朝日時代小説大賞(あさひじだいしょうせつたいしょう)は、株式会社朝日新聞出版の設立を記念して2009年に創設された[1]同社が主催する[2]公募の文学賞である。朝日新聞社出版部門の伝統を受け継ぎつつ、21世紀の新たな時代小説の書き手を発掘することを目的とする。「従来の枠にとらわれない時代小説の書き手を発掘する賞」をうたっている[2]。未発表の長編の時代小説が募集されている[2]。賞金として大賞受賞者には200万円が贈呈される[2]。テレビ朝日が協賛しており、優秀な作品はテレビ朝日でのドラマ化が検討される[2]。入選作は『小説トリッパー』で発表される[2]。受賞作は朝日新聞出版より刊行される[2]。2018年9月、第10回を最後に休止が発表された。
最終選考委員
受賞作一覧
特記がなければ、初刊は朝日新聞出版、文庫は朝日文庫刊。
回(年) |
応募総数 |
賞 |
受賞作 |
著者 |
初刊 |
文庫化
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第1回(2009年) |
381編 |
受賞 |
該当作なし
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候補 |
「或いは躍りて淵に在り」 |
平野正和 |
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「銀湾初風」 |
天田式 |
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「橘の里」 |
浅野竜 |
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「平賀源内でいこう!」 |
福田政雄 |
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第2回(2010年) |
163編 |
受賞 |
「忍び外伝」[注 1][3] |
乾緑郎 |
2010年11月 |
2013年10月
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候補 |
「島守たちの挽歌」 |
清村春雪 |
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「薬種御庭番」 |
高田在子 |
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第3回(2011年) |
161編 |
受賞 |
「隈取絵師」[注 2][4] |
平茂寛 |
2012年3月 |
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候補 |
「凜として、雲」 |
小崎真也 |
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「蟷螂の斧」 |
手塚歪 |
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「樺戸監獄異聞 緋色の轍」 |
三笠咲 |
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第4回(2012年) |
146編 |
受賞 |
「無名の虎」 |
仁志耕一郎[注 3] |
2012年11月 |
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候補 |
「ただ君がため」 |
新井宏至 |
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「西ノ岡の詐欺師」 |
金丸洋明 |
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「北越潜行伝――我ラハ朝敵ニ非ズ」 |
三笠咲 |
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第5回(2013年) |
182編 |
受賞 |
「火男」[5] |
吉来駿作 |
2013年12月 |
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候補 |
「孤城、陥ちず」 |
新井宏至 |
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「闇夜に散る紅葉と式」 |
今桐継 |
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「流星の秋」 |
金丸洋明 |
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「関白殿ご謀叛」 |
指方恭一郎 |
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第6回(2014年) |
190編 |
受賞 |
該当作なし
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優秀作 |
「大坂誕生」 |
片山洋一 |
2015年3月 |
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「決戦!熊本城――肥後加藤家改易始末」[注 4] |
松永弘高 |
2015年3月 |
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候補 |
「マノエル在昌」 |
市原麻里子 |
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「謀りの島」 |
仁藤次郎 |
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第7回(2015年) |
182編 |
受賞 |
「信長の肖像」[注 5][6] |
志野靖史 |
2015年12月 |
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候補 |
「疾風、滝川一益」 |
佐々木興一 |
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「西の暁」 |
森山光太郎 |
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第8回(2016年) |
203編 |
受賞 |
「堀に吹く風」[7] |
木村忠啓 |
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候補 |
「翡翠の力士」 |
天野行人 |
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「約束の汀」 |
森裕之 |
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「八咫烏の裔」 |
森山光太郎 |
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第9回(2017年)
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197編
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受賞
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「商人伊賀を駆ける」[8]
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諏訪宗篤
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候補
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「奥州復興」
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過能健二
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「室町の流星」
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森裕之
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第10回(2018年)
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160編
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受賞
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「火神子―天孫に抗いし者―」[9]
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森山光太郎
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候補
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「黒鉄のサムライ」(「安土」改題)
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住吉海音
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「忠治の女と用心棒」
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森裕之
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「火神子―天孫に抗いし者―」
|
森山光太郎
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脚注
注釈
- ^ 「忍法煙之末」を改題
- ^ 「隈取絵師・鍬形恵斎」を改題
- ^ 「西田耕二」より改名
- ^ 「泰平に蠢く」を改題
- ^ 「信長のおもかげ」を改題
出典
外部リンク