キック・アス (映画)
『キック・アス』(Kick-Ass)は、マーク・ミラーとジョン・ロミータ・Jrによる同名のコミック『キック・アス』を原作とした、2010年のスーパーヒーロー映画。 ストーリーデイヴ・リゼウスキ(アーロン・ジョンソン)は、アメリカン・コミックのスーパーヒーローに憧れるギーク少年。誰もヒーローになろうとしないことに疑問をもった彼は、自分で本物のヒーローになろうと思い立ち、ネットで買ったスーツを着てヒーロー活動を開始する。しかし、何のスーパーパワーも持っておらず、訓練もしていない彼はあっさり暴漢に刺された上、車にはねられ病院送りとなる。そのときにスーツを隠す目的で裸になったためにゲイ疑惑が浮上してしまうが、それをきっかけに学校一の美少女のケイティ(リンジー・フォンセカ)と接近する。 その後もヒーロー活動を続ける彼は、あるとき3人組に襲われていた男を救い、その模様を撮影していた見物人から名前を尋ねられた際に、自らを"キック・アス”と名乗る。動画はやがてYouTubeにアップされて話題を呼び、デイヴはキック・アス名義のMySpaceアカウントを取得した。 ある日デイヴは、ケイティが麻薬の売人に悩まされていることを知る。さっそく彼はキック・アスとしてその売人がいるアパートに乗り込むが、多勢には敵わずピンチに陥る。するとそこへ、彼と同じようにヒーローコスチュームを着た少女ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)が現れ、瞬く間に売人たちを殺していき、さらには彼女の父のビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)も登場する。ダディは、自分を陥れ、妻を自殺に追い込んだフランク・ダミーコ率いる犯罪組織を壊滅させるため、娘のミンディに戦闘技術を叩きこみ、親子でヒーローとして活動しながらダミーコの配下の売人たちを次々に殺していたのだ。ダディはデイヴに、困ったことがあれば自分たちを呼んでほしいと言い、去っていった。 後日、売人たちを全滅させたのはキック・アスであると勘違いしたダミーコは、部下に彼を殺すよう命じる。 キャスト
その他、日本語吹替え:澤乃彩、東城光志、丸山ゆう、小日向みわ スタッフ
製作本作の脚本執筆と原作コミック『キック・アス』の刊行は同時期に行われた[2]。 ヴォーンはまずソニーと契約して製作費を捻出しようとしたが、冒頭で娘を銃で撃つ訓練のようにバイオレンス描写がちりばめられており、描写を弱めるよう要求をされたために断念した。その後、他のスタジオも興味を示すがキャラクター設定の変更を求められたため、最終的にヴォーンが自分で製作費を調達し、自主映画となった[3]。また脚本に惚れ込んだブラッド・ピットがプロデューサーとして製作に参加した[4]。 公開2010年3月26日にイギリスでプレミア公開され、ブラット・ピットがプロデューサーとして主要俳優らと共に試写会の壇上に立った[7]。同年4月8日にオーストラリア、16日にはアメリカ合衆国で公開した[8]。 日本では、2010年9月16日に行われた第3回したまちコメディ映画祭in台東の「映画秘宝まつり」内で限定公開され[4]、2010年12月18日に渋谷、川崎、梅田、静岡の4劇場から一般公開が開始された。 サウンドトラック
映画のサウンドトラックアルバムが2010年3月29日にイギリスで、3月30日にアメリカのiTunesで発売された。また、Mikaが歌うタイトルソングである"Kick Ass"のシングルカットが5月2日に発売された。 なお、スコアについてはイギリス国内のダウンロード販売(iTunesとAmazon)のみとなっている。
評価興行収入北米では公開週末3日間で19,828,687ドルを稼ぎ、2週目の『ヒックとドラゴン』を僅かに上回って初登場1位となった[9]。 批評Rotten Tomatoesでは222のレビューで77%が肯定的なもので、平均点は10点満点中7.0点だった[10]。また、Metacriticでは38のレビューで平均点は100点満点中66点だった[11]。 ロジャー・イーバートは4つ星満点で1つ星を与え、本作が「道徳的にふとどきである」と批判した[12]。 受賞とノミネート
影響→詳細は「クロエ・グレース・モレッツ § ヒット・ガール」、および「w:Hit-Girl」を参照
本作の主要キャラクターである、11歳の少女扮するヒットガールが物議をかもした一方で、クロエ・グレース・モレッツがブレークする要因となった。
続編→詳細は「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」を参照
監督のマシュー・ヴォーンは、続編に関心を持っていることを明らかにする[13]一方で、「まだ何も計画していない」とも答えた[14]。クロエ・グレース・モレッツは続編について熱心で、ヒット・ガールを演じるのが好きであると述べた[15]。 続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』が、2013年8月より公開された。 出典
関連項目
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