その後4年ほどは執筆のことなど忘れたように過ごしたが、ある日自分の長女を胸に抱いていた時、人生経験がほとんどない自分が唯一実体験できた“母と子のありさま”を書いてみたいという突然の衝動を覚え、『天使が消えていく』を執筆[3]。1969年、夏樹静子名義でこれを応募したところ第15回江戸川乱歩賞の最終候補に残り、再び注目される[14]。同年10月、長男を出産[3]。翌1970年に『天使が消えていく』が出版され、本格的な小説家デビューを果たす[2]。1973年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞を受賞[4]。『第三の女』は仏訳(La Promesse de l'ombre)され、1989年、第54回フランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール大賞)を受賞[4]。中国語訳『蒸発』『Wの悲劇』は、北京探偵推理文芸協会賞の翻訳作品賞を受賞(1998年、2001年)。