第37回スーパーボウル(だい37かいスーパーボウル、Super Bowl XXXVII)は2003年1月26日にカリフォルニア州サンディエゴのクアルコム・スタジアムで行われた37回目のスーパーボウル。NFCチャンピオンであるタンパベイ・バッカニアーズとAFCチャンピオンであるオークランド・レイダースの対戦。バッカニアーズがレイダースを48-21で破って、チーム創設以来初めてのスーパーボウル制覇を果たした。MVPはバッカニアーズのセイフティであるデクスター・ジャクソンが受賞した。
バッカニアーズのジョン・グルーデンヘッドコーチは39歳であり、スーパーボウル史上最年少での優勝コーチとなった[1]。
背景
第37回スーパーボウルは、1997年10月15日にワシントンD.C.で行われたNFLオーナー会議でサンフランシスコで開催することが決定したが、スーパーボウル開催に必要とされた新スタジアムの建設計画が頓挫し、1999年5月26日にアトランタで開催されたオーナー会議でサンディエゴが開催地に決まった。カリフォルニア州ではその後、リーバイス・スタジアムで行われる予定の第50回スーパーボウルまでスーパーボウルが開催されていない。この大会は日中に開催された最後のスーパーボウルとなった。このシーズン、マイティダックス・オブ・アナハイムがスタンレー・カップに進出した。スーパーボウルとスタンレー・カップファイナルが同じ州で開催されるのは、10年前の1993年、パサデナのローズボウルで第27回スーパーボウルが開催され、ロサンゼルス・キングスがスタンレー・カップファイナルに進出して以来史上2度目のことであった。
ジョン・グルーデンによるレイダースの再建
1995年にオークランドに戻った後、1997年には4勝12敗に終わるなど、レイダースは低迷していた。ジョン・グルーデンヘッドコーチが就任し、1998年、1999年は8勝8敗でシーズンを終えた。1999年に獲得したベテランQBリッチ・ギャノンは、チームオフェンスをNFL5位に押し上げた。2000年、12勝4敗でAFC西地区優勝を果たしたが、AFCチャンピオンシップゲームでボルチモア・レイブンズに3-16で敗れた。その後、プロボウルWRジェリー・ライス、DTトレース・アームストロングを獲得、2001年もAFC西地区優勝を果たしたが、タック・ルール・ゲームと呼ばれるようになるニューイングランド・ペイトリオッツとのディビジョナルプレーオフで敗れた[2]。
グルーデンを獲得したバッカニアーズ
アル・デービスは、NFLのヘッドコーチに最も給料を出し渋るオーナーとして知られていた。グルーデンもその例外ではなく、デービスは2000年にニューイングランド・ペイトリオッツのロバート・クラフトオーナーがドラフト指名権と引き替えにニューヨーク・ジェッツからビル・ベリチックを獲得したように、ドラフト指名権4つと引き替えにグルーデンをバッカニアーズにトレードした。バッカニアーズはドラフト1巡指名権2つ、2巡指名権2つ、800万ドルをグルーデン獲得のためにレイダースに渡した。バッカニアーズは当時強力なディフェンスを持っていたが、スーパーボウル優勝には、オフェンスの再建が必要と見られていた。
バッカニアーズは長年弱小チームであり[3]、チーム創設から最初の20年間でプレーオフ出場はわずか3回であった。1996年にトニー・ダンジーヘッドコーチ、モンテ・キフィンディフェンスコーディネーターが就任すると、ディフェンスラインマンのウォーレン・サップ、ラインバッカーのデリック・ブルックス、ディフェンシブバックのロンデ・バーバー、ジョン・リンチを中心にディフェンスは改善され、1997年にはNFL3位、1998年にはNFL2位、2000年にはNFL3位のディフェンスとなった。
ダンジーヘッドコーチが指揮した6年間のうち、チームは4回プレーオフに出場したが、強力なディフェンスに反してオフェンスはリーグ最低レベルであり、プレーオフでは負け続けた。
グルーデンが就任したもののバッカニアーズの攻撃はこの年NFL25位のトータル5222ヤード獲得にとどまった。QBブラッド・ジョンソンは、パス451回中281回成功、3049ヤード、22TD、6INTでプロボウルに選ばれた。RBマイケル・ピットマンがチームトップの718ヤードを走り1TD、59回のレシーブで477ヤードを獲得した。プロボウルに選ばれたFBマイク・オルストットが548ヤードを走り5TD、35回のレシーブで242ヤード、2TDをあげた。WRキーショーン・ジョンソンはチームトップの76回のレシーブで1088ヤード、5TD、キーナン・マカーデルは61回のレシーブで670ヤード、6TDをあげた。
ディフェンスはNFLトップで[1]、トータルディフェンスで1試合あたり252.8ヤード、パスディフェンスで1試合あたり155.6ヤード、平均12.3失点、許したTDパス10回、31インターセプト、相手QBのQBレイティングはわずか48.4であった。
ブルックス、リンチ、サップ、シミオン・ライスがプロボウルに選ばれた。ブルックスはチームトップの87タックルをあげるとともに、5インターセプト、2インターセプトリターンTD、1ファンブルリカバーTD、サップからのラテラルパスを受けたTDと4TDをあげた。ラインバッカーが1シーズンに4TDをあげたのはNFL史上初めてであった。ディフェンスはレギュラーシーズンとプレーオフで合計9TDをあげた。ライスはチームトップの15.5サック、サップは7.5サック、2インターセプト、CBブライアン・ケリーはチームトップの8インターセプトをあげた。
グルーデンが退団したレイダース
グルーデンを失い、1998年からオフェンスコーディネーターを務めていたビル・キャラハンがヘッドコーチとなったレイダースは[4]、AFCトップの11勝5敗でシーズンを終えた。パスオフェンスはNFLトップの4689ヤード、トータルオフェンスはNFL2位の6451ヤードを獲得した。
ギャノンは、パス618回中418回成功、4689ヤード、26TD、10INTの成績でシーズンMVP[1]、プロボウルに選ばれた。418回のパス成功、パス獲得300ヤード以上の試合が10試合は、NFL記録であった。ギャノンはランでも50回走って156ヤード、3TDをあげた。18年目のベテランジェリー・ライスは92回のレシーブで1211ヤード、7TDをあげて13回目のプロボウルに選ばれた。また15年目のベテランWRティム・ブラウンは81回のレシーブで930ヤード、2TDをあげた。若手WRジェリー・ポーターは51回のレシーブで688ヤード、9TD、RBチャーリー・ガーナーはチームトップの962ヤード、7TDをあげるとともにNFLのランニングバックトップの91回のレシーブで941ヤードを獲得、4TDをあげた。RBタイロン・ウィートリーは419ヤードを走った。ザック・クロケットはブロッカーとして活躍するとともに、8TDをあげた。オフェンスラインからは、リンカーン・ケネディ、バレット・ロビンズの2人がプロボウルに選ばれた。
レイダースのディフェンスは弱点であり、パスディフェンスはNFL25位、トータルディフェンスは12位であった。その中、ベテランSロッド・ウッドソンがNFLトップの8インターセプト、2TD、ロッド・コールマンがチームトップの11サックをあげた。LBビル・ロマノウスキーは、サンフランシスコ・フォーティナイナーズで2回、デンバー・ブロンコスで2回スーパーボウル優勝を果たしており、5度目のスーパーボウル出場となった。ディフェンシブバックのトリー・ジェームズは、4インターセプトをあげた。
プレーオフ
バッカニアーズは、サンフランシスコ・フォーティナイナーズを31-6、は極寒のフィラデルフィア・ベテランズ・スタジアムで行われたNFCチャンピオンシップゲームでは、フィラデルフィア・イーグルスを27-10で破り、チーム初のカンファレンス優勝とスーパーボウル進出を決めた[5]。レイダースは、ニューヨーク・ジェッツを30-10[6]、テネシー・タイタンズを41-24で破りスーパーボウルに進出した[7]。
試合開始前の話題
レイダースが19年ぶりに優勝するかどうか注目が集まった。メディアの多くが注目したのは、グルーデンについてであった[8]。NFLコミッショナーのポール・タグリアブはヘッドコーチをトレードすることを今後禁じる声明を発表した[9]。
レイダースの先発Cバレット・ロビンズはうつ病となり、チームを離脱[10]、かつてプロボウルに選ばれたこともあるアダム・トリューが代役を務めた[11]。
テレビ放映とエンターテインメント
ABCが全米中継を行った。30秒間のCM枠は200万ドルで販売された[8]。
試合開始前、"Santana and Friends"と呼ばれたイベントが行われ、カルロス・サンタナの演奏でビヨンセ、ミシェル・ブランチがフィールドで歌った[12]。ABCは、そのイベントに先立って駐車場で行われたテールゲートパーティでのボニー・レイット、グー・グー・ドールズ、マイケル・ブーブレによるイベントを放送した[13]。前年の第36回スーパーボウルでニューイングランド・ペイトリオッツが見せたように、その年のシーズンのハイライトが放送される中、両チームの選手は入場した。この年以降のスーパーボウルはこの慣習で行われている。
セリーヌ・ディオンがゴッド・ブレス・アメリカを歌い、ディクシー・チックスがアメリカ国歌斉唱を行った。アメリカ海軍のF/A-18E/F スーパーホーネットが会場上空を飛ぶパフォーマンスを見せた[12]。
第7回スーパーボウルから30年となったこの大会では、シーズン無敗でスーパーボウルを制した1972年のマイアミ・ドルフィンズのメンバー、ドン・シュラ、ボブ・グリーシー、ラリー・ゾンカ、ラリー・リトル、ジム・ランガー、ニック・ブオニコンティ、ポール・ウォーフィールドがコイントスに参加した[12]。
ゲーム中、「Terry Tate: Office Linebacker」、リーボック、バドワイザーなどのCMが放送された。
AT&Tモビリティのスポンサーで行われたハーフタイムショーでは、シャナイア・トゥエイン、ノー・ダウト、スティングが登場した[14]。
トゥウェインは、Man! I Feel Like a Woman!、アップを歌った。ノー・ダウトは、ジャスト・ア・ガールを歌った。
スティングは、孤独のメッセージを歌ったが、途中からグウェン・ステファニーが加わった。
NBCは、ハーフタイムショーに合わせて、ジミー・ファロン、ティナ・フェイ出演のサタデー・ナイト・ライブからWeekend Updateのコーナーをぶつけた。
試合経過
ドライブごとの試合経過
|
開始
|
ボール保持
|
ドライブ
|
TOP
|
結果
|
得点内容
|
得点
|
Q
|
時間
|
地点
|
P
|
yd
|
yd
|
得点者
|
PAT
|
レイダース
|
バッカニアーズ
|
1
|
15:00
|
自陣26
|
バッカニアーズ
|
3
|
1:25
|
5
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
13:35
|
敵陣36
|
レイダース
|
7
|
2:55
|
14
|
フィールドゴール成功
|
40
|
Janikowski
|
—
|
3
|
0
|
1
|
10:40
|
自陣29
|
バッカニアーズ
|
9
|
2:49
|
58
|
フィールドゴール成功
|
31
|
Gramatica
|
—
|
3
|
3
|
1
|
7:51
|
自陣30
|
レイダース
|
3
|
1:15
|
1
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
6:36
|
自陣16
|
バッカニアーズ
|
3
|
0:50
|
1
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
5:46
|
敵陣49
|
レイダース
|
3
|
1:33
|
6
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
4:13
|
自陣16
|
バッカニアーズ
|
5
|
2:38
|
9
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
1:35
|
自陣49
|
レイダース
|
3
|
1:26
|
8
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1-2
|
0:09
|
自陣49
|
バッカニアーズ
|
9
|
3:53
|
26
|
フィールドゴール成功
|
43
|
Gramatica
|
—
|
3
|
6
|
2
|
11:16
|
自陣34
|
レイダース
|
3
|
1:10
|
11
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
10:06
|
敵陣45
|
バッカニアーズ
|
3
|
0:56
|
5
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
9:10
|
自陣11
|
レイダース
|
3
|
0:44
|
-1
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
8:26
|
敵陣27
|
バッカニアーズ
|
4
|
2:02
|
27
|
タッチダウン(ラン)
|
2
|
Alstott
|
キック成功
|
3
|
13
|
2
|
6:24
|
自陣29
|
レイダース
|
6
|
2:39
|
19
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
3:45
|
自陣23
|
バッカニアーズ
|
10
|
3:15
|
77
|
タッチダウン(パス)
|
5
|
Johnson→McCardell
|
キック成功
|
3
|
20
|
2
|
0:30
|
自陣13
|
レイダース
|
3
|
0:30
|
4
|
前半終了
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
前半終了
|
3
|
15:00
|
自陣27
|
レイダース
|
3
|
1:38
|
8
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3
|
13:22
|
自陣11
|
バッカニアーズ
|
14
|
7:52
|
89
|
タッチダウン(パス)
|
8
|
Johnson→McCardell
|
キック成功
|
3
|
27
|
3
|
5:30
|
自陣32
|
レイダース
|
2
|
0:43
|
8
|
インターセプトリターンTD
|
44
|
Smith
|
キック成功
|
3
|
34
|
3
|
4:47
|
自陣18
|
レイダース
|
8
|
2:33
|
82
|
タッチダウン(パス)
|
39
|
ギャノン→Porter
|
パス失敗
|
9
|
34
|
3-4
|
2:14
|
自陣31
|
バッカニアーズ
|
3
|
2:58
|
2
|
パントブロックリターンTD
|
13
|
Johnson
|
パス失敗
|
15
|
34
|
4
|
14:16
|
自陣24
|
バッカニアーズ
|
9
|
5:14
|
54
|
第4ダウン失敗
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
9:02
|
自陣22
|
レイダース
|
8
|
2:56
|
78
|
タッチダウン(パス)
|
48
|
ギャノン→ライス
|
パス失敗
|
21
|
34
|
4
|
6:06
|
自陣20
|
バッカニアーズ
|
6
|
3:22
|
15
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
2:44
|
自陣26
|
レイダース
|
4
|
1:26
|
3
|
インターセプトリターンTD
|
44
|
ブルックス
|
キック成功
|
21
|
41
|
4
|
1:18
|
自陣27
|
レイダース
|
5
|
1:16
|
24
|
インターセプトリターンTD
|
50
|
Smith
|
キック成功
|
21
|
48
|
4
|
0:02
|
|
レイダース
|
0
|
0:02
|
0
|
試合終了
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
P=プレー数、TOP=タイム・オブ・ポゼッション、PAT=ポイント・アフター・タッチダウン。 アメリカンフットボールの用語集 (en) も参照。
|
21
|
48
|
|
キックオフの際の気温は華氏82度であり、第7回スーパーボウルの華氏84度に続く、2番目に高い気温で試合は始まった[1]。
第1Q、3プレー目でブラッド・ジョンソンのパスをチャールズ・ウッドソンがインターセプトして敵陣36ヤード地点まで12ヤードリターンし、TDのチャンスを得た。しかし6プレー後、第3ダウンでギャノンをシミオン・ライスがサックしたため、レイダースはセバスチャン・ジャニカウスキーが40ヤードのFGを成功、3-0と先制した[1]。
バッカニアーズはキックオフでアーロン・ステッカーが27ヤードをリターンしたが、自陣29ヤード地点でボールをファンブル、いったんはレイダースのエリック・ジョンソンがリカバーしたと判定されたが、インスタントリプレーの結果、ステッカーの両ひざが地面についてヒットされるまで、ボールが確保されていると判断され判定は覆り、バッカニアーズの攻撃となった。
ジョンソンは最初のプレーでジョー・ジャーヴィシャスに11ヤードのパスを通した。2回のパス不成功の後、第3ダウンで、ジャーヴィシャスへの23ヤードのパスで敵陣37ヤード地点まで前進、さらにRBピットマンの23ヤードのランで敵陣13ヤードまで攻め込んだ。しかし続く3プレーでパス不成功2回、ランで1ヤードの前進にとどまり、マーティン・グラマティカの31ヤードのFGで3-3の同点となった。
第1Q終盤、レイダースは、ダリエン・ゴードンの17ヤードのパントリターンで自陣49ヤードからの攻撃権を獲得、ガーナーへの8ヤードのパスで、敵陣43ヤードまで前進したが、第3ダウンにTEジョン・ジョリーを狙ったパスをデクスター・ジャクソンが自陣40ヤード地点でインターセプトして9ヤードリターンした。9プレー後にグラマティカがこの日2本目となる43ヤードのFGを成功し、6-3とバッカニアーズは逆転した[1]。
続くレイダースの攻撃でもジャクソンはパスをインターセプトし、敵陣45ヤード地点まで25ヤードをリターンした。前半で2インターセプトをあげたのは、スーパーボウル史上ジャクソンが初めてであった。バッカニアーズは、このチャンスをものにできず、パントとなったが、トム・テュパの素晴らしいパントで、レイダースは自陣11ヤード地点からの攻撃となった。レイダースは3回の攻撃で前進できず、1ヤードロスしシェーン・レクラーがパントを蹴った。これをカール・ウィリアムズが25ヤードリターンし、バッカニアーズは敵陣27ヤード地点からの攻撃権を得た。ピットマンの6ヤード、19ヤードのランの後、第2Q残り6分28秒にマイク・オルストットの2ヤードのTDランでバッカニアーズは、13-3とリードを広げた[1]。バッカニアーズは前半残り30秒にマカーデルへの5ヤードのTDパスで20-3とリードして前半を折り返した[1]。
センターのバレット・ロビンズを欠いたオフェンスラインは、バッカニアーズのディフェンスのプレッシャーからギャノンを守れず、前半だけでギャノンは3サックされ、パス17回中7回成功、56ヤード、2インターセプトに終わった[1]。
第3Qもバッカニアーズが試合を支配し、レイダースの最初の攻撃はパントとなり、バッカニアーズは続く攻撃で7分52秒をかけて14プレー、89ヤードのTDドライブを完成、最後はジョンソンからマカーデルへの8ヤードのTDパスで27-3とした[1]。続くレイダースの攻撃では2プレー目に、ドワイト・スミスが44ヤードのインターセプトリターンTDをあげて、バッカニアーズは34-3とレイダースを突き放した[1]。
その後、レイダースはポーターへの39ヤードのTDパスを成功させたが、2ポイントコンバージョンは失敗し、34-9となった。レイダースは続くバッカニアーズの攻撃をパントに追い込むと、テュパのパントをティム・ジョンソンがブロック、エリック・ジョンソンが13ヤードのリターンTDをあげた。2ポイントコンバージョンは再度失敗し、34-15となった[1]。
バッカニアーズは、ピットマンの24ヤードのランなどで、敵陣9ヤードまで攻め込んだが、27ヤードのFGを狙ったプレーでテュパがスナップをファンブルし、無得点に終わった[1]。残り6分6秒に、ギャノンはライスへの48ヤードのTDパスを成功、34-21とレイダースは13点差まで迫った。2ポイントコンバージョンは、ポーターの足がアウト・オブ・バーンズとなり、失敗に終わった[1]。
バッカニアーズはラン攻撃で時間を消費した。レイダース陣29ヤード地点からの第3ダウン残り18ヤードのプレーでブルックスがギャノンのパスをインターセプト、44ヤードのリターンTDをあげて、試合時間残り1分18秒で41-21となった。さらに残り2秒にドワイト・スミスが50ヤードのインターセプトリターンTDをあげて48-21となった[1]。続くキックオフでは、レイダースのDTクリス・クーパーがボールをリターン、ジャック・ゴールデンがタックルしたところで試合は終わった。
レイダースの敗戦後、イーストオークランドでは暴動が起き、少なくとも12台の車が放火され、400人の警官が出動した[15]。
多くのスポーツファンやスポーツライターは、グルーデンがレイダースを知り尽くしていたことが、バッカニアーズの主な勝因と考えた。ディフェンシブバックのリンチは、試合中チームメートにレイダースのオフェンスプレーは、グルーデンが話したとおりだと語っている[16]。バッカニアーズは、トータルオフェンスで365ヤード対269ヤード、ランオフェンスで150ヤード対19ヤード、ファーストダウン獲得回数で24対11、オフェンスプレー回数で76対60、ターンオーバー奪取で5対1とレイダースを圧倒した。
バッカニアーズは、スーパーボウル史上初めてディフェンスが3TDをあげた[17]。グルーデンは史上最年少の39歳でスーパーボウルを制覇したヘッドコーチとなった[17]。これまでの大会でもディフェンスが複数TDをあげたのは、第27回スーパーボウルでのダラス・カウボーイズのみであった。
ブラッド・ジョンソンはパス34回中18回成功、215ヤード、2TD、1インターセプト、10ヤードを走った。ピットマンはこの試合トップの120ヤードを走った。オルストットは15ヤードを走り、1TD、5回のレシーブで43ヤードを獲得した。キーショーン・ジョンソンは、6回のレシーブで69ヤード、セイフティのデクスター・ジャクソンと、ニッケルバックのドワイト・スミスの2人がそれぞれ2インターセプトをあげた[17]。
ギャノンはパス44回中24回成功、272ヤード、2TD、スーパーボウル史上ワースト記録となる5インターセプトを喫した[17]。レイダースのリーディングラッシャーは、ガーナーでわずか10ヤード、7回のレシーブで51ヤードを獲得した。ライスは5回のレシーブで77ヤード、1TD、2つの異なるチームでTDをあげた最初の選手となった(後にリッキー・プロール、ムーシン・ムハマドがこの記録に並んだ)。ティム・ブラウンはわずか1回のレシーブで9ヤード獲得に終わった[17]。マーカス・ナイトは、第29回スーパーボウルでサンディエゴ・チャージャーズのアンドレ・コールマンが作った記録に並ぶ8回のキックオフリターンで[18]143ヤードをリターンした。ビル・ロマノウスキーは、元チームメートのチャールズ・ヘイリーに並ぶ5個目のスーパーボウルリングを手に入れることができなかった[19]。
両チームが後半あげた46点はスーパーボウル記録、両チームの合計得点69得点は、第27回スーパーボウルに並ぶ歴代2位の記録となった[20]。
その後
2003年、バッカニアーズは7勝9敗、レイダースは4勝12敗に終わり、両チームはプレーオフを逃した。2004年、バッカニアーズは5勝11敗に終わった。スーパーボウル優勝後、2年連続負け越ししたのは、バッカニアーズが初めてであった。レイダースは2003年から2008年まで11敗以上し、キャラハンを含めて4人のヘッドコーチが解任された[2]。
2014年終了時点で、バッカニアーズはこの試合以後、プレーオフで未勝利、レイダースはプレーオフに出場できずにいる。
2013年、元レイダースのWRティム・ブラウン、ジェリー・ライスが、ビル・キャラハンヘッドコーチがスーパーボウル直前にラン中心のゲームプランからパス中心のゲームプランを変更したことがチームの敗退につながったと批判した。これについて、ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ時代、キャラハンがアシスタントコーチを務めたこともあるエリック・マンジーニは馬鹿げた考えであると否定している[10]。またリッチ・ギャノンやビル・ロマノウスキーもキャラハンを支持するコメントを出した[21]。
スターティングラインアップ
トーナメント表
脚注
外部リンク
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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リーグ優勝 (2回) | |
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カンファレンス優勝 (2回) | |
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地区優勝 (7回) | |
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所属 | |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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リーグ優勝 (4回) | |
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カンファレンス優勝 (4回) | |
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地区優勝 (15回) | |
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できごと | |
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所属 | |
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