ジェイソン・ダニエル・ケルシー(Jason Daniel Kelce, 1987年11月5日 - )は、アメリカ合衆国オハイオ州ウェストレイク(英語版)出身の元プロアメリカンフットボール選手。NFLのフィラデルフィア・イーグルスで活躍した。ポジションはセンター。同じくNFL選手で、カンザスシティ・チーフスに所属しているトラビス・ケルシーは実弟である。
経歴
カレッジ
シンシナティ大学では当初ランニングバックであったが、後にオフェンスラインにコンバートされた。5年間在籍した後、2011年のNFLドラフトにエントリーした。
フィラデルフィア・イーグルス
ドラフト前のコンバインでの40ヤード走ではオフェンシブラインマンでは最速となる4.89秒を記録した。その後、2011年3月11日に虫垂炎と診断され、虫垂切除術を受けた[1]。
ドラフト全体191位でフィラデルフィア・イーグルスから指名され、その後ルーキー契約を結んだ[2]。
1年目の2011年シーズンから先発に抜擢され、16試合に出場した。
2012年シーズン、第2週のボルチモア・レイブンズ戦にて左膝の内側側副靱帯と前十字靭帯を損傷し、シーズン残りの試合を欠場した[3]。
2014年2月27日にイーグルスと6年総額3,750万ドルの契約延長に合意した[4]。2014年シーズンは終盤にヘルニアと診断されて手術を受け、最後の4試合を欠場したが、自身初となるプロボウルに選出された。
2016年シーズンは2年ぶりとなるプロボウルに選出された[5]。
2017年シーズンは自身初となるオールプロファーストチームに選出され、チーム史上初となるスーパーボウル制覇に大きく貢献した[6]。優勝パレードでのスピーチも話題となった[7]。
2019年3月2日にイーグルスと2021年シーズンまで有効の1年間の契約延長に合意した[8]。2019年シーズンは3年連続となるオールプロファーストチームに選出された。
2020年シーズンに公式戦100試合連続出場を記録した。このシーズンは4度目となるプロボウルに選出された。
2021年シーズン途中に新型コロナウイルスの安全プロトコルによりリザーブに送られるも4日後に復帰し、連続出場記録を継続した[9]。このシーズンは2年連続となるプロボウル、2年ぶりとなるオールプロファーストチームに選出された。
2022年3月11日にイーグルスと1年1,400万ドルで再契約した[10]。現役のセンターとしては最高額となった。2022年シーズンもプロボウル、オールプロファーストチームに選出された。プレーオフでは5年ぶりとなるスーパーボウルに進出。対戦相手は弟のトラビスが所属するカンザスシティ・チーフスで、史上初となるスーパーボウルでの兄弟対決が実現した[11]。
2024年1月15日にチームがプレーオフのワイルドカードラウンドで敗退した後に、引退の報道が流れた[12]。この時点ではメディアの報道のみで、プロボウルやイベントなど公の場に現れてもケルシーの口から現役続行か、引退か、去就に関する明言はされていなかったが、3月4日に会見を開き正式に引退を発表した。
家族
前述のように弟のトラビスもNFL選手である。高校時代はフットボールの他にもジェイソンがアイスホッケー、トラビスがバスケットボールをプレーしていた[13]。
2022年9月から、兄弟でホストを務めるポッドキャストを開始した[14]。
人物
コメディドラマ「フィラデルフィアは今日も晴れ」にイーグルスのチームメイトと共に出演したことがある[15]。
2024年フィラデルフィア・イーグルスのトレーニングキャンプにおいて握力91.4㎏(201.5lb)の好記録をマークしたが、その前にイーグルスOL陣のランドン・ディッカーソンが記録した握力138.4㎏(305.2lb)やボウ・アレンの握力110.6㎏(243.8lb)と驚異的な記録が続き、その後に計測したキャム・ユルゲンスの握力97.1㎏(214.0lb)の時点で「悪い記録」と称されていた流れの最後にケルシーが計測した為に嘲笑されてしまう結果となった[16]。
脚注
- ^ “Jason Kelce has successful appendectomy | National Football Post”. web.archive.org (2011年4月1日). 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Eagles go after LB, K in fourth round”. The Morning Call. 2023年1月31日閲覧。
- ^ Pavorsky, Jake (2012年9月17日). “Philadelphia Eagles Trainer: Kelce has Partial ACL Tear, Full MCL Tear” (英語). sportstalkphilly - News, rumors, game coverage of the Philadelphia Eagles, Philadelphia Phillies, Philadelphia Flyers, and Philadelphia 76ers. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Eagles' Riley Cooper, Jason Kelce strike new contracts” (英語). NFL.com. 2023年1月31日閲覧。
- ^ NJ.com, Matt Lombardo | NJ Advance Media for (2017年1月23日). “Darren Sproles, Jason Kelce added to 2017 Pro Bowl” (英語). nj. 2023年1月31日閲覧。
- ^ Jones, Lindsay H.. “Eagles dethrone Tom Brady, Patriots for first Super Bowl title in stunner” (英語). USA TODAY. 2023年1月31日閲覧。
- ^ Tornoe, Rob. “In epic speech, Eagles' Jason Kelce calls out 'clown' who criticized Doug Pederson” (英語). https://www.inquirer.com. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Eagles, Jason Kelce agree to terms on 1-year extension” (英語). NFL.com. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Eagles place 12 players on Reserve/COVID-19 list” (英語). www.philadelphiaeagles.com. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Source: Eagles make Kelce highest-paid center” (英語). ESPN.com (2022年3月11日). 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Brothers Jason and Travis Kelce will make history in Super Bowl 2023” (英語). RSN. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “Eagles All-Pro center Jason Kelce retires after 13 seasons following wild-card loss to Buccaneers”. NFL. 2024年1月16日閲覧。
- ^ “Philadelphia Eagles” (英語). www.philadelphiaeagles.com. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “New Heights with Jason and Travis Kelce on Apple Podcasts” (英語). Apple Podcasts. 2023年1月31日閲覧。
- ^ "It's Always Sunny in Philadelphia" Charlie's Home Alone (TV Episode 2018) - IMDb, https://www.imdb.com/title/tt6362496/fullcredits 2023年1月31日閲覧。
- ^ (日本語) Eagles Grip Strength Test: Part 2 💪 #shorts, https://www.youtube.com/shorts/EC21Bc4tfYY?si=37hrGPYv84Xb4LCK 2024年11月15日閲覧。
関連項目
外部リンク
AP通信 オールプロ ファーストチーム選出(6回)
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