2024年のJリーグカップは、2024年3月6日から11月2日にかけて開催された、32回目のJリーグカップ。
概要
ヤマザキビスケットを冠スポンサー(リーグカップパートナー)として「2024JリーグYBCルヴァンカップ」(英: 2024 J.LEAGUE YBC Levain CUP)の名称で行う[1]。
前年度から予告されていたとおり、異なるカテゴリー間での試合を創出し、J2・J3の成長の起爆剤として活用することを目的として、本大会からJ1からJ3までの全60クラブが参加するノックアウト方式へ変更される[2]。
なお、大会レギュレーション発表時には決勝の日程及び会場が未定とされていたが「11月2日(土曜日)、国立競技場で開催」で決定したことが2024年7月2日に公表された[3]。
大会レギュレーション
2023年12月19日に大会方式と試合方式が明らかにされ[4]、2024年1月22日に1stラウンドの組み合わせ(グループ分け)が決定した[5]。前述のとおりJリーグ全60クラブがシングルエリミネーショントーナメントを行うことになり、29クラブが大会初参加(下表の※印)となる。試合にエントリーできる選手数は20名で、リーグ戦より2名多くなっている。
対戦は大きく3つのラウンドに分かれ、それぞれで対戦方式が異なる[4]。
- 1stラウンド
- AFCチャンピオンズリーグ2023/24ノックアウトステージに進出する川崎フロンターレ・横浜F・マリノス・ヴァンフォーレ甲府の3クラブを除く57クラブを10グループに分け、グループ内で1回戦制のシングルエリミネーショントーナメントを戦い、勝ち残った10クラブが次のステージに進む。
- 原則として、下位リーグクラブ(同リーグの場合は成績下位クラブ)のホームゲームとして行う(例外あり)[5]。
- 各試合とも90分終了時点で同点の場合は引き続き15分ハーフの延長戦を行い、なお同点の場合はPK戦により勝者を決定する。
- グループ分けは以下の通り。
1
|
神戸(J1 1位) |
清水(J2 4位) |
山形(J2 5位) |
富山※(J3 3位) |
今治※(J3 4位) |
-
|
2
|
広島(J1 3位) |
東京V(J2 3位) |
千葉(J2 6位) |
鹿児島※(J3 2位) |
奈良※(J3 5位) |
-
|
3
|
浦和(J1 4位) |
磐田(J2 2位) |
長崎(J2 7位) |
愛媛※(J3 1位) |
鳥取※(J3 6位) |
-
|
4
|
鹿島(J1 5位) |
町田※(J2 1位) |
大分(J2 9位) |
金沢※(J2 22位) |
八戸※(J3 7位) |
北九州※(J3 20位)
|
5
|
名古屋(J1 6位) |
横浜FC(J1 18位) |
岡山※(J2 10位) |
大宮(J2 21位) |
岐阜※(J3 8位) |
宮崎※(J3 19位)
|
6
|
福岡(J1 7位) |
柏(J1 17位) |
群馬※(J2 11位) |
山口※(J2 20位) |
松本(J3 9位) |
相模原※(J3 18位)
|
7
|
C大阪(J1 9位) |
G大阪(J1 16位) |
藤枝※(J2 12位) |
栃木※(J2 19位) |
岩手※(J3 10位) |
琉球※(J3 17位)
|
8
|
新潟(J1 10位) |
湘南(J1 15位) |
秋田※(J2 13位) |
いわき※(J2 18位) |
FC大阪※(J3 11位) |
讃岐※(J3 16位)
|
9
|
FC東京(J1 11位) |
鳥栖(J1 14位) |
熊本※(J2 14位) |
水戸(J2 17位) |
YS横浜※(J3 12位) |
福島※(J3 15位)
|
10
|
札幌(J1 12位) |
京都(J1 13位) |
徳島(J2 15位) |
仙台(J2 16位) |
沼津※(J3 13位) |
長野※(J3 14位)
|
- プレーオフラウンド
- 1stラウンドを勝ち残った10クラブを5組に分け、それぞれホーム・アンド・アウェー2回戦制を戦い、勝ち残った5クラブが次のステージに進む。プレーオフラウンドの組み合わせ方は以下の通り。
- 1stラウンドのグループ10勝者対グループ1勝者、グループ9勝者対グループ2勝者の要領で組み合わせる
- グループ番号が大きいクラブが1戦目ホーム、グループ番号が小さいクラブが2戦目ホームとする
- 2回戦制での勝敗は以下の順で決定する(アウェーゴールルールは採用しない)。
- 2試合の勝利数
- 2試合の得失点差
- 第2戦の後半終了後、引き続き15分ハーフの延長戦
- PK戦(双方5人ずつ。決着しない場合は6人目以降サドンデス方式)
- プライムラウンド
- プレーオフラウンドを勝ち残った5クラブに川崎・横浜FM・甲府の3クラブを加えた8クラブによるシングルエリミネーショントーナメントを行う。
- 対戦方式は前年までの「プライムステージ」と同じで、改めて組み合わせ抽選を行い、準々決勝・準決勝はホーム・アンド・アウェー方式2回戦制(優劣の決定方法はプレーオフラウンドと同じ)。決勝は中立地での1試合勝負で、90分(前後半45分ハーフ)で決着しない場合は15分ハーフの延長戦、さらに同点の場合はPK戦により勝敗を決定する。
- ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)はプライムラウンドの13試合で導入される。
大会日程
各日程については2023年12月19日に発表された[4]。1stラウンドは基本的に水曜日開催、以降は水曜日と日曜日に2試合を行う形となった。日付は全て2024年。
ラウンド
|
回戦
|
第1戦
|
第2戦
|
備考
|
1stラウンド
|
1回戦
|
3月6日(水)/13日(水)
|
1試合制
|
2回戦
|
4月17日(水)/24日(水)
|
3回戦
|
5月22日(水)
|
プレーオフラウンド
|
6月5日(水)
|
6月9日(日)
|
H&A2試合制
|
プライムラウンド
|
準々決勝
|
9月4日(水)
|
9月8日(日)
|
準決勝
|
10月9日(水)
|
10月13日(日)
|
決勝
|
11月2日(土)
|
1試合制
|
1stラウンド
グループ1
グループ2
グループ3
グループ4
グループ5
グループ6
グループ7
グループ8
グループ9
グループ10
プレーオフラウンド
2試合合計 3 - 2 で北海道コンサドーレ札幌がプライムラウンド進出
2試合合計 5 - 2 でサンフレッチェ広島がプライムラウンド進出
2試合合計 3 - 2 でアルビレックス新潟がプライムラウンド進出
2試合合計 5 - 3 でFC町田ゼルビアがプライムラウンド進出
2試合合計 2 - 1 で名古屋グランパスがプライムラウンド進出
プライムラウンド
プライムラウンドに進出したチームは以下の通り。プライムラウンドの組み合わせ抽選会は、7月2日に開催され[6]、Jリーグ公式YouTubeチャンネル及びJリーグ公式TikTokで生配信された。今年の抽選会には、前回大会までの現役選手ではなく、各クラブのOBが参加した[注釈 2][7]。進行役はフジテレビアナウンサーの原田葵。
なお、抽選に当たっては、アルビレックス新潟が10月13日(準決勝2ndレグ)に新潟シティマラソンがある関係でホームスタジアムのデンカビッグスワンスタジアムを用意できないため、最初に抽選を行った。
準々決勝
2試合合計1-1で延長戦を実施、延長戦終了時点でも2試合合計2-2のためPK戦を行い、名古屋グランパスが勝利
2試合合計7-4で横浜F・マリノスが勝利
2試合合計1-2で川崎フロンターレが勝利
2試合合計5-2でアルビレックス新潟が勝利
準決勝
2試合合計4-3で名古屋グランパスが勝利
2試合合計6-1でアルビレックス新潟が勝利
決勝
決勝に駒を進めたのは、準々決勝で第1戦の1点ビハインドから第2戦で追いつき、延長でも1点ずつ取り合って決着がつかず、PK戦でGKランゲラックの活躍もあり、2022年王者の広島を下し[8]、準決勝で第1戦をMF徳元悠平の3アシストの活躍で先勝[9]、第2戦では1-2で敗れたものの2戦合計4-3で横浜FMを下して2021年大会以来3大会ぶりの決勝進出を果たし2回目の優勝を狙う名古屋と[10]、準々決勝で第1戦でFW長倉幹樹の4ゴールの活躍もあって2戦合計5-2で町田を下し[11]、準決勝では東洋大学在学中の特別指定選手・DF稲村隼翔や、怪我明けのMF星雄次とMF太田修介らが躍動し2戦合計6-1で川崎を下してクラブ史上初の決勝進出を決めた新潟の2チーム[12]。この年限りでの退団が発表されているGKランゲラックに有終の美を飾らせたい名古屋と、初の三大タイトル獲得を目指す新潟の対戦となり、特に新潟からは上越新幹線が臨時増発されるほど多数のサポーターが詰めかけた結果、雨天にもかかわらず大会史上最多[注釈 3]、かつ2024年のJリーグ公式戦最多[注釈 4]、さらに国立競技場でのJリーグ公式戦最多となる62,517人の大観衆が詰めかけた中で試合は行われた[注釈 3][13]。
ハイプレス戦術の名古屋とポゼッション戦術の新潟という異なるスタイル同士の対戦となったこの試合、序盤から最後尾までプレスをかける名古屋の守備をかいくぐりながら新潟が前進を試みる場面が繰り返されたが、前半31分、新潟の最後尾からのビルドアップで新潟GK阿部航斗からMF秋山裕紀を狙った縦パスがずれたのを名古屋FW永井謙佑が見逃さずカット、右足ダイレクトで流し込み、名古屋が先制に成功する[14][15]。更に42分、名古屋MF椎橋慧也がペナルティエリア内に縦パスを送ると、MF稲垣祥、MF和泉竜司と繋ぎ、最後は再びFW永井が押し込み、名古屋が2点リードして折り返す[14]。
後半、2点差を追いつきたい新潟だが、名古屋の守備ブロックの前にゴールに迫ることが出来ず、65分にMF星、MFダニーロ・ゴメス、FW長倉の3人を一度に投入。するとこの交代策があたり、71分にMFダニーロ・ゴメスが右サイドから仕掛けクロスを送ると、MF谷口海斗がヘディングで押し込み、新潟が1点差に詰める[14]。直後に新潟はFW小見洋太とMF奥村仁を投入して攻勢に出るが、後一歩の所で名古屋の守備を崩せず、このまま試合終了するかと思われた。しかし後半アディショナルタイム5分過ぎ、ペナルティエリア内で新潟FW小見が途中出場の名古屋MF中山克広と接触。福島孝一郎主審はノーファウルの判定を取ったが[15]、VARが介入してオンフィールドレビューの結果、新潟にPKが与えられ、これを小見が自ら決め新潟が土壇場で同点に追いつき、延長戦に突入する[14]。
延長前半3分、途中出場の名古屋MF山中亮輔が左サイドからアーリークロスを上げると、FWキャスパー・ユンカー、FW山岸祐也と繋いだボールをMF中山がボレーシュート。これが新潟DF橋本健人に当たってゴールに吸い込まれ、名古屋が再びリードする[14]。しかし新潟も延長後半6分、カウンターの流れからDF藤原奏哉からの縦パスを受けたFW長倉のスルーパスに抜け出したFW小見が流し込み、新潟が再度同点に追いつく[14]。延長戦でも決着が付かず、試合は大会決勝史上8度目のPK戦となる。
先攻の新潟は大会得点王となった2人目のFW長倉がゴール右に外して失敗[15]。一方名古屋はGKランゲラックもキッカーに加わって全員が成功させ、雨の中の死闘を制した名古屋が3年ぶり2回目の大会制覇、そしてJリーグ全60クラブの頂点に輝いた。
表彰
得点ランキング
出典:J.LEAGUE.jp
アシストランキング
出典: J.LEAGUE.jp
ハットトリック
- Note:4 1試合4得点
- (H) – ホーム (A) – アウェイ
脚注
注記
出典
関連項目
外部リンク
|
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
大会 - 優勝 |
|
---|
|
リーグ戦 |
|
---|
カップ戦 |
|
---|
世代別の リーグ戦 / カップ戦 |
1種 (一般) | |
---|
2種 (高校生年代) | |
---|
3種 (中学生年代) | |
---|
4種 (小学生年代) | |
---|
女子 | |
---|
フットサル | |
---|
|
---|
代表 (ナショナルチーム) |
|
---|
国際大会 |
|
---|
|
各クラブのシーズン – 女子 (試合日程と結果、 移籍 (加入と退団)、記録と統計など) | WEリーグ | |
---|
|
|
---|
|
|
女子 (試合予定と結果、 移籍 (入団と退団)、記録と統計など) | WEリーグ | |
---|
|
|
---|
|
日本のスポーツ | |
---|
日本選手団 | |
---|
日本代表 |
|
---|
リーグ戦 |
野球 |
|
---|
サッカー |
|
---|
ラグビー |
|
---|
フットサル |
|
---|
バレーボール |
|
---|
ハンドボール |
|
---|
アイスホッケー |
|
---|
バスケットボール |
|
---|
アメリカンフットボール |
|
---|
|
---|
カップ戦 |
弓道 |
|
---|
剣道 |
|
---|
柔道 |
|
---|
卓球 |
|
---|
陸上 |
|
---|
空手道 |
|
---|
サッカー |
|
---|
ソフトテニス |
|
---|
車いすテニス |
|
---|
バレーボール |
|
---|
バスケットボール |
|
---|
車いすバスケットボール |
|
---|
|
---|