『獣電戦隊キョウリュウジャー』(じゅうでんせんたいキョウリュウジャー)は、2013年2月17日から2014年2月9日まで、テレビ朝日系列で毎週日曜7時30分 - 8時(JST)に全48話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマのタイトル、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。
キャッチコピーは「史上最強のブレイブ!!」[1]。
前作『特命戦隊ゴーバスターズ』が挑戦作であったのに対し、本作品ではストレートな”王道”の戦隊が志向されている[2]。モチーフは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』『爆竜戦隊アバレンジャー』に続く3度めの「恐竜」になっている[3]。作品コンセプトとして、東映チーフプロデューサーの大森敬仁は「強い戦隊」、パイロット監督の坂本浩一は「王道戦隊」という要素をそれぞれ掲げている[4]。
キョウリュウジャー側のデザインは「噛みつく」というコンセプトでまとめられている[5]。初期メンバーの色構成は赤・黒・青・緑・桃という、シリーズ初の構成が採られている[6]。『電撃戦隊チェンジマン』(1985年)以来、28年ぶりのイエロー不在の作品となっているが[注釈 1]、代わりに各ヒーローの挿し色としてイエローが用いられている[7][5]。また従来の戦隊にはない新たな要素として肩アーマーが付けられている[8][9]。
変身シーンや獣電竜のカミツキ合体のシーンなどでサンバなどの民謡音楽が取り入れられているのも特徴である。プロデューサーの大森からの「聴いたことのないような変身音」と「大ヒットとなった『仮面ライダーオーズ/OOO』を超えるものを」という提案を受け、それまでの作品に多かった機械的な効果音ではなく音楽が用いられた[5]。音楽やダンスは劇場版で物語上の設定として掘り下げられ、テレビシリーズ後半での重要な展開にも組み込まれている[10]。
オープニング映像や本編における各メンバーの個別での紹介映像とともに出演者紹介のテロップが画面に現れるフォーマットや、CM前後のアイキャッチ映像と音楽[注釈 2]、また変身後の各戦士ごとの名乗りやブレイブ2(第2話)からの変身バンク[注釈 3]、さらに初期には敵幹部や怪人が初登場した際のテロップといった、シリーズが進む中で踏襲されなくなったさまざまな要素が本作品で再度導入されている。また、従来のシリーズ作では変身後の名乗りに使う程度だった「戦隊」というワードをリーダーであるキョウリュウレッドの「俺たちは戦隊だ!」という口癖に取り入れ、メンバーの結束の象徴として多用している[12]。アクションでは坂本の得意とするワイヤーアクションが多用され、トランポリンの使用も避けられていた前作と差別化されている[13][14]。前作での巨大戦をルーチンワーク化しないという方向性は引き継いでおり、前作がストーリー面で変化をつけたのに対し、本作品ではヒーローと巨大ロボットのアクションを同じ画面で見せるなど、画面作りで変化をつけている[12]。また前作のノウハウを引き継いだオープンセットでの特撮も用いられている[15]。最終回はスーパー戦隊シリーズでは珍しく、戦隊メンバー全員が揃っての変身をしないものとなった[12]。
テレビシリーズの撮影は2013年内に終了しており、年明けからの『烈車戦隊トッキュウジャー』の撮影とは重複せずに撮り終えている[13][注釈 4]。
本作品独自のコレクターアイテムとして獣電池が登場する。通年での玩具展開が行われる連動アイテムは前作では廃されたが、それに代わる展開も明確化されなかったため再び導入された[5]。
またDXロボ玩具では、各マシン単体での販売が中心で、一部店舗を除きDX合体セットBOXの一般販売はなかった『ゴーバスターズ』に対し、本作品では当初より1号ロボである「キョウリュウジン」のDX合体セットBOXが一般販売されている。
玩具全体の売上は第3四半期時点で『ゴーバスターズ』の年間通算売上(96億円)を上回る110億円に到達し[17]、最終的には2011年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』も上回る144億円を叩きだした[18]。「変身銃ガブリボルバー」はこの売上を特に牽引した商品であり、なりきり玩具としては前年と比較して数量で約3倍、金額にして約4倍の売上を記録した[19]。また、「カミツキ合体DXキョウリュウジン」は2013年夏までに20万個を売り上げ、販売推移としては直近10年で最高の記録となった[19]。
遥かな太古、地球に飛来した暗黒種であるデーボス。それと戦った当時の地球の覇者が恐竜たちであった。賢神トリンは選ばれた恐竜たちに機械の身体を与え、自らの魂を重ねて「獣電竜」とし、デーボスに反撃する。彼らの反撃を受けたデーボスは魂を氷漬けにされ、海に封印された。
そして現代、デーボスの部下たちであるデーボス軍が復活。これに対抗すべく賢神トリンは選んだ人間を獣電竜と戦わせ、その勝負に勝った人間にキョウリュウジャーに変身できる力を与える。そして再びキョウリュウジャーとデーボス軍との戦いが始まった。
十大獣電竜に打ち勝った「強き竜の者」たちで結成されたチーム[20]。
当初はお互いの素性を隠していたために、集合するタイミングが悪いことで衝突があったものの[注釈 5]、ダイゴの尽力もあって全員の素性がわかってからはダイゴを中心に戦うこととなる。詳細は#設定・用語を参照。
名乗り後の決めゼリフは主にレッドが言うが、回によっては別のメンバーが言う場合があり、その際には言い回しが使用するメンバーの口調に合わせたものに変わる。
名乗りの口上は「史上最強のブレイブ、獣電戦隊キョウリュウジャー!」[21]。
キョウリュウシアン・グレー・バイオレット・シルバーの4人(番外戦士)は、主要メンバー6人とは基本的に別行動をとる。いずれもそれぞれの理由で2名が変身している[注釈 6]。このうち、スピリットが変身したシアン・グレーはスピリットレンジャーを名乗る。
獣電竜アンキドンをパートナーに持つ鋼の勇者[出典 21]。
獣電竜ブンパッキーをパートナーに持つ激突の勇者[出典 22]。
獣電竜プレズオンをパートナーに持つ海の勇者[出典 24]。弥生が変身したものはスカートを着用している。一部の資料では、ドクターが変身したものをキョウリュウバイオレット(ドクター)と表記している[22][20]。
アームド・オンを行うことはできない[80][81]。
獣電竜ブラギガスをパートナーに持つ閃光の勇者[出典 26]。変身の際にはギガガブリボルバーを使用し、他のキョウリュウジャーとは異なるヘヴィメタル調の音楽が流れる。
ほとんどの名前は、恐竜の化石が多数発掘された福井県の地名が由来。
アームド・オンによって出現するキョウリュウジャー各自の専用装備[128][27][注釈 85]。装備と同時に右腕全体に恐竜の背びれを模した銀色の追加装甲が装着される[133]。
#設定・用語も参照。パラサガンを始め、獣電巨人の腕を構成する獣電竜は左右どちらにも合体可能となっている。
機械ではなく生命体に該当する。内部空間に操縦桿はなく、個別のステージに乗ったメンバーの動きをトレースして動く。
獣電巨人が大きなダメージを負うと、操縦者にもダメージが及ぶ。また、1人でも操縦は出来るが、人数が減るほど操縦者の負担は大きくなる。
ブレイブ2から登場[168]。ガブティラ、ステゴッチ、ドリケラがカミツキ合体して竜が人になった獣電巨人の汎用戦闘形態[出典 72]。ガブティラにステゴッチ、ドリケラ獣電池を読み込ませて、ステゴッチとドリケラがガブティラに噛みつき、スピリットを流し込むことで合体する。合体時に流れるテーマソングはガブリボルバーでの変身と同じ陽気なサンバ調[173][180]。
右腕にステゴッチシールド[173][181]、左腕にドリケラドリル[173][181]を装備。獣電竜を召喚したレッド、ブルー、ピンクの3人は合体完了後のキョウリュウジンのコクピットに自動転送される。また、ブラックとグリーンがコクピットに加わることで、ステゴッチシールドが変形した最強の武器五連獣電剣(ごれんじゅうでんけん)[出典 73]が使用可能になる[注釈 98]。
必殺技は右肩のガブティラヘッドからキョウリュウスピリットの強力な破壊エネルギー[182]を放つキョウリュウジン・ブレイブフィニッシュ[出典 74]、五連獣電剣で切り裂く獣電剣ブレイブフィニッシュ[出典 75][注釈 99]。
当初キョウリュウジンの操縦者はレッド+腕のパーツとなった獣電竜のパートナーの3人で務めており、戦闘中に腕を換装した時は換装前のパーツを構成していた獣電竜のパートナーも引き続きコックピットに残るため4人で操縦したりもしていたが、五連獣電剣を使用するようになってからは5人そろえていない場合やプテライデンオーにレッド以外の4人のいずれかの獣電竜がカミツキ合体をしている場合を除いて形態にかかわらず初期メンバーの5人全員が搭乗[注釈 100]するようになる。
ブレイブ9から登場。プテラゴードンが単独でカミナリ変形し、雷電の王になった獣電巨人[出典 82]。変形時に流れるテーマソングは三味線とエレキギターによるハードロック調[193][180]。ゴールドは変形完了後の内部空間に自動転送される[注釈 102]。
ドゴルドに操られていた際は、顔と胸部のバイザーが閉じ黒いマントを羽織っていたプテライデンオー(デーボス・イン)[出典 83][ep 23]となっていたが空蝉丸の解放と共に顔と胸部のバイザーが上がり黒いマントを脱ぎ捨てる[ep 20]。
武器は翼の前部分が変形したプテラカッター[193][181]と胸部のプテラヘッドから放つ高電圧の電気ビーム[出典 84][注釈 103]。
必殺技はプテラヘッドからの電磁光線で動きを封じたのち「横一閃(よこいっせん)」の掛け声とともにプテラカッターの回転斬りを放つプテライデンオー・ブレイブフィニッシュ[出典 85]。
ブレイブ21から登場[200]。プレズオンが単独でロケット変形した宇宙戦闘形態[出典 87]。変形時に流れるテーマソングは宇宙をイメージした鼓舞する電子音楽調[201][180]。レッドが単独で操縦[注釈 106]する。
右腕にビーム砲のプレズキャノン[出典 87]、左腕にロケットブースターで射出するプレズナックル[出典 87]を装備。他の獣電竜とカミツキ合体をする場合は、右腕にプレズキャノンがある都合上、左腕のみ合体出来る。
必殺技はプレズキャノンにキョウリュウスピリットを集束させて強力なビームを放つプレズオー・ブレイブフィニッシュ[200][201]。発動の際はプレズキャノン下部のレバーをポンプアクションの要領でスライドさせると同時に「3、2、1」のカウントダウンが行われる。
ブレイブ34から登場[200]。ブラギガスが背中に装填された13本のガーディアンズ電池にかみついて体内に取り込んで超カミツキ変形した剣闘士形態[出典 88]。変形時に流れるテーマソングは、大地を揺るがす「ギガント」コールが鳴り響く歓声音楽調[204][180][注釈 108]。スピリットベースにいる全員で操縦しており、操縦する際には出入口部分の床に1人分の操縦用のステージが現れ主にレッドが乗り、他のメンバーとトリン(シルバー)は両脇に並んでいる[注釈 109]。
武器として自身の身の丈ほどの巨大な斧ブラギオアックス[出典 89]を装備。全身の各部にガーディアンズの意匠である金色のレリーフガーディアンズシンボル[204][注釈 110]が刻まれている。
他の獣電巨人と異なり、腕によるカミツキ合体は行わない。
必殺技は全てのガーディアンズのスピリットをブラギオアックスに集束させて敵を斬り裂く超獣電ギガブレイブフィニッシュ[出典 89]。
トバスピノを中心にアンキドンとブンパッキーが強制カミツキ合体することで誕生する巨人。右腕にアンキドンハンマー・左腕にブンパッキーボールを装備しており、さらに右手にスピノブーメラン・左手にスピノディフェンサーを持っている。合体完了後はゴールドも含めた6人[注釈 113]で操縦している。
詳しくは劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック#獣電竜・獣電巨人を参照。
1億年前、白亜紀の地球に飛来した暗黒種デーボスを首領とする悪魔の軍団[90]。地球の支配種を滅ぼすという使命を持ち、太古の時代を支配していた恐竜を絶滅させたが、トリンと獣電竜によりデーボスの魂が北極に氷漬けにされて封印される。その後も有史となってからは1,500年前の鉄砕をはじめ、500年前のラミレスや400年前の空蝉丸の描写から敗退や休止期間を置きながらも侵略を繰り返している。
現代においては、百面神官カオスを初めとしたデーボスの部下が氷結城を拠点とし、デーボス復活のために人間から感情エネルギーを吸い取って捧げている。そのため、人間の「怒り」や「哀しみ」が集められる破壊的な作戦だけではなく、洗脳などで「喜び」や「楽しみ」といった感情を無理矢理集める破壊を伴わない作戦も行う。その最終目的はデーボスを復活させ、現代の支配種である人類を滅亡させることである。
構成員全員は、デーボスの細胞から生まれた存在である。また、各戦騎にはそれぞれ人の「喜怒哀楽」を司る部分を示す石膏の顔があるのが特徴。
カオスによって生み出されたデーボス復活に必要な感情を集める幹部たち。左胸には各々が司る感情を意味する石膏の顔のシンボルが見られる。戦騎と密偵の2種類がある。
キャスティングには、サブキャラクターやゲストキャラクターを中心に坂本浩一の意見が多く取り入れられており[注釈 147]、過去の坂本の担当作品からの参加も多い[11][注釈 148]。
キョウリュウブルー役の高田将司とキョウリュウグリーン役の浅井宏輔は、本作品が初の戦隊メンバー役である[50]。
キョウリュウバイオレット役の下園愛弓は、本作品が初めてのレギュラーではあるが、準レギュラーの追加戦士であるため、出番はほとんどないと言われたことから、終盤は舞台と稽古の掛け持ちでほとんど出演できなかったという[84]。
前作まで女性メンバーを担当していた蜂須賀祐一は、本作品から再び女性敵幹部を担当している[245]。
5度目のシリーズ参加となる大森敬仁がチーフプロデューサーを初担当した他、パイロット監督とメインライターには平成仮面ライダーシリーズにて共働の機会が多かった坂本浩一と戦隊シリーズ初参加の三条陸がそれぞれ起用され[注釈 165][注釈 166]、三条は劇場版なども含めた全話の脚本を手がけた[27][287][24]。
監督は坂本のほか、竹本昇、渡辺勝也、加藤弘之の4人でローテーションを組んでいるが、前半では『ぼくが処刑される未来』を監督した小中和哉や『仮面ライダー鎧武/ガイム』への参加を控えていた柴﨑貴行らもピンポイントで参加している[287]。大森は、坂本に等身大中心の話、竹本に巨大戦中心の話やコメディ回、渡辺にドラマ中心の話を割り振っており、加藤へは結果的に予算を節約する話が多くなっている[287]。坂本は同時期に『009ノ1』『白魔女学園』『赤×ピンク』の撮影も併行していたため、単独エピソード回の担当は少ない[11]。渡辺も『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』撮影のため一時外れている[87]。竹本は特撮班の動けない時に本編班で巨大戦を撮影する役割も担っており、既存の映像素材やボディの一部を用いた撮影などを多用している[16]。
劇中音楽は佐橋俊彦が担当した[288]。佐橋は1990年代以降東映特撮を多く担当しているが、スーパー戦隊シリーズを担当するのは『星獣戦隊ギンガマン』以来15年ぶりであり、佐橋自身も起用は意外であったという[289][注釈 167]。作曲にあたっては、近年のサウンドトラックの傾向を考慮せずスタンダードな音楽が目指され、佐橋の持つ戦隊シリーズでの音楽のイメージから金管楽器を主体としている[289]。ミュートトランペットによるフラッター奏法など近年のサウンドトラックでは用いられていなかった演奏法も多用している[289]。
キャラクターデザインは『炎神戦隊ゴーオンジャー』のCGキャラクターデザインや『特命戦隊ゴーバスターズ』の一部怪人デザインなどで参加していたK-SuKeを初めてメインデザイナーとして起用している[215][290]。また京田クリエーションの村田桃香も怪人デザインに参加し、スーパー戦隊シリーズ初の女性怪人デザイナーとなった[291][注釈 168]。
本作品ではオープニング、エンディング共に歌詞テロップが表示される[注釈 169]。またブレイブ11からはオープニング、エンディングの映像にキョウリュウゴールドおよび空蝉丸が追加された。ブレイブ27(映像ソフト版ではブレイブ25)からはオープニング映像が更新され、シアン・グレー・バイオレットの準レギュラー戦士3名(変身前のラミレス・鉄砕・弥生も含む)もオープニング序盤に登場するようになった[注釈 170]。
全編通して、話数表記は「ブレイブ○○」、サブタイトルは「○○!○○」というフォーマットでそれぞれ統一され[注釈 174]、後者は漢字が一切含まれないものとなっている。脚本は全話三条陸のため省略[299]。
各作品の詳細については当該項目を参照。
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