第91回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい91かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2011年(平成23年)9月3日から2012年(平成24年)1月1日に開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会である。
FC東京が初優勝を果たした。
出場チームは前回大会と同じで88チーム。昨季に比べ日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の加盟数が1クラブ増えたため、日本フットボールリーグ(JFL)からの予選免除チームは3から2に減少した。
出場チームの選考条件や組み合わせなどは基本的には前回大会のフォーマットをほぼ踏襲しているが、2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の影響で、2011年のサッカー界のスケジュールが大きく変更された影響を受け、いくつかの変更点が見受けられている。
日本サッカー協会が創立90周年を迎えるにあたり、今回から優勝チームにはイングランドサッカー協会 (FA) が戦前のモデルを復元して寄贈した「FAシルバーカップ」が贈呈された。
予選では、静岡県予選を兼ねて開催された「第16回スルガカップ争奪静岡県サッカー選手権大会」の決勝で、Jリーグ加盟クラブ以外で最多の出場回数を有するHonda FCが静岡産業大学に敗退。JFL枠での出場権も逃しており、連続出場記録が16年で止まった。
本大会では無風だった前回大会とはうって変わって波乱が相次ぎ、J2以下のクラブがベスト16に5チーム、ベスト8に3チーム、ベスト4に2チームが勝ち残り、決勝は史上初のJ2対決となった。
日程については前回大会の日程からさらに見直しが行われ、前回は中1日だった1回戦と2回戦の間が1ヶ月ほど開けられることになった。これにより、2回戦から4回戦の日程が1ヶ月ずつ繰り下がって4回戦が12月第3週となり、4回戦以降の4試合を2週間で戦うことになった。
Jリーグ加盟クラブが1チーム増加したことから、シード枠の配分が一部変更になっている。
なお、以下の「出場回数」についてはJFAの公式記録に基づくが、基本的には「前身となるチーム(クラブ化前の実業団チーム、など)からの通算回数」としている。ただし、一部に例外もある。
2011年のJ1リーグ参加の全18チーム。
2011年のJ2リーグ参加の全20チーム(前回大会から1チーム増)。
第13回日本フットボールリーグの第7節から11試合終了時点での上位2チーム(前回大会から1チーム減)。
第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝校。
都道府県予選を勝ち抜いた都道府県1チームずつの全47チーム。
9月3日から4日にかけて中国・四国地方に上陸した平成23年台風第12号の影響で、一部の試合日程が順延になっている。
決勝に勝ち上がったのは、モンテディオ山形・鹿島アントラーズ・横浜F・マリノスらを下し、第82回大会以来9年振りの賜杯を目指す京都サンガF.C.と、ヴィッセル神戸・浦和レッドダイヤモンズ・セレッソ大阪らを下し、東京ガス時代を含めて過去3度阻まれたベスト4の壁を初めてこじ開けたFC東京のJ2勢2チーム。Jリーグ2部制導入後、当該年度のJ1所属以外のチームが天皇杯決勝に勝ち残るのは初めてで、「最上位リーグ以外の下位リーグからの出場」に範囲を広げても1994年・第74回大会のセレッソ大阪(関西地区代表・(旧)JFL所属)以来17年振り。また、下位リーグ勢同士の決勝は天皇杯がオープントーナメントとなった1972年・第52回大会以降では初めてで、1982年・第62回大会のヤマハ発動機(東海地区代表・JSL2部所属)以来29年振りとなる「下位リーグ勢の優勝」が確定していた。この両チームは2010年シーズンに共にJ2降格となり、加えて京都の監督の大木武とFC東京の監督の大熊清は共に2010 FIFAワールドカップ日本代表のコーチングスタッフという因縁があった[5]。
試合は序盤から攻守の切り替えの激しい展開となり、13分に京都FWドゥトラがドリブルで持ち込んだボールのこぼれ球をMF中山博貴が決めて京都が先制するも、その2分後にはFC東京が左CKからMF石川直宏の上げたクロスをMF今野泰幸が頭でたたき込んで同点に追いつく。その後も一進一退の攻防が続くが、36分にFC東京が得たFKのチャンスで、石川の流したボールをDF森重真人が無回転シュートを決めて逆転、42分にもFWルーカスが流し込んで追加点を挙げ、前半は3-1で折り返す。
後半、FC東京は相手にボールを持たせ、奪ってからのカウンターに戦術を切り替える。そのとおり、京都がボールキープ率を高め、ゴール前に攻め入る場面を再三作り出すも、大木が試合後に「自分たちが得点を決めたい4分の3のエリアのところでのクオリティの違いははっきりあった」と語った[6] ように最後の最後で決めきれない状況が続き、逆に66分、カウンターからルーカスにこの日2点目を決められて3点差とされてしまう。その5分後には京都がFKから現役高校生FW久保裕也のヘディングシュートで1点を返すも、その後はFC東京の堅い守備に阻まれ追加点を挙げることが出来ず、FC東京が4-2で京都を下して初めての天皇杯を獲得した。
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