『フライングハイ』(原題:Airplane!、別題:Flying High)は、1980年のアメリカ合衆国のコメディ映画。 脚本・監督はジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー。
概要
全編ほぼパロディだけで構成されたコメディ映画『ケンタッキー・フライド・ムービー』の制作陣がメガホンをとり、『大空港』などの1970年代のパニック映画のパロディ作品として制作され、ロバート・ヘイズ 、ジュリー・ハガティ、レスリー・ニールセンらが出演した[2]。特にニールセンに関してはコメディ作品に出演するきっかけとなった作品でもあり、後に同一スタッフが制作した『フライング・コップ 知能指数0分署』とその続編『裸の銃を持つ男』シリーズで主演を張ることとなる。
この映画の予算は約350万ドル(当時の日本円で約7億7000万円)だったが、北米で8345万ドル(約184億円)の大ヒットを飛ばした[1]。
制作者たちは全米脚本家組合賞の最優秀脚色賞を受賞し、ゴールデングローブ賞 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)や 英国アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた[3] 。また、のちにアメリカン・フィルム・インスティチュートのアメリカ喜劇映画ベスト100の10位に選ばれ、ストライカーとルーマックの遣り取り「Surely you can't be serious.」「I am serious... and don't call me Shirley.」がアメリカ映画の名セリフベスト100で79位にランクイン。テレビ局Bravoの"100 Funniest Movies"で6位にランクインした。
あらすじ
元戦闘機パイロットのテッド・ストライカーは、心に傷を負った退役軍人で、現在はタクシー運転手をしている。飛行機に乗ることへの病的な恐怖と、「飲むことの問題」(口以外の場所に飲み物を飛び散らせてしまう)のせいで、テッドは責任ある仕事に就くことが出来ないでいる。彼の戦時中の恋人で、現在は客室乗務員をしているエレイン・ディキンソンは、ロサンゼルス発シカゴ行きの飛行機に搭乗する前に、彼との関係を断ち切る。テッドは自分のタクシーを乗り捨て、彼女と同じ便の航空券を購入して彼女を取り戻そうとする。2人の搭乗後もエレインは彼を拒否し続け、テッドは悲嘆にくれながら昔のことを想い出しつつ、誤って他の数人の乗客を自殺に追いやってしまう。
機内食が出された後、乗員全員と乗客数名が体調を崩してしまう。乗客のルーマック医師は、食事で提供された魚が食中毒を引き起こしたことを知る。乗員全員が使い物にならなくなったため、エレインはシカゴの管制塔に助けを求め、管制塔の監督官スティーブ・マクロスキーから、飛行機の自動操縦装置、即ち「オットー」と名付けられた空気で膨らます式の大きなダミーパイロットを起動するよう指示される。但し、その装置によってシカゴまでは到着出来るが、着陸は出来ない。エレインとルーマックはテッドが操縦するよう説得する。テッドが操縦していることを知ったマクロスキーは、テッドの元上官で現在は民間機のパイロットをしているレックス・クレイマーに連絡し、着陸手順についてテッドに指示するよう依頼する。クレイマーが指示を出し始めるとテッドは不安になり、戦争中のフラッシュバックに襲われ、一時的に操縦が出来なくなる。エレインとルマックはテッドに自信を付けさせ、彼は再び操縦出来るようになる。
飛行機がシカゴに近づくに連れて天候が悪化し、着陸はより困難になる。副操縦士の役割を務めるエレインの助けと管制塔からのレックスの指導により、車輪が折れたにも拘わらず、テッドは飛行機を無事に着陸させることが出来、乗客たちは軽傷で済んだ。救助車両が到着し、乗客を降ろすのを手伝う。テッドが勇気を示したことに感激したエレインは彼を抱きしめてキスし、2人の関係が再燃する。2人は「オットー」が飛行機を操縦し、自分の女性版を膨らませ、離陸するのを見守る。
キャスト
カメオ出演
この映画には脚本・監督及びその家族が多数カメオ出演している。
脚注
- ^ a b c “Airplane! (1980) - Financial Information”. The Numbers. August 15, 2010閲覧。
- ^ Abrahams, Jim; David Zucker; Jerry Zucker (2000). Airplane! DVD audio commentary (DVD). Paramount Pictures.
- ^ “Awards for Airplane!”. IMDB. 2009年4月4日閲覧。
- ^ 本編終了後に表示される日本語吹替スタッフは誤ったものが収録されており上記のキャスト、スタッフはクレジットされていない。また、収録されている吹替は再放送時の物で初回版より10分ほど短い。
外部リンク