この項目では、アメリカの企業について説明しています。文字については「アルファベット 」をご覧ください。
Alphabet Inc. (アルファベット)は、2015年 にGoogle Inc. (現・Google LLC )およびグループ企業の持株会社 として設立された、アメリカ合衆国 の多国籍 テクノロジー・ コングロマリット である[ 3] [ 4] 。
本拠地 はカリフォルニア に置かれ、Google LLC のCEO であるスンダー・ピチャイ がCEO である[ 5] 。GoogleからAlphabetへの再編は、2015年 10月2日に完了した[ 6] 。
概要
Alphabetが保有する事業 には、テクノロジー 、生命科学 、投資キャピタル 、研究 と言ったように総合的な様々な産業が含まれている。また、子会社 には、Google 、Calico 、GV 、Google Capital 、X 、Google Fiber 、nest rabs(google nest) などがある。尚、一部の子会社は商号からGoogleという名称を廃した。例えば、Google Ventures はGVへ、Google Life SciencesはVerilyへ、Google Xは単にXへ改称した。
この再編の過程で、Google創業者のラリー・ペイジ はAlphabetのCEO に就任し、代わりにスンダー・ピチャイ がGoogleのCEO に着任した[ 3] [ 4] 。Google の株式 はAlphabetの株式 に変換され、以前のGoogle の株式 のティッカーシンボル である、"GOOG "および"GOOGL "がそのまま使用されている。
Alphabetの設立は、事業の核となるGoogleのインターネットサービス を「より明確で責任を持ったもの(cleaner and more accountable)」にするとともに、インターネットサービス以外の事業を行うグループの子会社に、より大きな自立性を与えるという目的で行われた[ 4] [ 7] 。
歴史
2015年8月10日、Google Inc. は新しい公開持株会社 であるAlphabet Inc.の設立を告知した。Google CEO だったラリー・ペイジはこの告知をGoogleの公式ブログ内の記事として投稿した[ 4] 。Alphabetは、子会社をGoogle からAlphabetへと移動し、Google が対象とする事業を限定して再編を行うために設立されるとされた。Alphabetには、Google 、Nest Labs、Calicoとともに、他の事業であるX 、Google Capital、GVが含まれるとされた[ 5] [ 8] [ 9] 。当時、Googleの製品チーフであったスンダー・ピチャイが、ペイジの代わりにGoogleの新CEOに着任した[ 10] [ 11] 。
この告知の中で、ペイジはそれまで持っていた企業は保有しつづける予定であると書いている[ 4] [ 12] 。
同時に、会社名の由来についても説明している。
ペイジは、この再編の動機を、Googleを「より明確で責任を持ったもの(cleaner and more accountable)」にするためであると言っている。また、「われわれが行っていることを透明にし、しっかりと見えるようにする("the transparency and oversight of what we’re doing")」 ことで、Googleのメインの事業には直接の関係がない会社をコントロールしやすくしたいからであるとも言っている[ 4] [ 7] 。
2016年2月1日、Alphabet Inc.はApple を抑えて、世界で最も価値の高い公開株式会社になった。ただし、2月3日には、アップルがその地位を再び取り返している[ 13] [ 14] 。
2017年9月1日、Google Inc.のGoogle LLCへの変更と、Alphabetの子会社としてGoogle LLCを含むAlphabet傘下各社の株式を保有する持株会社「XXVI Holdings Inc.」の設立を発表[ 15] 。
2018年2月、子会社Nest Labs がGoogleに統合された[ 16] 。
2019年6月、子会社Chronicle が、Google Cloudに統合された[ 17] 。
2019年12月3日、ペイジとブリンはAlphabet Inc.のCEO及び社長を正式に退任することとした。以降CEOを務めるのはピチャイである[ 18] 。
2020年1月子会社Jigsaw がGoogle子会社に異動[ 19] 。
2020年1月16日、株式時価総額が米国企業として史上4社目の1兆ドル超えを果たした[ 20] 。
2021年1月、子会社Loon の解散を発表[ 21] 。
ウェブサイトとドメイン
Alphabetはabc .xyz という、2014年に有効になった.xyz トップレベルドメイン (TLD)を選択した。alphabet .com というドメインは、BMW のfleet management 部門のものであるため、Alphabetは所有していない。BMWは"necessary to examine the legal trademark implications" of the proposalsと述べている。また、abc .com も、Disney が保有しているAmerican Broadcasting Company のプロモーション用のドメインであるため、所有していない。ただし、abc.comは、Disneyのサイトがホストしているgo.com のサブドメインへのリダイレクトになっている[ 22] [ 23] 。
ウェブサイトでは、ペイジが書いた次のパラグラフの中にイースターエッグ が隠されている。「セルゲイと私は、新しいことを始めるという仕事に真剣に取り組んできた。Alphabetには、X labも含まれており、ドローンによる配達を研究するWingのような、新しい取り組みを育ててきた。また、われわれの片腕として成長してきているベンチャーとキャピタルを、この新しい構造の一部にすることを考えるとわくわくする。("Sergey and I are seriously in the business of starting new things. Alphabet will also include our X lab, which incubates new efforts like Wing, our drone delivery effort. We are also stoked about growing our investment arms, Ventures and Capital, as part of this new structure .")」このパラグラフの中の"drone delivery effort" 直後のピリオドが、テレビドラマのSilicon Valleyのリファレンスである、"hooli.xyz "へのハイパーリンク になっている[ 24] 。
取締役会
構造
Alphabet Inc.の企業構造
Alphabetにおける最大の子会社はGoogle LLCであるが、AlphabetはCalico 、GV 、X 、Google Fiber 、Sidewalk Labs 、Verily の親会社でもある。以前Googleの一部であった会社や部門の多くはAlphabetの子会社になったが、Googleは依然として、Alphabetのインターネット関係の事業を抱えている。これには、モバイル用オペレーティングシステム Android 、YouTube 、Google検索 といった、長い間Googleに関連付けられてきた最も象徴的な製品やサービスの多くが含まれており、これらはGoogle Inc.の直接の構成要素のままとされ、Alphabetの子会社にはならなかった[ 5] [ 25] 。
主なグループ企業
成長の予定
エリック・シュミットは、Internet Association のイベントで、最終的にAlphabetの子会社は26以上になるかもしれない、と述べている。また、現在および提案されているAlphabet子会社のCEOと会っているとも述べて、「より多くのものを見ることになるだろう("You'll see a lot coming.")」とも話している[ 27] 。
再編のプロセス
初めに、AlphabetはGoogle Inc.が直接保有する子会社として設立された。そして、一方が子会社で他方がその持ち主であるというこれら2つの会社の役割を、次のような2つの段階を経て交換した。まず第1に、Alphabetのダミーの子会社を作った。そして第2に、Googleはそのダミー子会社と合併しつつ、Googleの株式をAlphabetの株式に転換した。デラウェア州 法の下では、このような方法で行われる持株会社の再編は、株主の投票を経ずに行うことができるため、この再編方法が採用された[ 28] 。
再編のプロセスは、2015年10月2日に完了した[ 6] 。その後も、AlphabetはGoogle Inc.の株式価格の履歴を保持したまま、Google Inc.の以前のティッカーシンボル である"GOOG"および"GOOGL"を使用して取引を続けている。これらのティッカーシンボルは、ともに、主要な株価指数 であるS&P 500 およびNASDAQ-100 のコンポーネントである。
不祥事
2024年4月22日、公正取引委員会 は米グーグルを対象に独占禁止法 に基づく行政処分を行ったと発表した。旧ヤフー とのネット広告関連の取引をめぐる独禁法違反の疑いで、グーグルが自主改善する計画を提出したため現時点では制裁金は科さないとしている[ 29] 。
脚注
出典
^ a b c d e f “10-K ”. 2020年4月22日 閲覧。
^ “Document ”. 米国証券取引委員会 . 2021年4月23日 閲覧。
^ a b “Google to be part of new holding company, 'Alphabet' ”. August 11, 2015 閲覧。
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^ a b Metz, Cade (2015年8月10日). “A New Company Called Alphabet Now Owns Google ”. Wired . Condé Nast . 2024年8月8日 閲覧。
^ Greenberg, Julia (August 10, 2015). “What Google, I Mean Alphabet, Looks Like Now ”. Wired . Condé Nast . August 10, 2015 閲覧。
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^ Chen, Angela (August 10, 2015). “Google Creates Parent Company Called Alphabet in Restructuring ”. Wall Street Journal. August 10, 2015 閲覧。
^ Conor Dougherty (August 10, 2015), Google to Reorganize in Move to Keep Its Lead as an Innovator , New York Times, http://nyti.ms/1P22yFr August 10, 2015 閲覧。
^ “Google's Larry Page explains the new Alphabet – CNET ”. CNET . September 19, 2015 閲覧。
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^ “Alphabet has moved technology incubator Jigsaw under Google management ” (英語). The Verge (2020年2月11日). 2020年2月25日 閲覧。
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^ Bergen, Mark (2015年10月13日). “Eric Schmidt: Get Ready for ‘a Lot’ More Alphabet Companies ”. Vox . Recode. 2024年8月8日 閲覧。
^ “Google Inc. filing with the SEC, Form 8-K ”. 米国証券取引委員会 (August 10, 2015). August 11, 2015 閲覧。
^ 増山祐史、田中恭太 (2024年4月22日). “公取委がグーグルに初の行政処分、ヤフーの広告配信を約7年間制限” . 朝日新聞デジタル. https://www.asahi.com/articles/ASS4Q1FKPS4QUTIL002M.html 2024年8月8日 閲覧。
外部リンク
公式ウェブサイト (英語)
Alphabet Inc. (class A)のビジネスデータ:
Alphabet Inc. (class C)のビジネスデータ:
銘柄入替日時点でのウェイト順
緑字は2024年3月18日入替銘柄
銘柄入替日時点でのウェイト順
緑字は2024年12月23日入替銘柄
本社所在国/地域はフォーブス誌公式サイト の表示に基づく。
ジョンソン・エンド・ジョンソンと台湾積体電路製造は同率45位。
プロクター・アンド・ギャンブルとステランティスは同率59位。
ゼネラルモーターズと日本電信電話は同率71位。
中国海洋石油と興業銀行は同率82位。
チャブ・リミテッドとイタウ・ウニバンコは同率88位。
コストコ・ホールセールとミュンヘン再保険は同率96位。