バルセロナ大学(バルセロナだいがく、カタルーニャ語: Universitat de Barcelona: IPA: [uniβərsiˈtat də βərsəˈɫonə]、スペイン語: Universidad de Barcelona)は、スペイン・カタルーニャ州バルセロナにある公立大学。略称はUB。
75の学部プログラム、353の修士課程プログラム、96の博士課程プログラムを提供している。学生数は約63,000人。附属図書館は200万点以上を収蔵している。ヨーロッパ最古の中世大学に位置づけられ、スペインの頂点に君臨する大学である。
歴史
1398年、アラゴン王マルティン1世から、新しい大学を設立する許可をローマ教皇に求める動議がバルセロナの100人評議会に提出されたが、評議会は管轄区域への越権行為として動議を退けた。そこで、マルティン1世は王の大権を用いて、1401年にバルセロナ大学の前身となる医学校を設立し、モンペリエ大学と同じ特権を与えた。翌1402年には、リベラル・アーツ分野からの教員を多数任命した。結果的に、バルセロナ大学は、アラゴン=カタルーニャ連合王国が最大版図にあった1450年、アラゴン王アルフォンソ5世によって、医学校が100人評議会の承認を受ける形で正式に創立された。しかし、フアン2世 (アラゴン王)治世下での内戦や度重なる衝突によって、バルセロナ大学の発展はフェルナンド2世 (アラゴン王)の治世を待たなければならなかった。スペイン・ハプスブルク朝時代の1536年には、新校舎も建設され、大学内部の激しい対立や財政難を乗り越えて、傑出した大学教授たちによる数々の功績が打ち立てられた。
しかし、スペイン継承戦争後の1714年、バルセロナ大学は哲学部や法学部、教会法学部等のサルベラへの移転を命じられ、医学部や人文学部はかろうじてバルセロナに残ったものの、事実上、スペイン・ブルボン朝によって閉鎖されることになった。この閉鎖は半島戦争(スペイン独立戦争)中の1837年まで続いた。1837年、サルベラに移転してサルベラ大学(英語版)と命名されていた元々の大学組織が、バルセロナに帰還する形を取って、イサベル2世の時代にバルセロナ大学が復活した。カルメル修道会の建物には教会法学部・法学部・神学部が入り、サン・パウ病院に隣接する王立医学アカデミーに医学部が入った。
1952年にはラス・コルツ区(英語版)パドラルベス地区の大学街化が開始され、1956年には薬学部の建物が、1958年に法学部の建物が、1961年に経営学部の建物が、1957年から1968年に経済学部の建物が完成した。今日のこの地区はパドラルベス・キャンパスとして知られている。フランコ体制下末期までバルセロナ大学はカタルーニャ地方唯一の大学だったが、1968年にはカタルーニャ地方2番目の大学として公立のバルセロナ自治大学が設立され、1971年には同じく公立のカタルーニャ工科大学が設立された。2006年には地理学・歴史学部と哲学部がパドラルベス・キャンパスから中心市街地に移転した。
評価
2021年のURAP世界大学ランキングでは、世界第60位とされ、スペインでは第1位だった。2020年のQS世界大学ランキングでは、世界第165位とされ、スペインでは第1位だった[1]。2021年のUSニューズ&ワールド・レポートによる大学ランキングでは、世界第90位とされ、スペインでは第1位だった[2]。2021年の世界大学学術ランキングでは、世界第151~200位とされ、スペインでは第1位だった。2021年のTHE世界大学ランキングでは、世界第198位だった。同じくスペインのマドリード・コンプルテンセ大学や、イタリアのボローニャ大学、ローマ・ラ・サピエンツァ大学等と並び、南欧屈指の名門総合大学である[3]。
大学間連携
ヨーロッパ研究大学連盟、コインブラ・グループ、ヨーロッパ大学協会、地中海大学連合(英語版)、国際研究型大学ネットワーク(英語版)、ビベス大学ネットワークに加盟している。特に、ヨーロッパで最も優れた23大学のみが加盟しているヨーロッパ研究大学連盟の一員であることが特筆される。
日本の大学とは、京都大学、北海道大学、名古屋大学、筑波大学、神戸大学、早稲田大学、法政大学、桃山学院大学と学術協定等を締結している。
学部・付属機関
学部
- 芸術部
- 図書館情報学部
- 生物学部
- 経済学・経営学部
- 法学部
- 薬学部
- 文献学部
- 哲学部
- 物理学部
- 教員養成学部
- 地理学・歴史学部
- 地質学部
- 数学部
- 医学部
- 歯学部
- 教育学部
- 心理学部
- 化学部
その他機関
- 教育科学研究所
- 医学校
- バルセロナ国際研究所
- 映画・視聴覚高等研究センター
- 広報高等研究センター
- 国立体育研究所
- 新相互技術学校
- 看護大学校
- 観光学大学校
- カタルーニャ公安研究所
出身者
教員
脚注
外部リンク