国道57号(こくどう57ごう)は、大分県大分市から熊本県・島原湾・長崎県島原半島を経由して、長崎市に至る一般国道である[1]。
概要
九州の中部を東西に横断し、県庁所在地である大分市、熊本市、長崎市を連絡する一般国道の路線である。旧・二級国道214号・215号・216号の3路線が統合されて指定された国道という経緯を持つ[2]。大分県豊後大野市犬飼町から単独区間となり、熊本市まではJR九州豊肥本線とほぼ並走しながら九州中央部を東西に横断し、国道3号へ合流する。宇土市から宇城市までは宇土半島の北側を走る。三角港(宇城市三角町)から島原港(長崎県島原市)の区間は、島原湾を渡る海上区間で、かつては三角島原フェリーが運行されていたが、業績悪化により2006年(平成18年)に廃止され、これにより三角港 - 島原港間を直接結ぶ航路はなくなっている[3]。島原市からは島原半島を横断し、諫早市で国道34号に合流して長崎市に至る。
大分市から豊後大野市の間および諫早市から長崎市の間はそれぞれ国道10号、国道34号との重複区間となる。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1] に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
- 概要にある通り、この区間にはかつて三角島原フェリーが運航されていた。
歴史
1953年(昭和28年)5月18日に二級国道として、国道214号(島原 - 諫早)、国道215号(島原 - 宇土)、国道216号(熊本 - 大分)が指定されたが、1962年(昭和37年)5月1日より以上の3路線を併せ、一級国道57号とした[2]。この経緯から現在も国道214号・215号・216号は欠番となっている[3]。
1964年(昭和39年)の法令改正により一級、二級の別はなくなり、1965年(昭和40年)から「一般国道」としている。
年表
路線状況
別名
バイパス
- 中九州横断道路(大分県 - 熊本県) - 地域高規格道路
- 犬飼千歳道路(大分県)
- 千歳大野道路(大分県)
- 大野竹田道路(大分県)
- 竹田阿蘇道路(大分県 - 熊本県) - 事業中
- 滝室坂道路(熊本県) - 事業中
- 阿蘇大津道路(熊本県) - 事業休止中。ほぼ同一線上に北側復旧ルートが開通。
- 大津道路(熊本県) - 事業中
- 大津熊本道路(熊本県) - 事業中
- 熊本天草幹線道路(熊本県) - 地域高規格道路
- 熊本宇土道路(熊本県) - 事業中
- 宇土道路(熊本県) - 事業中
- 宇土三角道路(熊本県) - 事業中
- 犬飼バイパス(大分県)
- 大津バイパス(熊本県)
- 菊陽バイパス(熊本県)
- 熊本東バイパス(熊本県)
- 川尻バイパス(熊本県)
- 諫早バイパス(長崎県)
重複区間
- 大分県
- 国道10号(大分市新町・大道入口交差点(起点) - 豊後大野市犬飼町久原・犬飼バイパス分岐)
- 国道210号(大分市畑中1丁目・府内大橋北交差点 - 大分市大字宮崎・宮崎交差点)
- 国道442号(竹田市大字会々・会々七里交差点 - 竹田市大字会々・会々平交差点)
- 熊本県
- 長崎県
- 国道251号(島原市湊町・島原外港交差点 - 島原市秩父が浦町・雲仙東登山口交差点)
- 国道389号(雲仙市小浜町雲仙)
- 国道251号(雲仙市小浜町北本町・雲仙西登山口交差点 - 雲仙市愛野町乙・愛野展望台前交差点)
- 国道251号(雲仙市愛野町乙・愛野交差点 - 諫早市小船越町・小船越トンネル交差点)
- 国道207号(諫早市小船越町・小船越町交差点 - 諫早市多良見町化屋・喜々津駅東口交差点)
- 国道34号(諫早市小船越町・小船越トンネル交差点 - 長崎市江戸町・江戸町交差点(終点))
- 国道251号(長崎市田中町・切通交差点 - 長崎市江戸町・江戸町交差点(終点))
道路施設
橋梁
- 大分県
- 府内大橋(大分川、大分市、国道10号重複区間内)
- 軒田橋(寒田川、大分市、国道10号重複区間内)
- 白滝橋(大野川、大分市、国道10号重複区間内)
- 小筒井橋(小筒井川、大分市、国道10号重複区間内)
- 宇津尾木橋(豊後大野市)
- 茜川橋(茜川、豊後大野市)
- 穴井橋(豊後大野市)
- 平井川橋(平井川、豊後大野市)
- 笹無田橋(豊肥本線、竹田市)
- 新笹無田橋(笹無田川、竹田市)
- 田原橋(稲葉川、竹田市)
- 桜瀬橋(玉来川、竹田市)
- 矢倉橋(矢倉川、竹田市)
- 千石橋(滝水川、竹田市)
- 熊本県
- 平口橋(平保の木川、阿蘇市)
- 福原橋(豆札川、阿蘇市)
- 松原橋(黒川、阿蘇市)
- 新東岳川橋(東岳川、阿蘇市)
- 新泉川橋(泉川、阿蘇市)
- 西岳川橋(西岳川、阿蘇市)
- 弓削大橋(白川、熊本市北区 - 熊本市東区)
- 新南部橋(保田窪放水路、熊本市東区)
- 二本橋(藻器堀川、熊本市東区)
- 江津斉藤橋(加勢川、熊本市東区)
- 田井実橋(熊本市南区)
- 一本榎橋(熊本市南区)
- 天明新川橋(天明新川、熊本市南区、国道3号重複区間内)
- 加勢川橋(加勢川、熊本市南区、国道3号重複区間内)
- 緑川橋(緑川、熊本市南区、国道3号重複区間内)
- 浜戸川橋(浜戸川、熊本市南区、国道3号重複区間内)
- 北田尻橋(熊本市南区、国道3号重複区間内)
- 南田尻橋(潤川、熊本市南区、国道3号重複区間内)
- 築籠橋(築籠川、宇土市)
- 網津橋(網津川、宇土市)
- 長崎県
- 島原大橋(島原市)
- 新湊橋(新湊川、島原市)
- 新鮎川橋(鮎川、島原市)
- 千々石橋(千々石川、雲仙市)
- 愛野大橋(有明川、雲仙市 - 諫早市)
- 三つ橋(諫早市)
- 松崎橋(宗方川、諫早市)
- 川床橋(川床川、諫早市)
- 貝津橋(東大川、諫早市、国道34号重複区間内)
- 横島橋(西大川、諫早市、国道34号重複区間内)
- 久山橋(久山川、諫早市、国道34号重複区間内)
- 喜々津橋(喜々津川、諫早市、国道34号重複区間内)
- 梶木橋(喜々津川、諫早市、国道34号重複区間内)
- 小国橋(念正川、長崎市、国道34号重複区間内)
- 間ノ瀬橋(間ノ瀬川、長崎市、国道34号重複区間内)
- 樋渡瀬橋(現川川、長崎市、国道34号重複区間内)
- 五番町橋(中尾川、長崎市、国道34号重複区間内)
- 新妙相寺橋(長崎市、国道34号重複区間内)
- 新番所橋(長崎市、国道34号重複区間内)
- 一之橋(中島川、長崎市、国道34号重複区間内)
- 中之橋(中島川、長崎市、国道34号重複区間内)
- 鎮西橋(西山川、長崎市、国道34号重複区間内)
トンネル
- 大分県
- 上尾トンネル(下り線):延長661 m、1996年(平成8年)竣工、大分市(国道10号重複区間内)
- 上尾トンネル(上り線):延長691 m、1998年(平成10年)竣工、大分市(国道10号重複区間内)
- 平隧道:延長226 m、1969年(昭和44年)竣工、竹田市
- 平人道トンネル:延長254 m、1990年(平成2年)竣工、竹田市
- 三砂隧道:延長87 m、1969年(昭和44年)竣工、竹田市
- 三砂人道トンネル:延長140 m、1989年(平成元年)竣工、竹田市
- 二本松トンネル:延長85 m、1967年(昭和42年)竣工、竹田市
- 長崎県
- 新日見トンネル(下り線):延長1,032 m[16]、2021年(令和3年)竣工、長崎市(国道34号重複区間内)
- 新日見トンネル(上り線):延長1,055 m、1994年(平成6年)竣工、長崎市(国道34号重複区間内)
- 本河内トンネル(下り線):延長329 m、1999年(平成11年)竣工、長崎市(国道34号重複区間内)
- 本河内トンネル(上り線):延長254 m、2004年(平成16年)竣工、長崎市(国道34号重複区間内)
道の駅
事前通行規制区間
区間 |
距離 |
規制内容
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熊本県阿蘇市波野小地野 - 熊本県阿蘇市一の宮町坂梨 |
延長4.6 km |
連続雨量が140 mmに達した場合通行止
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長崎県南島原市深江町甲字硲 - 長崎県雲仙市小浜町雲仙字宝原 |
延長8.2 km |
連続雨量が250 mmに達した場合通行止
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長崎県雲仙市小浜町雲仙字札原 - 長崎県雲仙市小浜町南木指字流合 |
延長4.0 km |
連続雨量が250 mmに達した場合通行止
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その他
大分県竹田市(菅生)には、大分向き方向にメロディーロード舗装区間があり[17]、法定速度より遅めで走行することで、滝廉太郎「花」が聞こえるという。
地理
通過する自治体
交差する道路
- 北側復旧ルートを除く自動車専用道路の区間については、中九州横断道路を参照。
交差する鉄道
沿線
主な峠
ギャラリー
北側復旧ルート
北側復旧ルートは熊本県阿蘇市の阿蘇西IC入口交差点と同県大津町のミルクロード入口交差点を結ぶ全長約13 kmの国道57号のバイパス道路である[18]。北側復旧道路、国道57号北側復旧ルート、国道57号北側復旧道路とも呼ばれる。2016年の熊本地震により南阿蘇村立野で発生した大規模な崩落個所を迂回する目的で計画された。当初の計画では一般道路とする予定であったが、その後の調査で立野の崩落個所について安全に通行できる状況に復旧する見通しが立ったため、阿蘇西IC-大津IC交差点間の12 kmについては、自動車専用道路として開通した[注釈 8]。車帰IC-大津東IC間の二重峠トンネル(ふたえのとうげ、延長約3.7 km[18])を含む区間の経路は、中九州横断道路を構成する阿蘇大津道路(1997年に整備区間に指定されたものの2009年に事業休止となった)とほぼ一致しており、車帰ICの位置は同道路の阿蘇車帰ICの計画位置、大津東ICの位置は同道路の大津古城ICの計画位置とほぼ一致している。また、二重峠トンネルの採掘にあたって阿蘇大津道路の調査資料が利用されている。
- 全区間が熊本県に所在。
- 全区間が2020年10月3日に開通[15]。ほとんどの区間(阿蘇西IC - 大津IC入口交差点間12km)が自動車専用道路である。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国道57号に関連するカテゴリがあります。
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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