全国高等学校野球選手権山形大会(ぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんやまがたたいかい)は、山形県で開催されている全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の地方大会。
山形県はかつて高校野球の世界において、全国下位が定位置の地域と称されてきた。それを象徴する出来事として、1985年・第67回大会が挙げられる。この年の代表・東海大山形は、初戦(2回戦)で優勝したPL学園(大阪)に、甲子園大会(春・夏共に)において史上唯一の毎回得点を許すなど、結果スコアは「7-29」という歴史的な大敗を喫した。
2次予選が存在した時代、県勢の2次予選初制覇・初の本大会出場は1936年・22回大会の山形東だったが、甲子園での勝利は遠く、さらに1959年(41回)から72年(54回)の2次予選(西奥羽大会)ではすでに全国での実績豊富な秋田代表に12連敗、甲子園(全国大会)は5年に一度しかたどり着けない(当時は西暦3と8の年・記念大会だけが2次予選なし・全国大会全都道府県参加だった)夢のまた夢の場所という、不遇の時代を過ごしてきた。しかし1973年・55回大会で日大山形が鹿児島実を2-1で下し、県勢全国大会14回目の挑戦で悲願の初勝利を挙げた。これは正式な2次予選廃止、47都道府県・49代表制導入元年となる1979年・61回大会で比叡山高校が初勝利を挙げる滋賀代表に次ぐ49代表中2番目に遅い記録である。
以来、山形県の高校野球は日大山形・東海大山形という大手私大系列校2校と1990年代後半から2000年代に成長した庄内勢、酒田南・鶴岡東を軸に展開し、徐々に全国上位をうかがうチームも送り出すようになった。このため公立の代表校が出るケースは少ないが2010年・92回大会ではこの年のセンバツに21世紀枠で出場の山形中央が初出場(センバツ21世紀枠の春夏連続出場は2001年の宜野座以来2回目で以降達成校は現れていない)、4年後には初勝利も挙げた。
2006年・第88回大会では日大山形が3回戦で、今治西(愛媛)戦で延長13回の末11x-10で逆転サヨナラ勝ちを収め、山形県勢としても夏の甲子園で初のベスト8進出を果たした。準々決勝では優勝した早稲田実(西東京)に2-5で敗れ、山形県代表の準決勝進出はならなかった。
それから7年後の2013年・第95回大会では同じく日大山形が、日大三・作新学院・明徳義塾と過去の優勝校を次々と破り、山形県代表としては初めて、かつ全代表の中では48番目のベスト4進出を果たした(これにより夏の選手権全国大会で準々決勝進出が最高成績の地域は富山のみとなった。ただし富山勢はセンバツでは準決勝進出の経験がある)。しかし、準決勝では優勝した前橋育英(群馬)に1-4で敗れ、山形県代表の決勝進出はならなかった。
47都道府県・49代表制になった1978年・第60回大会から2019年・101回大会までの42年間、山形代表が初戦を勝ち上がったのは13回、勝ち上がり率.309である。また、2016年時点で夏の甲子園大会で山形代表の通算成績は23勝56敗・勝率.291で、47都道府県・49代表中最下位だった。
2021年の決勝戦はNHK・YTS両局とも東京オリンピックの中継を行うため、NHKはサブチャンネルで中継。YTSは「バーチャル高校野球」で配信し、地上波は7月26日に録画中継した。2024年の決勝については、当初7月26日を予定していたが、当日雨天中止となり翌27日に延期され、さらにパリ五輪開会式ダイジェスト放送が予め決まっていたことから、録画中継となった。
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