ロマン・デュマ(Romain Dumas, 1977年12月14日- )は、フランス・アレス出身のフランスのレーシング,ラリードライバー。
FIA 世界耐久選手権(WEC)などのスポーツカーレースの他、ヒルクライムやラリーなど幅広く活動している。2016年のWEC LMP1チャンピオン。2017年FIA R-GTカップチャンピオン。パイクスピーク、天門山、ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)のラップレコードホルダー。
レース経歴
1992年にデュマはカートを始め、1996年にフランス・フォーミュラ・ルノー選手権に参戦した。1998年にはフランス・F3選手権に参戦した。
1999年にオレカでF3000カーを、2002年にルノーF1チームでF1カーのテストドライバーとなった。2004年にはチャンプカー・ワールド・シリーズに参戦するコンクエスト・レーシングのテストドライバーとなったが、結局これらのチームでレース本戦に出走することはなかった。
2001年と2002年にユーロ3000選手権に参戦した他、2001年には全日本GT選手権のGT500クラスにもSARDからトヨタ・スープラで参戦した。
2001年以来、ル・マン24時間レースに出場しており、FIA GT選手権にも出走している。2004年からはアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)にも参戦している。2006年からペンスキー・レーシングでポルシェのワークスドライバーとなっている。
2007年には、ニュルブルクリンク24時間レースで総合優勝、ALMSのLMP2クラスでドライバーランキング1位(ペンスキー・レーシングでポルシェ・RSスパイダーをドライブして優勝8回・ポールポジション4回)、ル・マン24時間レースのLMP1クラスで3位(ペスカロロ・スポーツで出走)、バレンシア1000km耐久レースのLMP1クラスで5位(ペスカロロ・スポーツで出走)、VLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)選手権にマンタイ・レーシングで4レース出走(優勝2回・ポールポジション1回)、デイトナ24時間レースで総合18位・DPクラスで12位の成績を残している。
2008年にALMSでP2クラスでの参戦を開始し、セブリング12時間レースではペンスキー・レーシングでポルシェ・RSスパイダーをドライブして総合優勝した。その年のLMP2クラスのドライバーズタイトルも獲得した。
2009年になると、ペンスキー・レーシングのチームオーナー、ロジャー・ペンスキーはスポーツカーレースに関するスポンサーを失った為、デュマとペンスキー・レーシングのレギュラー・ドライバーであったティモ・ベルンハルトは、アウディ・スポーツチーム・ヨーストが参戦するル・マン24時間レースに貸し出されて参戦し、総合17位・LMP1クラス13位の順位で終えた。
2010年、デュマとティモ・ベルンハルトとマイク・ロッケンフェラーはパートナーを組んで、アウディ・R15 TDI plusでル・マン総合優勝を果たしている[1]。同年のスパ・フランコルシャン24時間レースでもポルシェ・911 GT3 RSRで優勝している[2]。モスポートで行なわれたALMSで、クラウス・グラフをパートナーとしてサイトスポーツチームのポルシェ・RSスパイダーをドライブして勝利している[3]。
2012年にはパイクスピーク・ヒルクライムにデビューし、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
2013年にはル・マン24時間でLM-GTEプロクラスで優勝を挙げた。
2014年にはFIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦する為にポルシェが製作した、ポルシェ・919ハイブリッドの開発にドライバーとして携わり、レギュラードライバーとしてもフル参戦を開始[4]。最終戦ブラジルで初勝利を挙げ、ランキング3位につけた。また同年、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにフランスのコンストラクター・ノルマが製作した「Norma・M20 RD Limited」特別開発モデルで参戦し、参戦2年目で総合優勝を果たした[5][6]。
2015年もWECに参戦し、最終戦バーレーンで勝利を挙げるなどポルシェのマニュファクチャラーズタイトルに貢献した。パイクスピークではアキュラのマシンを駆り総合2位に入った。またラリー・モンテカルロのFIA-RGTカップでラリーデビューし、ラリー・ドイチェランドではクラス優勝を挙げた。
2016年にはル・マン24時間総合優勝とWEC王者を勝ち取り、パイクスピークでも2度目の総合優勝を果たした。またダカール・ラリーにもMDバギーでデビューした(総合20位)。
2017年はポルシェを解雇され、WECにはLMP2のシグナテック・チームからの参戦となった。パイクスピークでは3度目の総合優勝を果たしている。またラリー・モンテカルロではFIA-RGTカップに参戦し優勝を収めている。その年はモナコでの勝利以外でも5戦中4勝を収め、タイトルを獲得している。ダカール・ラリーではワークススペックのプジョー・3008 DKRを駆り、総合8位の好成績を収めた。
2018年、パイクスピークではEVのフォルクスワーゲン・I.D. R Pikes Peakをドライブして4度目の総合優勝。さらにセバスチャン・ローブが2013年にプジョー・208 T16 Pikes Peakで記録した8分13秒878を16秒以上短縮し、初めて8分の壁を破る7分57秒148のコースレコードを樹立した。
2019年にはID.Rでニュルブルクリンク北コース、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード、天門山の3箇所でタイムアタックし、それぞれでクラスあるいは全体での最速タイムを記録した。
2019年からレベリオン・レーシングとのジョイントにより、ダカール・ラリーの四輪部門にも、デュマが3008 DKRをベースに独自開発したバギーで参戦。2022年はシェイクダウン中にマシンを炎上させてしまった、レベリオンオーナーのアレクサンドル・ペシにマシンを譲った[7]ため参戦を諦めていたが、開幕2日前の朝食でナッサー・アル=アティヤに相談した結果、旧型のトヨタ・ハイラックスを譲り受けて参戦できるようになったという一幕があった。2023年はチームはそのまま、ワークススペックのGRダカールハイラックスT1+へと乗り換えている。
2021年よりSCG(スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス)からWECに参戦することが発表された[8]。
2023年 ルマン24時間レースで一時期ポディウム圏内を走行した。パイクスピークヒルクライムにおいてフォードスーパーヴァンをドライブ。惜しくも総合優勝に届かなかったものの、オープンクラス優勝。総合でも2位に輝いた。
2024年 いつも通りパイクスピークヒルクライムへ参戦。昨年と引き続きフォードから出走。スーパートラックEVで見事総合優勝に輝いた。
レース戦績
国際F3000選手権
ユーロ3000選手権
グランドツーリングカー
全日本GT選手権
(key)
FIA GT選手権
ブランパンGTシリーズ・耐久カップ
インターコンチネンタルGTチャレンジ
スパ・フランコルシャン24時間レース
ニュルブルクリンク24時間レース
スポーツカー
アメリカン・ル・マン・シリーズ
ロレックス・スポーツカー・シリーズ
インターコンチネンタル・ル・マン・カップ
FIA 世界耐久選手権
ユナイテッド・スポーツカー選手権
ル・マン24時間レース
デイトナ24時間レース
セブリング12時間レース
脚注
- ^ “24 Heures du Mans” (PDF) (フランス語). lemans.org. フランス西部自動車クラブ (2010年6月13日). 2012年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月13日閲覧。
- ^ “Total 24 Hour of Spa” (PDF) (2010年6月13日). 2010年6月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Bernhard and Dumas join Muscle Milk Team CytoSport”. Planetlemans.com (2010年8月16日). 2010年8月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Works engagement with 919 hybrid and 911 RSR” (英語). Porsche.com. Porsche. 14 December 2013閲覧。
- ^ “Pikes Peak : Romain Dumas winner of the race to the clouds!” (英語). http://www.romaindumas.com. Romain Dumas. 26 August 2014閲覧。
- ^ 飯田裕子 (2014年12月30日). “パイクスピーク2014でのロメイン・デュマと三菱自動車”. Impress. 2019年9月7日閲覧。
- ^ Rebellion boss takes over Dumas' car after Dakar shakedown fireMotorsports.com 2022年1月30日閲覧
- ^ “グリッケンハウス、LMHに参戦する7名のドライバーを発表。元ポルシェのロマン・デュマが加わる”. 2021年2月1日閲覧。
関連項目
外部リンク
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世界耐久選手権 | |
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世界スポーツプロトタイプカー選手権 | |
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スポーツカー世界選手権 | |
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FIA 世界耐久選手権 | |
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