所司 和晴(しょし かずはる、1961年10月23日 - )は、将棋棋士。平野広吉七段門下。棋士番号は172。東京都江東区出身、千葉県育ち。千葉県立船橋旭高等学校卒[1]。「株式会社所司一門将棋センター」の代表取締役社長も務める[2]。
棋歴
1985年度の関東奨励会で9連勝し、四段昇級。第45期C級2組順位戦で9勝1敗となり、3位でC級1組に昇級。C級1組には15期在籍した。
2010年4月、第68期C級2組順位戦で降級点2となり、フリークラス宣言した[3]。2010年に現役勤続25年表彰。
棋風
- 格別、これといった特徴はなく、柔軟な指しまわしで大抵の戦法や囲いにも対応する。
- 平手から駒落ちまで様々な定跡を研究しており、著作が多いことから「定跡伝道師」と呼ばれている。特に「東大将棋ブックス」シリーズが有名。
- 詰将棋に対しては懐疑的であり、「宗看・看寿の詰将棋さえ解けば最低でもプロ四段になれる」という米長邦雄永世棋聖の持論を、全面否定したことがある[4]。
人物
世界の将棋類
- 将棋類に詳しく、将棋・チェス・シャンチー(中国象棋)・チャンギ(韓国将棋)・マークルック(タイ将棋)の5種類を同時に指す「異種5面指し」が可能[8]。
- シャンチーでは日本の第一人者。国際的には「所司和晴」の中国語読み「スオスー・ホーチン(拼音:Suǒsī Héqíng)」の名でも知られている。1999年に世界シャンチー選手権「ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ(NCV)」部門で優勝し、棋聯大師(フェデレーションマスター・FM)の称号を獲得した。ノンチャイニーズ・ノンベトナミーズ部門の優勝は通算5回(1999年、2003年、2007年、2015年、2019年)。2009年は3大会に参加し、中国江蘇省淮安市で開催された「“韓信杯”シャンチー国際名人戦」で世界選手権4位に入賞経験のある趙汝権(中国香港、特級国際大師)から勝ち星を上げた。また、各国1位選手(上位2カ国と開催国のみ2人)が出場するアジア選手権(個人戦)は2勝2敗3引き分けで18人中9位(自己ベスト)。 OCAの第3回アジアインドアゲームズ(ベトナム・ハノイ)は男子団体戦(3人制)に日本代表で参加し6位(中国チームの王斌(男子個人快速戦優勝)と引き分け)。 2010年アジア競技大会に日本代表として出場し、1勝4敗2分の17位に終わった。2018年、グローバルペアシャンチートーナメント優勝[9]。
- チャンギでも、2009年に中国ハルビン市で韓国将棋協会(大韓チャンギ協会)が開催した第1回世界人チャンギ大会(朝鮮語版)およびフォーラムに日本選手の1人として出場した。ベスト32の本戦トーナメント1回戦で敗退[10]。2016年の第2回大会には出場せず。
趣味・嗜好
弟子
- 棋士になった弟子は7名、女流棋士になった弟子は4名。中国在住で外国人初の奨励会員[12]となった張鑫(ツァンシン)[13]など所司門下の奨励会員も多いため、同じく弟子の多い森信雄と並べて「平成の名門」あるいは「東の所司、西の森」と呼ばれる。
棋士
名前 |
四段昇段日 |
段位、主な活躍
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松尾歩 |
1999年4月1日
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八段、棋戦優勝1回
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渡辺明 |
2000年4月1日
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九段、竜王11期、名人3期、王座1期、棋王10期、王将5期、棋聖1期、棋戦優勝12回
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宮田敦史 |
2001年10月1日
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七段
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石田直裕 |
2012年10月1日
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六段、棋戦優勝1回
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石井健太郎 |
2013年10月1日
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七段
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近藤誠也 |
2015年10月1日
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八段、棋戦優勝1回、A級1期
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大橋貴洸 |
2016年10月1日
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七段、棋戦優勝2回
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(2025年4月1日現在)
女流棋士
名前 |
女流2級昇級日 |
段位、主な活躍
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上川香織 |
1999年4月1日 |
女流二段
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伊奈川愛菓 |
2006年10月1日 |
女流二段
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渡辺弥生 |
2009年4月1日
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女流二段
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礒谷真帆 |
2018年11月1日
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女流初段
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(2022年3月20日現在)
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照(ただし、四段昇段は旧規定)。
- 1978年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
- 1980年00月00日 : 初段
- 1985年06月27日 : 四段 = プロ入り
- 1987年04月01日 : 五段(順位戦C級1組昇級)
- 1992年10月29日 : 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝)
- 2005年04月27日 : 七段(勝数規定/六段昇段後公式戦150勝)
主な成績
在籍クラス
著作・監修
書籍
ほか多数
ゲーム監修
参照
- ^ JOC チェス/チェス・シャンチー
- ^ a b 「弊社の株式譲渡につきまして」『棋創社』2019年9月6日。2020年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ “2010年度からのフリークラス転出者|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年7月19日閲覧。
- ^ 週刊将棋「宗看、看寿でプロになれるか」(2004.11.10)
- ^ 「トリプルアイズ、渡辺明三冠の師匠・所司和晴七段が運営する株式会社棋創社の株式の取得(完全子会社化)~将棋を通じた社会貢献を推進~」『株式会社トリプルアイズ』2019年9月5日。2021年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ “将棋棋士・所司七段の自宅が全焼 千葉・船橋”. 朝日新聞デジタル (2017年1月5日). 2021年8月22日閲覧。
- ^ 所司和晴 (2017年1月7日). “『私の自宅が火災で全焼』”. 所司和晴ブログ. 2021年8月22日閲覧。
- ^ 所司七段ブログ 2008年8月15日
- ^ “所司和晴七段、グローバルペアシャンチートーナメントで優勝|イベント|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2020年11月3日閲覧。
- ^ 日本将棋連盟
- ^ ファミ通.com「SOUL SACRIFICE DELTA(ソウル・サクリファイス デルタ)特設サイト」(2014.1.27)
- ^ “奨励会の例会 張さんが参加 海外から初”. 朝日新聞. (2011年3月10日). http://www.asahi.com/shougi/topics/TKY201103100208.html 2018年2月17日閲覧。
- ^ Kifu for Windows (Pro) V6.60 棋譜ファイル
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
関連項目
外部リンク
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タイトル 保持者 【7名】 |
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九段 【27名】 (引退1名) |
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八段 【34名】 (引退2名) |
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七段 【45名】 (引退2名) |
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六段 【30名】 |
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五段 【19名】 |
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四段 【14名】 | 2025年04月1日付 昇段者 | |
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2025年10月1日付 昇段者 | |
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2025年度 引退者 【4名】 |
九段 福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
七段 木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
七段 増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
八段 長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
八段 有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
2023年度引退予定者 (現役継続中) |
七段 川上猛 ( 引退日未定 / 第38期竜王戦 5組在籍、4組昇級の場合は現役継続、引退日は2025年度以降)
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日本将棋連盟所属(現役棋士 171名 / 2025年度引退者 5名、2025年7月10日時点) △は2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは期首4/01付)。引退者の(日付)は引退日。 これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。2026年度 >> |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
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3組
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4組
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5組
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【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
| 女流棋士 | |
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アマチュア |
- 森下裕也アマ
- 荒田敏史アマ
- 関矢寛之アマ
- 竹内広也アマ
- (6組参加4名)
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奨励会員 |
- 山下数毅(三段、5組在籍)
- 齊藤優希(三段、6組参加、2025年4月四段昇段)
- (5組、6組参加各1名、計2名)
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次期から出場 |
【2025年04月昇段者】(2名):
齊藤優希(第38期は三段として出場)、炭﨑俊毅(第39期からの出場)
【2025年10月昇段者】(2-4名):(いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / ◎本戦出場 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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次期から 出場
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フリークラス 昇級者 | |
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奨励会三段リーグ 上位者 |
- 2025年10月1日昇段者(2-4名)
- 2026年4月1日昇段者(2-3名)
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの(数字)は在籍可能残り年数(2025年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |