初のミニ・アルバム『Smile』(1992年)をリリースしたTUBEは、同作を受けたコンサートツアー「TUBE LIVE AROUND '92 I Love Your Smile」を同年4月26日の綾瀬市文化会館公演を皮切りに、7月15日の厚木市文化会館公演まで39都市全45公演を実施した[3]。ツアー中の6月13日には12作目となるアルバム『納涼』(1992年)をリリースした[4]。その後野外ライブツアー「TUBE LIVE AROUND SPECIAL '92 夏だヨ! 全員集合」を同年8月7日のナゴヤ球場公演、8月16日の横浜スタジアム公演、8月30日の阪神甲子園球場公演の3都市全3公演を実施した[5]。同ツアーのオープニングにおいて、前田亘輝はウェットスーツを着用し足にはサーフボードを取り付けた宙吊りの状態で登場し、初めて前田自身が体を張ったパフォーマンスを行ったことで聴衆から大歓声が上がることになった[6]。以降、前田のオープニングパフォーマンスは恒例行事となった[6]。
また歌詞に関しても同書では「TUBE Rediscover TUBEの方針がうかがえる」と主張しており、「Dream Forever」における核心的なメッセージが「あの頃は若かったなんて死んでも言いたくないという反骨精神」であることや、「夢見る星屑」における「一度や二度の挫折は当たり前という前向きさ」というメッセージ性はTUBEが持ち続けている価値観であると記している[14]。また同書では「TUBE Rediscover TUBE」の方針において表面化されたのが「各方面での<5人目のTUBE>」の存在感であると主張、サウンド・アドバイザーでありキーボード担当の小野塚晃やB'zやZARDの生みの親であるプロデューサーの長戸大幸、「いいじゃん・ハワイアン」においてウクレレを演奏し前作収録曲である「ウルトラ・どぴーかん」においてはギターソロを披露したディレクターの小松久、ライブにおいても常連となっている伊藤一義など、デビュー当時からTUBEと共に制作に携わってきたスタッフがいるからこそ「TUBE Rediscover TUBE」が可能であったと同書では記している[14]。また本作によってTUBEメンバーの成長が明確になっていると同書では主張しており、7作目のアルバム『Beach Time』(1988年)収録曲である「サヨナラMy Home Town」が11作目のアルバム『湘南』(1991年)収録曲である「茅ヶ崎Pipeline」、前作収録曲である「あばよMy School Days」から本作収録曲である「My Little Super Star」へと繋がっていく流れに関して、「旅立ち=卒業をテーマにしながらも、より高度な作品になっている」と指摘した上で「この楽曲に象徴されるように、自分達のスタンダードをやることで、一次元上にいるTUBEを見せた一作だ」と総括している[14]。音楽ライターである藤井徹貫は、リリース当時に思春期の15歳に当たる人物は1978年生まれであると指摘し、ミュージシャンでは持田香織(Every Little Thing)、堂珍嘉邦(CHEMISTRY)、ファンキー加藤 (FUNKY MONKEY BΛBY'S)、矢井田瞳、長瀬智也 (TOKIO)などがその世代に当たると例に挙げた[15]。また藤井は同時期にJ-POPという呼称が流通し始め、1980年代まで歌謡曲とフォークソングやロックなどの非歌謡曲の垣根が完全に崩壊した時期であり、SPEEDやモーニング娘。が崩壊の象徴であると主張している[15]。本作収録曲の「浪漫の夏」もロックでありながらポップスでもあり、洋楽のようでありながら歌謡曲の要素も導入されているなどジャンル分けが不可能であるため、藤井は「最もJ-POPらしいJ-POPということなのかもしれない」と述べている[15]。
音楽情報サイト『CDジャーナル』では、当時エルニーニョ現象によって冷夏になっていた影響で冷房の売れ行きが悪いことを挙げ、TUBEの作品の売れ行きを心配するコメントを記した上で、「納豆のように糸を引くTUBE節」の中に「女神達よそっとおやすみ」および「My Little Super Star」のような「泣かせるバラード」が組み込まれていることについて「今回もアレコレ楽しませてくれます」と肯定的に評価した[16]。
本作リリース前にミニ・アルバム『Say Hello』を受けたコンサートツアーが「TUBE LIVE AROUND '93 Say Hello」と題して、1993年4月23日の伊勢原市民文化会館公演を皮切りに開始され、同年7月12日のグリーンホール相模大野公演まで37都市全45公演が行われた[5]。また野外ライブツアーは「TUBE LIVE AROUND SPECIAL '93 だって夏じゃない」と題して、同年7月31日のキロロリゾート公演、8月4日のナゴヤ球場、8月8日の北九州ベイスクエア公演、8月15日の横浜スタジアム公演、8月31日の阪神甲子園球場公演の5都市全5公演が行われた[5]。