堀内 詔子(ほりうち のりこ、1965年〈昭和40年〉10月28日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(5期)、衆議院外務委員長。
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣、ワクチン接種推進担当大臣[2](第1次岸田内閣・第2次岸田内閣)、環境副大臣兼内閣府副大臣(菅義偉内閣)、厚生労働大臣政務官(第3次安倍第2次改造内閣)を歴任した。旧姓は小林である。
来歴
山梨県笛吹市石和町出身(現住所は富士吉田市新西原[3])[4]。学習院幼稚園・初等科・女子中・高等科を経て、1988年3月学習院大学文学部卒業[5]。直後に小学校の先輩であった堀内光一郎と結婚[6]。1990年学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程を修了し文学修士。
1993年同博士後期課程単位取得し満期退学[5]。
2006年4月、「フジヤマミュージアム」館長に就任(2016年8月5日まで)。
2012年11月、自民党山梨県第二選挙区支部長に就任。同年12月の第46回衆議院議員総選挙に山梨2区から自由民主党公認で出馬。
無所属で元自民党の長崎幸太郎に7,123票差で敗れたが比例南関東ブロックで復活し初当選。
2014年12月の第47回衆議院議員総選挙に山梨2区で出馬。長崎に再び敗れるも比例復活で再選。
2016年8月5日、第3次安倍第2次改造内閣で、厚生労働大臣政務官(働き方改革、子育て支援、社会福祉などの担当[7])に就任[8]。
2017年10月の第48回衆議院議員総選挙に山梨2区から自民党推薦の無所属として出馬し、小選挙区初当選となる3選。その後、自民党の追加公認を受ける[9]。
2018年、予算委員会理事、自由民主党党総務に就任。
2020年9月18日、菅義偉内閣で、環境副大臣兼内閣府副大臣に就任。
2021年10月4日、第1次岸田内閣で、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣、ワクチン接種推進担当大臣として初入閣。
同年10月31日の第48回衆議院議員総選挙で山梨2区に自民党公認、公明党推薦候補として出馬。同区では18年ぶりの保守統一候補として10万9000票(得票率68%)を獲得し小選挙区で4選。なお、NHKによる衆議院選挙速報2021では(出口調査によって)20時の放送開始と同時に、他候補者に先駆けて最初に当選確実が発表された。総選挙後の11月10日に発足した第2次岸田内閣でも閣僚に再任。
2022年3月31日、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣の設置期限が切れ、閣僚の枠が1減したことに伴い両大臣職を退任した。これに伴い、五輪担当大臣の後任は末松信介文部科学大臣、ワクチン担当大臣の後任は松野博一官房長官がそれぞれ兼務した。
同年8月31日、自由民主党副幹事長に就任。
2024年9月12日、自民党総裁選挙において堀内は1回目の投票では上川に投じ[10]、決選投票では石破に投じた[10]。
同年10月の第50回衆議院議員総選挙に山梨2区から出馬し、5選[11]。同年11月28日、衆議院外務委員長に就任[12]。尚、義祖父の堀内一雄も同じく衆議院外務委員長を務めていた。
エピソード
- 政治家となった経緯は、義父である堀内光雄(元通産大臣)の落選・引退後、後継者がなかなか決まらず、業を煮やした女性幹部らが「もう男なんかに任せてはおけない」と、郵政選挙で獅子奮迅の活躍をした詔子を口説いたことから始まった。その後、地元・山梨県を駆け回って「のりこ会」という女性後援会を作った行動力が、地元民を瞠目させて白羽の矢がたった[13]。
- 2014年、難病のシャルコー・マリー・トゥース病の難病指定のために呼びかけを行い、PTAや自治会、市町村への持ち込みやFacebookの呼びかけで83,459名分の署名を集め[14]、田村憲久厚生労働大臣(当時)に提出、結果指定難病となった(第一次実施分、番号10)[15]。きっかけは地元・富士吉田市の祭において、同病に苦しむ娘を持つ母親からの要望を受けてのものだという[15]。
- 2018年自由民主党総裁選挙の際は、安倍晋三候補の推薦人並びに届出人(甘利明と共同)を務め、[16][17]、2020年の総裁選時は岸田文雄候補の推薦人、2021年には岸田文雄候補の推薦人並びに届出人(鈴木俊一と共同)を務めた[18]。2021年総裁選で岸田文雄が新総裁に選ばれた際には、加藤鮎子(加藤紘一 元・宏池会会長の娘)と共に付添人として岸田の両隣りに座り、旧宏池会の領袖二人の後継者が岸田を囲む形となった。
- 父の小林喬が明仁上皇と、自身が秋篠宮文仁親王と学習院で同窓であった[19]ことなどを背景に、かつて皇太子徳仁親王(現在の今上天皇)のお妃(=皇太子妃)候補として名前が挙がることがあった[20][21][22][23][24]。また、長男も秋篠宮の長女・小室眞子と同窓であり[21]、三世代にわたり皇族の同級生となっている。
- 自民党が2017年分から発表している党員獲得数ランキングでは、2017年の獲得数が2位[32]、2018年、2019年は2年連続で1位[33][34]、2020年、2021年、2022年は同じく3年連続で2位[35][36][37]となっており、6年連続で上位者となっている。
- 初当選から衆議院厚生労働委員会に所属し、厚生労働大臣政務官となったが、義父である堀内光雄が初めて大臣職に就いたのが労働大臣であり、公共職業安定所の通称を「ハローワーク」に決めたという縁がある[38]。
- 初の選挙前に、公認調整に際して自民党内で世襲候補の規制をした方がいい、という話が上がった際は、当時の自民党幹部に対し「自民党が世襲を規制するなら私は離婚してでも代議士を目指します」と答えたという。TBSスペシャルコメンテーターの星浩はこのエピソードを引用し「相当に決断力の強い人というか、意志の強い人だということだと思う」、とコメントしている[39]。
- 立憲民主党所属の衆議院議員・亀井亜紀子とは幼稚園からの、明仁上皇の長女・黒田清子の夫である黒田慶樹とは学習院初等科からの同級生にあたる。
- 支援組織「ふれあいのり子会」(会長・白壁賢一県議)という草の根的な選挙活動を目的としたグループが発足した[40]。
- 東京ローンテニスクラブ会員[41]
- 学芸員の資格をとるために根津公一が館長を務める根津美術館で実習を行った際、彼の思い切った決断を見たことがきっかけで、迷うときは「私も甲州人。いざという時は思い切って」と語っている[42]。
政策・主張
政治資金
- 2014年の政治資金収支報告書に6万円の香典代が記載されていた。堀内の事務所は「本人が私費で払ったものを事務処理で誤って記載してしまった」として訂正した[46]。
- 2019年の政治資金収支報告書には、靖国神社に1万2000円の支払いが記載され、政治資金ではなく、私費で払うべきものだとの批判が出た[46][47]。
家族・親族
系譜
- 生家の小林家は江戸時代より苗字帯刀を許されていた山梨県東八代郡石和町の大地主であった。『石和町史』によれば、「湊屋」の屋号で繰綿・煙草荷継を営んでおり、その領地は約80町 (約80万㎡)に及んだという。明治時代に入ってからは当主の小林伝右衛門が創設した石和銀行を営んでいた。現在、小林家の跡地は小林中により笛吹市に寄付され、小林公園[48][49]となっている。
- 文化 10年12月に湊屋伝右衛門他9名が取り交わした『議定書之事』によれば、湊屋は竜王に代表される惣西煙草・操綿を請け負っていた[50]。
- 祖父の小林中は有野村(現:南アルプス市)の旧家・矢崎家[51]に生まれ、母の実家の小林家で養子となった。矢崎家は、青木氏の一門[52]で武田信玄の時代に信州から有野村へ移り住み、代々又右衛門を名乗り同村の名主を務めた[51]。寛文年間の当主・矢崎又右衛門秀長は私財をなげうって山梨県韮崎市・南アルプス市にある徳島堰を完成させたが当時の代官に補償の約束を反故にされ、困窮甚だしかったという。現存する同家の住居は江戸時代前期の物で、甲府盆地西部では最古であり、南アルプス市指定文化財に登録されている[53]。
- 六世祖父に当たる横田春松(大岡忠恕の岳父)は武田の五名臣・横田高松の名跡を継ぐ旗本だが、高松自身は実子がいなかった為、血脈としては同じく五名臣の原虎胤の系譜となっている。旗本としての横田氏の初代に当たる横田尹松の正室は武田四天王の山県昌景の娘に当たり、このように奇しくも堀内は祖母の実家・大岡家から武田二十四将の血脈を継ぐ。
- 山県昌景の末裔とされる思想家・山県大弐は、堀内の八世祖父に当たる大岡忠光に一時期仕えていた縁から、大弐を祀る山県神社(甲斐市)境内の二の鳥居前にある灯篭は昭和12年に堀内の祖母で大岡家の出である慶子により寄進された[54]。
- 堀内の父方の五世祖父にあたる戸田忠至の孫の鹿園実博が母方の曽祖父である林博太郎の次男の博仲を養子に迎えており、奇縁にも父方と母方は鹿園家を介して親戚関係にある。
<堀内家系図>
<松濤幼稚園関係者系図>
親族
所属団体・議員連盟
騒動
2018年1月28日の衆議院予算委員会において、与えられた質問時間を1分ほど残したまま質問を切り上げようとした。野党から野次が飛んだため、慌てて「まだまだ質問はあるが逆に時間を超えてしまうという思いから削除していた。女性活躍元年と称される時代も来ると大きな期待を抱きながら、これからも仕事をさせていただきます。お時間がきたようです」と述べて時間を使い切った。
質問直後、野党からは批判の声が相次ぎ、立憲民主党の辻元清美は「どんなすごい質問が出るかと期待していたががっかりした。台本がある学芸会のようだった。予算委は『これから頑張ります』とかの決意表明や自己アピールの場ではない」、日本共産党の小池晃も「国会の最大の任務は行政監視だ。与党の時間を増やすのは意味がないとはっきりした。余らせるぐらいなら野党の時間を増やしてほしい。(時間を)残して、しかられるなんて、子供じゃあるまいし、みっともない」と批判した。一方、自民党の金田勝年は「持ち時間の中で要領よくやる。ちょうどうまい時間で終わったという状況だったと思う」と擁護している[72]。
選挙歴
脚注
- 注釈
- ^ 伊達家に関し、宗村の血脈は土井利徳→大岡家に連なるものであるが、宗村の父である伊達吉村の血脈も稲葉正益→大岡家へと繋がっており、伊達吉村は堀内にとり二重の九世祖父に該当する。
- ^ 冷泉為村の娘が舟橋則賢に嫁いでいることから、そちらで数えると同時に7世祖父にも該当する。
- 出典
外部リンク
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国務大臣 (2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の円滑な準備に資するため行政各部の所管する事務の調整担当) | |
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国務大臣 (2020年度に開催される東京オリンピック競技大会 及びパラリンピック競技大会の円滑な準備及び運営に関する施策を総合的かつ集中的に推進するため企画立案 及び行政各部の所管する事務の調整担当) | |
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国務大臣 (令和三年に開催された東京オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会の総括
及び大会レガシーに関する施策を総合的かつ集中的に推進するため企画立案 及び行政各部の所管する事務の調整担当) | |
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