シンハラ文字 (しんはらもじ、シンハラ語 : සිංහල හෝඩි , siṁhala hōdi、英 : Sinhala script )は、主にシンハラ語 を表記するために使われる文字 。
概要
古代インド のブラーフミー文字 から派生した文字で、インドの南方に位置するスリランカ で用いられる。ほとんどの文字が渦巻状になっている。
現代において用いられる混成シンハラ文字では、基本的な文字は54種類存在しており、そのうち母音 は二重母音も含めて18個あり、子音 は36個ある。口語であるスッダ・シンハラ (Suddha Sinhala 、白シンハラ、純粋シンハラ)を書き表すだけなら母音字12、子音字24で十分であるが、サンスクリット やパーリ語 からの外来語を記述するための文字が多く存在している。
文字
シンハラ文字の一覧を以下に示す。スッダ・シンハラ で使用されない文字は濃い背景色で記述している。
母音
母音字 (子音なし)
母音記号 (子音あり)
転写 (IAST )
母音字 (子音なし)
母音記号 (子音あり)
転写 (IAST )
අ
a
ආ
ා
ā
ඇ
ැ
æ
ඈ
ෑ
ǣ
ඉ
ි
i
ඊ
ී
ī
උ
ු
u
ඌ
ූ
ū
ඍ
ෘ
ṛ
ඎ
ෲ
ṝ
ඏ
ෟ
ḷ
ඐ
ෳ
ḹ
එ
ෙ
e
ඒ
ේ
ē
ඓ
ෛ
ai
ඔ
ො
o
ඕ
ෝ
ō
ඖ
ෞ
au
子音
ローマ字転写 はIAST による。
結合文字
シンハラ文字はアブギダ であり、子音字に母音がつく場合子音字に母音記号を書き足す形になる。子音字のみだと子音+[a]の音を表す。ただし一部の子音字については、特殊な変形をするものも存在する。
kの字体の変化。1段目が+[a]の基本形、2段目が+[i]の変形、3段目が母音を発音しない場合の変形となる。
+[u],[ū]の場合の字体の変形例。k, r, ḷの3文字が特殊な変形をしている。
外来音の表記
元々シンハラ語に存在しない外来音 、例えば子音が z や f となる音を表現する場合は、近い音の文字に zස や fප のようにラテン文字 を併記する形で表現する(この例では結合文字との組み合わせのため、それぞれ za と fa となる。なお、f については近代になり作成された ෆ の子音も用いられる)。
コンピュータ
Unicode
Unicode では下記の領域に以下の文字が定義されている。
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
B
C
D
E
F
D80
ං
ඃ
අ
ආ
ඇ
ඈ
ඉ
ඊ
උ
ඌ
ඍ
ඎ
ඏ
D90
ඐ
එ
ඒ
ඓ
ඔ
ඕ
ඖ
ක
ඛ
ග
ඝ
ඞ
ඟ
DA0
ච
ඡ
ජ
ඣ
ඤ
ඥ
ඦ
ට
ඨ
ඩ
ඪ
ණ
ඬ
ත
ථ
ද
DB0
ධ
න
ඳ
ප
ඵ
බ
භ
ම
ඹ
ය
ර
ල
DC0
ව
ශ
ෂ
ස
හ
ළ
ෆ
්
ා
DD0
ැ
ෑ
ි
ී
ු
ූ
ෘ
ෙ
ේ
ෛ
ො
ෝ
ෞ
ෟ
DE0
DF0
ෲ
ෳ
෴
キーボード
Windowsのシンハラ語キーボードの配列は以下の通り。
赤字部分は「右Alt」を用いて入力。
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
シンハラ文字 に関連するカテゴリがあります。
外部リンク