山口 崇(やまぐち たかし、1936年11月17日 - )は、日本の俳優、テレビ司会者、長唄三味線奏者、民話研究家。
本名:山口 岑芳(やまぐち たかよし)。兵庫県三原郡阿那賀村(のちの西淡町。現:南あわじ市)出身。所属事務所はオフィス天童[1]。長男は長唄唄方の三代目杵屋巳三郎(山口太郎)。長女は長唄三味線方の杵屋 巳織(きねや みおり)(山口由紀)。
来歴・人物
高校入学まで淡路島で育ち[2]、東京都立戸山高等学校を経て[3]、早稲田大学教育学部英文科中退[2]。学生時代は同学部学生自治会委員長だった。NHK俳優養成所、劇団三十人会、劇団俳優小劇場(1960年の旗揚げメンバー、1971年閉館)ののち[2]、1974年に小沢昭一、加藤武、山谷初男らと芸能座を結成(1980年解散)。
『天下御免』で主人公・平賀源内を演じ、「平賀源内=山口」と評されるほどの当たり役となった。
1970年から30年近くにわたって『大岡越前』で徳川吉宗役を演じた。1970年代前後には主役級の役をこなした。
石立鉄男、左時枝、小山田宗徳らとゲバラ財団という演劇グループを組み、毎週日曜日の夜に渋谷ジァン・ジァンで入場無料で公演を行っていた[4]。
俳優業のかたわら、1978年からはテレビ朝日系『クイズタイムショック』の2代目司会者となり、明るく親しみやすい語り口とユーモアも交えた名司会ぶりで人気を集め、1986年3月27日放送の最終回まで務めた。
民話や邦楽に造詣が深く、ドラマや舞台で三味線・琴・鼓などの演奏を披露をしている。2000年代以降は長年のライフワークであった民話研究家としての活動に比重をおいている。また、長唄では七代目杵屋巳太郎に師事し、本人も名取で長唄三味線方の杵屋 巳楓(きねや みふう)として活動している。また、年に1回は家族で演奏会を行ったり、一門の演奏会に出演したりもしている[5]。
主演作『天下御免』を自ら録画した第1回と最終回のビデオをNHKに寄贈している。
出演作品
テレビドラマ
映画
- 歌え若人達(1963年、松竹) - 香山
- おはなはん 第一部・第二部(1966年、松竹)
- 春一番(1966年、松竹) - 杉山治郎
- 横堀川(1966年、松竹) - 吾平
- なつかしい風来坊(1966年、松竹) - 伊達一郎
- 命果てる日まで(1966年、松竹) - 岡田健
- 若親分千両肌(1967年、大映) - 青柳栄吉
- あゝ君が愛(1967年、松竹) - 丹羽繁夫
- 若社長大奮戦(1967年、松竹) - 正木弘介
- 女たちの庭(1967年、松竹) - 加川
- 夜明けの二人(1968年、松竹) - 吉田徹也
- 夕月(1969年、松竹) - 北野英一郎
- 「されどわれらが日々」より 別れの詩(1971年、東宝) - 山口伸夫
- 辻が花(1972年、松竹) - 藤岡正憲
- 不毛地帯(1976年、芸苑社) - 兵頭繊維部員
- ふたりのイーダ(1976年) - 岡研二
- 春男の翔んだ空(1977年、現代ぷろ) - 青年・満田
- 雲霧仁左衛門(1978年、松竹) - 尾張中納言
- 翼は心につけて(1978年、翼プロ) - 朝倉医師
- 裸の大将放浪記(1981年、現代ぷろ) - 渡辺実
- この子を残して(1983年、松竹=ホリ企画) - 永井誠一
- 想い出のアン(1984年、翼プロ) - 野宮周平
- 白い町ヒロシマ(1985年、現代ぷろ=共同映画)
- 泰造(1985年、K&S) - UPI通信社社員・今西
- 記憶にございません!(2019年、東宝) - 柳友一郎
舞台
- 大岡越前
- 鶴来屋おゆう
- 花は散らない
- 天童よしみ くれない三度笠(2007年、新宿コマ劇場)
劇場アニメ
- 三国志シリーズ - 諸葛亮孔明〈成人〉
- 三国志 第二部・長江燃ゆ!(1993年)
- 三国志 完結編・遥かなる大地(1994年)
吹き替え
- バークレー牧場(1965年、NET) - サイラス:ナポレオン・ホワイティング
ラジオ
- 音とたかしと昔話(1973年1月6日 - 1977年11月26日、FM東京) ※ギャラクシー賞受賞
- 暗殺のソロ (1989年10月2日 - 10月6日、NHK-FM アドベンチャーロード) - モーガン大佐
テレビ番組
その他
- NNNドキュメント70(日本テレビ)※進行
- TIME21(日本テレビ)※ナレーション
- LPレコード TW-9003「輝く巨人軍 七連覇達成のドラマ」※語り
- そごう ※イメージキャラクター(そごう新店舗の開業日には一日店長を務めたこともあった)
- 澤田隆治追悼ドキュメンタリー(2021年、ABC) ※兵庫県南あわじ市の生家にて澤田隆治の大学卒業論文で古文書を閲覧していた旨の解説
著書
- 『昔ばなし出逢いの旅』(講談社、1975年)
- 『音と崇と昔ばなし』榛谷泰明共著(山形民話の会、1981年)
- 『とんと昔出逢いの旅 出羽路をたずねて』(高陽堂書店、1982年)
- 『こんな旅を知っていますか 自分だけの旅のつくり方・楽しみ方』(PHP研究所 ライフ・カレント、1983年)
- 『山口崇 民話の出逢い』(愛媛県文化振興財団、1984年)
脚注
注釈
- ^ 三谷幸喜は山口主演の『天下御免』の大ファンだったため、そのオマージュとして出演してもらった。
出典
外部リンク
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