セントライト記念(セントライトきねん)は、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GII)である。1995年から菊花賞トライアルに指定[3]されており、競馬番組表での名称は「朝日杯セントライト記念(菊花賞トライアル)」と表記される[1]。
競走名のセントライト(父ダイオライト、母フリッパンシー)は1941年に横浜農林省賞典四歳呼馬(現・皐月賞)、東京優駿、京都農林省賞典四歳呼馬(現・菊花賞)を制し、日本競馬史上初の三冠馬となった[3]。種牡馬となってからもオーライト(第15回平和賞優勝)やオーエンス(第21回天皇賞優勝)などの活躍馬を輩出し、1984年にはその功績を称えて顕彰馬に選出された[3]。
2014年より寄贈賞を提供する朝日新聞社は、東京など全国4ヶ所に本社を置く新聞社[4]。東京朝日新聞以来の伝統を持つ朝日新聞東京本社が所管する。
正賞は朝日新聞社賞[1](朝日新聞社は菊花賞でも正賞の一つに名を連ねている)。
概要
日本競馬史上初の三冠馬であるセントライトを記念して1947年に創設された、4歳(現3歳)馬限定の重賞競走[3]。創設時は東京競馬場の芝2400mで別定戦として行われていたが、施行距離や施行場は幾度かの変遷を経て、1980年から中山競馬場・芝2200m(外回り)で定着[3]。1955年までは牡馬限定戦で行われていた[3]。
朝日新聞の寄贈賞は、2013年まで中山競馬場で行われていたGI朝日杯フューチュリティステークスが阪神競馬場へ移設されるのに際して、関東地区に「朝日杯」の名が付く重賞を残すため、同年まで同じ時期に阪神競馬場で施行されていたGIII朝日チャレンジカップ(現・チャレンジカップ)からの振り替えで付けられるようになった。それ以前の2011年までは関東地方で競馬中継(『競馬実況中継』)を実施しているアール・エフ・ラジオ日本(旧・ラジオ関東)の寄贈賞があり「ラジオ日本賞セントライト記念」と呼ばれていた[3]。
1991年から当レース3着までの馬に菊花賞の優先出走権が付与される「菊花賞指定オープン重賞」(1995年以後はすべての指定オープンがトライアル競走に正式認定)となった[4]。外国産馬は、2007年より優先出走権が付与されるようになった[5]。
地方競馬所属馬は1995年より出走が可能になった[6]。外国産馬は2001年より出走可能になり、2010年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[6][7]。
2017年からは、JRA設立を記念した9月の3日間開催『JRAアニバーサリーウィーク』の掉尾を飾る重賞として定着している。
競走条件
以下の内容は、2024年現在[1][2][8]のもの。
出走資格:サラ系3歳
- JRA所属馬
- 地方競馬所属馬(後述)
- 外国調教馬(優先出走)
負担重量:馬齢(牡・せん57kg、牝55kg)
菊花賞のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は菊花賞の出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められ[9][10]、3歳春のクラシック競走・NHKマイルカップで2着以内の成績を収めた馬にも出走資格がある[9][10]。
賞金
2023年の1着賞金は5400万円で、以下2着2200万円、3着1400万円、4着810万円、5着540万円[1]。
歴史
- 1947年 - 4歳牡馬による別定の重賞競走として創設、東京競馬場の芝2400mで施行[3]。
- 1951年 - 出走条件を「4歳」に変更。
- 1955年 - 名称を「農林省賞典 セントライト記念」に変更(1957年まで)[6]。
- 1964年 - 名称を「ラジオ関東賞 セントライト記念」に変更(1981年まで)[6]。
- 1982年 - 名称を「ラジオ日本賞 セントライト記念」に変更(2011年まで)[6]。
- 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け。
- 1987年 - GII[注 1]に格上げ。
- 1991年 - 3着までの馬に菊花賞の優先出走権が与えられる。[6]
- 1995年
- 2000年 - 地方競馬所属馬の出走枠を3頭に拡大[6]。
- 2001年
- 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳」に変更。
- 混合競走に指定され、外国産馬が出走可能になる[6]。
- 2003年 - 負担重量を馬齢重量に変更。
- 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIに変更[5]。
- 2010年
- 国際競走に変更され、外国調教馬が9頭まで出走可能となる[7]。
- 格付表記をGII(国際格付)に変更[7]。
- 2014年 - 名称を「朝日杯セントライト記念」に変更[3]。
- 2020年 - 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[11]。
歴代優勝馬
コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
中央所属馬の所属表記は1947年が「競馬会(日本競馬会)」、1948年 - 1953年は「国営」、1954年以降は「JRA」としている。
脚注・出典
参考文献
- 「ラジオ日本賞セントライト記念(菊花賞トライアル)(GII)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、823-903頁。
注釈
- ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
出典
各回競走結果の出典
- 『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』 第1回~第58回
- “レース成績データ”. 日本中央競馬会. 2016年9月21日閲覧。
- (2024年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2024年9月17日閲覧。(索引番号:25059)
- (2023年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2023年10月3日閲覧。(索引番号:25059)
- (2022年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2023年9月10日閲覧。(索引番号:25059)
- (2021年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2021年9月25日閲覧。(索引番号:25059)
- (2020年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2020年9月22日閲覧。(索引番号:25059)
- (2019年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2020年9月19日閲覧。(索引番号:25059)
- (2018年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2020年9月19日閲覧。(索引番号:25059)
- (2017年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2017年9月19日閲覧。(索引番号:25059)
- (2016年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 6. 2016年9月21日閲覧。(索引番号:25047)
- (2015年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2015年9月22日閲覧。(索引番号:25059)
- (2014年)“第3回 新潟競馬 第4日” (PDF). p. 6. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:25047)
- (2013年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:25059)
- (2012年)“第4回 中山競馬 第5日” (PDF). p. 6. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:25059)
- (2011年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 6. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:27047)
- (2010年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 11. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2009年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 11. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:25047)
- (2008年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 11. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2007年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 11. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2006年)“第4回 中山競馬 第4日” (PDF). p. 11. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2005年)“第4回 中山競馬成績集計表” (PDF). pp. 2898-2900. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2004年)“第4回 中山競馬成績集計表” (PDF). pp. 2913-2914. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2003年)“第5回 中山競馬成績集計表” (PDF). pp. 2886-2887. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:26047)
- (2002年)“第4回 新潟競馬成績集計表” (PDF). pp. 2735-2736. 2014年9月22日閲覧。(索引番号:25047)
- netkeiba.comより(最終閲覧日:2024年9月17日)
外部リンク