことができることを示したことに対して)。
アイスランド が規制緩和によって金融センターとなり、経済の著しい発展を遂げた。 しかし、世界金融危機 の影響によって3つの民間銀行が経営に行き詰まり一時国有化。一挙に恐慌状態に陥ったことを指している。
物理学賞
キャサリン・K・ウィットカム (シンシナティ大学 )、 ダニエル・E・リーバーマン (ハーバード大学)、 リサ・J・シャピロ(テキサス大学 )、
妊婦 はなぜひっくり返らないのか、分析的に解明したことに対して[ 98] 。
化学賞
ハビエル・モラレス、ミゲル・アパティガ、 ビクター・M・カスタノ(メキシコ国立自治大学 )
テキーラ からダイヤモンド を作り上げたことに対して[ 99] 。
文学賞
アイルランド警察
アイルランド 国内で頻繁に交通違反を繰り返した乱暴なドライバーであるプラヴォ・ヤズディ に対して50回以上違反切符を書き続けたことに対して。
ちなみにプラヴォ・ヤズディ (Prawo Jazdy ) は、ポーランド語 で運転免許証 のこと。 それを人名と誤認して、アイルランド警察は違反切符を切り続ける失態を犯した。
公衆衛生賞
エレナ・N・ボドナー、ラファエル・C・リー、 サンドラ・マリヤン(アメリカ・シカゴ市)
一対のガスマスク に素早く変形させることのできるブラジャー を発明したことに対し[ 100] [ 101] 。
ちなみに、ガスマスクの一方はブラジャーの使用者が使い、他方は傍観者(例えばカップルの相手)に渡すことができる。
数学賞
ギデオン・ゴノ (英語版 ) (ジンバブエ準備銀行総裁)
1セントから100兆ジンバブエ・ドル までの幅広い額面の中央銀行 券を印刷させることによって、非常に大きな数字にも対応できるようになるための、簡単で毎日できるトレーニング法を、ジンバブエ国民に与えたことに対して。
ゴノは2006年 ・2008年 ・2009年 と三度にわたるデノミネーション を実施。ハイパーインフレーション を収束させ、ジンバブエ 経済を安定化させようとしたが、経済政策の失策が響いて結果として破綻状態に陥った。
2010年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
工学賞
カリーナ・アセヴェド=ホワイトハウス Karina Acevedo-Whitehouse アグネス・ロチャ=ゴスリン Agnes Rocha-Gosselin(ロンドン動物学会 ) ダイアン・ゲンドロン Diane Gendron(国立工科大学、メキシコ・バハ・カリフォルニア・スル州 )
無線操縦ヘリコプター を駆使してクジラの鼻汁 を採取する方法を極めたことに対して[ 102] [ 103] 。
同チームは、クジラの鼻孔から吹き上げられる潮から年齢、種類、健康状態などを調査している。 だが世界最大級の哺乳類であるクジラに触れずに潮を採取することは困難とされていた。 そこでチームは、非侵襲的な(痛みや危険を伴わない)画期的方法を実現した。ボートから全長約1メートルのラジコンヘリをクジラの上に飛ばして、ヘリに取り付けたシャーレで潮の採取に成功。クジラはヘリに気づいていたが、普段と変わらない様子だったという。
医学賞
サイモン・リートヴェルト Simon Rietveld(アムステルダム大学 ) イリャ・ヴァン・ベースト Ilja van Beest(ティルブルフ大学 )
ジェットコースター に乗ることでぜんそく の症状が治療されることを発見したことに対して[ 104] [ 105] 。
交通計画賞
中垣俊之(公立はこだて未来大学 )、 手老篤史(北海道大学、科学技術振興機構さきがけ)、 高木聖治(北海道大学)、 三枝哲(北海道大学)、 伊藤賢太郎(北海道大学)、 弓木賢二(広島大学)、 小林亮(広島大学、科学技術振興機構さきがけ)、 ダン・ベバー Dan Bebber(オックスフォード大学)、 マーク・フリッカー Mark Fricker(オックスフォード大学)
粘菌 を使って鉄道網の最適な路線を設計できることを示したことに対して[ 106] [ 107] 。
中垣俊之、小林亮、手老篤史は2008年に続き二度目の受賞で、この研究は2008年の研究を継続させたもの。日本の主要都市と同じ位置にエサを置いて粘菌を繁殖させたところ、現実の鉄道路線網と同じネットワークを形成するという結果が得られた。
物理学賞
リアン・パーキン Lianne Parkin、 シェイラ・ウィリアムス Sheila Williams、 パトリシア・プリースト Patricia Priest(オタゴ大学 、ニュージーランド)
冬の凍った小道では、靴の上から靴下 をはくと、滑って転びにくくなることを示したことに対して[ 108] [ 109] 。
平和賞
リチャード・スティーブンス、 ジョン・アトキンス、 アンドリュー・キングストン(キール大学 、英国)
呪いや罵りの言葉を吐くと痛みが取り除かれる、という広く信じられてきた信念を確認したことに対して[ 110] [ 111] 。
氷水に一定の時間以上、手を浸す対照実験を行ったところ、罵倒し続ける被験者は、何も言わない被験者よりも約50%長く痛みに耐えることができた。心拍数も上がり疼痛 知覚が低下したのは、脅威の感受性を低下させる闘争逃走反応 が働いたと推測される。 ただし追跡調査では、穏やかな人の方が大きく痛みが軽減するとも明らかになった。普段から罵り倒す癖がある人にはほとんど効果が得られず、役に立たないので注意が必要。
公衆衛生賞
マヌエル・バーベイト Manuel Barbeito、 チャールズ・マシューズ Charles Mathews、 ラリー・テイラー Larry Taylor (アメリカ合衆国メリーランド州 フォート・デトリック基地 産業安全衛生部 - アメリカ陸軍衛生司令部所属)
細菌が科学者たちのあごひげ にしがみついていることを実験で証明したことに対して[ 112] 。
研究施設で微生物に汚染された場合、顔を規則通りに洗浄してもひげの微生物は死滅しにくいため、特に注意が必要だと警鐘を鳴らした。
経済学賞
ゴールドマン・サックス 、AIG 、リーマン・ブラザーズ 、ベア・スターンズ 、メリル・リンチ 、 およびマグネター・キャピタル Magnetar Capital(イリノイ州のヘッジファンド ) の経営陣と重役たち
資金投資の全く新たな手法—世界経済(またはその一部)の得る金融取引上の利益を最大化し、リスクを最小化する—を創造し宣伝したことに対して。
マグネターおよび各社は債務担保証券 (collateralized debt obligation) という手法を用い、金融危機以前はサブプライムローン 等の取引を盛んに行っていた。
化学賞
エリック・アダムス(マサチューセッツ工科大学)、 スコット・ソコロフスキー(テキサスA&M大学)、 スティーブン・マスタニ(ハワイ大学 )、BP (メキシコ湾原油流出事故 を起こしたイギリスの石油大手)
水と油は混ざらないという古くからの観念が成り立たないことを証明したことに対して[ 113] 。
3人による研究は、2000年から2001年にかけてアメリカ合衆国内務省鉱物資源管理局(MMS、メキシコ湾原油流出以後に海洋エネルギー管理・規制・執行局 (BOEMRE) へと改組)が行った、深海での原油・ガス流出に関する実験レポートである。 BPは事故によりこれを実地に示してしまった。
経営学賞
アレッサンドロ・プルチーノ Alessandro Pluchino、 アンドレア・ラピサルダ Andrea Rapisarda、 チェーザレ・ガロファロ Cesare Garofalo(カターニア大学、イタリア)
昇進させる人物をランダムに選んだ方が、組織はより効率的になることを数学的に証明したことに対して[ 114] 。
ピーターの法則 も参照。
生物学賞
張礼標 Libiao Zhang(広東昆虫学研究所)、 譚敏 Min Tan(広東昆虫学研究所、広西師範大学)、 朱光建 Guangjian Zhu(広東昆虫学研究所)、 葉建平 Jianping Ye(広東昆虫学研究所、広西師範大学)、 洪題宇 Tiyu Hong(広東昆虫学研究所、広西師範大学)、 周善義 Shanyi Zhou(広西師範大学)、 張書義 Shuyi Zhang(華東師範大学 )、 およびギャラス・ジョーンズ(ブリストル大学 )
フルーツコウモリ のフェラチオ を科学的に記録したことに対して[ 115] [ 116] 。
人間や類人猿以外ではフェラチオはあまり確認されていない。 しかしコウモリの雌は雄のペニスに対するフェラチオを行っていることが分かった。 さらにフェラチオされない雄よりもフェラチオされた雄のほうが性交時間が長くなることがわかった。
2011年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
生物学賞
ダリル・グウィン(カナダ・オーストラリア・米国)、 デイヴィッド・レンツ(オーストラリア )
ある種のタマムシ のオスは、ある種のオーストラリア製ビール瓶とつがいになることを発見したことに対して。
オーストラリアの砂漠に捨てられたビールの空き瓶にタマムシが乗って交尾しようとしているところを見た経験が、「ビール瓶に乗っかるタマムシ:オスのタマムシはビール瓶をメスと勘違いする」という論文[ 117] にまとめられた。 ビール瓶の色や光の反射がメスの羽の色に似ており、オスは大きくて丸みを帯びたメスを好むため、オスはビール瓶に性的魅力を感じたとみられる。
化学賞
今井真(滋賀医科大学 講師)、 漆畑直樹、種村秀輝(シームス )、田島幸信 (香りマーケティング協会理事長)、 後藤秀晃、 溝口浩一郎(エア・ウォーター防災 )、 村上純一(琵琶湖病院 )
火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさび の濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発[ 118] に対して。
聴覚障害者に有効な、匂いによる警報システム[ 119] の開発。
文学賞
ジョン・ペリー (哲学者) (アメリカ・スタンフォード大学)
より高い目標を達成する人間になるためには、常に重要な仕事から手をつけることを、それより重要な仕事をするのを避ける手段とすべきだと主張したことに対して[ 120] [ 121] 。
彼の主張した「構造化された先延ばし 」理論 (Theory of Structured Procrastination) とは、最も重要な作業を先延ばしすることによって、それより重要性の劣る作業をどんどん片づけてゆくというテクニック。
数学賞
ドロシー・マーティン Dorothy Martin(アメリカ、1954年に世界が終わるだろうと予言)、パット・ロバートソン (アメリカ、1982年に世界が終わるだろうと予言)、エリザベス・クレア (英語版 ) Elizabeth Clare Prophet、預言者(アメリカ、1990年に世界が終わるだろうと予言)、李長林 (韓国、1992年に世界が終わるだろうと予言)、クレドニア・ムウェリンド Credonia Mwerinde(ウガンダ、1999年に世界が終わるだろうと予言)[ 122] 、ハロルド・キャンピング (英語版 ) (アメリカ、1994年9月6日に世界が終わるだろうと予言した後、2011年10月21日に世界が終わるだろうと予言)[ 123] [ 124]
世界が終わる日を予測・断言し、数学的仮定を立てる際には気を付けた方がよいと世界に知らしめた[ 125] [ 126] 。
医学賞
ミリアム・トゥック Mirjam Tuk(オランダ、イギリス)、 デブラ・トランペ Debra Trampe(オランダ)、 リュック・ワルロップ Luk Warlop(ベルギー)、 マシュー・ルイス Matthew Lewis、 ピーター・スナイダー Peter Snyder、 ロバート・フェルドマン Robert Feldman(アメリカ)、 ロバート・ペチャック Robert Pietrzak、 デイヴィッド・ダービー David Darby、 ポール・マルフ Paul Maruff(オーストラリア)と共同で
「忙しい最中ほど無性にトイレに行きたくなる」という人類が昔から直面してきた困難について研究したことに対して[ 127] [ 128] 。
トイレに行きたくてたまらない時に下した決断が、ものによって良かったり悪かったりするのはどうしてなのか、原因を追究した。 ルイスらの研究の結果は、排泄への衝動が強い場合、注意力や作業記憶 などに大きな悪影響を及ぼす事が分かった。 またトゥックらの研究の結果では、膀胱のコントロールがうまい者は、金を使うなどの誘惑に対する抵抗力も高いことが分かった。
平和賞
アルトゥーラス・ズオカス(lt:Artūras Zuokas )(リトアニア ・ヴィリニュス 市長)
違法駐車している高級車を装甲車で踏みつぶして問題解決できることを示した[ 129] [ 130] [ 131] ことに対して。
2011年7月30日に公開したPR動画において、駐車違反中のメルセデス・ベンツ・Sクラス をBTR-60 装甲車に踏み潰させ、都市部で横行する高級車の違法駐車を糾弾した。
物理学賞
フィリップ・ペリン Philippe Perrin、 シリル・ペロー Cyril Perrot、 ドミニク・ドヴィテルヌ Dominique Deviterne、 ブルーノ・ラガル Bruno Ragaru(フランス)、 ヘルマン・キグマ Herman Kingma(オランダ)
円盤投げ 選手は目が回り、ハンマー投げ 選手は目が回らないのはなぜかを究明したことに対して[ 132] 。
円盤投げとハンマーの選手(中には両方を行う選手もいる)を集めた実験の結果、円盤投げの競技では目がまわり気分が悪くなる選手が6割近くいたのに対して、ハンマー投げで気分が悪くなる選手は一人もいなかった。 これは個人差によるものではなく、円盤投げよりもハンマー投げの場合のほうが視覚による位置確認がよりしやすいこと、重いハンマー投げより軽い円盤投げのほうが足裏の求心性が失われ、頭の動きなどが激しく気分の悪さをもたらすことが分かった。
心理学賞
カール・ハルバー・テイゲン Karl Halvor Teigen(ノルウェー・オスロ大学)
人間はなぜ日常生活においてため息をつくのかを研究したことに対して[ 133] 。
人々は自分のため息を、物事を諦めた、あるいは選択がもうないということのサインとして使っている。 しかし他人のため息については、悲しみの表現だと見る傾向があった。
生理学賞
アンナ・ウィルキンソン Anna Wilkinson(イギリス)、 ナタリー・セバンズ Natalie Sebanz(オランダ、ハンガリー、オーストリア)、 イザベラ・マンドル Isabella Mandl(オーストリア)、 ルートヴィヒ・フーバー Ludwig Huber(オーストリア)
アカアシガメ のあくび を研究し、「あくびは伝染しない」と結論付けたことに対して[ 134] 。
公共安全賞
ジョン・センダース(カナダ・トロント大学)
幹線道路を運転中にサンバイザーが下がって視界が何度も狭くなった場合の運転能力について、自ら運転して測定したことに対して[ 135] 。
2012年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
心理学賞
アニタ・エールラント Anita Eerland(オランダ) ロルフ・ズワーン Rolf Zwaan(オランダ) トゥーリオ・グァダルーペ Tulio Guadalupe(ペルー、ロシア、オランダ)
「人を左に傾かせるとエッフェル塔 が小さく見える」という研究に対して[ 136] 。
「メンタルナンバーライン理論」によれば、人間の心理は、数は小さい方から大きな方へ左から右に順番に並んでいるというふうに認識していると仮定される。 実験者はこの仮説に基づき、人間の姿勢を無意識のうちに左右に傾けると、数量の認識に影響が出るのではと考え、被験者をバランスWiiボード の上に乗せて、知らないうちにボードを左右にごくわずかに傾けたり正立させたりしながら、数値を推測させる質問を行った。
平和賞
SKN社(ロシア)
ロシア製の古い爆薬 を新しいダイヤモンド に変えたことに対して[ 137] 。
音響学賞
栗原一貴 (産業技術総合研究所 、日本)塚田浩二 (お茶の水女子大学 、日本)
自身の話した言葉をほんの少し遅れて聞かせることでその人の発話を妨害する装置、「スピーチジャマー (SpeechJammer)」を発明したことに対して[ 138] [ 139] 。
神経科学賞
クレイグ・ベネット Craig Bennett(アメリカ) アビゲイル・ベアード Abigail Baird マイケル・ミラー Michael Miller ジョージ・ウォルフォード George Wolford
脳研究者たちは、複雑な機械と単純な統計を使うことにより、どんなところにでも(たとえ死んだ鮭の体内にでも)、意味のある脳活動を見出せるということを示したことに対して[ 140] 。
fMRI の普及で、人間など生物の脳内の血流動態反応を計測し、生きた脳の活動を画像へと視覚化して研究できるようになった。 しかし一方でfMRIのデータを統計解析して視覚化する際に単純な統計手法を用いることが横行しており、誤った結果が出ている可能性があると指摘されてきた。 ベネットらはスーパーで買ってきた鮭をMRIでスキャンし、わざと単純な統計解析を行った結果、死んだはずの鮭の頭の中に、外部の刺激に反応して活動している領域があるというデータが得られてしまったと発表した。
化学賞
ヨハン・ペッテション Johan Pettersson(スウェーデン、ルワンダ)
スウェーデン南部の町アンダスレーヴで、いくつかの家に住む住民の髪が緑色に変色した謎を解明したことに対して[ 141] 。
住民の金髪が突如鮮やかな緑に変色するという苦情が多く寄せられたため、新しく建てられた住宅の配管に問題があるのではとペッテションは予想していた。最初に水道水を調査した際には正常値を示していたが、温水を一晩滞留させておくと銅管のメッキが不充分なことから配管内の温水に大量の銅が溶け込み、翌朝シャワーを浴びた住民の髪が銅によって緑に染められてしまうことが判明した[ 142] 。
文学賞
アメリカ合衆国政府監査院 (Government Accountability Office, GAO)
報告書についての報告書についての報告書についての報告書の準備を奨励する報告書についての報告書についての報告書を発行したことに対して[ 143] 。
物理学賞
ジョセフ・ケラー Joseph Keller(アメリカ)レイモンド・ゴールドスタイン (英語版 ) Raymond Goldstein(アメリカ、イギリス) パトリック・ウォーレン Patrick Warren(イギリス) ロビン・ボール Robin Ball(イギリス)
ポニーテール の中の髪に形と動きを与える力のバランスを計算したことに対して[ 144] 。
ケラーは1999年に続き2度目の受賞(1999年当時の授賞対象者からはケラーが漏れていたため、2012年に訂正された)。
流体力学賞
ルスラン・クレチェトニコフ Rouslan Krechetnikov(ロシア、アメリカ、カナダ) ハンス・メイヤー Hans Mayer(アメリカ)
人がコーヒーの入ったカップを運んで歩くときになぜコーヒーがこぼれるかをつきとめるため、はね返りながら動く液体の力学を研究したことに対して[ 145] 。
解剖学賞
フランス・ドゥ・ヴァール Frans de Waal(オランダ、アメリカ) ジェニファー・ポコルニー Jennifer Pokorny(アメリカ)
チンパンジー は、他のチンパンジーの尻の写真を見ることによって、他のチンパンジーをめいめい識別することができることを発見したことに対して[ 146] 。
医学賞
エマニュエル・ベン=スーサン Emmanuel Ben-Soussan(フランス) ミシェル・アントニエッティ Michel Antonietti(フランス)
大腸内視鏡 を操作する医師に対し、どのようにすれば患者が爆発する危険を減らせるかを助言したことに対して[ 147] 。
2013年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
医学賞
内山雅照(順天堂大学 ・帝京大学 ) Xiangyuan Jin(帝京大学・ハルビン 医科大学) Qi Zhang(帝京大学) 平井敏仁(東京女子医科大学 )天野篤 (順天堂大学) 場集田寿(順天堂大学) 新見正則(帝京大学)
心臓移植 手術を受けたマウスにオペラ を聴かせた効果を評価したことに対して[ 148] 。
マウスにオペラ「椿姫 」を聴かせたところ、モーツァルト などの音楽を聴かせたマウスや何も聴かせなかったマウスよりも拒絶反応 が抑えられ生存期間が延びた。
心理学賞
ローラン・ベグ Laurent Bègue(フランス)ブラッド・ブッシュマン (英語版 ) Brad Bushman(アメリカ・イギリス・オランダ・ポーランド) ウルマン・ゼルフーニ Oulmann Zerhouni(フランス) バティスト・スブラ Baptiste Subra(フランス) メディ・ウラバー Medhi Ourabah(フランス)
酔っぱらったと思っている人は、同時に自分は魅力的だと思っていることを、実験により確認したことに対して[ 149] [ 150] 。
生物学賞 兼 天文学賞
マリー・ダッケ (英語版 ) Marie Dacke(スウェーデン、オーストラリア) エミリー・ベアード Emily Baird(スウェーデン、オーストラリア、ドイツ)マーカス・バーン (英語版 ) Marcus Byrne(南アフリカ、イギリス) クラーク・ショルツ Clarke Scholtz(南アフリカ) エリック・ウォレント Eric Warrant(スウェーデン、オーストラリア、ドイツ)
糞虫 が道に迷ったときは、天の川 を見ながらもと来た道を帰ることを発見したことに対して[ 151] [ 152] 。
安全技術賞
故ジュスティーノ・ピッツオ The late Gustano Pizzo(アメリカ)
航空機の乗っ取り犯を陥れる電気機械式のワナを発明したことに対して[ 153] 。
ピッツオの発明した装置は、まず床の扉が開いてハイジャッカーを下に落として自動的に梱包。 飛行機の底に特別に設けられた爆弾倉扉のようなハイジャッカー投下口から空中へ投下して、パラシュートを開いて地上へ降下させると同時に無線で警察に通報。 降下するハイジャッカーを警察が地上で待ち構えるというもの。
物理学賞
アルベルト・ミネッティ Alberto Minetti(イタリア、イギリス、デンマーク、スイス) ユーリ・イワネンコ Yuri Ivanenko(イタリア、ロシア、フランス) ジェルマーナ・カッペリーニ Germana Cappellini(イタリア) ナディア・ドミニチ Nadia Dominici(イタリア、スイス) フランチェスコ・ラックァニティ Francesco Lacquaniti(イタリア)
もし月面に池があった場合、人間が池の表面を走って渡ることが物理的に可能かもしれないことを発見したことに対して[ 154] 。
化学賞
今井真介(ハウス食品ソマテックセンター) 柘植信昭(同上) 朝武宗明(同上) 永留佳明(同上)長田敏行 (東京大学名誉教授、法政大学教授)熊谷英彦 (京都大学名誉教授、石川県立大学長)
タマネギ が人間の目から涙を出させる生化学的な過程が、科学者が以前に理解していたよりもずっと複雑だったことを発見したことに対して[ 155] [ 156] 。
タマネギに含まれる有機硫黄化合物 (原料分子)がアリイナーゼ という酵素で分解されて中間体分子(1-プロペニルスルフェン酸)ができ、これが空気 に触れて自然に催涙成分と香り成分になるのだろうと思われていた。 しかし研究チームは、同じ原料分子と酵素がニンニク にも含まれているのに、ニンニクを切っても涙が出ないことに着目。 中間体分子から催涙成分(syn-プロパンチアール-S-オキシド )を生み出す過程に、タマネギのみに含まれる「催涙因子合成酵素」が働いていることをつきとめた[ 157] [ 158] 。 さらに遺伝子組み換えによる「涙の出ないタマネギ 」の開発も進められた。
考古学賞
ブライアン・クランドール Brian Crandall(アメリカ) ピーター・スタール Peter Stahl(カナダ、アメリカ)
湯がいたトガリネズミ を噛まずに飲み込み、その後数日間かけて排泄されてくるものすべてを念入りに調査し、人間の消化器 の中でどの骨が溶解してどの骨が溶解しなかったか、研究したことに対して[ 159] 。
平和賞
アレクサンドル・ルカシェンコ (ベラルーシ大統領 )
公共の場で拍手喝采することを違法にしたことに対して。
ベラルーシ を支配するルカシェンコ大統領に対し、厳しい集会規制を逃れるために、プラカードやスローガンを避けて、ただ拍手 するだけというフラッシュモブ が行われた。これに対して、多くの参加者が「拍手によって政治的意見を表明したデモ活動 」として逮捕されたが、中には片腕しかない障害者 もおり、裁判では拍手の罪で有罪となった。 独立系新聞社の編集者は、過去には聾唖者 の女性が「政治的スローガンを叫んだ」ことで逮捕されたこともあったといい、「この国の法廷では奇跡 が起きる」と述べている[ 160] 。
ベラルーシ警察
片腕しかない男を拍手喝采した罪で逮捕したことに対して[ 160] 。
蓋然性賞
バート・トルカンプ Bert Tolkamp(イギリス、オランダ) マリー・ハスケル Marie Haskell(イギリス) フリーザ・ラングフォード Fritha Langford(イギリス・カナダ) デイヴィッド・ロバーツ David Roberts(イギリス) コリン・モーガン Colin Morgan(イギリス)
横たわる牛に関して、二つの関連する発見を行ったことに対して[ 161] 。
牛が地面で横になっている時間が長いほど、その牛が直ぐに起き上がる確率は高くなる。
一度牛が起き上ると、あとどれくらいでその牛が再度横になるか簡単に予測することはできない。
この研究の目的は、動物の行動を理解することだが、畜産農家にとってはより実用的な意義がある。牛が立ち上がったり、横になったりする行動や、これらの行動の変化に関する情報が手に入れば、牛の病気の発見、家畜の畜舎への収容や管理に関する技法の評価、さらには発情サイクルの特定に役立つ可能性がある。
公共衛生賞
カシアン・バンガナダ Kasian Bhanganada トゥ・チャヤヴァタナ Tu Chayavatana チュムポーン・ポンヌムクル Chumporn Pongnumkul アヌント・トンムカヤクル Anunt Tonmukayakul ピヤサコル・サコルサタヤドーン Piyasakol Sakolsatayadorn クリット・コマラタル Krit Komaratal ヘンリー・ワイルド Henry Wilde(タイ)
彼らの論文『シャムにおける陰茎切断の流行の外科措置』に記述された、推奨される医療技術(ただし、切断したペニスが部分的にカモに食べられてしまった場合を除く)に対して[ 162] 。
1980年代初頭のタイでは、夫の浮気性に怒った妻がペニスを切断するという事件が相次いで起こり、大衆紙で大々的に取り上げられたために社会現象となり模倣する女性が続出した。 この論文では、どこの総合病院でもペニス再吻合が施術できるように、先行した論文に載せられた技術を修正したものを紹介し、18件の手術例について詳述している。
2014年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
物理学賞
馬渕清資 (北里大学 ) 田中健誠(同上) 内島大地(同上) 酒井利奈(同上)
人間が床に置かれたバナナの皮を踏んでしまった際の、バナナの皮と靴の間の摩擦、およびバナナの皮と床の間の摩擦の大きさを計測したことに対して[ 163] [ 164] 。
バナナの皮の内側には「小胞ゲル」と呼ばれる粒状の物質があり、踏みつけると粘液が出て摩擦が小さくなるため、バナナの皮の内側を下に向けて踏むと内側を上にした場合よりも滑りやすくなる。 馬渕清資は生体摩擦学 が専門で、研究成果は人の関節が滑らかに動く仕組みの解明や人工関節の研究に応用される[ 165] 。
神経科学賞
Jiangang Liu(北京交通大学およびトロント大学 ) Jun Li(西安電子科技大学) Lu Feng(中国科学院 自動化研究所) Ling Li(北京交通大学) Jie Tian(西安電子科技大学および中国科学院自動化研究所) Kang Lee(トロント大学)
トーストの焦げ跡にイエス・キリスト の顔を見てしまう人々の脳内では何が起こっているか理解しようとしたことに対して[ 166] 。
雲や木目などランダムな視覚的刺激の中に、人間の顔など意味のある像を認識してしまうというパレイドリア (変像)効果についての研究。
心理学賞
ピーター・K・ジョナサン(Peter K. Jonason, ウエスタンシドニー大学 ) エイミー・ジョーンズ(Amy Jones, リバプール・ホープ大学) ミナ・ライオンズ(Minna Lyons, 同上)
習慣的に夜遅くまで起きている人々は、朝早く起きている人々に比べて、平均的にみてより自己賞賛的 で、より巧みに他人を操り 、よりサイコパシー 的傾向があることの証拠を大量に集めたことに対して[ 167] 。
夜型人間 とダークトライアド との関連性に関する研究[ 168] 。
公衆衛生賞
ヤロスラフ・フレグル (英語版 ) (Jaroslav Flegr, プラハ・カレル大学 ) ヤン・ハヴリーチェク(Jan Havlíček, 同上) イトカ・ハヌショヴァ=リンドヴァ(Jitka Hanušova-Lindova, 同上) デイヴィッド・ハナウアー(David Hanauer, ミシガン大学 ) ナレン・ラマクリシュナン(Naren Ramakrishnan, ヴァージニア工科大学) リサ・サイフリッド(Lisa Seyfried, ミシガン大学)
人間が猫を飼うことが精神的に危険かどうか調査したことに関して[ 169] [ 170] [ 171] 。
ヤロスラフ・フレグルは、通常は猫に寄生するトキソプラズマ が人間にも寄生して脳に作用し、反応時間を遅くしたり無気力にしたり危険を恐れにくくしたりしていると発表している[ 172] 。
生物学賞
ヴラスティミル・ハルト(Vlastimil Hart, チェコ生命科学大学) ペトラ・ノヴァコヴァ(Petra Nováková, 同上)エリッヒ・パスカル・マルケンパー (英語版 ) (Erich Pascal Malkemper, デュースブルク=エッセン大学) サビーネ・ベガル(Sabine Begall, 同上) ヴラディミール・ハンザル(Vladimír Hanzal, チェコ生命科学大学) ミロシュ・ジェジェック(Miloš Ježek, 同上) トマシュ・クシュタ(Tomáš Kušta, 同上) ヴェロニカ・ニェムコヴァ(Veronika Němcová, 同上) ヤナ・アダムコヴァ(Jana Adámková, 同上) カテジナ・ベネディクトヴァ(Kateřina Benediktová, 同上) ヤロスラフ・チェルヴェニー(Jaroslav Červený, 同上) ヒネク・ブルダ(Hynek Burda, チェコ生命科学大学およびデュースブルク=エッセン大学)
犬は排便排尿をする際、体を地磁気 の南北軸に沿わせるのを好むということを注意深く記録したことに対して[ 173] [ 174] 。
芸術賞
マリーナ・デ・トマソ(Marina de Tommaso, バーリ大学 ) ミケーレ・サルダロ(Michele Sardaro, 同上) パオロ・リヴレア(Paolo Livrea, 同上)
手に強力なレーザー光線を照射されると、醜い絵を見ていた人は可愛らしい絵を見ていた人よりも比較的強い痛みを感じたことを計測したことに対して[ 175] 。
経済学賞
イタリア国立統計研究所 (ISTAT)
売春、ドラッグ密売、密輸、その他自発的参加者間のあらゆる違法な金融取引から発生する収益を加算することで国民経済の大きさを膨らませて、欧州連合の財政基準を満たそうという動きを誇り高く先導したことに対して[ 176] [ 177] 。
債務危機に直面する欧州諸国は、財政赤字を対GDP比3.0%以内に抑えるという欧州連合の基準を達成できなくなる恐れがでてきている。 これに対し、巨大な地下経済 (ただし強奪などではない、双方の自由な合意に基づく取引のみ)をGDPに加算して財政赤字のGDP比率を減らす措置をユーロスタット が推奨しており、2014年9月より地下経済を加算したGDP算出基準が加盟各国に義務付けられる。 2014年5月、イタリア政府は2015年分から地下経済をGDPに加算すると率先して発表し、物議をかもした[ 178] [ 179] 。
医学賞
イアン・ハンフリーズ(Ian Humphreys, デトロイト・メディカル・センター) ソナル・サライヤ(Sonal Saraiya, 同上) ウォルター・ベレンキー(Walter Belenky, 同上) ジェームズ・ドウォーキン(James Dworkin, 同上)
止まらない鼻血の治療のために、「塩漬け豚肉の一切れを添えた鼻腔タンポンの挿入」という手法を用いたことに対し[ 180] 。
「グランツマン血小板無力症の患者への“塩漬け豚肉の切り身”を使用した圧迫止血法」という論文によれば、なかなか止血しにくい難病にかかった4歳児の鼻血を止めるため、デトロイト・メディカル・センターの医師たちは豚肉を鼻腔に詰めるという手当を行い、24時間以内の止血に成功したという。 もともとアメリカでは、鼻の穴にベーコン を突っ込んで鼻血を止めるという民間療法が存在した[ 181] 。
北極科学賞
エイギル・ライマース(Eigil Reimers, オスロ大学 ) シンドレ・エフテストル(Sindre Eftestøl, 同上)
ホッキョクグマ に変装した人間を見てトナカイ はどう反応したのかを実験したことに対して[ 182] 。
スヴァールバル諸島 のエドゲ島 に棲むホッキョクグマとトナカイの相互の関係を調べるための実験であった。ホッキョクグマへの変装の様子が反響を呼んだ[ 183] 。
栄養学賞
ラケル・ルビオ(Raquel Rubio, カタルーニャ農業食品技術研究所・IRTA) アンナ・ジョフレ(Anna Jofré, 同上) ベレン・マルティン(Belén Martín, 同上) テレサ・アイメリッチ(Teresa Aymerich, 同上) マルガリータ・ガリッガ(Margarita Garriga, 同上)
「発酵ソーセージを作るためのプロバイオティクス の種菌 となりうる、乳児の糞から分離した乳酸菌の特徴」と題した研究に対して[ 184] 。
生後6か月の赤ちゃんのうんちから採った乳酸菌などのプロバイオティック細菌を用いてカタルーニャ の伝統的な発酵ソーセージを作ったところ、低脂肪・低塩分・美味なソーセージができたという研究[ 185] 。
2015年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
化学賞
カラム・オーモンド(Callum Ormonde, オーストラリア)コリン・ラストン (英語版 ) (Colin Raston, 同上) トム・ユアン(Tom Yuan, アメリカ合衆国) スティーブン・クドラチェック(Stephan Kudlacek, 同上) サミーラン・クンチェ(Sameeran Kunche, 同上) ジョシュア・N・スミス(Joshua N. Smith, 同上) ウィリアム・ブラウン(William A. Brown, 同上) ケイトリン・プグリエーゼ(Kaitlin Pugliese, 同上) ティヴォリ・オルセン(Tivoli Olsen, 同上) マリアム・イフティハール(Mariam Iftikhar, 同上) グレゴリー・ワイス(Gregory Weiss, 同上)
ゆで卵 を部分的に生卵 に戻す化学的レシピを発明したことに対して[ 186] 。
医薬品製造などのために遺伝子組み換え されたタンパク質を菌類の体内で大量生産する際には、タンパク質が変性されて(誤って折りたたまれる、ミスフォールディングされる)不活性になることがあり、失敗作の多さが製造コストを押し上げている。こういう折りたたまれたたんぱく質を広げて再生(リフォールディング)して再利用する方法はいろいろあるが、いずれも長い時間と高いコストがかかってきた。 研究者らはゆで卵の卵白 などを用いた実験で、熱変性して凝固したタンパク質(リゾチーム )を尿素 処理で可溶化した後、マイクロ流体薄膜を通すことでせん断応力(機械的圧力)を加えて、タンパク質の塊を解きほぐすことに成功し、簡便で短時間で済む技法を開発した[ 187] [ 188] 。ゆで卵を丸ごと生卵にもどしたというわけではない。
物理学賞
パトリシア・ヤン(Patricia Yang, アメリカ合衆国、台湾)デイヴィッド・フー (英語版 ) (David Hu, 同上) ジョナサン・ファム(Jonathan Pham, アメリカ合衆国) ジェローム・チュー(Jerome Choo, 同上)
ほとんどすべての哺乳類が、約21秒(プラスマイナス13秒)以内で膀胱を空っぽにできるという生物学的原理を実験したことに対して[ 189] 。
生物は排泄、交流、敵からの防衛のために排尿 をするが、生物ごとに異なる排尿のシステムはすべて流体力学 の原則に従っているため、哺乳類の排尿にかかる時間はだいたい予測できる。しかも排尿時間は体の大きさには関係しない。
文学賞
マーク・ディンゲマンズ(Mark Dingemanse, オランダ、アメリカ合衆国) フランシスコ・トレイラ(Francisco Torreira, オランダ、ベルギー、アメリカ) ニック・J・エンフィールド(Nick J. Enfield, オーストラリア、オランダ)
"huh?"(え?)という言葉は人類のほとんどの言語に存在しているらしきこと、その理由がなぜなのかはっきりと確定できないことを発見したことに対して[ 190] 。
相手が何といったのか分からない時に発する英語の「huh?」(ハァ?)という言葉は、世界中の多くの言語に、音も機能もほぼ同一のものが存在することが分かった。 会話の中で簡潔に質問を発するために、発音しやすい音節の言葉へとどの言語でも収斂進化 した可能性を指摘している。
経営学賞
ジェンナーロ・ベルニール(Gennaro Bernile, イタリア、シンガポール、アメリカ合衆国) ヴィニート・バグワット(Vineet Bhagwat, アメリカ合衆国)P.ラガヴェンドラ・ラウ (英語版 ) (P. Raghavendra Rau, イギリス、インド、フランス、ルクセンブルグ、ドイツ、日本)
幼少時に地震、火山噴火、津波、山火事などの自然災害 を経験しつつ、悲惨な個人的体験に遭わなかったビジネスリーダーの多くは、非常にリスク 愛好的な性格を形成してきたということを発見したことに対して[ 191] 。
最高経営責任者 の幼少時の災害体験の激しさと、企業がリスクをどれだけ負うかの間には複雑な関係があることを示した。 幼少時に災害にあった経営者のうち、悲惨な目に合わずに済んだ人たちは、攻撃的な経営を行うような企業を率いているが、悲惨な現場を目撃した体験をもつ経営者は、より保守的な経営をする傾向があることを示した。
経済学賞
タイ王国首都圏警察 (タイ)
警官が賄賂 を受け取るのを拒否した場合は、その警官に報酬を与えたことに対して[ 192] [ 193] 。
賄賂を取る事で悪名高いバンコクの交通警察官に対し、タイ首都警察は賄賂を渡そうとした交通違反者を捕まえた警官に報奨金を贈り始めた。 しかし、報道に接した市民からは、そもそも警官の方が賄賂を要求するから、贈賄者が後を絶たないのでは?と疑問視する意見が多く、この施策はすぐに終わってしまった。
医学賞
木俣肇(日本) ヤロスラヴァ・デュルディアコヴァ(Jaroslava Durdiaková, スロバキア 、イギリス、アメリカ) ペーター・ツェレツ(Peter Celec, スロバキア、ドイツ) ナターリア・カモドョヴァ(Natália Kamodyová, スロバキア) タティアナ・セドラーチコヴァ(Tatiana Sedláčková, 同上) ガブリエラ・レピスカ(Gabriela Repiská, 同上) バルバラ・スヴィエジェナ(Barbara Sviežená, 同上) ガブリエル・ミナーリク(Gabriel Minárik, 同上)
激しいキス 、その他の親密な人間相互間の行動の、生物医学的な利益や生物医学的な結果を研究しようとした実験に対して[ 194] [ 195] [ 196] [ 197] 。
木俣肇の研究は、アトピー性皮膚炎 やアレルギー性鼻炎 の患者らに恋人らと30分キスをしてもらい、キスの前後でアレルギー反応の強度を検査したところ、キスの後ではアレルギー反応が弱まったことが明らかになった。 同じ患者らによる30分の抱擁では効果がなかったものの、セックスではキス同様の効果があった[ 198] 。 スロバキアチームの研究は、被験者男女が激しいキスを交わした後で女性側から採取した唾液から男性のDNAを検出しようというもので、キス後10分から場合によっては60分後まで男性のDNAの存在が確認された。性的暴行 や虐待時には加害男性側がキスを強要することがあるため、被害女性の唾液から検出される加害男性のDNAは法的証拠として役立つことが期待されている。
数学賞
エリザベート・オーバーザウハー(Elisabeth Oberzaucher, オーストリア、ドイツ、イギリス) カール・グラマー(Karl Grammer, オーストリア、ドイツ)
シャリーフ (預言者ムハンマドの子孫)の血統を誇るモロッコ のスルタンで、血に飢えたる王(the Bloodthirsty)の異名を持つムーレイ・イスマーイール が、伝説通り1697年 から1727年 までの間に888人の子供の父親になることが本当にできたのかどうか、いかにして可能だったかを決定するために数学的技法を用いようとしたことに対して[ 199] 。
一日何回性交すれば伝説通りの出生数を達成できるか、当時の記述をもとにシミュレーションを行った。 計算に当たっては様々な性的束縛の度合いを想定して3つの異なるモデルを併用し、30年間で何百人の子供を作れるか計算し、合わせてこれに必要なハレム の大きさが言い伝えられたものよりもずっと小さくて済むことを示した。
生物学賞
ブルーノ・グロッシ(Bruno Grossi, チリ) オマル・ララック(Omar Larach, 同上) マウリシオ・カナルス(Mauricio Canals, 同上) ロドリゴ・A・バスケス(Rodrigo A. Vásquez, 同上) ホセ・イリアルテ=ディアス(José Iriarte-Díaz, チリ、アメリカ)
ニワトリの尾部に重しとなる棒を取り付けることにより、恐竜 の二本足での歩き方の推定と同じような歩き方をニワトリがするようになることを観察したことに対して[ 200] 。
鳥は先祖である恐竜の特徴を多数引き継いでおり、恐竜の生態を再構成するうえで鳥の研究は欠かせない。 しかし鳥は腰をかがめるような姿勢で立ち、足は膝の屈曲で動力を得て動いているなど、より原始的な構造だった恐竜とは異なる面もある。そのため、後方に重心を移動させるようにおもりを取り付けることで、恐竜のような動きを再現しようとした。
診断医学賞
ジャラー・カリム(Diallah Karim, カナダ、イギリス) アンソニー・ハーンデン(Anthony Harnden, ニュージーランド、イギリス) ナイジェル・デスーザ(Nigel D'Souza, バーレーン、ベルギー、ドバイ、インド、イギリス) アンドリュー・ホアン(Andrew Huang, 中国、イギリス) アブデル・カデル・アロウニ(Abdel Kader Allouni, シリア、イギリス) ヘレン・アッシュダウン(Helen Ashdown, イギリス) リチャード・J・スティーブンス(Richard J. Stevens, イギリス) サイモン・クレックラー(Simon Kreckler, イギリス)
車が減速用スピードバンプの上を乗り越える際に患者が感じる疼痛によって、きわめて正確に急性虫垂炎 と診断できることを判断したことに対して[ 201] [ 202] 。
生理学および昆虫学賞
ジャスティン・シュミット (英語版 ) (Justin Schmidt, カナダ、アメリカ合衆国)
人が様々な虫に刺された際にどれだけの相対的な痛みを感じるかを評価する「シュミット指数 」(Schmidt Sting Pain Index)を苦痛を惜しまず作り上げたことに対して[ 203] 。
マイケル・L・スミス(Michael L. Smith, アメリカ合衆国、イギリス、オランダ)
自分の体の異なる部分25か所を何度もミツバチが刺すよう注意深く調整し、その結果どの部分の痛みが最も小さく(頭、足の中指の先、上腕部)、どの部分の痛みが最も大きいか(鼻の孔、上唇、陰茎体)を研究したことに対して[ 204] 。
痛みがもっとも強かった場所は鼻の下と上唇、陰部。
軽かった部分は頭頂部、足の甲、上腕部[ 205] 。
2016年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
生殖賞
故アフメド・シャフィク (英語版 ) (Ahmed Shafik, カイロ大学 、エジプト)
ポリエステル ・綿 ・ウール でできたズボンがそれぞれラットの性生活にどのような効果を与えるかを研究したこと、および人間の男性に対しても同様の実験を行ったことに対して[ 206] [ 207] 。
ポリエステルの下着を長期間着用することにより無精子症になり着用を止めることによって回復することを実験で示した。
経済学賞
マーク・アヴィス(Mark Avis, マッセー大学 、ニュージーランド) サラ・フォーブス(Sarah Forbes, バーミンガム大学 、イギリス) シーラ・ファーガソン(Shelagh Ferguson, オタゴ大学 、ニュージーランド)
販売とマーケティングの観点から、岩石から感じられる個性を評価したことに対して[ 208] 。
ブランド・パーソナリティ(ブランドをもし人に例えたら、どんな個性・特性をもつか)は、ブランドのイメージの評価に当たって注目を浴びる概念で、さまざまな測定方法が提案されてきた。 この論文は、ブランド・パーソナリティの従来の測定手法を批判的に検討するもので、標本となった岩に対して人々がどのようなイメージを持つかをブランド・パーソナリティ・スケールの手法を用いて調査した。その結果、何の変哲もない岩から擬人化によって「グラマラス」「感傷的」「現代的」など驚くほど詳細なブランド・パーソナリティが得られた。
物理学賞
ガボール・ホルヴァート(Gábor Horváth, エトヴェシュ・ロラーンド大学 、ハンガリー) ミクローシュ・ブラホー(Miklós Blahó) ジェルジ・クリシュカ(György Kriska, エトヴェシュ・ロラーンド大学、ハンガリー) ラモーン・ヘゲデュシュ(Ramón Hegedüs) バラーシュ・ゲリクシュ(Balázs Gerics) ローベルト・ファルカシュ(Róbert Farkas) スザンヌ・アケソン(Susanne Åkesson) ペーテル・マリク(Péter Malik, エトヴェシュ・ロラーンド大学、ハンガリー) ハンスリューディ・ヴィルデルムート(Hansruedi Wildermuth, チューリッヒ大学 、スイス)
白い馬 がもっともアブ に刺されにくい馬である理由と、トンボ が黒い墓石に引きつけられて激突死する理由を発見したことに対して[ 209] [ 210] 。
アブは、動物から反射される偏光 を頼りに、吸血する動物を探す。白い馬は偏光が少ないので、アブに刺されにくい。トンボは水場に集まる習性があり、黒い墓石 と水の偏光が似ているため集まる。両者とも、偏光が関係する[ 211] 。
化学賞
フォルクスワーゲン (ドイツ)
自動車の排気ガス問題を、検査時には自動的・電気機械的に排出量を減らすことによって解決したことに対して。
2015年に明らかになった、フォルクスワーゲン車不正ソフトウェア使用事件を指す。 通常走行時は環境基準を大幅に上回る窒素酸化物などを排出する自動車に、排気ガス試験時には試験であることを自動検知するディフィートデバイス を密かに組み込み、試験時だけ排気ガスを抑制する機能を稼働させ、有害物質の量を減らす様に作動させていた事が、アメリカ合衆国環境保護庁 により発表された。
医学賞
クリストフ・ヘルムヒェン (英語版 ) (Christoph Helmchen) カリーナ・パルツァー(Carina Palzer) トーマス・ミュンテ(Thomas Münte) シルケ・アンダース(Silke Anders) アンドレアス・シュプレンガー(Andreas Sprenger)
体の左側がかゆいとき、鏡を見て右側をかくとかゆみが治まることを発見したことに対して[ 212] 。
幻肢痛 の治療に使われるミラーセラピーが痒みにも効くと言う事。
心理学賞
エヴリーヌ・デベイ(Evelyne Debey) マールテン・デ・シュライヴァー(Maarten De Schryver) ゴードン・ローガン(Gordon Logan) クリスティナ・スホツキ(Kristina Suchotzki) ブルノ・フェルスフエレ(Bruno Verschuere)
1000人の嘘吐きに嘘をつく頻度を尋ねたこと、およびその答えが信じられるかどうか特定したことに対して[ 213] 。
嘘をつく頻度と能力は、幼児期から発達を初め、思春期がピークとなる。そして歳を取ると伴に減衰していく[ 211] 。
平和賞
ゴードン・ペニークック(Gordon Pennycook) ジェームズ・アラン・シェイン(James Allan Cheyne) ナサニエル・バー(Nathaniel Barr) デレク・ケーラー(Derek Koehler) ジョナサン・フーゲルサング(Jonathan Fugelsang)
『深遠さを装ったデタラメの受容と看破について』(On the Reception and Detection of Pseudo-Profound Bullshit)と題された、学者らしい研究に対して[ 214] 。
「ブルシット」(デタラメ)という言葉が正確に200回も使われるこの論文で、研究者は意味深な引用句に見えるが実はまったくナンセンスな短文を自動生成させ、被験者にそれぞれの短文の深遠さを5段階評価させた。さらに現実のデタラメであるニューエイジなどの引用句や、平凡な短文、有名な警句なども比較のために評価させ、最後に自分についてや周りの世界についてどう考えているかの調査もした。 デタラメな短文を高めに評価した人は、思慮深くなく認識力が低く、陰謀論 にも親和的という結果が得られた[ 215] 。
生物学賞
チャールズ・フォスター (英語版 ) (Charles Foster)
その時々に、アナグマ、カワウソ、シカ、キツネ、鳥となって大自然で生活したことに対して[ 216] 。
トーマス・スウェイツ (Thomas Thwaites)
両手足に装着してヤギそっくりに歩くことのできる装具を製作して、ヤギの群れに交じって野山を放浪して過ごしたことに対して[ 217] [ 218] 。
文学賞
フレドリック・シェーベリ (イタリア語版 ) (Fredrik Sjöberg, スウェーデン)
死んだハエや、まだ死んでいないハエを収集するよろこびを描いた、三巻におよぶ自叙伝に対して[ 219] 。
知覚賞
東山篤規(日本) 足立浩平(日本)
前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると、違って見えることを調査したことに対して[ 220] 。
上半身を前に折り曲げて股の間から見ると、風景や物の遠近感が消えて実際より小さく見える錯視 (股のぞき 効果)を実験で証明した。 さらに、プリズムを使って上下左右が逆に見えるようにした「逆さ眼鏡」をかけて股のぞきをする実験を行い、景色は普通に立って見た時と同じであるにもかかわらず、股のぞきをした時と同じ錯視が起きることを確認した。 股のぞき効果の原因は前傾姿勢にあり、姿勢などの体感が視覚に影響していることの一例を示した[ 221] 。
2017年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
物理学賞
マルク=アントワン・ファルダン(Marc-Antoine Fardin,フランス,シンガポール,アメリカ)
猫は容器の形状に合わせて液体のように形を変えることについて [ 222] 。
固体とも液体ともつかないネコのふるまいに注目し「流動体」として物理学的に分析した結果、老いたネコの方が子ネコより流動性が高いことが判明した。
平和賞
ミロ・アラン・プハン(Milo Alan Puhan, スイス,アメリカ)
クリスチャン・ロカッシオ(Christian LoCascio,アメリカ,スイス)
アルフレッド・ツァーン(Alfred Zahn,スイス)
マルクス・ハイツ(Markus Heitz,スイス)
オットー・ブラエンドリ(Otto Braendli,スイス)
『ディジュリドゥ 』(オーストラリアの先住民の民族楽器)を定期的に演奏することで、閉塞性睡眠時無呼吸症候群 やいびき の治療法になることの実証[ 223] 。
この治療法の発想元となった患者で、ディジュリドゥ奏者のアレックス・スアレス(Alex Suarez)も授賞式に出席する。ディジュリドゥは循環呼吸で演奏するので上気道が鍛えられる。
経済学賞
マシュー・ロックロフ(Matthew Rockloff,オーストラリア)
ナンシー・グリアー(Nancy Greer,オーストラリア)
生きたワニ との接触が与える人のギャンブル に関する意識についての実験[ 224] 。
ワニ園を訪れた約100人の被験者にワニに触った後でスロット似のゲームをやってもらった結果、ワニに嫌悪を感じた被験者は賭けに慎重になったのに対し、何も感じなかった被験者は大金を賭ける傾向であることが判明した。
解剖学賞
ジェームズ・ヒースコート(James Heathcote,イギリス)
老人 の耳 が大きいことに関する研究[ 225] 。
206人(30~93歳)の患者の協力を得て、耳の長さを測定したところ、1歳年を取るごとに人の耳は年に0.22mmの割合で大きくなっていることが判明。また、成長して伸びるのではなく、引力で伸びる。
生物学賞
吉澤和徳(北海道大学 ,日本)
ロドリゴ・フェレイラ(Rodrigo Ferreira,ブラジル)
上村佳孝(慶應義塾大学 ,日本)
チャールズ・リエンハルド(Charles Lienhard,スイス)
洞窟内で雌陰茎、雄膣をもった昆虫の発見[ 226] 。
2014年、ブラジルの洞窟内で性器の形状が雌雄で逆転した新種のチャタテムシ が発見された。交尾時に雌はペニスを雄の体内に挿入し、精子と栄養を雄から受けとる。この新種の昆虫は平安時代の古典「とりかへばや物語 」にちなんで和名 が「トリカヘチャタテ 」と命名された。
流体力学賞
ハン・ジウォン(韓国)
コーヒーカップ を持ちながら後ろ向きに歩くと、コーヒー のこぼれは少ないという液体の揺れ動きの関する力学的研究[ 227] 。
カップの取っ手を掴んで運ぶとコーヒーは体の動きに合わせ水面が揺れるので溢れる、カップを鷲掴みにすると揺れの加速度は大幅に減少する、これは指と腕の関節を揺れをコントロール出来るため。コーヒーが溢れる揺れの方向は前後上下左右の内前後の揺れの影響が大きい。慣れていない後ろ歩きではバランスを取る様に歩くので揺れが少なくなる、但し、後ろ向きに運ぶため石などにつまづいたりしてひっくり返ることもある。
受賞者が論文を書いた時は高校生だった。
栄養学賞
フェルナンダ・イトウ(Fernanda Ito)
エンリコ・ベルナルジ(Enrico Bernard)
ホドリゴ・トーレス(Rodrigo Torres)
ケアシチスイコウモリ(吸血コウモリ)が人間の血液を吸っていた初の科学的報告[ 228] 。
主に野鳥の血を主食とする南米の吸血コウモリの糞を調べた結果、その中に人間の血液も含まれていたことが判明した。
医学賞
ジャン=ピエール・ロワイエ(Jean-Pierre Royet)
デビッド・ムニエ(David Meunier)
ニコラ・トルケ(Nicolas Torquet)
アン=マリー・モーリー(Anne-Marie Mouly)
タオ・ジアン(Tao Jiang)
チーズ が嫌いな人に臭いを嗅がせたり、写真を見せたりして、どれだけチーズに嫌悪感を示すかを図るために最新のfMRI で脳を観察[ 229] 。
認知科学賞
マッテオ・マルティニ(Matteo Martini,イタリア)
イラリア・ブファラーリ(Ilaria Bufalari,イタリア)
マリア・アントニエッタ・スタツィ(Maria Antonietta Stazi,イタリア)
サルバトーレ・マリア・アグリオティ(Salvatore Maria Aglioti,イタリア)
多くの一卵性双生児 は写真に写った双子のどちらが自分かを視覚的に識別できないことの実証[ 230] 。
産婦人科学賞
マリサ・ロペス=テイホン(Marisa López-Teijón)
アレクス・ガルシア=ファウラ(Álex García-Faura)
アルベルト・プラッツ=ガリーノ(Alberto Prats-Galino)
ルイス・パジャレス・アニオルテ(Luis Pallarés Aniorte)
胎児 に妊婦のお腹の上から再生された電子音楽よりも、膣 内にスピーカーを入れて再生された電子音楽の方が強く反応することの証明[ 231] [ 232] 。
2016年、実際に胎教アイテム「babypod」として発表されている[ 233] [ 234] 。
2018年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
医学賞
マルク・ミッチェル(Marc Mitchell、アメリカ)
デイヴィッド・ワーティンガー(David Wartinger、アメリカ)
ジェットコースター に乗ることで、腎臓・尿路結石 を除去することができるという研究に対して。
人類学賞
トマス・ペーション(Tomas Persson、スウェーデン)
ガブリエラ=アリーナ・サウチュク(Gabriela-Alina Sauciuc、スウェーデン)
エレイニー・マドセン(Elainie Madsen、スウェーデン)
動物園にて、人間がチンパンジーの真似をするのと同頻度かつ同程度に上手に、チンパンジーも人間の真似をするという証拠を集めたことに対して。
生物学賞
ポール・ベッヒャー(Paul Becher)
セバスチャン・ルブルトン(Sebastien Lebreton)
エリカ・ヴァリーン(Erika Wallin)
エリック・ヘデンストローム(Erik Hedenstrom)
フィリップ・ボレロ=エチェベリ(Felipe Borrero-Echeverry)
メアリー・ベングトソン(Marie Bengtsson)
フォルカー・ヨルガ―(Volker Jorger)
ペーター・ ウィツガル(Peter Witzgall)
ワインの専門家がワインの中にハエがいるかどうかを確実に識別できることを証明
解剖学賞
ポーラ・ロマオ(Paula Romão、ポルトガル)
アドリニ・アラルカオ(Adília Alarcão、ポルトガル)
セザール・ビアナ( César Viana、ポルトガル)
人間の唾液に洗剤と同等の働きを持つことを測定
医学教育賞
堀内朗 (Akira Horiuchi)
座位で行う大腸内視鏡 検査―自ら試してわかった教訓
文学賞
シーア・ブラクラー(Thea Blackler)
ラファエル・ゴメス(Rafael Gomez)
ヴェスナ・ポポヴィッチ(Vesna Popovic)
M. Helen Thompson
複雑な製品を使う人のほとんどは、その取扱説明書を読まないということを記録したことについて[ 235] 。
栄養学賞
ジェームズ・コール(James Cole)
人肉の栄養価は他の食物よりも劣ることについて
平和賞
フランシスコ・アロンソ (Francisco Alonso)
クリスティーナ・エステバン (Cristina Esteban)
アンドレア・セルジュ (Andrea Serge)
マリア・ルイサ・ボールスター (Maria-Luisa Ballestar)
ジェイム・サンマルタン (Jaime Sanmartín)
コンスタンツァ・カラタユ (Constanza Calatayud)
ビアトリス・アラマー (Beatriz Alamar)
非常に多くの人の、自動車運転中に叫んだり暴言を吐く頻度、動機、そしてその効果を測定したことについて
生殖医学賞
ジョン・バリー(John Barry)
ブルース・ブランク(Bruce Blank)
ミシェル・ブイロー(Michel Boileau)
男性器の勃起に関して切手を使った検査の研究について
経済学賞
リンディー・ヘーニュー・リャン(Lindie Hanyu Liang)
ダグラス・ブラウン(Douglas Brown)
ヒゥエン・リャン(Huiwen Lian)
Samuel Hanig
D. Lance Ferris
Lisa Keeping
従業員がブードゥー人形 (呪いの人形 )を使って、上司に復讐 することで、効果がでるかどうかを調査
上司に見立てたブードゥー人形に、ペンチ を使って復讐をする実験を行った。復讐をした従業員は、そうでない従業員より、気分が良くなり自身の正当性を強く感じる結果が出た[ 236] 。
2019年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
医学賞
シルヴァーノ・ガルス(Silvano Gallus、イタリア・オランダ チーム)
現地のイタリアでピザを作りかつ摂取した場合、病気と死を予防できることがあることを示す証拠を集めたことに対して。
医学教育学賞
カレン・プライヤー(Karen Pryor、アメリカ)
テレサ・マッケオン(Theresa McKeon、アメリカ)
指鳴らし トレーニングによる、単純な動物用訓練技術を用いて、整形外科手術をする外科医をトレーニングしたことに対して。
生物学賞
コン・リンジュン(Ling-Jun Kong、中国)
ヘルベルト・スレパズ(Herbert Crepaz、シンガポール・ブルガリア)
アニエシュカ・ゴレツカ(Agnieszka Górecka、シンガポール・オーストラリア)
アレクサンドラ・ウルバネク(Aleksandra Urbanek、ポーランド)
ライナー・デュムケ(Rainer Dumke、シンガポール)
トマーシュ・パテレク(Tomasz Paterek、シンガポール)
死んだ磁化したゴキブリと生きた磁化したゴキブリとでは異なる振る舞いをすることを発見したことに対して。
解剖学賞
ロジェ・ミューセ(Roger Mieusset、フランス)
ボウーラ・ベングディファ(Bourras Bengoudifa、フランス)
フランスの郵便配達人が裸の時と服を着た時の陰嚢の温度の非対称性を測定した研究に対して
化学賞
渡部茂 (Shigeru Watanabe、明海大学、日本)
大西峰子(Mineko Ohnishi、日本)
今井香(Kaori Imai、日本)
河野英司(Eiji Kawano、日本)
五十嵐清治(Seiji Igarashi、日本)
一般的な5歳児の一日に生産される唾液の総分泌量を見積もったことに対して[ 237] 。
授賞式には35年前に被験者だった渡辺茂の息子たちも出席した。
虫歯予防における口腔ケアでの唾液量の基礎データとして、医学論文で国際的に引用され続けている[ 238] 。
工学賞
イーマーン・ファラフバフシュ(Iman Farahbakhsh, ایمان فرحبخش 、イラン)[ 237] [ 239] [ 240]
乳幼児用のおむつ交換機を発明したことに対して[ 237] 。
ファラフバフシュの発明したおむつ交換機[ 注釈 1] は2018年にアメリカで特許を取得した(米国特許第10034582号)[ 239] [ 240] 。
経済学賞
ハビプ・ゲディク(Habip Gedik、トルコ)
ティモシー・A・フォス(Timothy A. Voss、オランダ・ドイツ)
アンドレアス・フォス(Andreas Voss、オランダ・ドイツ)
どの国の紙幣が危険な細菌を伝搬するのに効果的かを検証したことに対して[ 237]
ティモシーとアンドレアスは親子。
平和賞
ガーダ・A・ビン・サイフ(Ghada A. bin Saif、サウジアラビア)
アレクサンドル・パーポユ(Alexandru Papoiu、サウジアラビア)
リリアナ・バナリ(Liliana Banari、サウジアラビア)
フランシス・マグローン(Francis McGlone、イギリス)
ショーン・G・クワトラ (Shawn G. Kwatra、サウジアラビア)
チャン・ヨンファク (Yiong-Huak Chan、シンガポール)
ギル・ヨシポヴィッチ(Gil Yosipovitch、アメリカ)
かゆみを掻くことで得られる快感を測定しようとしたことに対して[ 237]
心理学賞
フリッツ・シュトラック (英語版 ) (Fritz Strack、ドイツ)
ペンを口にくわえると人の表情が笑顔になり、その笑顔で気分が幸せになることを発見したと思いきや、そうではないことを発見したことに対して[ 237] 。
物理学賞
パトリシア・ヤン(Patricia Yang(楊佩良)、アメリカ・台湾)
アレクサンダー・リー(Alexander Lee、アメリカ・台湾)
マイルズ・チャン(Miles Chan、アメリカ・台湾)
Alynn Martin(オーストラリア)
アシュリー・エドワーズ(Ashley Edwards、オーストラリア)
スコット・カーバー(Scott Carver、オーストラリア)
デビッド・ヒュー(David Hu(胡立德)、アメリカ・台湾)
ウォンバット がなぜ、どのようにして立方体型の糞をするのかを研究したことに対して
ヤンとヒューは2015年に続き2度目の受賞。
2020年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
音響学賞
ステファン・レバー(Stephan A. Reber、スウェーデン)
西村剛 (日本、京都大学霊長類研究所 )
ジュディス・ヤニッシュ(Judith Janisch、オーストリア)
マーク・ロバートソン(Mark Robertson、アメリカ)
テカムセ・フィッチ(Tecumseh Fitch、オーストリア)
ヨウスコウワニ にヘリウムガスを吸わせても声が変化することを調べた功績に対して。
これにより、太鼓のような音を出すヨウスコウワニの発声の仕組みが打楽器ではなく
人や鳥類と同じ、声道を通る管楽器の仕組みで行われていることがわかった。
心理学賞
ミランダ・ジャコミン(Miranda Giacomin、カナダ)
ニコラス・ルール(Nicholas Rule、アメリカ)
眉毛でナルシストを見分ける方法を考案したことに対して。
分厚く眉毛を整える人はナルシストである傾向が高い[ 241] 。
平和賞
インドとパキスタンの外交官
夜中にお互いピンポンダッシュしあったことに対して。
物理学賞
イヴァン・マクシモフ(Ivan Maksymov)とアンドリー・ポトツキー(Andriy Pototsky)、オーストラリア、ウクライナ、フランス、イタリア、ドイツ、英国、南アフリカのチーム
生きているミミズを高周波で振動させると、形がどうなるか。
経済学賞
クリストファー・ワトキンス(Christopher Watkins)ら、英国、ポーランド、フランス、ブラジル、チリ、コロンビア、オーストラリア、イタリア、ノルウェーのチーム
様々な国の国民所得格差とキスの頻度の関連性を研究したことに対して。
経営者賞
(奚广安) Xi Guang-An、 (莫天祥) Mo Tian-Xiang、(杨康生) Yang Kang-Sheng、(杨广生) Yang Guang-Sheng、(凌显四) Ling Xian Si
5人の中国の殺し屋
殺人依頼を5次下請けまで回したところ、決行されず逮捕された事件に対して。
中国の広西チワン族自治区で不動産ビジネスで訴訟を起こされた人物がその訴訟相手を始末するため200万元で殺害を依頼、依頼者はその半分を自分の物とし残り半分で別の相手に殺しを依頼、それが5次下請けまで続き5次下請け者が受け取る報酬は10万元にまで落ちた。
最後の下請け殺し屋は割りに合わないとターゲットに協力を持ちかけ、ターゲットの死んだふりの写真で依頼者を騙した。
雲隠れを終えたターゲットは5次下請けの残した携帯電話を警察に持っていき事件が判明、依頼者と5人の殺し屋は逮捕されそれぞれ懲役2年7カ月から懲役5年までの刑期が言い渡された[ 242] [ 243] 。
昆虫学賞
リチャード・ベッター(Richard Vetter、アメリカ)
昆虫学者の多くが、昆虫ではないクモ を恐れているという証拠を集めたことに対して。
医学賞
ニエンケ・ヴュリンク(Nienke Vulink、オランダ)
ダミアン・デニス(Damiaan Denys、ベルギー)
長い間認識されていなかった、他人が物をかむ音を苦痛と感じる症状を「咀嚼音嫌悪症(ミソフォニア )」と診断したことに対して。
医学教育学賞
ジャイール・ボルソナーロ (Jair Bolsonaro、ブラジル大統領)
ボリス・ジョンソン (Boris Johnson、イギリス首相)
ナレンドラ・モディ (Narendra Modi、インド首相)
アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール (Andrés Manuel López Obrador、メキシコ大統領)
アレクサンドル・ルカシェンコ (Alexander Lukashenko、ベラルーシ大統領)
ドナルド・トランプ (Donald Trump、アメリカ合衆国大統領)
レジェップ・タイイップ・エルドアン (Recep Tayyip Erdogan、トルコ大統領)
ウラジーミル・プーチン (Vladimir Putin、ロシア大統領)
グルバングル・ベルディムハメドフ (Gurbanguly Berdimuhamedow、トルクメニスタン大統領)
新型コロナウイルス感染症 の大流行を利用して、各国首脳らが科学者や医師よりも生死に即効性があることを世界に教えたことに対して。
材料工学賞
メーティン・エレン(Metin Eren、イギリス)
ミシェル・ベバー(Michelle Bebber、アメリカ)
ジェームズ・ノリス(James Norris、イギリス)
アリッサ・ペローネ(Alyssa Perrone、アメリカ)
アシュリー・ルトコスキ(Ashley Rutkoski、アメリカ)
マイケル・ウィルソン(Michael Wilson、アメリカ)
メアリー・アン・ラガンティ(Mary Ann Raghanti、アメリカ)
ヒトの凍った大便から作ったナイフが機能的ではないことを実証したことに対して。
2021年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
生物学賞
スザンヌ・シューツ (Sussane Schötz)
ロバート・エークルンド(Robert Eklund)
ヨースト・ファン・デ・ヴァイアー(Joost van de Weijer)
人対猫のコミュニケーションでの猫が発する種々の鳴き声や、その他の様式の多様性を分析したことに対して。
生態学賞
レイラ・サタリ(Leira Satari)
アルバ・ギリェン(Alba Guillén)
アンヘラ・ヴィダル=ヴェルドゥ (Àngela Vidal-Verdú)
マヌエル・ポルカー (Manuel Porcar)
様々な国の舗装路に捨てられたチューインガムに生息する異なる種類の細菌を遺伝学的分析を用いて同定したことに対して。
化学賞
ヨルグ・ヴィッカー (Jörg Wicker)
ニコラス・クラウター (Nicolas Krauter)
ベッティナ・デルストロフ (Bettina Derstroff)
クリストフ・シュテンナー (Christof Stönner)
エフストラティオス・ブルツキディス (Efstratios Bourtsoukidis)
アヒム・エトバウアー (Achim Edtbauer)
ヨッヘン・ヴルフ (Jochen Wulf)
トーマス・クリュプフェル (Thomas Klüpfel)
シュテファン・クラマー (Stefan Kramer)
ジョナサン・ウィリアムズ (Jonathan Williams)
観客が見ている映画内の暴力、性的描写、反社会的行動、薬物の使用、暴言の程度を、観客が発する体臭が信頼できる形で示すかどうかを検証するために、映画館内の空気を化学的に分析したことに対して。
経済学賞
パヴロ・ブラヴァツキー (Pavlo Bravatskyy)
その国の政治家の肥満度合いが、その国の腐敗度合いを示す良い指標になりうることを発見したことに対して。
医学賞
オルカイ・ジェム・ブルート(Olcay Cem Bulut)
ダレ・オラドクン (Dare Oladokun)
バーカード・リッパート (Burkard Lippert)
ラルフ・ホーエンベルガー (Ralph Hohenberger)
鼻呼吸の改善に対して、性的オルガズムに充血除去薬と同等の効果がありうることを証明したことに対して。
平和賞
イーサン・ベセリス (Ethan Beseris)
スティーブン・ネールウェイ (Steven Naleway)
デビッド・キャリアー (David Carrier)
顔面へのパンチから身を守るためにヒトは髭を進化させた、という仮説を検証したことに対して。
物理学賞
アレッサンドロ・コルベッタ (Alessandro Corbetta)
ヤスパー・ミーウセン (Jasper Meeusen)
リー・チュンミン (Chung-min Lee)
ロベルト・ベンツィ (Roberto Benzi)
フェデリコ・トスキ (Federico Toschi)
歩行者がなぜ他の歩行者と常に衝突しないかを知るために実験を行ったことに対して。
動力学賞
村上久
クラウディオ・フェリシャーニ (Claudio Feliciani)
西山雄大
西成活裕
歩行者がなぜ他の歩行者と時々衝突するかを知るために実験を行ったことに対して。
歩きスマホ に関する実験。
昆虫学賞
ジョン・マルレナン・ジュニア (John Mulrennan, Jr.)
ロジャー・グローサウス (Roger Grothaus)
チャールズ・ハモンド (Charles Hammond)
ジェイ・ラムディン (Jay Lamdin)
彼らの研究論文、「潜水艦 内におけるゴキブリ 発生抑制の新たな方法」に対して。
輸送学賞
ロビン・ラドクリフ (Robin Radcliffe)
マーク・ジャゴ (Mark Jago)
ピーター・モーケル (Peter Morkel)
エステレ・モーケル (Estelle Morkel)
ピエール・デ・プレーズ (Pierre du Preez)
ピエト・ベイテル (Piet Beytell)
ビルジット・コッティング (Birgit Kotting)
バッカー・マニュエル (Bakker Manuel)
ヤン・ヘンドリク・デ・プレーズ (Jan Hendrik du Preez)
ミシェル・ミラー (Michele Miller)
ジュリア・フェリッペ (Julia Felippe)
スティーブン・ペリー (Stephen Perry)
ロビン・グリード (Robin Gleed)
サイ を空輸する際は上下逆さまにした方が安全かどうかを実験して決定したことに対して。[ 244]
サイは、サバンナ 内での遺伝子プール の多様性 を確保するため、別のサバンナに陸路や空路で移送されることがある。 ラドクリフの研究チームは、サイに麻酔 を投与してヘリコプター で空輸する際に、ストレッチャーに寝かせて吊るすよりも足で固定して逆さ吊りにする方がサイの呼吸に与える影響が小さいことを明らかにした。 サイを横向きにすると片方の肺に血液が偏ることが原因だと考察されている。[ 245] [ 246]
2022年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
応用循環器学賞
エリスカ・プロハシュコバ (Eliska Prochazkova)
エリオ・シャク=シー(Elio Sjak-Shie)
フリーデリケ・ベーレンス(Friederike Behrens)
ダニエル・リンド(Daniel Lindh)
マリスカ・クレット(Mariska Kret)
ブラインドデート にて初対面の二人が、お互い惹かれあっていると感じているとき、お互いの心拍数 が同期 する証拠を探し求めたことに対して。
文学賞
エリック・マルティネス(Eric Martínez)
フランシス・モリカ(Francis Mollica)
エドワード・ギブソン (Edward Gibson)
なぜ法 的文書は不必要に理解しにくいのか分析したことに対して。
生物学賞
ソリマリー・ガルシア=エルナンデス (Solimary García-Hernández)
グラウコ・マチャド (Glauco Machado)
便秘 がサソリ の交尾 成功の可能性に影響するかどうか、およびどのように影響するか研究したことに対して。
医学賞
マルチン・ヤシンスキ (Marcin Jasiński)
マルティナ・マチエイェフスカ(Martyna Maciejewska)
アンナ・ブロジアック(Anna Brodziak)
ミハウ・ゴルカ(Michał Górka)
カミラ・スクヴィラフスカ(Kamila Skwierawska)
ヴィエシュワフ・イェジェイチャク(Wiesław Jędrzejczak)
アニエシュカ・トマシェフスカ(Agnieszka Tomaszewska)
グジェゴシュ・バサク(Grzegorz Basak)
エミリアン・スナルスキ(Emilian Snarski)
患者 が毒物 を用いた化学療法 を受ける際、伝統的な処置方法をアイスクリーム で代替した場合の方が有害な副作用が起こった患者数が少なかったことを示したことに対して。
工学賞
松崎元
大内一雄
上原勝
上野義雪
井村五郎
つまみ を回しているときに最も効率的な指 の使い方を発見しようとしたことに対して。
芸術史学賞
ペーター・デ・スメット (Peter de Smet)
ニコラス・ヘルムート (Nicholas Hellmuth)
彼らの研究「古代 マヤ の陶器 に描かれた儀式的浣腸 に対する学際的アプローチ」に対して。
物理学賞
フランク・フィッシュ (Frank Fish)
ユアン・ジミン (Zhi-Ming Yuan)
チェン・ミンル (Minglu Chen)
ジャ・ライビン (Laibing Jia)
ジ・チュンヤン (Chunyan Ji)
アティラ・インチェチク(Atilla Incecik)
アヒル の子がどのようにして隊列 を組んで泳ぐことができているのか理解しようとしたことに対して。
平和賞
ウ・ジュンフィ(Junhui Wu)
シャボルチュ・シャーマドー(Szabolcs Számadó)
パット・バークレイ(Pat Barclay)
ビアンカ・ベールスマ(Bianca Beersma)
テレンス・ドーレス・クルーズ(Terence Dores Cruz)
セルジオ・ロ・イアコノ(Sergio Lo Iacono)
アニカ・ニーパー(Annika Nieper)
キム・ピータース(Kim Peters)
ヴォイテク・シュピオカ(Wojtek Przepiorka)
レオ・ティオキン(Leo Tiokhin)
ポール・ヴァン・ランゲ(Paul Van Lange)
人が噂話する際、いつ事実 を話し、いつ嘘 を話すのか決めるのを助けるアルゴリズム を開発したことに対して。
経済学賞
アレッサンドロ・プルキーノ(Alessandro Pluchino)
アレッシオ・エマヌエレ・ビオンド(Alessio Emanuele Biondo)
アンドレア・ラピサーダ(Andrea Rapisarda)
なぜ最も才能 のある人でなく、最も運 が良い人こそしばしば成功するかを数学的に説明したことに対して。
安全工学賞
マグヌス・ゲンス(Magnus Gens)
衝突試験 用のヘラジカ 型ダミーを開発したことに対して。
2023年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
化学・地質学賞
ヤン・ザラシェヴィチ (Jan Zalasiewicz)
なぜ多くの科学者は石 をなめるのが好きなのかに対して。
文学賞
クリス・モーリン(Chris Moulin)
ニコル・ベル(Nicole Bell)
メリタ・トゥルネン(Merita Turunen)
アリナ・バハリン(Arina Baharin)
アキラ・オコンノル(Akira O'Connor)
人が一つの言葉を何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返す際に感じる感覚の研究に対して。
機械工学賞
テ・ファイェ・ヤップ(Te Faye Yap)
チェン・リウ(Zhen Liu)
アノープ・ラジャッパン(Anoop Rajappan)
トレヴァー・シモクス(Trevor Shimokusu)
ダニエル・プレストン(Daniel Preston)
死んだクモ を機械的クリッピングツールとして蘇らせて使用することに対して。
公衆衛生学賞
パク・スンミン(Seung-min Park)
尿検査用試験紙、排便分析用コンピュータビジョン システム、識別カメラと組み合わされた肛門認証センサー、テレコミュニケーションのリンクなど、人間が排泄する物質を監視し迅速に分析する様々な技術を用いる装置「スタンフォード・トイレ」を発明したことに対して。
意思疎通学賞
マリア・ホセ・トレス=プリオリス(María José Torres-Prioris)
ディアナ・ロペス=バロソ(Diana López-Barroso)
エステラ・カマラ(Estela Càmara)
ソル・フィッティパルディ(Sol Fittipaldi)
ルカス・セデニョ(Lucas Sedeño)
アグスティン・イバニェス(Agustín Ibáñez)
マルセロ・ベルティエル(Marcelo Berthier)
アドルフォ・ガルシア(Adolfo García)
音素単位の倒語 を得意とする人の精神活動の研究に対して。
医学賞
クリスティネ・ファム(Christine Pham)
ボバク・ヘダヤティ(Bobak Hedayati)
キアナ・ハシェミ(Kiana Hashemi)
エラ・チュカ(Ella Csuka)
ティアナ・ママガニ(Tiana Mamaghani)
マルギット・ユハス(Margit Juhasz)
ヤミー・ヴィケンハイザー(Jamie Wikenheiser)
ナターシャ・メシンコフスカ(Natasha Mesinkovska)
死体を用いて人の2本の鼻 の穴の毛 の本数が等しいかどうかを数えたことに対して。
栄養学賞
宮下芳明(Homei Miyashita)
中村裕美(Hiromi Nakamura)
電気を通した箸やストローが味覚をどのように変えられるかという実験に対して。
教育学賞
カティ・タム(Katy Tam)
サイネア・プーン(Cyanea Poon)
ヴィクトリア・フイ(Victoria Hui)
ヴェイナルト・ファン・ティルブルフ(Wijnand van Tilburg)
クリスティー・ウォン(Christy Wong)
ヴィヴィアン・クォン(Vivian Kwong)
ギギ・ユエン(Gigi Yuen)
クリスチャン・チャン(Christian Chan)
教師と生徒の退屈の注意深い研究に対して。
心理学賞
スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram)
レオナルド・ビックマン(Leonard Bickman)
ローレンス・ベルコヴィチ(Lawrence Berkowitz)
街道で赤の他人が上を向いているのを見ると何人の通行人が立ち止まって上を向くかを調べる実験に対して。
物理学賞
ビエイト・フェルナンデス・カストロ(Bieito Fernández Castro)
マリアン・ペニャ(Marian Peña)
エンリケ・ノゲイラ(Enrique Nogueira)
ミゲル・ヒルコト(Miguel Gilcoto)
エスペランサ・ブロウリョン(Esperanza Broullón)
アントニオ・コメサニャ(Antonio Comesaña)
ダミエン・ボウファルド(Damien Bouffard)
アルベルト・C・ナベイラ・ガラバト(Alberto C. Naveira Garabato)
ベアトリス・モウリニョ=カルバリド(Beatriz Mouriño-Carballido)
カタクチイワシの性活動によって海水の混合がどの程度起こるかを測定したことに対して。
2024年
受賞名
受賞者
受賞理由
備考
平和賞
バラス・スキナー (B.F. Skinner)
ミサイルの飛行経路を誘導するために生きたハトをミサイル内に飼育することの実現可能性を調べる実験 [ 247] [ 248]
[ 249]
植物学賞
ジェイコブ・ホワイト(Jacob White)
フェリペ・ヤマシタ(Felipe Yamashita )
他の植物の葉を模倣する植物ボキラ (英語版 ) が隣接するプラスチック製の人造植物の形状を模倣することの発見[ 247] [ 248]
[ 250]
解剖学賞
マジョレーン・ウィレムス(Marjolaine Willems)
Quentin Hennocq
Sara Tunon de Lara
Nicolas Kogane
Vincent Fleury
Romy Rayssiguier
Juan José Cortés Santander
Roberto Requena
Julien Stirnemann
Roman Hossein Khonsari
毛髪形成における遺伝的決定論と半球の影響[ 248]
[ 251]
薬学賞
リーベン・シェンク(Lieven A Schenk)
ターミン・フェダイ(Tahmine Fadai)
クリスチャン・ビュッヘル(Christian Büchel)
痛みを伴う副作用を引き起こす偽薬は、痛みを伴う副作用を引き起こさない偽薬よりも効果的である可能性があることについて[ 247] [ 248]
[ 252]
物理学賞
ジェームズ・リャオ(James C. Liao)
死んだマスの遊泳能力の実演と説明[ 248]
[ 253]
生理学賞
Ryo Okabe
Toyofumi F. Chen-Yoshikawa
Yosuke Yoneyama
Yuhei Yokoyama
Satona Tanaka
Akihiko Yoshizawa
Wendy L. Thompson
Gokul Kannan
Eiji Kobayashi
Hiroshi Date
Takanori Takebe
多くの哺乳類が肛門呼吸 (ドイツ語版 ) できることの発見について[ 248]
[ 254]
確率賞
フランチェク・バルトシュ(František Bartoš)ら50名
コインを投げた時、最初に上にしていた面が出る確率の方が高いという理論を35万757回の実験で示したことについて[ 248]
[ 255]
化学賞
テス・ヒーアマン
アントワーヌ・デブレ
ダニエル・ボン
サンデル・ウォーターセン
酔った虫と酔っていない虫を分離するためのクロマトグラフィーの使用[ 248]
[ 256]
人口統計学賞
ソール・ジャスティン・ニューマン(Saul Justin Newman)
最も長生きしたことで有名な人々 の多くが、出生と死亡の記録がきちんと保管されていない場所に住んでいたことの発見[ 248]
[ 257]
生物学賞
フォーダイス・エリー(Fordyce Ely)
ウィリアム・E・ピーターセン(W.E. Petersen)
牛がいつ、どのように乳を噴出するかを調べるために、牛の背中にいる猫の横で紙袋を爆発させる実験[ 248]
[ 258]
脚注
注釈
^ 正確には "Infant Washer and Diaper-Changer Apparatus and Method".
出典
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^ なお元となった実験は、1842年にイライアス・ルーミスが、大砲でニワトリの死骸を発射したというもの。
^ サービス終了のお知らせ [リンク切れ ]
^ 襲ってくる自動車強盗に対して火炎放射で撃退する
^ Blaster
^ ちなみにこの実験を行う切っ掛けとして彼らは、1955年 に起きた銀行強盗 事件を挙げている。犯人は素顔丸出しで強盗行為を働いた(直ぐに逮捕された)が、顔にレモンジュース を塗れば防犯カメラ に映り難いと犯人は思い込んでいた。
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^ 例えば以下のことが取り上げられている。 「野球帽 をかぶっている若者のうち何パーセントが、つばを頭の前にでなく、後ろに向けているか」、「歩行者のうち何パーセントが、他の色でなく、白い運動靴 をはいているか」、「泳いでいる人のうち何パーセントが、プール の深い側でなく、浅い側を往復しているか」、「ある停止標識 のところに来た車の何パーセントが、ほとんど(ただし、「完全に」でなく)停止するか」、「外回りをしている人の何パーセントがアタッシェケース を持っているか」、「スーパーマーケットの「特急レジ」を使っている買い物客のうち、何パーセントが決められた品数を超えているか」、「学生の何パーセントがメキャベツ の味を好きでないか」
^ ちなみにビハーリーは「死んでいる」というハンディキャップを克服して、何とかインド政府からパスポート を取得。賞を受けるためにハーバード大学 に行ける筈だったが、アメリカ政府は彼の入国を許可しなかった。このため、彼の友人であるマド・カプアーがビハーリーの代理でイグノーベル授賞式典に参加し、賞を受け取った。数週間後、賞はインドで行われた特別式典でビハーリー自身に渡された。
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^ ちなみに他にも「粒チョコ は色の数が多いと食べ過ぎになりがち」「コメディよりシリアスな映画の方がポップコーン を多く食べる」「バイキング での取り皿が小さくなると盛る料理の量も少なくなる」という結果が出ている。
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参考文献
関連項目
外部リンク