ヘルシンキ大学

ヘルシンキ大学
フィンランド語: Helsingin yliopisto
スウェーデン語: Helsingfors universitet
ファイル:University of Helsinki.svg
ラテン語: Universitas Helsingiensis[1]
モットー : Opiskelu ja opettaminen – yliopiston sydän[2]
勉学と教育 - 大学の核心
モットー (英語) Studying and teaching - The heart of a university
種別 公立
設立年 1640年 (384年前) (1640)
資金20億
総長 Kaarle Hämeri
学長 Kari Lindblom[3]
職員数
8,120(2020年[4]
学生総数 31,600人(2020年総計[4]
学部生 16,090人(2020年内訳[4]
大学院生 10,673人(同上)
博士課程在籍者
4,548人(同上)
所在地 フィンランド
ヘルシンキ
北緯60度10分10秒 東経024度57分00秒 / 北緯60.16944度 東経24.95000度 / 60.16944; 24.95000座標: 北緯60度10分10秒 東経024度57分00秒 / 北緯60.16944度 東経24.95000度 / 60.16944; 24.95000
キャンパス 都市部
スクールカラー     黒と白[5]
| ユトレヒト・ネットワーク英語版 | エウロペウム英語版 | 北極大学英語版 | UNAエウローパ英語版
公式サイト www.helsinki.fi/en
テンプレートを表示
大学本館

ヘルシンキ大学(ヘルシンキだいがく フィンランド語: Helsingin yliopistoスウェーデン語: Helsingfors universitet)は、フィンランドヘルシンキにある大学。フィンランド最古にして最大の規模を誇り、広い範囲にわたる多くの履修プログラムを有する。国際大学ランキングでは、常に100位以内に位置している。略称はUH

2022年時点の在籍数は大学院生1万673人を含めておよそ3万1000人[6]、11学部と研究機関11件で単位を履修し学位を修める[4]

2005年8月1日よりボローニャ・プロセスと呼ばれるヨーロッパ規模の教育政策の基準を採用し、学士号、修士号、上級修士号及び博士号を授与している。

ヨーロッパ研究大学連盟(LERU)の創設を支えた名門であり、ヨーロッパ首都大学連盟英語版、label=UNICA}}(欧州首都大学連盟[注 1])、ユトレヒト・ネットワーク英語版エウロペウム英語版北極大学英語版UNAエウローパ英語版の加盟校で、質の高い研究に重きを置いている。履修できる学位は学士号、修士号、上級修士号英語版博士号である[7]。学位履修課程に入学するには、学士号の場合は通常、入学試験を受け、修士号および大学院の学位はそれまでに取得した学位の成績によって決まる。

授業は法律に従いフィンランド語とスウェーデン語の2言語で行われる。フィンランド国内ではスウェーデン語は公用語でありながら話者は少数派であり、大学でもフィンランド語話者が大多数である。修士、上級修士、博士課程では英語で行われる授業が多く、事実上、授業で第3言語として扱われてきた。

上述のように国境を越えた大学の多種の連携に参加し、また世界福祉に貢献する学府として国外からも財政支援が寄せられる。一例として、がん原遺伝子乳がん治療の研究資金は2021年9月、アメリカ合衆国の国防総省から520万ドル(およそ440万ユーロ)の資金提供を認められた[8]

1883年に創立されたヘルシンキ大学男声合唱団[注 2]は、シベリウスの大多数の男声合唱曲の初演にたずさわるなど、同国の合唱界を牽引しつづける団体の1つである[9]。常任指揮者パシ・ヒュオッキは父の後を継いで2010年に就任した[10][11]。海外公演および作曲家への委嘱活動も盛んに行っており、間宮芳生[12]湯浅譲二[14]は同合唱団の日本公演[15][16][17][18]のために作品を提供している。

歴史

スウェーデン統治下の1640年、スウェーデン女王クリスティーナによってトゥルクに王立オーボ・アカデミー(: Åbo Kungliga Akademi: Turun akatemia、英: The Royal Academy of Turku)が設立された。フィンランドの旧首都トゥルク(芬: Turku、典: Åbo)に建ち、フィンランド最古の大学である。

1809年、フィンランドがロシア帝国下のフィンランド大公国となると、トゥルク帝国アカデミー(英: Imperial Academy of Turku)と改称される。所在地のトゥルクは1812年に首都の座をヘルシンキに譲っており、1828年の大火に被災した同学は首都への転出を決めるとロシア皇帝アレクサンドル1世に支援された。1917年、フィンランド独立と共に名称は現在のヘルシンキ大学となった。

キャンパス

ヘルシンキ大学は4つのメイン・キャンパスを構える。

著名な卒業生

脚注

  1. ^ 頭字語UNICA の正式名は「Institutional Network of the Universities from the Capitals of Europe」。
  2. ^ 公式ウェブサイト(英語)閲覧は2024年12月5日時点。

出典

  1. ^ Search”. Internet Archive. 2024年11月15日閲覧。
  2. ^ Helsingin yliopiston opetuksen ja opintojen eettiset periaatteet” (2012年). 9 November 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。29 March 2021閲覧。
  3. ^ "University Management, University of Helsinki" (Press release). 28 March 2022.
  4. ^ a b c d The University of Helsinki in numbers” (2021年7月22日). 2021年8月20日閲覧。
  5. ^ Styleguide”. universityofhelsinki.github.io. 16 September 2022閲覧。
  6. ^ Yliopisto numeroina | Helsingin yliopisto [数字で見る大学 | ヘルシンキ大学]” (フィンランド語). www.helsinki.fi. 2024年8月21日閲覧。
  7. ^ Bologna Process at the University of Helsinki”. 3 March 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。29 November 2017閲覧。
  8. ^ Turunen, Petri (2021年9月24日). “Pentagonilta jättirahoitus Helsingin yliopiston johtamaan syöpätutkimushankkeeseen”. イタ・サノマトゥ英語版. https://www.is.fi/kotimaa/art-2000008286183.html 
  9. ^ シベリウス生誕150周年と創立100周年を記念して世界最高峰の男声合唱団、初来日フィンランディア男声合唱団LM”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 豊田市 (2015年1月28日). 2024年12月5日閲覧。 “フィンランディア男声合唱団LM:(中略)1914年、名門ヘルシンキ大学合唱団のOBを中心に創設。”
  10. ^ ヘルシンキ大学男声合唱団”. テンポプリモ. 2024年12月5日閲覧。
  11. ^ 同志社グリークラブ創立80周年記念誌編集委員会 編「年表」『同志社グリークラブ80年の歩み : Who are we…』同志社グリークラブOB会、1986年5月、264-301頁。NDLJP:87027550。「(1976) 1月18日、フィンランドから来日したヘルシンキ大学男声合唱団とアーモスト館で交歓」 
  12. ^ 間宮芳生. “合唱のためのコンポジション第14番 男声合唱のため”. ヤマハの楽譜通販サイト Sheet Music Store. 全音楽譜出版社. 2024年12月5日閲覧。 “ヘルシンキ大学男声合唱団で出版されていた版から新たに校正をしなおし2018年版として出版。委嘱:ヘルシンキ大学男声合唱団、初演:1995年(東京文化会館)指揮:Matti Hy?kki。演奏所要時間:約22分30秒。”
  13. ^ ショット・ミュージック株式会社|湯浅譲二 作品情報〈声/合唱のための作品〉”. www.schottjapan.com. 2024年12月5日閲覧。 “テキスト:芭蕉(日本語、英語)、演奏時間:9分”
  14. ^ ヘルシンキ大学男声合唱団、指揮:マッティ・ヒヨッキ『芭蕉の俳句による「四季」:男声合唱のための』Four Seasons from Bashô's Haiku(2002年、東京初演:2003年10月3日)。委嘱:ヘルシンキ大学男声合唱団[13]
  15. ^ 中村洪介「素朴で初々しいヘルシンキ大学男声合唱団」『音楽現代』第6巻3(通号59)、芸術現代社、160-161頁、国立国会図書館書誌ID:000000025748-d79462322024年12月5日閲覧 
  16. ^ 「連載(8)アメリカの音楽地図マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム、フォスター物語、ジュゼッペ・ディ・ステファーノ、ヘルシンキ男声合唱団」『音楽現代』第14巻3(通号155)、芸術現代社、4-9頁、国立国会図書館書誌ID:000000025748-d79463272024年12月5日閲覧 
  17. ^ ヘルシンキ大学男声合唱団、マッティ・ヒヨッキ”. warp.ndl.go.jp. 北九州国際音楽祭 (2007年11月3日). 2024年12月5日閲覧。
  18. ^ 公演情報”. warp.ndl.go.jp. 水戸芸術館 | 音楽. 2024年12月5日閲覧。

外部リンク