邪馬台国の言語

邪馬台国の言語(やまたいこくのげんご)では、『三国志』魏書東夷伝倭人、いわゆる魏志倭人伝に書かれた日本(邪馬台国)の固有名詞、およびそこから解析される言語について説明する。

魏志倭人伝における日本(倭)の地名、人名、官名は知られている最古の日本言語である[注釈 1]。その音韻は上代(奈良時代日本語上代日本語)の特徴と同じであり、日本語の記録史は卑弥呼の時代まで辿れるとも見なすことができる。

最古の日本語

魏志倭人伝には「倭国」の30の地名と8人の人名、そして14の(人名の可能性もある)官名が出てくる。これら52の音訳語は日本列島で用いられた言語の最古の直接資料である[1]。一覧表にすると下の表になる。

国名 30 対馬一支末廬伊都(北九州)、不彌投馬邪馬臺、斯馬、巳百支、伊邪、都支、彌奴、 好古都、不呼、姐奴、對蘇、蘇奴、呼邑、華奴蘇奴、鬼、爲吾、鬼奴、 邪馬、躬臣、巴利、支惟、烏奴、奴(絶遠地)、狗奴
人名 8 卑彌呼卑彌弓呼難升米都市牛利、伊聲耆、掖邪狗、載斯烏越、臺與
官名 14 卑狗、卑奴母離、爾支、泄謨觚、柄渠觚、兕馬觚、多模、彌彌、彌彌那利、伊支馬、彌馬升、弥馬獲支、奴佳鞮、狗古智卑狗

John R. Bentleyは、後漢中国語音を再建を試みた先行研究を踏まえ、古日本語の特徴を考慮して当時の倭人が発言したであろう発音を推察する方法論に基づき、下表のような読み方を提示している[2]

国名

記載 後漢中国語音 倭人の発音
對馬 *tuɘs-maʔ *təsVma *tusVma
一支 *ʔit-kie *ike
末盧 *mɑt-lɔ *mat-rɔ
伊都 *ʔi-tɔ *itɔ
*nɑ *nɑ
不彌 *pu-mie *pume
投馬 *do-maʔ *toma
邪馬臺 *ja-maʔ-dɘ>*-dɘɨ *yama-tɘ(ɨ)
斯馬 *sie-maʔ *sema
己百支 *kɨɘʔ-pɑk-kie *kɨpa-ke
伊邪 *ʔi-ja *iya
都支 *tɔ-kie *tɔke
彌奴 *mie-nɔ *menɔ
好古都 *houʔ-kɔʔ-tɔ *hokɔ-tɔ
不呼 *pu-hɔ *puhɔ
姐奴 *tsiɑʔ-nɔ *sanɔ
對蘇 *tuəs-sɔ *təsɔ *tusɔ
蘇奴 *sɔ-nɔ *sɔnɔ
呼邑 *hɔ-ʔip *hɔ-ipV
華奴蘇奴 *ɣua-nɔ-sɔ-nɔ *wanɔ-sɔnɔ
*kuiʔ *kui
爲吾 *wɑi-ŋɔ *wai-ŋgɔ
鬼奴 *kuiʔ-nɔ *kui-nɔ
邪馬 *ja-ma *yama
躬臣 *kuŋ-gin *kuŋginV
巴利 *pa-liʰ *pari
支惟 *kie-wi *kewi
烏奴 *ʔɔ-nɔ *ɔnɔ
*nɑ *nɑ
狗奴 *koʔ-nɔ *konɔ

人名

記載 後漢中国語音 倭人の発音
卑彌呼 *pie-mie-hɔ *pe-mehɔ
卑彌弓呼 *pie-mie-kuŋ-hɔ *pe-mekuŋhɔ
難升米 *nɑn-śɨŋ-meiʔ *nanɘ-sɨŋgume-i
都市牛利 *tɔ-dʑɨɘʔ-ŋu-liʰ *tɔsɨ-ŋguri
伊聲耆 *ʔi-śeŋ-gɨ *ise-ŋgɨ
掖邪狗 *jak-ja-koʔ *yak-yako
載斯烏越 *tsɘʰ-sie-ʔɔ-wɑt *sɘse-ɔwat
臺與 *dɘ-jɑʔ *tɘyɑ

官名

記載 後漢中国語音 倭人の発音
卑狗 *pie-koʔ *peko
卑奴母離 *pie-nɔ-mɘʔ-liɑi *penɔ-mɘra-i
爾支 *ńeʔ-kie *neke
泄謨觚 *siat-mɔ-kuɔ *jas-mɔ-kuɔ *sat-mɔ-kuɔ *yas-mɔ-kuɔ
柄渠觚 *pɨaŋʰ-gɨɑ-kuɔ *paŋgɑ-kuɔ
兕馬觚 *ziʔ-maʔ-kuɔ *sima-kuɔ
多模 *tɑ-mɔ *tɑ-mɔ
彌彌 *mie-mie *meme
彌彌那利 *mie-mie-na-liʰ *meme-nari
伊支馬 *ʔi-kie-maʔ *ike-ma
彌馬升 *mie-maʔ-śɨŋ *mema-sɨŋgV
彌馬獲支 *mie-maʔ-ɣuak-kie *mema-wake
奴佳鞮 *nɔ-kɛ-de *nɔ-kede
狗古智卑狗 *koʔ-kɔʔ-ʈeʰ-pie-koʔ *ko-kɔte-peko

倭人語の音韻表

これらを中国中古音(切韻)体系によって音節総表をつくり、倭人語の音韻の特徴を明らかにしたのが森博達である(下の表は森の表をやや簡略にしたものである。カッコに囲まれた字は合口字を表す)。

母音(韻類)
開閉 陰声 陽声 入声 回数
果・仮
子音 声類 清濁 n ng p t k
唇音 全清 14
次濁 模.謨 (末) 27
牙音 全清 觚,古 (鬼) 弓,躬 16
全濁 2
次濁 2
喉音 全清 (倭) 9
全清 5
全濁 (華) (獲) 2
(為) (越) 2
次濁 (惟) 8
舌音 全清 (対) 9
全濁 3
次濁 17
次濁 8
歯頭音 全清 2
全清 6
全濁 1
正歯音 全清 7
全清 升,聲 3
全濁 2
次濁 1
回数 3 11 5 37 2 5 1 2 35 11 1 2 1 11 1 2 6 1 6 3 146

音韻結合の特徴

3世紀以前の倭人語の音韻結合の特徴は8世紀(奈良時代)の日本語の特徴と同じであることが、森博達らによって解明されている[1]。 奈良時代(上代)における日本語の音韻結合の主な特徴としては

  1. 開音節母音終わり)を原則とする。
  2. ア行は原則として頭音にくること。
  3. 頭音には原則としてラ行が来ないこと。
  4. 頭音には原則として濁音が来ないこと。

などがある。 他方、倭人伝の訳音語を中国の中古音体系の「切韻」によって分類すると次のような特徴が明らかとなる。

  1. 開口字が全体の92%を占め[注釈 2]、母音終わりの文字が88%を占めている[注釈 3]。したがって、倭人伝の訳音語は開音節が原則となっている。「おそらく倭人語には、上代日本語と同様、閉音節(子音終り)は存在しなかったであろう」[4]
  2. ア行に用いられた可能性のある字は「伊」「巳」「惟」「一」「邑」「烏」の6種類10字であるが、この内、語頭以外で用いられているのは「支惟国」、「呼邑国」および「載斯烏越」である。しかし「惟」が「邪(ヤ)」や「与(ヨ)」と同じ喉音「以」の子音(声類)に属しているので「ヤ」行の語であればア行ではなくなる。「邑」と「烏」も「倭(ワ)」と同じ喉音「影」の子音(声類)に属しているのでワ行であればア行ではなくなる。すなわち頭音でないところで使われているア行の字は見当たらなくなり、奈良時代の日本語の特徴に一致する。
  3. ラ行と考えられる舌音「来」の子音に属する「廬」「離」「利」は、末盧国、都市牛利、彌彌那利、巴利国、卑奴母離の6例であり、すべて頭音にきていない。
  4. 語頭に濁音文字(全濁音字)が来ている語には「兕馬觚」、「投馬」そして「臺与」の3つがある。しかし、これらの「全濁音字が場合によっては倭人語の清音を表すのに用いられた可能性もある」[5]。「臺与」は「とよ」、「投馬」は「どま」だが実際には「於投馬」で「おどま」と読む可能性が指摘されておりその場合頭音に濁音が来ないこととなり、奈良時代の日本語の特徴に一致する。

このように、倭人伝の訳音語は基本的に上代日本語の音韻結合の法則性に従う可能性の高いことが明らかになってきた。

音韻の種類の特徴

奈良時代(上代)における日本語の音韻の種類と構造は、同時代の中国の音韻と比較するとさらに次の様な特徴がある。

上代日本語には中国音韻のハ (h) 行(喉音<暁>や喉音<匣>)の音韻がない
上代日本語のハ行はパ (p) のような唇音であったので、中国中古音韻の喉音<暁>や喉音<匣>の声類に属する字はカ行音に表記されている。おなじ特徴が倭人伝の訳音語に見られる。「卑弥呼」の「呼」は中国音韻では喉音<暁>のハ行の子音(声類)であるが、後年の日本語では「ヒミコ」とカ行で訳された可能性が高いと考えられる。ここでも倭人伝の訳音語は上代日本語の音韻の種類と同じ性質を持っていることを示唆する。
上代日本語には中国音韻の次清音がない
万葉仮名には中国音韻の次清音字が使われている。しかし、日本書紀のα群と呼ばれる歌謡には、次清音字が仮名として全く使われていない。これはα群が中国人によって訳音された仮名文字が使用されたためと考えられている。中国人の耳には上代日本語に次清音がなかったことを意味している。倭人伝の訳音語にも次清音字は見られない。ここでも倭人伝の訳音語は上代日本語の音韻の種類と同じ性質を持っていることを示唆する。この特徴は、中国原音に基づいて音訳された語が倭人伝に多かったことを物語る。ただし、中国原音に基づかない、「卑弥呼」や「対馬国」などの表記があることも事実である。

音韻結合上の問題

ただし、上代日本語の音韻結合の法則性に従わないように見える特徴もある。

オ列甲類の使用頻度問題
切韻「模」韻字に属する「奴」や「都」や「呼」などは延べ37回、全体の約25%に使われている[注釈 4]。森博達の見解では「模」韻字は上代日本語のオ列甲類を表す音節に使われる。ところが上代日本語のオ列甲類の使用頻度は4%と極めて少なく、倭人語とは顕著な差があると森博達は主張する。この違いをどう解釈するかという問題が残る[6]
解決点は「模」韻字の発音の変化にある。「模」韻字は中国中古音ではオ列を表す文字として使用されたが、後漢時代以前の上古音ではア列を表す文字として使われたことが知られている[注釈 5]。「奴国」の「奴」は「ナ」と発音されオ列甲音にならないのは、後漢時代に既に金印に「奴国」と刻印され、上古音のア列を表す文字として使われた過去を踏襲したからである。「模」韻字の「廬」も「末廬国」に「ラ」と発音されア列となっている。「模」も「多模」で「タマ」と発音しア行の可能性がある。つまり「模」韻字の属する「奴」「廬」「模」がのべ17回つかわれているが、それらすべてがア列で発音されるなら、残りの「模」韻字のオ列甲類の頻度は20回、全体の14%となる。さらに「蘇」が「サ」、「謨」が「マ」または「ム」、「吾」が「ガ」と発音されたなら、残りの「模」韻字のオ列甲類の頻度は15回、全体の10%となる。オ列甲類の使用頻度が10~15%であれば高いとは言えず、上代日本語の特徴と矛盾しない。
オ列甲類の複数存在問題
森の指摘する第二の問題は一語中におけるオ列甲類語の複数存在の問題である。上代日本語には特殊な語を除いて「同一結合単位に甲類のオ列音が複数存在することがない」[8]。ところが倭人語にはオ列甲類とみなされる「模」韻字の複数存在する例が5つみられる。 好古都国、蘇奴国、華奴蘇奴国、烏奴国および泄謨觚である。
この問題の解決の糸口は、第一の頻度問題と同じく、倭人語の「模」韻字にはオ列ではなくア列を発音する語が少なからず存在することである。特に「奴」は「ナ」と発音されることがほぼ確実である。したがって蘇奴国、華奴蘇奴国および烏奴国に関してはオ列甲類が複数存在したことにはならない。泄謨觚に関しても「セマコ」と呼ばれたなら、オ列甲類が複数存在したことにはならない。ただし好古都国に関してはまだ解決の方策は見いだせない。好古都国が「クカト」国と発音されたならオ列甲類が複数存在したことにはならないが、そのように解釈する根拠はまだ見いだせない。
或いは直前の「都支」を「刀支県主(トキ)」、「弥奴」を「美濃県主(ミノ)」として他に殆ど現れない「好」を「奴」の誤字と想定した「奴古都」は「額田国造(ノカタ > ヌカタ)」となり岐阜県〜滋賀県に確定する。

脚注

注釈

  1. ^ 記述上の時系列でいえばそれ以前に『後漢書』東夷列伝があるが、『三国志』の編纂は『後漢書』に先行する。
  2. ^ 母音の前に-u-が入る「合口字」は「末」「対」「鬼」「倭」「獲」「華」「為」「越」「惟」の9種、11字であり、残りの135字はすべて開口字である[3]。「合口字」が「獲」「華」「為」「越」「惟」などの喉音字に集中する現象も上代日本語と共通している。
  3. ^ 訳音語に用いられた146字のうち、母音で終わらない「陽声字」は8字、「入声字」は10字となり、陽声と入声を合わせた子音韻尾字の割合は12%である。
  4. ^ 「奴」の使われ方に特徴が見られる。「奴」が国の名前として使われているのが10回と「卑奴母離」の官名に4回そして「奴佳鞮」の官名に1回があるが「弥奴(美濃・ミヌ)」などナに加えてヌ(ノ)にも使われている可能性が考えられる。
  5. ^ 中国における中古(隋・唐時代)の「模」韻字はオ列甲音で発音されていた、しかし上古音(周時代)の「模」韻字は「魚部」に属しア行音で発音されていた。魚部は前漢から後漢にかけてア列からオ列(甲類)に変化したからである[7]

出典

  1. ^ a b 森 (1985), p. [要ページ番号].
  2. ^ Bentley (2008), pp. 10–11.
  3. ^ 森 (1985), p. 171.
  4. ^ 森 (1985), p. 166.
  5. ^ 森 (1985), p. 172.
  6. ^ 森 (1985), p. 185.
  7. ^ 森 (1985), p. 184.
  8. ^ 森 (1985), p. 187.

参考文献

  • 森博達「倭人伝の地名と人名」『日本の古代1、倭人の登場』中央公論社、1985年。ISBN 4-12-402534-3 
  • 清瀬義三郎則府「邪馬台国の言語を論じ原日本語の故地に及ぶ」『語源探求』第5巻、明治書院、1997年、202-244頁。 
  • 田中卓「邪馬台国の所在と上代特殊仮名遣」『国語国文』第24巻第5号、臨川書店、1955年、273-283頁。 
  • 服部四郎邪馬台国はどこか」『日本学士院紀要』第42巻第2号、日本学士院、1987年、93-136頁。 
  • John R. Bentley (2008). The Search for the Language of Yamatai. https://www.researchgate.net/publication/272826563_The_Search_for_the_Language_of_Yamatai_Japanese_Language_and_Literature_421_pp_1-43. 

Read other articles:

Charenton-le-PontNegaraPrancisArondisemenCréteilKantonCharenton-le-PontAntarkomuneCommunautéde communesde Charenton-le-Pont -Saint-MauriceKode INSEE/pos94018 /  Taman umum di Charenton-le-Pont, dekat stasiun metro Charenton-Ecoles. Charenton-le-Pont merupakan sebuah komune di pinggiran tenggara Paris, Prancis. Terletak 6.2 km (3.8 mil) dari pusat kota Paris. Merupakan salah satu kotamadya terpadat di Eropa. Rumah Sakit Psikiatris Charenton terletak di komune tetangga Charenton-Sai...

 

Private college in Bulacan, PhilippinesThis article does not cite any sources. Please help improve this article by adding citations to reliable sources. Unsourced material may be challenged and removed.Find sources: Meycauayan College – news · newspapers · books · scholar · JSTOR (May 2016) (Learn how and when to remove this template message) Meycauayan CollegeDalubhasaan ng MeycauayanFacadeOther nameMCFormer nameMeycauayan Institute (1925-1980)TypePri...

 

Art museum, community art program, performing arts in San Jose, CaliforniaMovimiento de Arte y Cultura Latino AmericanaEstablished1989Location510 South First Street, San Jose, CaliforniaCoordinates37°19′41″N 121°53′02″W / 37.328°N 121.884°W / 37.328; -121.884TypeArt museum, community art program, performing artsExecutive directorAnjee Helstrup-AlvarezWebsitehttps://maclaarte.org/ Movimiento de Arte y Cultura Latino Americana (MACLA) is a contemporary arts ...

History and regulations of Russian citizenship On Citizenship of the Russian FederationО гражданстве Российской ФедерацииFederal AssemblyCitationN 62-ФЗTerritorial extentRussia (including Crimea), occupied territories of UkraineEnacted byFederal AssemblySigned byPresident of RussiaSigned31 May 2002Commenced1 July 2002Status: Amended Russian citizenship law details the conditions by which a person holds citizenship of Russia. The primary law governin...

 

Indian ship and submarine company Mazagon Dock Shipbuilders LimitedCompany typePublicTraded asBSE: 543237 NSE: MAZDOCKIndustryShipbuildingFounded1934; 90 years ago (1934)[1]HeadquartersMumbai, Maharashtra, IndiaKey peopleSanjeev Singhal (Chairman & MD)ProductsNaval shipsSubmarines offshore platforms Tankers Bulk carriers Platform supply vessels Patrol boatsServicesShip designShip buildingShip repairRevenue ₹7,827.18 crore (US$980 million) (FY2023...

 

此條目可能包含不适用或被曲解的引用资料,部分内容的准确性无法被证實。 (2023年1月5日)请协助校核其中的错误以改善这篇条目。详情请参见条目的讨论页。 各国相关 主題列表 索引 国内生产总值 石油储量 国防预算 武装部队(军事) 官方语言 人口統計 人口密度 生育率 出生率 死亡率 自杀率 谋杀率 失业率 储蓄率 识字率 出口额 进口额 煤产量 发电量 监禁率 死刑 国债 ...

2020年夏季奥林匹克运动会波兰代表團波兰国旗IOC編碼POLNOC波蘭奧林匹克委員會網站olimpijski.pl(英文)(波兰文)2020年夏季奥林匹克运动会(東京)2021年7月23日至8月8日(受2019冠状病毒病疫情影响推迟,但仍保留原定名称)運動員206參賽項目24个大项旗手开幕式:帕维尔·科热尼奥夫斯基(游泳)和马娅·沃什乔夫斯卡(自行车)[1]闭幕式:卡罗利娜·纳亚(皮划艇)&#...

 

King of Ebla Ibbit-LimFragmentary torso of Ibbit-LimKing of EblaReignaround 1950 BCEFatherIgrish-Kheb Ibbit-Lim[pronunciation?] was the earliest known ruler of the Third kingdom of Ebla, in modern Syria, reigning most likely shortly before 1950 BCE.[1] Reign Ibbit-Lim is only known by a fragmentary basalt torso found in 1968 at Tell Mardikh and now in Aleppo, which was part of a votive statue for Ishtar, once placed in this goddess' temple in the acropolis of Ebla.[2] ...

 

تحتاج هذه المقالة كاملةً أو أجزاءً منها لإعادة الكتابة حسبَ أسلوب ويكيبيديا. فضلًا، ساهم بإعادة كتابتها لتتوافق معه. (أبريل 2019) تطور البوغوميلية   جزء من سلسلة مقالات حولالغنوصية المفاهيم الغنوصية آدم كاسيا آدم باغريا أيون روح العالم أرخن بارابيلو ديميرج الأختام الخمسة...

Track and field event For the World War II plot, see Operation Long Jump. For the programming function, see longjmp. Not to be confused with standing long jump. AthleticsLong jumpLong jump at the 2013 IPC Athletics World ChampionshipsWorld recordsMen Mike Powell 8.95 m (29 ft 4+1⁄4 in) (1991)Women Galina Chistyakova 7.52 m (24 ft 8 in) (1988)Olympic recordsMen Bob Beamon 8.90 m (29 ft 2+1⁄4 in) A (1968)Women Jackie Joyner-Kersee 7....

 

The following is a list of Playboy Playmates of 1958. Playboy magazine names its Playmate of the Month each month throughout the year. January Elizabeth Ann RobertsPersonal detailsBorn (1941-08-04) August 4, 1941 (age 82)Chicago, Illinois, U.S. Main article: Elizabeth Ann Roberts Elizabeth Ann Roberts (born August 4, 1941) is an American model. She was Playboy magazine's Playmate of the Month for the January 1958 issue. Her centerfold was photographed by Arthur James and Mike Shea, when...

 

English actor (born 1939) SirIan McKellenCH CBEMcKellen in 2013BornIan Murray McKellen (1939-05-25) 25 May 1939 (age 85)[1]Burnley, Lancashire, EnglandEducationSt Catharine's College, Cambridge (BA)OccupationActorYears active1958–presentPartners Brian Taylor (1964–1972) Sean Mathias (1978–1988) AwardsFull listWebsitemckellen.com Sir Ian Murray McKellen CH CBE (born 25 May 1939) is an English actor. With a career spanning more than sixty years, he is noted for h...

American rapper (born 1981) Safaree SamuelsSamuels in 2019BornSafaree Lloyd Samuels (1981-07-04) July 4, 1981 (age 43)New York City, U.S.Nationality American (jus soli) Jamaican (jus sanguinis)[1] Other namesSafareeScaffScaff BeezyVVS BeezyStuntmanEducationMidwood High SchoolOccupationsRappersongwritertelevision produceractorYears active2000–presentLabels916%StuntgangH2OX-RaySpouse Erica Mena ​ ​(m. 2019; div. 2022)​Chil...

 

Men's 1500 metresat the Games of the XVI OlympiadOlympic AthleticsVenueMelbourne Cricket GroundDatesNovember 29 (semifinals)December 1 (final)Competitors37 from 22 nationsWinning time3:41.2 ORMedalists Ron Delany Ireland Klaus Richtzenhain United Team of Germany John Landy Australia← 19521960 → Video on YouTube Official Video @13:13 Athletics at the1956 Summer OlympicsTrack events100 mmenwomen200 mmenwomen400 mmen800 mmen1500 mmen5000 mmen10,000 ...

 

Genus of orchids Ophrys Bee orchid (Ophrys apifera var. aurita) Scientific classification Kingdom: Plantae Clade: Tracheophytes Clade: Angiosperms Clade: Monocots Order: Asparagales Family: Orchidaceae Subfamily: Orchidoideae Tribe: Orchideae Subtribe: Orchidinae Genus: OphrysL., 1753 Type species Ophrys insectifera[1]L., 1753 Synonyms[2] Arachnites F.W.Schmidt Myodium Salisb. The genus Ophrys is a large group of orchids from the alliance Orchis in the subtribe Orchidinae. The...

令制国一覧 > 東海道 > 相模国 > 高座郡 日本 > 関東地方 > 神奈川県 > 高座郡 神奈川県高座郡の範囲(緑:寒川町) 高座郡(こうざぐん)は、神奈川県(相模国)に所属する郡。 人口48,542人、面積13.34km²、人口密度3,639人/km²。(2024年9月1日、推計人口) 以下の1町を含む。 寒川町(さむかわまち) 郡域 相模川(馬入川)と境川�...

 

Device to couple energy between circuits This article is about the electrical device. For other uses, see Transformer (disambiguation). An O-core transformer consisting of two coils of copper wire wrapped around a magnetic core In electrical engineering, a transformer is a passive component that transfers electrical energy from one electrical circuit to another circuit, or multiple circuits. A varying current in any coil of the transformer produces a varying magnetic flux in the transformer's...

 

مقاطعة بيلغورود    علم شعار   الإحداثيات 50°46′00″N 37°27′00″E / 50.766666666667°N 37.45°E / 50.766666666667; 37.45   [1] تاريخ التأسيس 6 يناير 1954  تقسيم إداري  البلد روسيا (26 ديسمبر 1991–)[2][3][4]  التقسيم الأعلى روسيا (26 ديسمبر 1991–)  العاصمة بيلغورود  ...

Town in Brandenburg, Germany This article is about the town in Brandenburg. For the city in Hesse, see Frankfurt. For other uses, see Frankfurt (disambiguation). Town in Brandenburg, GermanyFrankfurt (Oder)Frankfurt an der OderFrankfort an de Oder TownClockwise from top: St Mary's Church, Church of Peace, skyline with St Mary's, Oder Tower and city hall, view of the Oder from City Bridge, St Gertrude's Church, view of the city from Słubice FlagCoat of armsLocation of Frankfurt (Oder)Frankfur...

 

1798 invasion during the French Revolutionary Wars French invasion of SwitzerlandPart of the French Revolutionary WarsEntry of the French into Bern on 15 March 1798. Engraving by Abraham Girardet, c. 1798-1803Date28 January – 17 May 1798LocationOld Swiss ConfederacyResult French victory Switzerland becomes a French client stateBelligerents  France  SwitzerlandCommanders and leaders Guillaume Brune Balthazar Alexis Henri Schauenburg Philippe Romain Ménard [fr] K...