柳 広司(やなぎ こうじ、1967年9月20日[1] -)は、日本の小説家・推理作家。三重県生まれ[2][3]。神戸大学法学部卒業[2][3]。
経歴
1998年、「挙匪(ボクサーズ)」で第4回歴史群像大賞佳作。2001年、原書房から刊行された『黄金の灰』で小説家デビュー。2008年に刊行された『ジョーカー・ゲーム』は、「このミステリーがすごい!」で第2位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第3位と高く評価された。2008年、同作で第26回吉川英治文学新人賞と第62回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。「ジョーカー・ゲーム」シリーズは累計で120万部を突破している[4]。
文学賞受賞・候補歴
ミステリ・ランキング
週刊文春ミステリーベスト10
このミステリーがすごい!
本格ミステリ・ベスト10
ミステリが読みたい!
作品
D機関シリーズ
- ジョーカー・ゲーム(2008年8月 角川書店 / 2011年6月 角川文庫)
- 収録作品:ジョーカー・ゲーム / 幽霊 / ロビンソン / 魔都 / XX
- ダブル・ジョーカー(2009年8月 角川書店 / 2012年6月 角川文庫)
- 収録作品:ダブル・ジョーカー / 蠅の王 / 仏印作戦 / 柩 / ブラックバード / 眠る男(文庫版のみ)
- パラダイス・ロスト(2012年3月 角川書店 / 2013年6月 角川文庫)
- 収録作品:誤算 / 失楽園(パラダイス・ロスト) / 追跡 / 暗号名ケルベロス
- ラスト・ワルツ(2015年1月 角川書店 / 2016年3月 角川文庫)
- 収録作品:アジア・エクスプレス / 舞踏会の夜 / ワルキューレ
ノンシリーズ
- 黄金の灰(2001年3月 原書房 / 2006年11月 創元推理文庫)
- 贋作『坊っちゃん』殺人事件(2001年10月 朝日新聞社 / 2005年3月 集英社文庫 / 2010年11月 角川文庫)
- 饗宴(シュンポシオン) ソクラテス最後の事件(2001年10月 原書房 / 2007年1月 創元推理文庫)
- はじまりの島(2002年7月 朝日新聞社 / 2006年9月 創元推理文庫)
- 新世界(2003年7月 新潮社 / 2006年10月 角川文庫)
- パルテノン - アクロポリスを巡る三つの物語(2004年7月 実業之日本社 / 2010年10月 実業之日本社文庫)
- 収録作品:巫女 / テミストクレス案 / パルテノン
- 聖フランシスコ・ザビエルの首(2004年10月 講談社ノベルス)
- 【改題】ザビエルの首(2008年8月 講談社文庫)
- 吾輩はシャーロック・ホームズである(2005年12月 小学館 / 2009年9月 角川文庫)
- トーキョー・プリズン(2006年3月 角川書店 / 2009年1月 角川文庫)
- シートン(探偵)動物記(2006年5月 光文社 / 2009年3月 光文社文庫)
- 【改題】シートン探偵記(2015年7月 文春文庫)
- 収録作品:カランポーの悪魔 / 銀の星 / 森の旗 / ウシ小屋密室とナマズのジョー / ロイヤル・アナロスタン失踪事件 / 三人の秘書官 / 熊王ジャック
- 百万のマルコ(2007年3月 創元推理文庫)
- 収録作品:百万のマルコ / 賭博に負けなし / 色は匂へど / 能弁な猿 / 山の老人 / 半分の半分 / 掟 / 真を告げるものは / 輝く月の王女 / 雲の南 / ナヤンの乱 / 一番遠くの景色 / 騙りは牢を破る
- 漱石先生の事件簿 猫の巻(2007年4月 理論社 / 2010年11月 角川文庫 / 2018年10月 角川つばさ文庫)
- 収録作品:吾輩は猫でない? / 猫は踊る / 泥棒と鼻恋 / 矯風演芸会 / 落雲館大戦争 / 春風影裏に猫が家出する
- 虎と月(2009年2月 理論社 / 2014年1月 文春文庫)
- キング&クイーン(2010年5月 講談社 / 2012年2月 講談社文庫) - 書き下ろし100冊
- 最初の哲学者(2010年11月 幻冬舎)
- 【改題】ソクラテスの妻(2014年12月 文春文庫)
- 収録作品:オイディプス / 異邦の王子 / 恋 / 亡牛嘆 / ダイダロスの息子 / 神統記 / 狂いの巫女 / アイギナの悲劇 / 最初の哲学者 / オリンポスの醜聞 / ソクラテスの妻 / 王女メディア / ヒストリエ
- ロマンス(2011年4月 文藝春秋 / 2013年11月 文春文庫)
- 怪談(2011年12月 光文社 / 2014年6月 講談社文庫)
- 収録作品:雪おんな / ろくろ首 / むじな / 食人鬼 / 鏡と鐘 / 耳なし芳一
- 楽園の蝶(2013年6月 講談社)
- ナイト&シャドウ(2014年7月 講談社 / 2015年6月 講談社文庫)
- 象は忘れない(2016年2月 文藝春秋 / 2020年2月 文春文庫)
- 収録作品:道成寺 / 黒塚 / 卒都婆小町 / 善知鳥 / 俊寛
- 柳屋商店開店中(2016年8月 原書房)
- 風神雷神 風の章 雷の章(2017年8月 講談社 / 2021年3月 講談社文庫)
- 太平洋食堂(2020年1月 小学館) - 実在する医師の大石誠之助が主人公。
- アンブレイカブル(2021年1月 角川書店)
- 南風に乗る(2023年3月 小学館)
アンソロジー
「」内が柳広司の作品
- 本格ミステリ03(2003年6月 講談社ノベルス)「百万のマルコ」
- 【改題】論理学園事件帳(2007年1月 講談社文庫)
- 本格ミステリ05(2005年6月 講談社ノベルス)「雲の南」
- 【改題】大きな棺の小さな鍵(2009年1月 講談社文庫)
- 本格ミステリ07(2007年5月 講談社ノベルス)「熊王ジャック」
- 【改題】法廷ジャックの心理学(2011年1月 講談社文庫)
- ザ・ベストミステリーズ 2007 推理小説年鑑(2007年7月 講談社)「熊王ジャック」
- 【分冊・改題】ULTIMATE MYSTERY 究極のミステリー、ここにあり ミステリー傑作選(2010年4月 講談社文庫)
- 名探偵の奇跡(2007年9月 光文社カッパ・ノベルス / 2010年5月 光文社文庫)「カランポーの悪魔」
- 本格ミステリ09(2009年6月 講談社ノベルス)「ロビンソン」
- 【改題】空飛ぶモルグ街の研究(2013年1月 講談社文庫)
- 短篇ベストコレクション 現代の小説2010(2010年6月 徳間文庫)「日本推理作家協会賞殺人事件」
- 暗闇を見よ(2010年11月 光文社カッパ・ノベルス / 2015年4月 光文社文庫)「ろくろ首」
- あの日、君と Boys(2012年5月 集英社文庫)「すーぱー・すたじあむ」
- ベスト本格ミステリ 2012(2012年6月 講談社ノベルス)「失楽園」
- 【改題】探偵の殺される夜 本格短編ベスト・セレクション(2016年1月 講談社文庫)
- 私がデビューしたころ ミステリ作家51人の始まり(2014年6月 東京創元社)※エッセイアンソロジー「下僕の誕生」
- 短編少年(2017年5月 集英社文庫)「すーぱー・すたじあむ」
- 推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ(2017年8月 角川文庫)※エッセイアンソロジー「七〇周年に寄せて」
- 超短編! 大どんでん返し(2021年2月 小学館文庫 ISBN 978-4-09-406883-2)「阿蘭陀幽霊」
エッセイ
- 二度読んだ本を三度読む(2019年4月 岩波新書)
メディア・ミックス
映画
テレビアニメ
漫画
作画:霜月かよ子
作画:仁藤すばる
- ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION 1(2016年5月 ブレイドコミックス)
- ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION 2(2016年10月 ブレイドコミックス)
- ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION 3(2017年4月 ブレイドコミックス)
- ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION 4(2017年10月 ブレイドコミックス)
- ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION 5(2018年3月 ブレイドコミックス)
脚注
関連項目