馳 星周(はせ せいしゅう、1965年2月18日 -)は、日本の小説家。本名は坂東 齢人(ばんどう としひと)。ペンネームの馳星周は本人がファンである映画監督・俳優の周星馳(チャウ・シンチー、しゅう・せいち)の名前を逆にしたもの。日本推理作家協会、日本冒険作家クラブ会員。
北海道苫小牧東高等学校、横浜市立大学文理学部卒業。大学時代は内藤陳が経営する新宿ゴールデン街のバー「深夜プラス1」でバーテンのアルバイトをする。
勁文社の官能小説レーベル「グリーンドア文庫」の編集者やフリーのゲームライターを務めた後、1996年8月、『不夜城』にて一般小説作家としてデビューした。この作品は日中混血の男女2人が新宿歌舞伎町に暗躍する中国人マフィアの抗争に巻き込まれるという内容で、当時のベストセラーであった。第116回の直木賞候補となった。
以後、第120回に『夜光虫』、第122回に『M』、第130回に『生誕祭』、第138回に『約束の地で』、第153回に『アンタッチャブル』で、たびたび直木賞候補となる。7度目のノミネートとなる第163回に、『少年と犬』で直木賞受賞[1]。
また、本名の坂東齢人(読み方は「としひと」「れいにん」両方あり)名義で『本の雑誌』などで推理小説・冒険小説を中心に文芸評論家として活動していたことがあった。なお、馳はプロレス評論やゲーム評論も手掛けており、ゲーム雑誌で古神陸、佐山アキラ、レーニンの名義で編集者、執筆者としてノベライズを出版している。
ゲームライターとしては主に『ポプコム』(小学館)のライターをしていた。勁文社を退職後、当時の『ポプコム』の副編集長に誘われ、退職金でNECのPC-9821RXを購入してゲーム記事を執筆していた[2]。好きなゲームは『プリンセスメーカー』で、実際に「レーニンの子育て日記」として当時のポプコムに連載している[3]。
作品は暗黒小説であり、謀略戦、騙し合いがストーリーの軸となっている。外国人マフィアややくざ、不良少年といった暗黒社会の住人が登場人物のメインだが、閉塞感に満ちた日々を送る普通の人々を題材とした作品や、テロリズムや戦争を題材とした作品も見られる。
尊敬する作家に山田風太郎と大藪春彦を挙げる。愛読書はジェイムズ・エルロイの『ホワイト・ジャズ』。
『BSマンガ夜話』の『デビルマン』の回で、子供の頃に影響を受けた作品として、『デビルマン』と『フランダースの犬』を挙げている (ハッピーエンドを期待して鑑賞したものがバッドエンドで締め括られる物語に衝撃を受けたと述べている)。
葉巻の愛好家で2005年から『月刊プレイボーイ』誌上で「俺流シガー読本」を連載、書籍化されている[4]。
嫌になったからバイトをバックレる若者の感覚について甘やかされて育ったからだとしている[5]。
経済至上主義の日本人の在り方が嫌い[6]。
結婚記念日は11月11日[7][8]。
『雨降る森の犬』の主人公は姪がモデルである[9]。 昭和時代の要因によってひどい国になったとしており昭和期の沖縄の小説を書きたいと2005年の「楽園の眠り」出版後のインタビューで話していたが、3年後に沖縄を舞台にした「弥勒世」が出版されている[10]。
いい親にはなれないという自覚があるため、子供はいないとし、気楽に子供をつくる人が多すぎると答えている[10]。
ノワールを意識して書いている日本の作家は今でも僕しかいないと思うと述べている[10]。
飼い犬のマージ(バーニーズ・マウンテン・ドッグ)のために、長野県軽井沢町に別荘を購入し、マージの死後は、軽井沢へ転居し、ブログで近況を紹介する。サッカーが好きで、好きな国はスペイン。写真撮影も趣味で、ペンネームでウェブ上に投稿もしている。パンク・ロックのファンで、BLANKEY JET CITYを高く評価する。
両親は日本共産党員で、父は元浦河町議会議員、母は元教員。本名の「齢人」はウラジーミル・レーニンに由来[11][12]。子供の頃は『しんぶん赤旗』日曜版の配達の手伝いをしていたという。また、選挙では1度も棄権したことはないという[13]。
競走馬ステイゴールドとその一族のファンであることでも知られる。小説すばる内で連載した「黄金旅程」は、ステイゴールドを題材とした内容である(黄金旅程はステイゴールドの漢字表記)。 なおTwitterも一族の勝利の喜びを妻以外とも分かち合いたくてを始めたとしている[14]。
太字が受賞したもの
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