モーディー文字 (モーディーもじ、マラーティー語 : मोडी moḍī )は、インド のマラーティー語 を表記するために使われていたブラーフミー系文字 である。現在マラーティー語の表記にはデーヴァナーガリー が使われ、モーディー文字は私信にわずかに使われるにとどまる。
概要
モーディー文字はナーガリー文字 の系統の文字で、13世紀ヤーダヴァ朝 の大臣ヘーマードリ(en )が考案したとも、17世紀マラーター王国 のシヴァージー の書記が作ったとも伝えられる[ 1] 。現存する最古の文献は17世紀前半のものである[ 2] 。モーディー文字による印刷は19世紀前半にはじまった[ 2] 。
マラーティー語はかつてデーヴァナーガリー、モーディー文字、カンナダ文字 などで表記されていた[ 3] 。20世紀なかばまでにデーヴァナーガリーの使用が拡大し、モーディー文字は他の多くの地方文字と同様に衰退した[ 4] 。
速記に適した文字で、単語は通常分かち書きしない[ 1] 。構造的にはデーヴァナーガリーと同様だが、曲線的な字形を持つ。また、子音字と母音記号がしばしば分かち難く融合して合字 をつくり、子音字単体からは予測不可能な形になる[ 2] 。
Unicode
2014年のUnicode バージョン7.0で、追加多言語面 のU+11600..U+1165Fに追加された[ 5] [ 6] 。
Modi [ 7]
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
B
C
D
E
F
U+1160x
𑘀
𑘁
𑘂
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𑘄
𑘅
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U+1161x
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𑘜
𑘝
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U+1162x
𑘠
𑘡
𑘢
𑘣
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𑘥
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𑘧
𑘨
𑘩
𑘪
𑘫
𑘬
𑘭
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𑘯
U+1163x
𑘰
𑘱
𑘲
𑘳
𑘴
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𑘷
𑘸
𑘹
𑘺
𑘻
𑘼
𑘽
𑘾
𑘿
U+1164x
𑙀
𑙁
𑙂
𑙃
𑙄
U+1165x
𑙐
𑙑
𑙒
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𑙘
𑙙
脚注
^ a b 田中(1981) p.204。なお「モーリー文字」と呼ばれている
^ a b c Anshuman Pandey (2011-05-23), N4034 Proposal to Encode the Modi Script in ISO/IES 10646 , https://unicode.org/L2/L2011/11212-n4034-modi.pdf
^ Salomon (1998) p.100
^ Masica (1993) p.144
^ Supported Scripts , Unicode, Inc., https://www.unicode.org/standard/supported.html
^ Unicode 7.0.0 , Unicode, Inc., (2014-06-16), https://www.unicode.org/versions/Unicode7.0.0/
^ Modi , Unicode, Inc, https://www.unicode.org/charts/PDF/U11600.pdf
参考文献
田中敏雄 著「インド系文字の発展」、西田龍雄 編『世界の文字』大修館書店 、1981年、181-210頁。
Masica, Colin P (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446
Salomon, Richard (1998). Indian Epigraphy: A Guide to the Study of Inscriptions in Sanskrit, Prakrit, and Other Indo-Aryan Languages . Oxford University Press. ISBN 0195099842
外部リンク