第52回スーパーボウル(Super Bowl LII)は、2018年2月4日にミネソタ州ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで開催されたアメリカンフットボール(NFL)の試合。2017年シーズンのNFLチャンピオンの座をかけて、AFC王者ニューイングランド・ペイトリオッツとNFC王者フィラデルフィア・イーグルスが対戦した。
ミネアポリスでスーパーボウルが開催されるのは第26回スーパーボウル以来2度目、ペイトリオッツとイーグルスがスーパーボウルで対戦するのも第39回スーパーボウル以来、2度目となる。前回は、24対21でペイトリオッツが勝利している。
試合は41-33でイーグルスが勝ち、MVPはQBのニック・フォールズが獲得した。この試合でQBのフォールズがTDパスをキャッチしたトリックプレイは「フィリースペシャル」としてブームとなった。
開催地決定まで
2013年10月8日、以下のスタジアムが最終候補地になることが発表された[1][2]。
2014年3月20日のオーナー会議での投票により、開催地はミネアポリスに決定された[3]。
過去のミネアポリス開催のスーパーボウル
回 |
AFC代表 |
スコア |
NFC代表 |
MVP
|
ヒューバート・H・ハンフリー・メトロドーム
|
26
|
バッファロー・ビルズ
|
24-37
|
ワシントン・レッドスキンズ
|
QB
|
マーク・リッピン
|
は、勝利したチーム
出場チーム
AFC、NFC共に第1シードのチームがスーパーボウルに勝ち上がってきた。AFC代表のニューイングランド・ペイトリオッツは、2年連続10度目の出場であり、21世紀に入ってから行われたスーパーボウル18回のうち、8回に出場している。NFC代表のフィラデルフィア・イーグルスはペイトリオッツと対戦した第39回スーパーボウル以来、13年ぶり3度目の出場となった[4][5]。
ニューイングランド・ペイトリオッツは、この試合の前までに5回スーパーボウルを制覇しており、この試合に連覇と最多タイ(最多はピッツバーグ・スティーラーズ)の6度目のスーパーボウル制覇がかかっていた。一方、フィラデルフィア・イーグルはNFL・AFL統合前の1970年以前にはNFLチャンピオンゲームを3度制覇してはいたが統合後2度のスーパーボウル出場(第15回・第39回)はいずれも敗戦しており、初制覇がかかっていた。
ニューイングランド・ペイトリオッツ
前年、スーパーボウルを制覇したペイトリオッツは、守備がリーグ30位と精彩を欠き、開幕直前にエースWRのジュリアン・エデルマンを今季絶望の怪我で欠いたものの、ロブ・グロンコウスキー、ブランディン・クックス(英語版)、ダニー・アメンドーラ(英語版)らをターゲットとしたトム・ブレイディのパス攻撃がリーグ2位、ジェームス・ホワイト(英語版)とディオン・ルイス(英語版)によるリーグ10位のラン攻撃と合わせた総攻撃でリーグ1位を記録した。
AFCの首位争いは、第13週終了時点で10勝2敗の首位のピッツバーグ・スティーラーズを同率2位のペイトリオッツ(タイブレークで劣後)が追っていた。ペイトリオッツは第14週に敗戦し、1敗差を追うことになったが、第15週の直接対決をペイトリオッツが制して、勝敗で並び、直接対決のタイブレークにより首位に立つと、残りの2試合も全勝し、第1シードでプレーオフに進出した[6][7]。プレイオフでは、ディビジョナルラウンドでテネシー・タイタンズに勝利した後の練習中にブレイディが右手を怪我し[8]、AFC決勝の試合中にグロンコウスキーが脳震盪で負傷退場するなど[9]、トラブルに見舞われたが、スーパーボウル初出場を目指したジャクソンビル・ジャガーズに勝利し、2年連続のスーパーボウル出場を決めた。
フィラデルフィア・イーグルス
前年にドラフト全体2位でQBカーソン・ウェンツを指名し、7勝を挙げながらも地区最下位に終わったイーグルスはウェンツのパスターゲットとしてベテランWRアルション・ジェフリー、トーリー・スミスを獲得、ラン攻撃にはペイトリオッツを放出されたRBリギャレット・ブラウントを獲得して攻撃の戦力を整え、ドラフトでは守備選手を上位で指名した。開幕から好調でNFC首位を走ったが怪我人も多く、シーズン途中にマイアミ・ドルフィンズからRBジェイ・アジャイを獲得する。シーズンMVP級の大活躍を魅せたQBウェンツが第14週のロサンゼルス・ラムズ戦で怪我を負いシーズンアウトとなる[10]。前年シーズンには地区優勝チームがシーズン終盤のエースQB負傷によりプレイオフにて初戦敗退した例があったためイーグルスも同様に失速するのではないかと不安視されたが[11]、3年前までのエースで今季出戻りの形で控えQBとなっていたニック・フォールズが堅実な試合運びを見せNFCの第1シードを勝ち取った。攻撃面では強固な攻撃ラインを活かしたランパスオプションを駆使して相手ディフェンスを翻弄した。守備面ではDTフレッチャー・コックスを軸に強力な守備ライン4人で相手QBには圧力を与え、ラン守備でもリーグ首位の成績を残した。Sマルコム・ジェンキンスが率いる守備バック陣は怪我人が続出したもののビッグプレイで試合の流れを変えた。[12] 控えQBでプレイオフを戦うという不利な状況により第1シードにもかかわらず低い評価ではあったもののディビジョナルラウンドではアトランタ・ファルコンズに、NFC決勝ではミネソタ・バイキングスにそれぞれ勝利し13年ぶりのスーパーボウル進出を決めた[13]。
エンターテインメント
試合前
ピンクがアメリカ国歌、レスリー・オドム・Jrが愛国歌であるアメリカ・ザ・ビューティフルを歌った。前日より体調不良を抱えていたピンクだったが彼女はフィラデルフィア出身であり、イーグルスが出場する今大会の国歌斉唱は誰にも譲れないと見事に歌い上げた。
2016年シーズンのプレシーズンゲームでコリン・キャパニックが国歌斉唱中の起立を拒否し、人種差別への抗議を示したのをきっかけに、国歌斉唱中に人種差別への抗議を示すムーブメントがNFLで起こり、このシーズンもこのムーブメントが続いていた。シーズン中にトランプ大統領が、ツイッター上でこのムーブメントに不快感を示したことから物議を醸していたが、この試合においてはそのような行動は起こされなかった[14]。
国歌斉唱が終了するタイミングでスタジアム上空を飛行機が通過するフライオーバーは、 ショー空軍基地のF-16デモチーム、デビスモンサン空軍基地のA-10デモチーム及びフライング・ヘリテージ財団のスティーブ・ヒルトン氏の操縦するP-51によって行われた[15]。
ハーフタイムショー
ジャスティン・ティンバーレイクがハーフタイムショーでパフォーマンスを披露した。ティンバーレイクは、2001年の第35回スーパーボウルにイン・シンクの一員としてハーフタイムショーに出演し、2004年の第38回スーパーボウルでは、ジャネット・ジャクソンとハーフタイムショーに出演しているので、これで3回目の出演となった。
試合経過
フィラデルフィア・イーグルス 対 ニューイングランド・ペイトリオッツ
|
1 |
2 |
3 | 4 | Total |
イーグルス (NFC) |
9 |
13 |
7 | 12 | 41 |
ペイトリオッツ (AFC) |
3 |
9 |
14 | 7 | 33 |
開催地 ミネソタ州ミネアポリス USバンク・スタジアム
ドライブごとの試合経過
|
開始
|
ボール保持
|
ドライブ
|
TOP
|
結果
|
得点内容
|
得点
|
Q
|
時間
|
地点
|
P
|
yd
|
yd
|
得点者
|
PAT
|
イーグルス
|
ペイトリオッツ
|
1
|
15:00
|
自陣20
|
イーグルス
|
14
|
67
|
7:05
|
フィールドゴール成功
|
25
|
エリオット
|
—
|
3
|
0
|
1
|
7:55
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
9
|
67
|
3:38
|
フィールドゴール成功
|
26
|
ゴストコウスキー
|
—
|
3
|
3
|
1
|
4:17
|
自陣23
|
イーグルス
|
3
|
77
|
1:43
|
タッチダウン(パス)
|
34
|
フォールズ→ジェフリー
|
キック失敗
|
9
|
3
|
1-2
|
2:34
|
自陣18
|
ペイトリオッツ
|
8
|
74
|
3:21
|
26ydフィールドゴール失敗
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
14:13
|
自陣20
|
イーグルス
|
3
|
2
|
1:02
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
13:11
|
自陣37
|
ペイトリオッツ
|
5
|
28
|
1:18
|
第4ダウン失敗
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
11:53
|
自陣35
|
イーグルス
|
6
|
65
|
3:05
|
タッチダウン(ラン)
|
21
|
ブラント
|
パス失敗
|
15
|
3
|
2
|
8:48
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
5
|
48
|
1:24
|
フィールドゴール成功
|
45
|
ゴストコウスキー
|
—
|
15
|
6
|
2
|
7:24
|
自陣25
|
イーグルス
|
4
|
32
|
2:23
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
5:01
|
自陣10
|
ペイトリオッツ
|
7
|
90
|
2:57
|
タッチダウン(ラン)
|
26
|
ホワイト
|
キック失敗
|
15
|
12
|
2
|
2:04
|
自陣30
|
イーグルス
|
7
|
70
|
1:30
|
タッチダウン(パス)
|
1
|
バートン→フォールズ
|
キック成功
|
22
|
12
|
2
|
0:34
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
5
|
48
|
0:34
|
前半終了
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
前半終了
|
3
|
15:00
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
8
|
75
|
2:45
|
タッチダウン(パス)
|
5
|
ブレイディ→グロンコウスキー
|
キック成功
|
22
|
19
|
3
|
12:15
|
自陣15
|
イーグルス
|
11
|
85
|
4:57
|
タッチダウン(パス)
|
22
|
フォールズ→クレメント
|
キック成功
|
29
|
19
|
3
|
7:18
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
7
|
75
|
3:55
|
タッチダウン(パス)
|
26
|
ブレイディ→ホーガン
|
キック成功
|
29
|
26
|
3-4
|
3:23
|
自陣25
|
イーグルス
|
8
|
51
|
4:14
|
フィールドゴール成功
|
42
|
エリオット
|
—
|
32
|
26
|
4
|
14:09
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
10
|
75
|
4:47
|
タッチダウン(パス)
|
4
|
ブレイディ→グロンコウスキー
|
キック成功
|
32
|
33
|
4
|
9:22
|
自陣25
|
イーグルス
|
14
|
75
|
7:01
|
タッチダウン(パス)
|
22
|
フォールズ→アーツ
|
パス失敗
|
38
|
33
|
4
|
2:21
|
自陣25
|
ペイトリオッツ
|
2
|
6
|
0:12
|
ファンブルロスト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
2:09
|
敵陣31
|
イーグルス
|
4
|
4
|
1:04
|
フィールドゴール成功
|
46
|
エリオット
|
—
|
41
|
33
|
4
|
1:05
|
自陣9
|
ペイトリオッツ
|
9
|
40
|
1:05
|
試合終了
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
P=プレー数、TOP=タイム・オブ・ポゼッション、PAT=ポイント・アフター・タッチダウン。 アメリカンフットボールの用語集 (en) も参照。
|
41
|
33
|
|
| |
イーグルスのドライブ
|
#
|
ドライブ
|
TOP
|
結果
|
プレー
|
ヤード
|
1
|
14
|
67
|
7:05
|
フィールドゴール成功
|
2
|
3
|
77
|
1:43
|
タッチダウン(パス)
|
3
|
3
|
2
|
1:02
|
パント
|
4
|
6
|
65
|
3:05
|
タッチダウン(ラン)
|
5
|
4
|
32
|
2:23
|
インターセプト
|
6
|
7
|
70
|
1:30
|
タッチダウン(パス)
|
前半終了
|
7
|
11
|
85
|
4:57
|
タッチダウン(パス)
|
8
|
8
|
51
|
4:14
|
フィールドゴール成功
|
9
|
14
|
75
|
7:01
|
タッチダウン(パス)
|
10
|
4
|
4
|
1:04
|
フィールドゴール成功
|
|
ペイトリオッツのドライブ
|
#
|
ドライブ
|
TOP
|
結果
|
プレー
|
ヤード
|
1
|
9
|
67
|
3:38
|
フィールドゴール成功
|
2
|
8
|
74
|
3:21
|
26ydフィールドゴール失敗
|
3
|
5
|
28
|
1:18
|
第4ダウン失敗
|
4
|
5
|
48
|
1:24
|
フィールドゴール成功
|
5
|
7
|
90
|
2:57
|
タッチダウン(ラン)
|
6
|
5
|
48
|
0:34
|
前半終了
|
前半終了
|
7
|
8
|
75
|
2:45
|
タッチダウン(パス)
|
8
|
7
|
75
|
3:55
|
タッチダウン(パス)
|
9
|
10
|
75
|
4:47
|
タッチダウン(パス)
|
10
|
2
|
6
|
0:12
|
ファンブルロスト
|
11
|
9
|
40
|
1:05
|
試合終了
|
|
スターティングラインアップ
トーナメント表
脚注
|
---|
|
球団 | |
---|
歴代本拠地 | |
---|
文化 | |
---|
永久欠番 | |
---|
リーグ優勝 (4回) | |
---|
カンファレンス優勝 (4回) | |
---|
地区優勝 (13回) | |
---|
できごと | |
---|
所属 | |
---|
|
|
---|
|
球団 | |
---|
歴代本拠地 | |
---|
文化 | |
---|
永久欠番 | |
---|
リーグ優勝 (6回) | |
---|
カンファレンス優勝 (11回) | |
---|
地区優勝 (22回) | |
---|
できごと | |
---|
所属 | |
---|
|