池上 季実子(いけがみ きみこ、1959年〈昭和34年〉1月16日[1] - )は、日本の女優・タレント。本名:臼井 季実子[2]。
アメリカ・ニューヨーク生まれ、京都府京都市育ち。堀越高等学校卒業[2]。祖父は歌舞伎役者の八代目 坂東三津五郎、叔父は九代目 坂東三津五郎、従兄は十代目 坂東三津五郎。身長156cm(1976年4月)[3]。
略歴
商社勤務の父と歌舞伎役者の八代目 坂東三津五郎の次女である母のもと、アメリカ・ニューヨークで誕生。父の仕事の関係でニューヨーク・マンハッタンで3歳まで暮らし、帰国後は京都市内の吉田神社にほど近い母方祖父の家に住んだ[4]が、これは、京都と東京の2拠点に家を構え活躍していた八代目三津五郎が、次第に東京での活動が中心となり、京都宅には年に1~2度しか滞在できないほど留守がちとなったことによる[5]。季実子は三津五郎の孫であるにもかかわらず、実父の方針により、芸事や習い事を一切禁じられて育った[5]。小学校を卒業後、両親の別居[注 1]に伴い母・弟とともに東京へ転居し、中学・高校時代を東京で過ごした。
叔父は歌舞伎役者の九代目 坂東三津五郎で、従兄には五代目 坂東八十助(後の十代目 坂東三津五郎)がおり、中学時代は頻繁に五代目八十助宅に泊まりに行くなど「お兄ちゃん」と呼んで親しくしていた[6]。十代目三津五郎の薦めで女優の道へと進む。[要出典]中学2年生の時に五代目 八十助主演の少年ドラマシリーズ「姉弟」の収録の見学に誘われて、NHKのスタジオに訪れた際に、スタジオ内でプロデューサーから「次のドラマの主役とかやってみる?」とスカウトされ、1974年にNHKの少年ドラマシリーズ『まぼろしのペンフレンド』でデビューする[1][4][7]。同年の東京12チャンネル『純愛山河 愛と誠』への出演により知名度が特に上昇、以後、数々のドラマ・映画に出演[1]。憂いを感じさせる表情と大人びた色気により愛憎のドラマを演じるのが上手であった[1]。
玉川学園中学部・高等部から堀越高等学校へ転入し、1977年に同校を卒業[8]。堀越高校の同級生には岡田奈々、森昌子、岩崎宏美らがいた[9]。
時代劇では『草燃える』を皮切りに、ヒロイン役(もしくはそれに準じる役柄)で出演した(前3作は狂気を帯びた破滅的なキャラクターだった)。
1984年の『陽暉楼』で第7回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、1989年の『華の乱』で第12回日本アカデミー賞優秀助演女優賞をそれぞれ受賞。この頃テレビドラマではほぼ主演を務め、女優として絶頂期を迎える[1]。
1990年代からは2時間ドラマに主軸を移す。
2010年1月1日付けでオスカープロモーションへ移籍。デビュー40周年となる2014年に自叙伝『向き合う力』を出版[10]。
2018年末にオスカープロモーションを退社、独立し[11]、個人事務所「オフィス アップス」を設立。
私生活では、1985年に古美術商を営む10歳年上の一般男性と結婚[12][注 2]。婚姻発表をしていなかった理由は「それ以前のマスコミによる嘘の交際報道により深く傷つき、マスコミ不信になっていたから」と後に告白[注 3]。1女を出産した後、3年あまりの結婚生活を経て、離婚した[12]。
2022年には8月に、ほぼ同時期に両親を亡くしたことを明かしている[13]。
2024年3月、2年前にコロナウィルスに感染し九死に一生を得たことを初告白した[14]。
人物・エピソード
- 趣味は古美術収集、ゴルフ、ガーデニング、海釣り[8]、スマートフォンのゲーム『Ingress』[15]。
- 映画『HOUSE』でヌードを披露している。当時の特集記事[要文献特定詳細情報]によると、「今迄のイメージを変えたかったから」と大林の要請を快諾したとの事。
- フジテレビ系列『森田一義アワー 笑っていいとも!』で「池上季実子ゲーム」という早口言葉コーナーがかつてあった。コーナー名の由来は、早口言葉のお題「赤巻紙 青巻紙 池上季実子」から。
- 1987年5月に旅番組の撮影で訪れたカナダで、乗車した観光馬車の馬が暴走し車に衝突する事故に遭遇し、馬車から激しく転落して全身を打撲した。現地の病院で異常なしとの診断を受け帰国したものの、事故の1年後に突然首が動かなくなる後遺症を発症し、首の骨などがずれたまま固まって神経を圧迫していると判明。以降長く痛みや足のむくみなどの症状に苦しみ、整体治療など3種類の治療を継続することとなった[9]。
- 梶原一騎との熱愛が噂されたこともあった[1]。梶原が池上との痴態写真を持っているとマスメディアが大きく報道したのは1980年秋だが[16]、梶原は1983年春に編集者に暴行を加えた事件で逮捕され、保釈中の1983年7月28日に『週刊平凡』の取材に対してスキャンダルを明確に否定している[16]。
出演
映画
テレビドラマ
- 1970年代
- 1980年
- 1981年
- 1982年
- 1983年
- 1984年
- 1985年
- 影の軍団IV(関西テレビ) - さつき
- 二重生活(フジテレビ 金曜女のドラマスペシャル) - 主演
- 1986年
- 1987年
- 1988年
- 1989年
- 1990年
- 1991年
- TBS大型時代劇スペシャル「武田信玄」(TBS) - 定恵院
- 女医の殺人(日本テレビ 火曜サスペンス劇場) - 主演
- 当世お墓事情(TBS 東芝日曜劇場 第1777回) - 主演
- 松本清張作家活動40周年企画 「波の塔」(フジテレビ 金曜ドラマシアター) - 主演・結城頼子
- 下町女の事件簿 浅草雷門殺人事件(フジテレビ 金曜ドラマシアター、9月20日) - 主演
- 社葬 女たちの野望(フジテレビ 金曜ドラマシアター)
- 1992年
- 1993年
- 1994年
- 1995年
- 1996年
- 快刀!夢一座七変化(テレビ朝日) - 雪村揚羽
- 忠臣蔵(フジテレビ) - 浮橋大夫
- 京の刺客(北大路欣也時代劇スペシャル、テレビ朝日) - お糸
- 車椅子の弁護士・水島威(1)-(10)(テレビ朝日 土曜ワイド劇場) - 検事・高井みゆき (※-2004年)
- ダイヤモンドの罠(テレビ朝日 土曜ワイド劇場) - 主演
- 1997年
- 元日特別企画「竜馬がゆく」(TBS) - お登勢
- 「化粧の裏側」(TBS 月曜ドラマスペシャル) - 主演
- 1998年
- 1999年
- 十津川警部シリーズ・寝台急行銀河殺人事件(TBS 月曜ドラマスペシャル) - 三浦理恵警部
- 2000年
- ミステリー作家桜田桃子の冒険(1)(TBS 月曜ドラマスペシャル) - 主演・桜田桃子
- 2001年
- 2002年
- 京都迷宮案内(4) 第3話(テレビ朝日)
- 探偵 左文字進(5) 三人目の女(2002年、TBS) - 明菜
- ミステリー作家桜田桃子の冒険(2)(TBS 月曜ドラマスペシャル) - 主演
- 罠の二重誘拐(テレビ朝日 土曜ワイド劇場) - 主演
- 月曜ミステリー劇場「湯の町コンサルタント」シリーズ(2002年-、TBS) - 松城陽子
- 2003年
- 2004年
- 女と愛とミステリー「48時間の恐怖・時計の針がナイフに変わるとき」(テレビ東京・BSジャパン) - 主演:笹森真知子
- 忠臣蔵 第5・6話(テレビ朝日) - 浮橋太夫
- こちら本池上署(TBS) - 美崎真琴
- 火曜サスペンス劇場 産婦人科医・南雲綾子3「対決」(2月3日、日本テレビ) - 藤沢清美
- 2005年
- 2006年
- 2007年
- 2008年
- 2009年
- 2010年
- 2011年
- 土曜ワイド劇場 ヤメ検の女2(テレビ朝日) - 渡辺宗子 役
- 水戸黄門第43部 第2話「人情長屋で待つ女 -品川-」(7月11日、TBS) - おせん
- 土曜ワイド劇場 京都南署鑑識ファイル6(8月13日、テレビ朝日) - 一条貴和子
- 2012年
- 2013年
- 2014年
- 2015年
- 2017年
- 2019年
舞台
- 女系家族(1980年、芸術座)
- エドの舞踏会(1986年、宝塚劇場)
- 「おんな太閤記」より 旦那さま大事(1987年、明治座)橋田壽賀子/作 石井ふく子/演出
- おはん(1988年、帝国劇場)
- 刀化粧(1994年、新橋演舞場)
- 芍薬の歌(1996年、帝国劇場)
- 女坂(1997年、宝塚劇場)
- 新・時代屋の女房(1998年、名鉄ホール) - 初座長公演
- 隠れ菊(1999年、芸術座)
- 戒老録(2000年、芸術座)
- 遠山の金さん(2000年、明治座)
- 源氏物語(2000年、東京国際フォーラム)
- 幸福御礼(2001年、名鉄ホール)
- 素敵に生きよう女たち(2003年、名鉄ホール) - 座長公演
- とおりゃんせ(2004年、明治座、御園座)
- 大奥 月光院物語 愛しき人(2007年、御園座)
- 愛さずにはいられない(2008年、新宿コマ劇場)
- 大川わたり(2008年、明治座)
- コロッケ公演 愛さずにはいられない(2008年、新宿コマ劇場)
- 大川わたり(2009年10月)
- 25Magic(2022年12月、日本橋・三越劇場)三浦碧役[19]
- CHICACO 2024 Episode2(2024年、中目黒キンケロ・シアター 他)[20][21]
- 後鳥羽伝説殺人事件(2024年、渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール) - 浅見雪江[22][23]
- ALICE〜不思議の国のアリスより〜(2024年、きゅりあん 大ホール 他) - ハートの女王[24]
バラエティー・教養番組
ラジオ
- FMシアター 一万とふたつのため息(2011年8月20日、NHK-FM) - 文子 役[26]
- FMシアター わたくし、今、恋をしております(2018年3月24日、NHK-FM)[27]
- 朗読 池上季実子が読む 山崎豊子「晴着」(2024年2月3日 - 2月24日、NHKラジオ第1)
CM
音楽
シングル
アルバム
オムニバスアルバム
- 決定盤アイドル・ヒット・グラフィティ(1991年3月21日、CBS・ソニー、CSCL-1672-73)- 「あなたなら」収録。
- <ちょっとコレクション>マイクを握った女優たち(1991年3月27日、EMIミュージックジャパン、TOTT-6011)- 「わたしの誠」収録。
- アーリーシリーズ、アーリー70´sフィーメイル・アイドル・コレクション Vol.2(1999年9月22日、Sony Records、SRCL-4015)- 「あなたなら」収録。
- アクトレス・ミラクルバイブル 夏目雅子・早乙女愛・池上季実子・真行寺君枝・古手川祐子(2008年、Ordermade Factory、DYCL-86)- CBS・ソニーより発売された2枚のシングルAB面両曲を収録。
書籍
写真集
著書
受賞歴
- エランドール賞 新人賞(1975年)
- 熊本映画祭 新人賞(1975年)
- 第7回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞『陽暉楼』(1984年)
- 第12回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞『華の乱』(1989年)
- 日本ジュエリーベストドレッサー賞30代部門(1990年)
- 第1回E-ライン・ビューティフル大賞(1995年)
- ネイルクイーン2001 協会特別賞(2001年)
脚注
注釈
出典
外部リンク
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特別 賞 | |
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*は複数回の受賞。男性は1992年から、60代以上は97年から、10代は99年から対象 |