中村正 (声優)

なかむら ただし
中村 正
プロフィール
本名 中村 進一(なかむら しんいち)[1][2][3]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本愛知県名古屋市[3][4][5][6]
死没地 日本の旗 日本神奈川県[5]
生年月日 (1929-12-24) 1929年12月24日
没年月日 (2019-11-11) 2019年11月11日(89歳没)
血液型 A型[6]
職業 俳優声優ナレーター
事務所 東京俳優生活協同組合[7]
公称サイズ(時期不明)[8]
身長 / 体重 170 cm / 64 kg
活動
活動期間 1952年 - 2019年
デビュー作 『地方検事』[9][10]
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中村 正(なかむら ただし、1929年12月24日[4][6][10] - 2019年11月11日[5])は、日本俳優声優ナレーター愛知県名古屋市出身[3][4][5][6]東京俳優生活協同組合(俳協)所属で、その創立メンバーの1人でもあった[7]

奥さまは魔女』のナレーションや『チャーリーズ・エンジェル』でのチャーリー役やジョン・フォーサイスデヴィッド・ニーヴン吹き替えで知られる。

経歴

日本大学芸術学部[11]中退[2][注 1]。1950年、NHK小倉放送劇団入団[12]1952年ラジオ東京放送劇団入団[7]。外国映画『地方検事』の吹き替えで声優としての活動を始めた[9][10]

1957年4月に劇団を退団し、東京タレントクラブに所属[13]。劇団文芸座設立[3]太平洋テレビジョン芸能部[14] を経て、1960年俳協創立と同時に組合員となる。

2016年には第十回声優アワードにて功労賞を受賞している[15]

2019年令和元年)11月11日胆嚢炎に起因する敗血症のため神奈川県内の病院で死去[5][16]。89歳没。

人物

テレビ草創期から俳優として活動しており、1980年代には教育映画の主演の先生役を務めたこともある。またテレビ番組やCMなどのナレーションも多く担当していた。

声種バリトン[7]。洋画吹き替えでも活躍し、フィックス(専属)のデヴィッド・ニーヴン[17][10]をはじめ、レスリー・ニールセンレックス・ハリスン[9]エロール・フリンビング・クロスビー[9]ケーリー・グラント[10]フレッド・アステアマイケル・ケインなどを持ち役としていた。

おしゃれ泥棒』でピーター・オトゥールを吹き替えた際のアドリブ表現を、池田昌子は「面白くて(笑)、最初に感じた(ピーター・オトゥールがコメディをやるという)違和感がありませんでした」と評価している[要出典]

同年代の大塚周夫はインタビューを受けた2009年当時、現役でアテレコをやっている80代で芝居を真剣に勉強してきた役者の一人に中村の名前を挙げていた[17]

細田守監督アニメーションの常連出演者でもあり、『時をかける少女』から『未来のミライ』までの全ての作品に出演していた[18]

アメリカ合衆国ハワイ州の白い教会で行われていた内海賢二野村道子夫婦の挙式の時は中村夫妻で媒酌人をしていた[19]

奥さまは魔女

奥さまは魔女』でのナレーションは、吹き替え史上でも群を抜く名ナレーションとして有名である[9][10]。「奥様の名前はサマンサ、旦那様の名前はダーリン……」という約2行の台詞の収録を完成させるために丸一日を費やしたという。これは、ディレクターの内池望博が「ナレーションは軽快かつオーバーにやって欲しい」と指示したが、中村が照れてなかなかOKテイクが出なかったことが理由だったとされる。結局オンエアで使用されたのは、中村によれば内池と中村の中間くらいで落ち着いたものだという。

原語版にはシリーズ初回を除きナレーションはなく、中村の名口調が作品の雰囲気を日本版独特なものに仕上げている。また、米倉涼子主演の日本版のドラマでもナレーションを担当したほか、ニコール・キッドマン主演の劇場版ではマイケル・ケインの声を担当した[注 2]

この名ナレーションはCMやテレビ番組でもパロディで引用されており(『ママはアイドル』や『奥さまは外国人』、トステムのCMなど)、その大半の声を当てているのも中村本人であった。

後任・代役

中村の死去前後、持ち役を引き継いだのは以下の通り。

出演

吹き替え

俳優

ウィリアム・シャラート
エドワード・マルヘアー
エロール・フリン
ケーリー・グラント
ジョセフ・カンパネラ
  • インベーダー シーズン1 #13(ジョー・コレリー神父)
  • 私立探偵ハリー シーズン2 #13(バート・シンプソン)
  • 逃亡者
    • #106(ハリー・バナー)
    • #119(ラルフ・リー警部)
  • もう一つの壁(スティルマン)
ディック・ヴァン・ダイク
デヴィッド・ニーヴン
ピーター・オトゥール
ビング・クロスビー
マイケル・ケイン
マックス・フォン・シドー
リカルド・モンタルバン
レスリー・ニールセン
レックス・ハリソン
ロニー・コックス

映画

ドラマ

海外人形劇

アニメ

テレビアニメ

1965年
1966年
1968年
1969年
1971年
1973年
1974年
1979年
1984年
1986年
1988年
1989年
1990年
1991年
1995年
1998年
1999年
2004年
2007年
2012年
2013年
2014年

劇場アニメ

1969年
1970年
  • 巨人の星 大リーグボール(川上哲治監督[30]
  • 巨人の星 宿命の対決(川上哲治監督[31]
1982年
1984年
1994年
2006年
2007年
2009年
2011年
2012年
2015年
2018年

OVA

ゲーム

ドラマCD

特撮

テレビドラマ

映画

ナレーション

ラジオドラマ

  • 海によせるバラード(1959年、海草B)[39]

CM

※注記が無いCMはすべてナレーション。『奥さまは魔女』のナレーションを基にしたCMもあったが、分類は行わない。

ほか多数

書籍

  • 僕らを育てた声 中村正編(アンド・ナウの会)

その他

脚注

注釈

  1. ^ 卒業と記載している資料もある[3]
  2. ^ イザベルたちが出演している劇中劇のナレーションは担当していない。
  3. ^ 「エファージュ」はサントリーウェルネスが販売。
  4. ^ 「ベリーズはファミリーレストランデニーズ)ではありません」というナレーションがある。
  5. ^ 発売元が明治乳業となった後もナレーションを継続。
  6. ^ CMソングは伊東ゆかり『心のかようおつきあい』のカヴァー。
  7. ^ (「北斗星は冷蔵庫のブランド名)
  8. ^ 「お休み前にタバコの火を消してから寝ましょう」という啓発広告。

出典

  1. ^ 『TVアニメ大全科part2』秋田書店、1979年、213頁。 
  2. ^ a b 『日本放送年鑑'68』p.728
  3. ^ a b c d e 「新桜オールスタァ名鑑」『芸能画報』3月号、サン出版社、1958年、NDLJP:3547459/24 
  4. ^ a b c 成美堂出版 編「男性篇」『声優名鑑』成美堂出版、1999年8月10日、568頁。ISBN 4-415-00878-X 
  5. ^ a b c d e 声優の中村正さん死去」『時事ドットコム』時事通信社、2019年11月22日。オリジナルの2019年11月27日時点におけるアーカイブ。2019年11月22日閲覧。
  6. ^ a b c d 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、119頁。 
  7. ^ a b c d 中村 正 - 俳協”. 2020年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月10日閲覧。
  8. ^ 『日本タレント名鑑(2002年版)』VIPタイムズ社、2002年4月30日、317頁。ISBN 978-4-9901242-0-5 
  9. ^ a b c d e とり・みき『とり・みきの映画吹替王』洋泉社、2004年、16- 25頁。ISBN 4896918371 
  10. ^ a b c d e f 「中村正インタビュー」『TV洋画の人気者 声のスターのすべて』阿部邦雄 編著、近代映画社、1979年、259-262頁。全国書誌番号:79023322 
  11. ^ 『神奈川年鑑』 1996年版、神奈川新聞社、544頁。 
  12. ^ 『タレント名鑑』《NO2》芸能春秋社、1963年、69頁。 
  13. ^ 『芸術新潮』第8号、新潮社、1957年6月、28頁、NDLJP:6048340 
  14. ^ 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、95頁。 
  15. ^ 受賞記録 第十回 声優アワード”. 声優アワード実行委員会. 2023年2月3日閲覧。
  16. ^ 声優の中村正さん死去 89歳、「チャーリーズ・エンジェル」のチャーリー」『デイリースポーツ』(神戸新聞社)2019年11月22日。2019年11月22日閲覧。
  17. ^ a b 大塚周夫(インタビュアー:とり・みき)「『続夕陽のガンマンブルーレイBOX』大塚周夫|インタビュー」『吹替の帝王, 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン』。オリジナルの2015年2月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150217050911/http://video.foxjapan.com/library/fukikae/interview05.html2014年9月19日閲覧 
  18. ^ @studio_chizu (2019年11月23日). "スタジオ地図のツイート". X(旧Twitter)より2023年3月9日閲覧
  19. ^ 勝田久「file No.29 内海賢二」『昭和声優列伝 テレビ草創期を声でささえた名優たち』駒草出版、2017年2月22日、305頁。ISBN 978-4-905447-77-1 
  20. ^ 猿の惑星・征服”. WOWOW (2016年6月24日). 2016年7月25日閲覧。
  21. ^ ビバリーヒルズ・コップ”. 洋画専門チャンネル ザ・シネマ. 2023年9月8日閲覧。
  22. ^ ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女”. 日曜洋画劇場. テレビ朝日. 2016年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月17日閲覧。
  23. ^ 未来からきた少年 スーパージェッター(モノクロ版)”. エイケン オフィシャルサイト. 2016年6月11日閲覧。
  24. ^ 怪物くん”. メディア芸術データベース. 2023年5月28日閲覧。
  25. ^ 鉄拳チンミ”. 株式会社 葦プロダクション 公式サイト. 葦プロダクション. 2023年6月3日閲覧。
  26. ^ ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2016年5月2日閲覧。
  27. ^ ルパン三世 東方見聞録~アナザーページ~”. トムス・エンタテインメント. 2016年5月2日閲覧。
  28. ^ 巨人の星”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2022年11月9日閲覧。
  29. ^ 巨人の星 行け行け飛雄馬”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2022年11月9日閲覧。
  30. ^ 巨人の星 大リーグボール”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2022年11月9日閲覧。
  31. ^ 巨人の星 宿命の対決”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2022年11月9日閲覧。
  32. ^ FUTURE WAR 198X年”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2023年2月3日閲覧。
  33. ^ SF新世紀 レンズマン”. マッドハウス. 2016年6月8日閲覧。
  34. ^ 時をかける少女”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2022年2月3日閲覧。
  35. ^ サマーウォーズ”. マッドハウス. 2016年6月7日閲覧。
  36. ^ おおかみこどもの雨と雪”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2022年2月3日閲覧。
  37. ^ バケモノの子 The Boy and The Beast”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2016年8月17日閲覧。
  38. ^ ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日”. 横山光輝 Official Web. 光プロダクション. 2022年11月9日閲覧。
  39. ^ 伊藤海彦 (1959). “放送記録”. 夜が生れるとき : 詩劇集. ユリイカ. p. 191 

外部リンク