ラリー・ウォーカー

ラリー・ウォーカー
Larry Walker
セントルイス・カージナルスでの現役時代
(2005年)
基本情報
国籍 カナダの旗 カナダ
出身地 ブリティッシュコロンビア州メイプルリッジ
生年月日 (1966-12-01) 1966年12月1日(58歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 1984年 アマチュアFA
初出場 1989年8月16日
最終出場 2005年10月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
殿堂表彰者
選出年 2009年
殿堂表彰者
選出年 2020年
得票率 76.57%
選出方法 BBWAA選出

ラリー・ケネス・ロバート・ウォーカーLarry Kenneth Robert Walker, 1966年12月1日 - )は、カナダ連邦ブリティッシュコロンビア州メイプルリッジ出身の元プロ野球選手外野手)。右投左打。

1997年にカナダ出身者では史上初のMVPを受賞した名選手。通算2160安打、383本塁打、1311打点はすべてカナダ出身者の最多記録であり、史上最強のカナディアンと呼ばれる。愛称は「ブーギー」。現役時代に身につけた背番号「33」はコロラド・ロッキーズの永久欠番。

経歴

プロ入り前

少年時代はアイスホッケーに打ち込み、ゴールテンダーとしてプロ選手になるのが夢であった。野球はホッケーができない夏の間に余暇としてプレーしていた。しかし、16歳の時にチーム内の競争に敗れ、ホッケー選手の道が断たれたことから、本格的に野球に転向。野球カナダ代表のユースチームでプレーしていたところ、モントリオール・エクスポズ(現:ワシントン・ナショナルズ)のスカウトの目に留まる。本格的な野球経験の不足は考慮のうえで、契約金1500ドルでサインすることになった。

エクスポズ時代

1984年にエクスポズへ入団した。

1989年8月16日にメジャーデビューを果たした。

1990年に球団新人記録となる19本塁打を放ってレギュラーの座を掴む。

1992年にはオールスターゲームに初出場、ゴールドグラブ賞シルバースラッガー賞を獲得するなど走攻守そろった5ツールプレイヤーに成長した。

ロッキーズ時代

1995年FAコロラド・ロッキーズへ移籍すると、打者圧倒的優位のクアーズ・フィールドで長打力が一気に開花し、ともに自己最高となる打率.306・36本塁打・101打点を記録。以降ダンテ・ビシェットアンドレス・ガララーガビニー・カスティーヤらと共にブレイクストリート・ボンバーズの中核を担った。

1997年は打率.366、49本塁打、130打点、33盗塁という成績で本塁打王、そしてカナダ出身者初のMVPを獲得。あと4安打、10打点で三冠王という活躍だった。また、「30-30」(30本塁打・30盗塁)を達成したが、その中で最多の49本塁打を放ち、あと1本で史上初の「50-30」を達成するところであった。一方で、このシーズン45本塁打25盗塁は数少ない記録者の一人として扱われることがある[1]

コロラド・ロッキーズ時代
(2001年)

1998年1999年2001年には首位打者を獲得。

2002年オフにはアリゾナ・ダイアモンドバックスマット・ウィリアムスとのトレードが決定した。しかし、ウィリアムスがトレード拒否条項を行使したために破談となり、引き続きロッキーズに所属することになった。

2004年7月1日にはカナダ出身者初の2000本安打を達成した。

カージナルス時代

2004年8月にセントルイス・カージナルスへ移籍し、主砲アルバート・プホルスの前を打つ強打の2番打者としてリーグ優勝に貢献。念願だったワールドシリーズでは、ボストン・レッドソックスに4連敗でスイープされたチームにあって、当年で38歳になるベテランながら打率.357、2本塁打、長打率.929と1人気を吐いた。

2005年は以前から痛めていた膝に加えて椎間板ヘルニアにも悩まされ、現役引退を決意。7月中旬にはヘルニアの状態が悪化し、約1か月欠場した。

引退後

2006年3月に、この年から開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のカナダ代表のコーチを務めた。

2009年3月に第2回WBCのカナダ代表のコーチを務めた。

2012年9月11日に第3回WBC予選のカナダ代表が発表され[2]、打撃コーチを務めることとなった[3]

2013年1月17日に第3回WBC本戦のカナダ代表が発表され[4]、打撃コーチを務めることとなった[5]

2014年にはロッキーズの春季キャンプの特別インストラクターを務めることとなった[6]

2015年7月には2015年パンアメリカン競技大会の男子野球カナダ代表のコーチを務めた[7]。11月には第1回WBSCプレミア12のカナダ代表コーチを務めた[8]

2016年12月23日に第4回WBCカナダ代表コーチを務めることが発表された[9]

2019 WBSCプレミア12のカナダ代表コーチも務める。

ウォーカーのロッキーズ在籍時の背番号「33」。
コロラド・ロッキーズの永久欠番2021年指定。

2020年1月17日にアメリカ野球殿堂入りに先駆けて、古巣・ロッキーズはウォーカーの在籍時の背番号『33』をコロラド・ロッキーズの永久欠番に指定することが発表された[10]。当初永久欠番表彰式は同年4月19日のセントルイス・カージナルス戦のクアーズ・フィールドで行われる予定だった。同21日に最終年にして得票率76.57%でコロラド・ロッキーズの選手として球団史上初となるアメリカ野球殿堂入りが発表された[11]

しかし、同年起きた新型コロナウイルス感染症のために殿堂入り表彰式及び永久欠番表彰式は延期され、2021年9月8日に殿堂入りセレモニーがクーパースタウンにて行われた[12]。また、9月25日に改めてクアーズ・フィールドにて永久欠番表彰式が執り行われた[13]

人物

  • 現役時代は『3』に並々ならぬ拘りを見せていた。現役時代を通じて全ての球団で背番号は『33』。最初の結婚式は『3時33分』に始め、エクスポズ時代はオリンピック・スタジアムのセクション『33』を『33』席購入し、チャリティ団体に寄付していた。
  • 1997年のオールスターゲームでランディ・ジョンソンとの対決の際、ジョンソンが頭の後ろへ暴投した後「わざとヘルメットを前後逆にかぶり右打席に入る」という珍妙なパフォーマンスをして見せた。
  • 上のエピソードからも分かる通り非常に陽気で気さくな人物。野球を楽しむことを旨とし、田口壮によればセントルイス・カージナルスに移籍した時も大きな態度を取ることは一切なくチームにすぐ馴染んだという。リッチ・ドネリーコーチ曰く、「毎日クリスマスの朝の様に球場にやって来る」。
  • 1998年、カナダの年間最優秀スポーツ選手に与えられるルー・マーシュ賞を受賞した。野球選手としてはファーガソン・ジェンキンスに次いで2人目となる。
  • ポジションは右翼手で、通算7回もゴールドグラブ賞を受賞している。ライト以外に、一塁手としてのプレー経験がある。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1989 MON 20 56 47 4 8 0 0 0 8 4 1 1 3 0 5 0 1 13 0 .170 .264 .170 .434
1990 133 478 419 59 101 18 3 19 182 51 21 7 3 2 49 5 5 112 8 .241 .326 .434 .760
1991 137 539 487 59 141 30 2 16 223 64 14 9 1 4 42 2 5 102 7 .290 .349 .458 .807
1992 143 583 528 85 159 31 4 23 267 93 18 6 0 8 41 10 6 97 9 .301 .353 .506 .859
1993 138 582 490 85 130 24 5 22 230 86 29 7 0 6 80 20 6 76 8 .265 .371 .469 .840
1994 103 452 395 76 127 44 2 19 232 86 15 5 0 6 47 5 4 74 8 .322 .394 .587 .981
1995 COL 131 562 494 96 151 31 5 36 300 101 16 3 0 5 49 13 14 72 13 .306 .381 .607 .988
1996 83 304 272 58 75 18 4 18 155 58 18 2 0 3 20 2 9 58 7 .276 .342 .570 .912
1997 153 664 568 143 208 46 4 49 409 130 33 8 0 4 78 14 14 90 15 .366 .452 .720 1.172
1998 130 524 454 113 165 46 3 23 286 67 14 4 0 2 64 2 4 61 11 .363 .445 .630 1.075
1999 127 513 438 108 166 26 4 37 311 115 11 4 0 6 57 8 12 52 12 .379 .458 .710 1.168
2000 87 372 314 64 97 21 7 9 159 51 5 5 0 3 46 4 9 40 12 .309 .409 .506 .915
2001 142 601 497 107 174 35 3 38 329 123 14 5 0 8 82 6 14 103 9 .350 .449 .662 1.111
2002 136 553 477 95 161 40 4 26 287 104 6 5 0 4 65 6 7 73 8 .338 .421 .602 1.023
2003 143 564 454 86 129 25 7 16 216 79 7 4 0 1 98 14 11 87 9 .284 .422 .476 .898
2004 38 138 108 22 35 9 3 6 68 20 2 0 0 1 25 2 4 23 2 .324 .464 .630 1.094
STL 44 178 150 29 42 7 1 11 84 27 4 0 0 0 24 1 4 34 6 .280 .393 .560 .953
'04計 82 316 258 51 77 16 4 17 152 47 6 0 0 1 49 3 8 57 8 .298 .424 .589 1.013
2005 100 367 315 66 91 20 1 15 158 52 2 1 0 2 41 3 9 64 9 .289 .384 .502 .886
MLB:17年 1988 8030 6907 1355 2160 471 62 383 3904 1311 230 76 7 65 913 117 138 1231 153 .313 .400 .565 .965
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

内野守備


一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B)




































1991 MON 39 313 30 4 28 .988 - -
1993 4 43 3 0 2 1.000 - -
1994 35 283 24 5 20 .984 - -
1997 COL 3 22 2 0 3 1.000 - -
1998 - 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0
MLB 81 661 59 9 53 .988 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0
外野守備


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































1989 MON 2 1 0 0 0 1.000 - 13 18 2 0 1 1.000
1990 - - 124 248 12 4 5 .985
1991 - 4 5 0 0 0 1.000 100 217 6 2 2 .991
1992 - - 139 269 16 2 3 .993
1993 - - 132 273 12 6 2 .979
1994 - - 68 138 6 4 1 .973
1995 COL - 4 1 0 0 0 1.000 129 225 13 3 1 .988
1996 - 54 120 3 1 0 .992 33 37 1 0 0 1.000
1997 - 2 2 0 0 0 1.000 150 233 12 2 4 .992
1998 - 3 0 0 0 0 123 237 8 4 2 .984
1999 - - 114 204 13 4 3 .982
2000 31 65 2 0 0 1.000 - 52 95 9 1 4 .990
2001 - - 129 243 8 4 4 .984
2002 - - 123 229 14 4 5 .984
2003 - - 131 229 8 4 2 .983
2004 - - 34 64 4 0 1 1.000
STL - 1 0 0 0 0 41 58 1 1 0 .983
'04計 - 1 0 0 0 0 75 122 5 1 1 .992
2005 - 1 1 0 0 0 1.000 83 107 5 2 0 .982
MLB 33 66 2 0 0 1.000 69 129 3 1 0 .992 1718 3124 150 47 40 .986

タイトル

表彰

記録

背番号

指導歴

脚注

  1. ^ 大谷翔平 ボンズ、カンセコらに並ぶ6人目の45本塁打25盗塁 元広島ソリアーノも”. デイリースポーツ online (2021年9月30日). 2022年8月25日閲覧。
  2. ^ Baseball Canada announces World Baseball Classic Qualifier roster Baseball Canada (2012年9月11日) 2015年2月19日閲覧
  3. ^ 2012 World Baseball Classic Qualifier Roster Baseball Canada 2015年2月19日閲覧
  4. ^ Hardy, Richmond, Tosoni, Taillon added to WBC Provisional Roster Baseball Canada (2013年1月17日) 2015年2月19日閲覧
  5. ^ 2013 World Baseball Classic Provisional Roster Baseball Canada 2015年2月19日閲覧
  6. ^ Walker joins Rox camp as guest instructor
  7. ^ Canadian Men's Baseball Team - 2015 Pan American Games Baseball Canada (英語) 2015年7月20日閲覧 (PDF)
  8. ^ 2015 Baseball Canada Premier 12 Roster Baseball Canada (英語) 2015年10月24日閲覧 (PDF)
  9. ^ Baseball Canada announces 2017 World Baseball Classic Coaching Staff Baseball Canada (英語) (2016年12月23日) 2017年3月15日閲覧
  10. ^ 'No bigger honor': Rox to retire Walker's No. 33” (英語). MLB.com. 2020年1月18日閲覧。
  11. ^ Walker elected to Hall of Fame in final year” (英語). MLB.com. 2020年1月22日閲覧。
  12. ^ ジーター氏、ウォーカー氏らが殿堂入り式典 ジョーダン氏も来た!約2万人が参加 日刊スポーツ 2021年9月10日
  13. ^ [1] 9News 2021年9月25日

関連項目

外部リンク