国道440号(こくどう440ごう)は、愛媛県松山市から高知県高岡郡檮原町に至る一般国道である。
概要
四国山地の山岳道路であり、狭隘な区間が多かったが、最近は、改良工事が進められ2車線化されているものの、一部1車線の区間がある。国道33号との接続は落出バイパスとしてループ橋と2本のトンネルで結ばれ2003年(平成15年)に開通した。
愛媛県と高知県の県境となる地芳峠を通り四国カルストを縦断し四国山地が一望できるため、季節がいい頃には交通量が増加する。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
歴史
年表
工事年表
路線状況
バイパス・拡幅事業
- 落出バイパス
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- 延長3.7 km
- 構造規格 第3種第4級
- 設計速度 50 km/h
- 車線数 2車線
- トンネル2本
- 本村トンネル(1,110 m)、落出トンネル(1,005 m)
- 橋3本
- 柳谷大橋(233 m)、矢淵大橋(252 m)、栃谷橋(80 m)
- 地芳道路
- 愛媛県久万高原町西谷と高知県檮原町下本村との区間において、愛媛・高知両県に代わり権限代行直轄事業として国土交通省松山河川国道事務所と中村河川国道事務所によって行われた[11]。この地芳道路の開通によって区間の距離は従来の23.1 kmから約3分の1の8.9 kmとなり、所要時間は従来の旧道より約34分の短縮が見込まれている。災害にも強く、それまでは冬季の凍結・積雪により年間50日以上も通行止めとなっていたが、道路標高が約400 m低い地芳道路はその心配は無く、大雨等異常気象による事前通行規制についても大幅に減少された。医療面での効果も期待されており、これまで久万高原町西谷地区では最寄の二次医療施設である久万高原町立病院までの所要時間は48分かかっていたが、地芳道路開通後に梼原町の梼原町立国保梼原病院を利用すれば、22分で行くことが可能としている[17]。
- 総事業費466億円規模で工事が進められてきたが、石灰岩の帯水層を貫くことから湧水がみられ、愛媛県側の掘削工事が工事が遅延し、事業費もかさんでいた。2008年に行った交通量予測で開通後の交通量は1日1,000台程度しか見込まれないことが判明し、道路建設の事業費と道路開通でもたらされる便益の比(費用対効果、コストパフォーマンス)が0.5に落ち込むことから、国土交通省は2009年3月31日、全国17の路線とともに凍結を決定した。
- その後、地元を中心に事業再開を求める動きが展開されたことを受けて、工法の見直しによるコスト抑制にも限界があり費用対効果の改善は見込み薄であったものの、すでに工事がかなり進捗していたことと、防災・医療などの効果が期待されることなどから、2009年6月の事業評価監視委員会にて継続が妥当との方向が示された。同年11月7日に地芳トンネルが開通。翌2010年11月13日に地芳道路全線が開通した。
- 延長8.9 km[11]
- 構造規格 第3種第3級
- 設計速度 50 km/h[11]
- 車線数 2車線
- 標準幅員 10.0 m[11]
- トンネル2本
- 地芳トンネル(2,990 m)、横野トンネル(215 m)
- 橋18本
- 古味橋(52.5 m)、古味第二橋(40.0 m)、古味高架橋(120.0 m)、西谷橋(135.0 m)、横野橋(113.5 m)、西谷高架橋(310.0 m)、サンコ谷川橋(68.0 m)、サンコ谷川第二橋(14.3 m)、鈴田川橋(17.0 m)、永野跨道橋(20.0 m)、永野川橋(59.0 m)、永野第二橋(324.5 m)、永野第三橋(59.0 m)、永野第四橋(51.5 m)、永野第五橋(58.0 m)、井の谷川橋(116.6 m)、井の谷川第二橋(105.5 m)、田野々橋(51.5 m)
- 柳谷拡幅
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- 延長2.4 km
- 構造規格 第3種第4級
- 設計速度 50 km/h
- 車線数 2車線
- トンネル1本
- 大成トンネル(518 m)
- 橋2本
- 大成橋(192 m)、新赤子橋(115 m)
- 梼原町拡幅
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- 延長0.8 km
- 構造規格 第3種第4級
- 設計速度 50 km/h
- 車線数 2車線
重複区間
- 国道317号(愛媛県松山市二番町4丁目・松山市役所前交差点(起点) - 松山市勝山町1丁目・勝山交差点)
- 国道11号・国道494号(愛媛県松山市二番町4丁目・松山市役所前交差点(起点) - 松山市小坂5丁目・小坂交差点)
- 国道379号(愛媛県松山市二番町4丁目・松山市役所前交差点(起点) - 伊予郡砥部町千足)
- 国道33号(愛媛県松山市二番町4丁目・松山市役所前交差点(起点) - 松山市久谷町)
- 国道33号(愛媛県上浮穴郡久万高原町東明神 - 上浮穴郡久万高原町柳井川・柳谷大橋交差点[18])
道路施設
橋梁
- 永木橋(石手川、松山市、国道11号重複区間内)
- 天山橋(小野川、松山市、国道33号重複区間内)
- 乙井橋(内川、松山市、国道33号重複区間内)
- 重信大橋(重信川、松山市 - 伊予郡砥部町、国道33号重複区間内)
- 砥部川橋(砥部川、伊予郡砥部町、国道33号重複区間内)
- 美川大橋(久万川、上浮穴郡久万高原町、国道33号重複区間内)
- 柳谷大橋(面河川、上浮穴郡久万高原町)
- 西谷高架橋(上浮穴郡久万高原町)
トンネル
- 塩ケ森トンネル:延長142 m、1964年(昭和39年)竣工、伊予郡砥部町 - 松山市[19](国道33号重複区間内)
- 三坂トンネル:延長51 m、1963年(昭和38年)竣工、松山市)
- 落合トンネル:延長98 m、1964年(昭和39年)竣工、上浮穴郡久万高原町(国道33号重複区間内)
- 矢淵トンネル:延長280 m、1993年(平成5年)竣工、上浮穴郡久万高原町(国道33号重複区間内)
- 落出トンネル:延長1,005 m、2002年(平成14年)竣工、上浮穴郡久万高原町)
- 本村トンネル:延長1,110 m、1998年(平成10年)竣工、上浮穴郡久万高原町)
- 大成トンネル:延長518 m、2006年(平成18年)竣工、上浮穴郡久万高原町)
- 横野トンネル:延長215 m、2005年(平成17年)竣工、上浮穴郡久万高原町)
- 地芳トンネル:延長2,984 m、2010年(平成22年)竣工、上浮穴郡久万高原町 - 高知県高岡郡檮原町
- 子安トンネル:延長97 m、1996年(平成8年)竣工、高岡郡檮原町
- 芹川トンネル:延長230 m、1994年(平成6年)竣工、高岡郡檮原町
- 大蔵谷トンネル:延長242 m、1993年(平成5年)竣工、高岡郡檮原町
道の駅
- 愛媛県
- 天空の郷さんさん(上浮穴郡久万高原町、国道33号重複区間内)
- みかわ(上浮穴郡久万高原町、国道33号重複区間内)
事前通行規制区間
すべての区間で降水量が250 mm以上で通行止。
区間 |
備考
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愛媛県伊予郡砥部町千足 - 愛媛県松山市久谷町 |
ここまでが国道33号との重複区間
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愛媛県上浮穴郡久万高原町中黒岩 - 愛媛県上浮穴郡久万高原町柳井川 |
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愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷中久保(愛媛県道36号野村柳谷線との分岐) - 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷地芳峠(県境) |
冬季閉鎖で通行止になる。
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高知県高岡郡梼原町地芳峠(県境) - 高知県高岡郡檮原町永野 |
積雪量25 cm以上より通行止。
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地理
通過する自治体
交差する道路
交差する鉄道
峠
- 愛媛県
- 三坂峠(松山市 - 上浮穴郡久万高原町)
- 地芳峠(上浮穴郡久万高原町 - 高知県高岡郡檮原町)
脚注
注釈
出典
関連項目
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1 - 100 (1 - 57号は旧一級国道。59 - 100号は欠番) |
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101 - 200 (旧二級国道、109 - 111号は廃止・欠番) |
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201 - 300 (201 - 271号は旧二級国道、214 - 216号は廃止・欠番) |
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