国道34号(こくどう34ごう)は、佐賀県鳥栖市から長崎県長崎市に至る一般国道である。
概要
江戸時代に整備された脇街道の一つである長崎街道を前身とする路線で、起点の鳥栖市から西に進路を取り、佐賀県南部の主要都市である神埼市、佐賀市などを経由する。その後武雄市で南に進路を変え、大村湾を望む長崎県大村市や、同県中央部に位置する諫早市などを経て、終点の長崎市に至る路線である。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1] に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
今日では本州方面より鹿児島へ向かう道が国道3号、国道3号の鳥栖より分岐して長崎へ向かう道が国道34号となっているが、かつては本州と長崎とを結ぶ道が長崎街道と呼ばれ、鹿児島へ向かう道は長崎街道から鳥栖付近で分岐する薩摩街道であった。
年表
- 1885年(明治18年) - 内務省告示第6号「國道表」でもそれを踏襲し、長崎街道が国道4号「東京より長崎港に達する路線」(現1号、2号、3号、200号、3号、34号経由)、薩摩街道が国道11号「東京より熊本鎮台に達する路線」・国道37号「東京より鹿児島県に達する路線」(現3号経由)となった。
- 1920年(大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、鹿児島へ向かう道の方が上位路線の国道2号「東京市より鹿児島県庁所在地に達する路線(甲)」となり、長崎へ向かう道は国道2号から鳥栖で分岐する国道25号「東京市より長崎県庁所在地に達する路線」となった。これは、国道の指定の順番が、明治国道では開港場へ至る道が1番目になっていたのに対し、大正国道では各府県庁へ至る道の方が先になっているためである。そのため、長崎県庁へ至る道よりも長い鹿児島県庁に至る道の方が上位路線となった。
- 1952年(昭和27年)12月4日 - 新道路法に基づく路線指定で、旧25号は一級国道34号(佐賀県三養基郡基里村(現 鳥栖市) - 長崎県長崎市)として指定された。
- 1965年(昭和40年)4月1日 - 道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道34号となった。
- 2006年(平成18年)6月5日 - 長崎県内の渋滞の名所となっていた市布交差点立体化事業が暫定供用され、東長崎→諫早、諫早→長崎バイパスの移動の際の信号待ちがなくなり、渋滞が緩和された。
- 2007年(平成19年)6月16日 - 小船越交差点改良事業により新小船越トンネルが供用開始され、大村→島原の通行車両がいったんUターンを強いられる不便が解消された。
路線状況
全線のうち1割程度の路線は4車線以上の道路であるが、そのほかは全線2車線である。
佐賀県内では特に交通量の多い鳥栖市 - 佐賀市にかけての区間のうち鳥栖市から神埼市までが片側1車線であるため、慢性的な渋滞に悩まされている。
佐賀県嬉野市にある湯野田橋は、1888年(明治21年)に湯野田川に架設された一般国道のなかでも最古の橋として知られる。
長崎市街地でも交通量が多かったが、長崎県庁舎の移転(2018年1月)や長崎市役所の移転(2023年1月)などによって交通量や歩行者数は減少傾向にある[5]。これを受けて2023年(令和5年)に長崎市内の江戸町交差点から市役所前交差点までの749.3 mについて道路占用許可基準を緩和する歩行者利便増進道路に指定された[5]。
別名
- 長崎街道
- 彼杵通り(長崎県)
- 北部バイパス※通称。略称「北バイ」、環状北通り※公募愛称・標識(佐賀市)[6]
バイパス
重複区間
- 国道203号(佐賀県佐賀市日の出1丁目・SAGAアリーナ前交差点 - 小城市三日月町樋口・五条交差点)
- 国道207号(佐賀県小城市牛津町勝・前満江交差点 - 杵島郡江北町大字山口・東分交差点)
- 国道498号(佐賀県武雄市北方町大字大崎・北方工業団地入口交差点 - 武雄市北方町大字大崎・武雄北方インター交差点)
- 国道207号(長崎県諫早市小船越町・小船越トンネル交差点 - 諫早市多良見町化屋・喜々津駅東口交差点)
- 国道57号(長崎県諫早市小船越町・小船越トンネル交差点 - 長崎市江戸町・江戸町交差点(終点))
- 国道251号(長崎県長崎市田中町・切通交差点 - 長崎市江戸町・江戸町交差点(終点))
道路施設
トンネル
- 長崎県
- 小船越トンネル、諫早市
- 新日見トンネル(下り線):延長1,032 m[7]、2021年(令和3年)竣工、長崎市
- 新日見トンネル(上り線):延長1,055 m、1994年(平成6年)竣工、長崎市
- 本河内トンネル(下り線):延長329 m、1999年(平成11年)竣工、長崎市
- 本河内トンネル(上り線):延長254 m、2004年(平成16年)竣工、長崎市
道の駅
地理
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
主な峠
- 佐賀県
- 平原峠(標高40 m):武雄市
- 俵坂峠(標高190 m):嬉野市 - 長崎県東彼杵郡東彼杵町
- 長崎県
- 鈴田峠(標高79 m):大村市 - 諫早市
- 日見峠(標高150 m):長崎市
ギャラリー
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国道34号に関連するカテゴリがあります。
|
---|
1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
---|
|
|
101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
---|
|
|
201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
---|
|
|
|
|
|
|
|