ジョン・リロイ・ヘネシー (John LeRoy Hennessy、1952年 9月22日 - )は、アメリカのコンピューター科学者 [ 1] 。スタンフォード大学 第10代学長 [ 1] 。ミップス・コンピュータシステムズ 社の創立者。Google の親会社であるAlphabet の会長としても知られる。
来歴
ビラノーバ大学 で電気工学 の学士号 を得た後、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校 で計算機科学 の修士号 および博士号 を得た[ 2] 。
1977年 、スタンフォード大学教職員となる。1984年 、一年間の休暇を取り、RISC プロセッサ に関する彼の研究成果を商業化するためにミップス・コンピュータシステムズ 社を設立した。1987年 、彼は電気工学と計算機科学の "Willard and Inez Kerr Bell Endowed Professor" の地位に就任した[ 2] 。
スタンフォード大学の電気工学科と計算機科学科が運営する研究センター、スタンフォード大学コンピュータシステム研究所所長を務めた(1989年 -1993年 )。さらに計算機科学科の学科長(1994年 -1996年 )と工学部の学部長(1996年 -1999年 )を歴任[ 2] 。
1997年、Association for Computing Machinery (ACM) のフェロー に任命された[ 3] 。
1999年、スタンフォード学長ゲルハルト・キャスパー (英語版 ) は、同大学教務局長コンドリーザ・ライス の後任にヘネシーを指名。2000年 、教育に専念するためにキャスパーが退任したため、スタンフォード理事会はヘネシーを第10代目の学長に任命した。2008年 の年俸は109万ドルあまりで、アメリカ国内の全大学の学長の中で23位である[ 4] 。
Google[ 5] 、シスコシステムズ [ 6] 、ダニエル・パール財団 (英語版 ) [ 7] の役員を務めている。
2010年10月14日、ダライ・ラマ14世 からkhata [ ※ 1] を贈られた[ 8] 。
2010年12月、DREAM法 (英語版 ) の成立を後押しする内容の論説をハーバード大学 学長ドリュー・ギルピン・ファウスト と共同で執筆したが[ 9] 、その法案はアメリカ合衆国第111議会 を通過しなかった。
2012年、IEEE栄誉賞 を受賞[ 10] 。受賞理由は「RISCプロセッサ・アーキテクチャの先駆的研究と計算機工学および高等教育におけるリーダーシップに対して」である[ 11] 。
2015年6月11日、2016年をもって15年以上務めたスタンフォード大学の学長を退任すると発表。[ 12] 2016年8月31日に退任[ 13] 。後任はマーク・テシェール・ラヴィーン 。
2018年1月31日、同日で会長職を退任したエリック・シュミット [ 14] の後任として、Googleの親会社であるAlphabetの会長に任命された。[ 15]
2018年3月21日、デイビッド・パターソン と共に、2017年度のACMチューリング賞 の受賞者に指名された。2018年6月23日に授賞式が行われる。[ 16]
研究
ヘネシーは長年、大学レベルのコンピュータ教育に強い関心を持ち、関わってきた。コンピュータ・アーキテクチャ に関する2つの有名な本、『コンピュータの構成と設計 ハードウェアとソフトウェアのインタフェース』と『コンピュータ・アーキテクチャ 設計・実現・評価の定量的アプローチ』をデイビッド・パターソン と共同執筆した。それらの中で DLX というRISCアーキテクチャを提唱している。これらの著作は広く教科書として採用されてきた。
また、ドナルド・クヌース のMIX プロセッサの後継である MMIX の設計にも貢献している。これらはクヌースの The Art of Computer Programming でプログラムの具体例の記述に使われている仮想コンピュータ である。MMIXはクヌース版DLXということができる。
主な著作
Hennessy, John L.; Patterson, David A.. Computer Architecture: A Quantitative Approach . Morgan Kaufmann. ISBN 0-12-370490-1
Patterson, David A.; Hennessy, John L.. Computer Organization and Design: The Hardware/software Interface . Morgan Kaufmann. ISBN 0-12-370606-8
Gharachorloo, Kourosh; Lenoski, D.; Laudon, J.; Gibbons, P.; Gupta, A.; Hennessy, J. (1990). "Memory consistency and event ordering in scalable shared-memory multiprocessors". Proceedings of the 17th annual international symposium on Computer Architecture . International Symposium on Computer Architecture. pp. 15–26.
Lenoski, Daniel; Laudon, J.; Gharachorloo, K.; Gupta, A.; Hennessy, J. (1990). "The directory-based cache coherence protocol for the DASH multiprocessor". Proceedings of the 17th annual international symposium on Computer Architecture . International Symposium on Computer Architecture. pp. 148–159.
受賞歴
注釈
出典
外部リンク