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ダッチワイフ
ダッチワイフ とは、いわゆる性具 の一種で、等身大の女性 を模した(女性の形をした人形 )のこと。主に男性の擬似性交 用として使用するものだが、観賞や写真 撮影の対象として扱われることもある。
→ シリコン製などの高級ダッチワイフ については「
ラブドール 」を参照
仕様
ダッチワイフの多くは等身大の女性 に似せて作成される。大人から子供の大きさの物まであり、21世紀 初頭現在、アニメ キャラクター の顔をした物まである。また、オナニー の補助具に特化した、頭部、手足を省略した「トルソ 」と呼ばれるタイプもある[ 1] 。
ダッチワイフは主に男性の疑似性交 の対象として使用されるため、オナホール と呼ばれる性具 を装着できる構造になっている。ただし日本 国内では猥褻物として摘発の対象となるため、最初から女性性器 が模られた物は少なく、性器部分はオナホールとして別パーツ、もしくは別売となっているものが多い[ 2] 。オナホール用の穴だけでなく口 や肛門 部分にも、陰茎 を挿入するための穴が設けられた物もある。ただし膣と肛門を同時に設けた場合、強度の点が問題となる[ 3] 。
最近では、主にシリコーン樹脂を使用した高級ダッチワイフを「ラブドール 」として区別している。[ 4] このように女性に酷似した高級品は、本来の用途としての性具ではなく等身大の着せ替え人形 として利用されているものも少なくない[ 5] 。観賞や写真撮影の対象のみに使用される場合、オナホール用の穴がない物もある。特にラブドールは、椅子に座らせたり様々なポーズを取らせるための骨格 構造を持つものが多く、専門メーカー には様々なオプション パーツ を用意して、客の好みで自由に頭部などを選択できる物もある。
風船式
人体の形をした、ビニール風船 またはビニール製の浮き輪 のような、空気 を入れて膨らませる簡易式の物で、古典的なものでもある[ 6] 。
ぬいぐるみ式
抱き枕 や人体サイズのぬいぐるみ にオナホールをつけたものであるが、各種パーツとして供給し、使用時合体させるタイプもある[ 7] 。
ウレタン製
全身を発泡ポリウレタン で形成したもの。少女 程度の体格でも4kg程度と非常に軽量で、比較的頑丈である。基本構造上にラテックスなどで皮膚を貼った高級品も存在する[ 8] 。
ソフトビニール製
ソフトビニール で全身を整形したもので、基本的にはソフトビニール人形 と変わらない。高級品についてはラブドールとして扱われる場合がある[ 9] 。軽量で分解が出来るなど扱いやすく安価であるが、衣服からの色うつりが見られる[ 10] 。
ラテックス製 / シリコン製
ラブドール
骨格の上に軽量化の為の中子で肉付けを行い、表面をラテックス もしくはシリコーン で覆ったタイプ。完全な人体形状をもつものについては、2010年現在「ラブドール」と呼ばれる事が多い。骨格に関節を持ち、ある程度ポーズを変える事が可能である。[ 11] 。
時間レンタルする業者(ラブドール風俗 )も存在する。ちなみにあるラテックス製ダッチワイフは、コンドーム にして12,500個分のラテックスを使用しているという[ 12] 。
男性型
女性やホモセクシャル の男性の需要に対して、男性を模したダッチワイフも見られる。この場合は股間にディルド を装着し、使用者の膣 やアヌスに挿入される場合と、股間にオナホールを装着し、使用者の陰茎を挿入する場合があり得る。ハルミデザインズの製造した「伊集院健」などが知られる[ * 1] [ 13] 。
語源
英語 の Dutch wife(字義的には「オランダ人 の妻」の意)は、アジア で使われている、竹 や籐 で編まれた筒状の抱き枕 (竹夫人 )を指す[ 14] 。ランダムハウスによれば、語の起源は1875~80年頃という。その理由は、本国に妻を残してオランダ領インドネシアで取引していたオランダ人商人の境遇に由来すると想像される[ 15] 。英米では、日本でいうダッチワイフは sex doll と呼び、これを Dutch wife と呼ぶことはまずない[ * 2] 。
性的な使用目的の人形が日本で「ダッチワイフ」と呼ばれだした事情は定かではない。日本のメディアでは、1958年 頃からダッチワイフとの表現が見られる様になり、1967年 頃にはかなり一般にも定着していたとみられる[ 12] 。
衛生面
保健衛生面で特に注意するべき点は、使用後の処置である。空気を充填する方式のものは、丁寧に洗浄しできればベランダ等で日干しする。外皮が軟質樹脂で内部が発泡樹脂製のものは、内部に水が入らぬよう軽く洗って水分を拭き取り陰干しの後、表面にベビーパウダー を塗布する。シリコーンゴム製の場合は、丁寧に洗浄し水分を拭い取って陰干しの後、表面にベビーパウダー を塗布する。
南極越冬隊のダッチワイフ 南極1号
南極越冬隊 員が「南極1号 」と呼ばれる特製の高性能ダッチワイフを基地に持ち込んだとの俗説がある。実際には第一次越冬隊にて南極1号ではなくオナホールを仕込んだトルソに「ベンテンさん」との名をつけて持ち込んだものの、評判が悪く、使用されないまま廃棄された。ちなみに4リットルのお湯を注入し、温もりも感じられるものであったという[ 12] 。
この逸話はメディアにもてはやされ、様々な憶測を生んだほか、これにあやかった名前をつけたダッチワイフも流通した模様である[ * 3] [ 16] 。
宮嶋茂樹 は南極1号の伝説にあやかって、取材の際に空気式のダッチワイフを南極に持ち込んだが、凍り付いて空気が抜けたと報告している[ 17] 。
社会から孤立した状態の隊員の精神衛生上から必要とされて持ち込まれたものの[ 18] 冬ごもりの間に一度も使用されないなど[ 19] 隊員からの評判は芳しくなかった。
セックスボット
2017年 、アメリカ合衆国 のカリフォルニア州 に拠点を置く企業、アビス・クリエーションズ (Abyss Creations)は2017年、セックスボット の発売を決めた。人間 のように話したり動いたりするリアルなロボット であるという。セックスボットは、人間向けのロボットのセックス パートナー として開発され、人工知能 を駆使し金属 とゴム および樹脂 製ででき、人間 のセックス の相手をできるようにプログラミング されたものであり、従来のダッチワイフとは一線を画す画期的なものである。
人工知能 の第一人者でもあるデービッド・レビー (David Levy)は、ロンドン大学 ゴールドスミスカレッジ (Goldsmiths, University of London)で開催された「ロボットとの愛とセックスに関する国際会議 」の席上において、「セックスボットの第1号の誕生に伴い、ロボットとのセックスは2017年中には現実化される」と発言した。また、2050年 にはロボットとの結婚 もありうるとの見解を示した。未来の性パートナーは「嫉妬 、傲慢 、自慢 、無礼とは無縁で、我慢強く優しく愛らしいものとなるだろう」と語り、それを可能にするソフトウェア は数十年以内に開発される可能性が高いと発言した。[ 20] [ 21]
ダッチワイフが登場する作品
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク