原 由子 (はら ゆうこ、1956年 〈昭和31年〉12月11日 - )は、日本 の女性ミュージシャン 、シンガーソングライター [ 1] [ 2] 。ロックバンドであるサザンオールスターズ のメンバーで、キーボード ・ボーカル を担当[ 3] 。神奈川県 横浜市 出身[ 3] 。所属事務所はアミューズ [ 4] 。所属レコード会社 はJVCケンウッド・ビクターエンタテインメント [ 5] 、所属レーベル はタイシタレーベル [ 5] 。青山学院大学文学部 卒業。愛称は、原坊 (ハラボー)[ 3] 。
夫はサザンオールスターズのバンドマスター を務める桑田佳祐 [ 6] 。
概要
1978年にサザンオールスターズのメンバーとしてメジャーデビューを果たし、1981年に「I Love Youはひとりごと 」でソロ活動を開始した[ 7] 。サザンとソロ活動を両立し、ソロとして「恋は、ご多忙申し上げます 」「ハートせつなく 」「花咲く旅路 」などがヒットしている[ 8] 。ミュージシャンとしての活動ではソロコンサート、楽曲提供も行い、ほかにもエッセイの出版、CM・ラジオの出演など幅広く活動している。
人物
音楽性
サザンとしてデビューする以前は自分の声に自信がなかった。理由は小学生のころに「ウルトラセブンの歌 」を歌って父に買ってもらった小さなテープレコーダーに吹き込んだところ、原が言うにはその声が変な声だったからである。普段自分の頭を通して聴いている声と外に出ている声は違うと教えてもらって愕然とした。しかし、初めてメインボーカルを担当した「私はピアノ 」をレコーディングおよび発表して以降は、少しずつ自分の歌声に自信を持つようになった。桑田は原の歌声について、「彼女ってものすごく声域が広いとか、声が強いということではないんですよ。やりすぎない歌唱技術というのかな、独特で、繊細なものがある」と分析、また「音楽的に詳しいから、いろいろ相談しながらやっていくと楽しいんです」とリスペクトした[ 10] 。また、桑田は原の歌声の魅力を「日本の原風景 を感じさせる要素がある」と考えており、「花咲く旅路 」「京都物語 」「旅情 」などのそういったテーマの楽曲を提供している[ 11] [ 12] [ 13] [ 14] 。また、編曲家の曽我淳一 は原の歌声の魅力を「演歌 とは明確に違うちょっと和風 テイストなこぶし が原さんの真骨頂」と評している[ 15] 。サザンのコーラスについて、桑田は厚みを出しているのは原とドラムスの松田弘 であるといい、原と松田の相性の良さを指摘した[ 16] 。
サザン・ソロ問わず原の持ち歌は、桑田が制作したもの[ 注釈 1] 、原が制作したもの[ 注釈 2] 、桑田と原が共作したもの[ 注釈 3] 、交流のあるミュージシャンやサポートミュージシャンから詞や曲の提供を受けたもの[ 注釈 4] など多岐に渡っている[ 58] [ 59] 。サザン名義の楽曲でかつ桑田がボーカルを担当している「Oh! クラウディア 」は元々原のソロコンサートのアンコールで「昨日作った曲です」と紹介され、原のボーカル・ピアノ伴奏で歌われた楽曲であり、それに手を加えた形でのリリースとなったため、作詞・作曲のクレジット上は桑田のみだが、実際は桑田と原による共作であるといわれる[ 60] [ 61] 。歌詞や曲を書き上げるペースについては「物凄く悩んで時間をかけます(笑)」と語っている[ 62] 。また、歌詞を書くペースは遅く、桑田らからはソロ活動の間隔が開く原因の一つと指摘されている[ 11] 。原を取材したインタビュアーからは「瞬発力も擁する桑田さんと違って、原さんは熟考タイプだとお見受けしました」と評された[ 62] 。
作曲をすることよりも、アレンジ を考えたり、コーラスやカウンターのメロディー [ 注釈 5] をつけることを好んでいるといい、作曲をするのは、タイアップ先からのオファーや桑田からの助言があってからであるという[ 62] 。原は桑田の楽曲の特徴を理解しピアニストとして支えている[ 64] 。これについて原は「シンプル、それでいて心に残るようなフレーズを心掛けて弾いている」と話している[ 64] 。このこともあり桑田は原のことを「サザンオールスターズの羅針盤であり、桑田佳祐にとっての灯台」と語っている[ 65] 。この桑田の発言を聞いた俳優の古田新太 は「ハートと腕があるこそ言える言葉。支え合うことを知ってる人がステキな作品を作る」と高く評価する発言をした[ 15] 。サザンの楽曲である「ミス・ブランニュー・デイ 」のイントロはシンセサイザー が出始めて特性を理解したころにそれを駆使したテクノ っぽいイントロを取り入れることを桑田から提案され原が作ったものである[ 15] [ 66] 。また、「Bye Bye My Love (U are the one) 」「マチルダBABY 」「海 」「DIRTY OLD MAN 〜さらば夏よ〜 」「JAPANEGGAE (ジャパネゲエ) 」「メロディ (Melody) 」などのイントロや[ 64] [ 15] [ 67] 、「東京VICTORY 」および桑田のソロ名義の楽曲である「SMILE〜晴れ渡る空のように〜 」の”Wow Wow …“のコーラスの後半のハモリも原が作ったものである[ 68] [ 69] 。桑田はミュージシャンとしての原を「楽器のラインを書く才能がすごくある」「弦の鳴り方や歌に対しての楽器の乗せ方がすごく上手い」と評価している。また、桑田が原にミュージシャンとしてここだけは負けると思うこととして、「もしかしたら、本気で曲を作らせたら負けるんじゃないかな」「作る時のギターとピアノの違いっていうのがあるだろうけど、もしも同じ条件で作曲したら、原坊の方が断然上なんじゃないかと思いますよ」と語っており、理由は、桑田がステレオタイプ な作風であり、作曲のツールのひとつにバンドという形態が必要であるのに対し、原にはそういったところがなく、決してパロディー的な感覚で制作しないからであると述べている[ 58] 。サザンのメンバーで楽譜が読めるのは原のみであり、他のメンバーは感覚を頼りに音楽をやっている[ 70] 。ICレコーダー が普及する以前は桑田の楽曲の制作時に楽譜やコード譜などを原が適当にメモをする役割を担っていた[ 71] 。このこともあり黒柳徹子 は「あなた(原)がいないと彼(桑田)は成立しないんだなと思いました」と語っている[ 71] 。ただし、現在はコード譜に関しては桑田も書けるようになっている。レコーディングに向けたリハーサル合宿では桑田がコード譜をホワイトボードに書き、歌詞がついていない状態のメロディを歌い、それに合わせてメンバーが演奏していき、アレンジを模索していく方式がとられている[ 72] 。「夢をアリガトウ 」のレコーディング時には作者である桑田がサポートメンバーの片山敦夫に原のキーに合わせた際のコード進行のイメージを予め伝える場面が記録されている[ 73] 。また、ICレコーダーの普及後は編曲や全ての楽器を桑田が担当した「MUSIC TIGER 」「素敵な未来を見て欲しい 」のように原を頼らない形での楽曲制作やレコーディングが不定期ながら行われることもあった[ 74] [ 75] [ 76] 。また、桑田が言うにはコード譜が分かるようになってからも、テンション については原に考えてもらうことがあるという[ 77] 。
ライブやレコーディングでの主な使用機材としては、コルグ 社製のキーボードおよびローランド 社製のシンセサイザー「Jupiter-6 」を使用することが多い。特に後者をライブで使用することについては「ライブだと自分で弾かないとつまらない。自分で楽しむ為に手弾きでやっている」と話している[ 78] [ 15] 。
ピアノ だけでなくギター も弾くことができ、1995年のライブ『ホタル・カリフォルニア 』のアコースティックコーナーや『桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜 』2009年5月18日放送分 でその技量を披露した[ 79] [ 80] 。吉田拓郎 の楽曲をよく練習をしていたため「スリーフィンガー だけは今でも夫(桑田)より上手い」と自負するほどになっている。
桑田は「原さんには好きな曲を歌ってほしいと思うし、歌う曲を好きになってほしいと思う」と語ったことがあり[ 10] 、一方の原も「私はずっと桑田の音楽の大ファンなんです」と語っている[ 62] 。また、原は自身のベストアルバム『ハラッド 』の制作の際、サザン・ソロを含めたこれまでの作品を振り返り、「桑田にいい曲をいっぱい作ってもらったんだ」ということを感じ、涙が止まらなくなったという[ 82] 。
亀田誠治 は、サザンの楽曲のエロティックな表現の品格は原の存在により上がっていると評価している[ 83] 。また、桑田夫妻と交流がある竹内まりや は「サザンオールスターズの主体は原坊だと確信した」と評しており[ 84] 、後年に草野マサムネ (スピッツ )も原に対して竹内と同様の評価をしている[ 85] 。
趣味・嗜好
好きな歴史上の人物として坂本龍馬 を挙げており、きっかけは産休中に司馬遼太郎 の「竜馬がゆく 」を読んだことである。京都 を旅行した際に龍馬ゆかりの地を訪れた時の写真を、アミューズの後輩でNHK大河ドラマ 『龍馬伝 』の主演を務めた福山雅治 に送ったことがある[ 4] 。憧れの女優としては吉永小百合 を挙げており、『今晩は 吉永小百合です 』(TBSラジオ )2010年4月4日・12日放送分にゲスト出演し、共演を果たした。この回の収録にあたり吉永は原の著書『娘心にブルースを』を読み予備知識を持ったうえで番組を進行した。
吉田拓郎のファンで原が言うには「初恋みたいな感じで大好き」だったといい、拓郎が深夜放送 で、四角佳子 との結婚を発表した時にはショックで布団をかぶって一晩泣いたという[ 88] 。落語 ファンである桑田の影響もあり、夫婦そろって3代目 桂春蝶 のファンになったことを述べている[ 注釈 6] 。寅さん(男はつらいよ )のファンで、寅さんの少年時代を描いた映画「少年寅次郎」の語りを担当したことがある[ 91] 。
ボウリング ファンの桑田の影響で2016年からボウリングを本格的に開始した。かつては100点だったスコアも近年は上昇傾向にある[ 92] [ 93] [ 94] 。2019年2月に桑田が旗振り役のボウリング大会「KUWATA CUP 2019」で始球式を行った[ 95] 。プライベートではピラティス などの運動も行っている[ 92] 。
コロナ禍 における巣ごもり の際には、親戚からの情報を頼りに夫である桑田のルーツ[ 注釈 7] を調べて楽しんでいた旨を語っている[ 96] 。
エピソード
実家は横浜の老舗天ぷら 店「天吉 」で、サザンファンなどから親しまれている[ 97] 。一方でエビアレルギー 持ちであり、「実家の天ぷら店でエビをさばきすぎた罰なのか、食べ過ぎなのか」などと桑田がサザンのキックオフライブ2018のMCで言及している[ 98] 。
コメディアンとしての才能も高く評価されており[ 注釈 8] 、萩原健太 は『サザンの勝手にナイトあっ!う○こついてる 』(1984年、日本テレビ 系)に出演した際の原について評価し、桑田と「原由子コメディアン転向説」について語った。
2013年のライブ『灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!! 』にて、「マンピーのG★SPOT 」を演奏時に過激な神輿を登場させたパフォーマンスについて「いいのかな~?」と陰ながら懸念を示す[ 100] 、2014年のライブ『ひつじだよ! 全員集合! 』で桑田が同年秋に授与された紫綬褒章 を普段保管している神棚から持ち出し披露することについて「大丈夫?」と心配するなど[ 101] 、常識的な姿勢であることを桑田や野沢秀行 が証言している。懸念は示したものの、2014年の同ライブで騒動が起こったことで炎上 や曲解を怖れ「詞を書くときは気をつけなければ」と思うようになり、桑田に対して「変な曲解されませんように」と祈るようになったことや、騒動への謝罪の内容が正確に伝わるように表現することの難しさを角田光代 との対談で明かしている[ 102] 。原は桑田の一部の楽曲やパフォーマンスが物議を醸したりすることについて「『そんな時は一緒に怒られましょうね』という気持ちです(笑)」ともコメントしている[ 62] 。
1979年に桑田が原に「ずっと一緒にいよう!」と告白して、その数日後に電話口から原に「いとしのエリー 」を聴かせていた[ 104] 。桑田は原と結婚することについて、白い小石のエピソードを喩えた[ 105] 。「ほとんどの女性は、俺がこうやって何でもない小石を拾って渡しても、キョトンとするだけだと思うんです。でもハラボーは違うんです。俺がこうやって小石を渡す。すると彼女は、桑田さんがくれたものなら、何か絶対に意味がある。そう思って、小石を大切に持ってくれる人なんですね。世の中に多くの女性がいても、小石を大切に持っていてくれるのはハラボーだけなんです」と語った[ 105] 。また、桑田は原のことをキョンキョン みたいな感じがすると語った[ 106] 。桑田はミュージシャンとしても一人の女性としても原には頭が上がらないとし、度々敬意を示し感謝の言葉を述べている[ 107] [ 108] 。
原は桑田が2010年に食道癌 に罹った時のことについて後のインタビューで「私自身すごく弱い存在なんです。(中略)でも誰かのためにと思えた時って不思議と強くなれるんですよね。桑田が病気になった時にはすごく強くなれましたし、桑田を応援してくださっている方達のためにも絶対守らなきゃと。だから病気になった時も、絶対泣かないって・・」と語った[ 109] [ 110] 。また、桑田の食道癌の早期発見は、人間ドックで発見された食道のしこりを心配した原や原の幼なじみの医療関係者などを始めとした周囲の行動の結果であることが語られている。そのため桑田は病状の発覚直後に出演した自身のラジオ番組で「今後は原由子には頭が上がらないでしょう」と感謝の念を発言した[ 111] 。
来歴
生い立ち・アマチュア時代
1956年12月11日に神奈川県横浜市にて生誕した[ 3] 。原によると自身の生誕の前日(12月10日)に実家にあたる「天吉」が現在地の港町 2丁目に店を構えており、自著では「みんなが大忙しのさなか、どさくさにまぎれて私が生まれた」と説明している。
幼いころに母に歌ってもらった子守歌がきっかけで音楽に興味を持ち、物心ついたときには歌が大好きだった。このころは『おかあさんといっしょ 』などで覚えた童謡をよく歌っていた。幼稚園に入って以降オルガンを弾くようになり、年長になってからピアノを習うようになった。小学生になった当初はクラシック の名曲ばかり聴いていたが、その後は兄の影響でザ・ベンチャーズ やビートルズ などのアメリカやイギリスの洋楽を耳にするようになった。
中学生時代は親友と「ブッズ」というデュオを結成していた。横浜市立横浜吉田中学校 を卒業後[ 115] 、高校の入学と同時にフェリス女学院高等学校 へ編入した。在学中に、友人とフォークデュオ 「ジェロニモ」を組んでボーカル ・ギター の担当で活動した。大学入学後もジェロニモは続けていた。ジェロニモの名前の由来は、「男らしくて力強い名前」であり、原は「ジェロニモを結成してから、私の高校生活は明るいものになっていった」と当時を述懐している。中学、高校とコミュニケーションをとるのが苦手であったが、音楽に助けられていた[ 117] 。
青山学院大学文学部 英米文学科に入学後、桑田佳祐 、関口和之 らが所属していたサークル『BETTER DAYS』(ベター・デイス)に入り、桑田らのバンド に演奏の技術を買われて参加した[ 注釈 9] [ 119] 。当時の原はフュージョン 系のテクニカルなバンドからも誘いが来ており、桑田は「もし原坊があっちに入っていたら、おそらくサザンは生まれていなかった」と語っている[ 120] 。原が桑田に抱いた第一印象は「なんとなくいじめっ子ぽかった」「こんなにわかりやすい人と結婚するとは、夢にも思わなかった」だという。しかし、桑田がクリーム やディープ・パープル を歌うのに原は聞き惚れた。一方、桑田は、原がピアノでエリック・クラプトン の「いとしのレイラ 」を演奏する腕前に心底驚いた。
メジャーデビュー後
1978年6月にサザンオールスターズとして「勝手にシンドバッド 」でデビューした。1980年3月21日に発売されたサザンの3枚目のオリジナル・アルバム「タイニイ・バブルス 」に、原が初めてメインボーカルを担当した「私はピアノ 」が収録された。これ以降ほとんどのサザンのアルバムには原がボーカルを担当する楽曲が収録されている。
1981年4月に桑田によるプロデュースで「I Love Youはひとりごと 」でソロデビューを果たした[ 7] 。しかし、歌詞の内容が過激と受け取られ放送禁止になってしまい、対抗してゲリラ・ライブを行うも、警察まで駆けつける騒動となった[ 7] 。また、同時発売としてこちらも桑田によるプロデュースで1枚目アルバム『はらゆうこが語るひととき 』が発売された[ 124] 。7月にはアルバムからのシングルカットで2枚目シングル「うさぎの唄 」が発売されている[ 125] 。
1982年に桑田と結婚し、後に2児が生まれた[ 126] 。結婚後には3枚目シングル「誕生日の夜 」が発売された[ 125] 。1983年8月に発売した4枚目シングル「恋は、ご多忙申し上げます 」が原のソロシングルとして初のヒットを記録し、ソロアーティストとしての原が高く評価された。その後、11月には5枚目シングル「横浜 Lady Blues 」、2枚目アルバム『Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd 』が発売された[ 125] [ 127] 。1985年6月に出産によって、活動休止期間に入った[ 128] 。産休していた原は1987年8月に6枚目シングル「あじさいのうた 」でソロ活動を再開させ、その後は勢力的にシングルの発売を行った[ 125] 。
1991年6月にはそれらのシングルを収録して、2枚組となった3枚目アルバム『MOTHER 』が発売された。12月には『第42回NHK紅白歌合戦 』への単独出場を果たした[ 129] 。1997年10月に香取慎吾 とコラボし、桑田が作詞作曲を行ったシングル「みんないい子 」が発売された[ 130] 。11月には14枚目シングル「涙の天使に微笑みを 」が発売され、NHK 連続テレビ小説 『甘辛しゃん 』の主題歌に起用された[ 125] 。1998年に入り、2月にはソロ名義の作品だけを収録した自身初のベスト・アルバム『Loving You 』が発売された[ 131] 。
2002年3月に桑田による発案で、斎藤誠と片山敦夫がプロデュースしたカバー・アルバム『東京タムレ 』が発売された。アルバムは女性シンガーの楽曲をカバーした作品となった[ 132] 。2007年11月に音楽グループの風味堂 からのリクエストで実現したユニット「ハラフウミ」の名義でシングル「夢を誓った木の下で 」が発売された[ 130] 。2009年8月に15枚目シングル「夢をアリガトウ 」が発売され、制作過程が桑田の冠番組である『桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜 』(フジテレビ 系列)で放送された[ 125] [ 133] 。
2010年4月25日付の朝日新聞の広告に原と桑田の会話が掲載されたが、「毛が生えてきた」という桑田に対し、原が「その毛を剃ると私、歌わない」を連呼する謎めいたものであり、その中で桑田が「京都 に久しぶりに行ったときに日本の文化 の良さを再認識して、そういうことに触発されて出来たあの楽曲」「音楽で日本を元気にしよう」と「京都物語 」を制作した経緯と同年の活動の趣旨を簡潔に語った[ 134] [ 135] 。5月には原とファンの団結を強めるため"Y団"(YUKO応援団)が結成された[ 136] 。これらの広告やイベントを踏まえて6月に自身がボーカルを務めたサザンの楽曲も収録したベスト・アルバム『ハラッド 』が発売された[ 137] 。7月には19年ぶりのワンマンライブを開催、全18曲を歌い、アンコールには桑田も登場してデュエットを披露した[ 138] [ 注釈 10] 。2012年4月には自身初となる配信シングル「ウルワシマホロバ〜美しき場所〜 」と「ヘヴン 」が着うた で発売された。共に映画の主題歌に起用された[ 139] [ 140] 。
2014年1月に卒業した横浜市立横浜吉田中学校 から依頼された校歌を作詞・作曲し完成した[ 115] 。2016年12月にソロ名義および「ハラフウミ(原由子×風味堂)」名義の楽曲延べ136曲のダウンロード配信が開始された[ 141] 。2019年10月から11月まで放送されたNHK総合 の土曜ドラマ 『少年寅次郎 』のナレーションとして出演し[ 142] 、12月にはサザンも含めて自身の楽曲全てがサブスクリプション型サービス でのストリーミング 配信が解禁された[ 143] 。
2022年10月に4枚目アルバム『婦人の肖像 (Portrait of a Lady) 』が発売され、オリジナル・アルバムとしては『MOTHER』以来31年ぶりとなり、約1年をかけて制作された[ 144] 。また、アルバムに収録されている「ヤバいね愛てえ奴は 」が先行配信シングルとして8月に発売された[ 145] 。2023年3月6日・7日には鎌倉芸術館で13年ぶりにワンマンライブを開催した[ 146] 。この公演は当初、映像作品にする予定はなかったが、圧倒的な感動と興奮の渦に包まれるが如く映像化の話が進行していき、ライブを観ることが出来なかった多くのファンの希望に応えつつ「今この時代に残すべき映像」として、原のソロキャリアでは初となるライブ映像作品『スペシャルライブ2023 「婦人の肖像 (Portrait of a Lady)」 at 鎌倉芸術館 』が6月に発売された[ 146] 。
受賞
日本レコード大賞
作品
原由子のディスコグラフィ
リリースリスト
↙ スタジオ・アルバム
4
↙ ベスト・アルバム
2
↙ シングル
15
↙ トリビュート&カバーアルバム
1
↙ 配信シングル
3
シングル
「順位」は「オリコン週間シングルランキング」の記録に準じる。
#
発売日
作品名
形態
規格品番
順位
収録アルバム
Invitation
1
1981年4月21日
I Love Youはひとりごと
EP
VIHX-1537
35位
はらゆうこが語るひととき
1993年7月21日
8cmCD
VIDL-156
1998年2月25日
VIDL-30135
2
1981年7月21日
うさぎの唄
EP
VIHX-1546
63位
1993年7月21日
8cmCD
VIDL-157
1998年2月25日
VIDL-30136
3
1982年3月21日
誕生日の夜
EP
VIHX-1567
81位
アルバム未収録
1993年7月21日
8cmCD
VIDL-158
1998年2月25日
VIDL-30137
タイシタレーベル
4
1983年8月21日
恋は、ご多忙申し上げます
EP
VIHX-1614
5位
Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd.
1993年7月21日
8cmCD
VIDL-159
1998年2月25日
VIDL-30138
5
1983年11月5日
横浜 Lady Blues
EP
VIHX-1621
44位
1993年7月21日
8cmCD
VIDL-160
1998年2月25日
VIDL-30139
6
1987年8月21日
あじさいのうた
EP
VIHX-1720
22位
MOTHER
1993年7月21日
8cmCD
VIDL-161
1998年2月25日
VIDL-30140
7
1988年4月21日
ガール (GIRL)
EP
VIHX-1735
17位
Loving You
8cmCD
VDRS-1024
1998年2月25日
VIDL-30141
8
1989年4月26日
かいじゅうのうた
EP
KV-3089
90位
MOTHER
8cmCD
VDRS-1127
1998年2月25日
VIDL-30142
9
1989年5月21日
ためいきのベルが鳴るとき
EP
VIHX-1772
35位
8cmCD
VDRS-1142
1998年2月25日
VIDL-30143
10
1990年9月21日
愛して愛して愛しちゃったのよ [ 注釈 11]
VIDL-33
49位
稲村ジェーン
1998年2月25日
VIDL-30144
11
1991年3月27日
ハートせつなく
VIDL-30145
16位
MOTHER
1998年2月25日
VIDL-30145
12
1991年5月29日
じんじん
VIDL-30146
24位
1998年2月25日
VIDL-30146
13
1991年11月1日
負けるな女の子!
VIDL-30147
16位
YAWARA! SONGS!![ 注釈 12]
1998年2月25日
VIDL-30147
14
1997年11月27日
涙の天使に微笑みを
VIDL-30163
Loving You
15
2009年8月19日
夢をアリガトウ
12cmCD
VIZL-360(初回盤)
5位
ハラッド
VICL-36550(通常盤)
配信シングル
コラボレーション・シングル
「順位」は「オリコン週間シングルランキング」の記録に準じる。
名義
発売日
作品名
形態
規格品番
順位
収録アルバム
香取慎吾 & 原由子
1997年10月29日
みんないい子
EP
VIJL-60005
13位
アルバム未収録
12cmCD
VICL-35020
ハラフウミ
2007年11月7日
夢を誓った木の下で
VICL-36370
26位
ハラッド
オリジナル・アルバム
ベスト・アルバム
「順位」は「オリコン週間アルバムランキング」の記録に準じる。
#
発売日
作品名
形態
規格品番
順位
1
1998年2月25日
Loving You
CD
VICL-60178
3位
2
2010年6月23日
ハラッド
CD+冊子
VIZL-390
CD
VICL-63570〜63571
カバー・アルバム
「順位」は「オリコン週間アルバムランキング」の記録に準じる。
#
発売日
作品名
形態
規格品番
順位
1
2002年3月13日
東京タムレ
CD
VICL-60846
4位
映像作品
参加作品
シングル(参加)
アルバム(参加)
著書
提供作品
ライブ・コンサートツアー
年
形態
タイトル
公演規模・会場
1982年
単発コンサート
ひなまつりコンサート 「飲めばライブコンサート」
1991年
コンサートツアー
JR東海 ぷらっとスペシャル原由子ソロコンサート 「花咲く旅路」
2010年
単発コンサート
原 由子スペシャル「はらばん」鎌倉ライブ
2023年
単発コンサート
原 由子 スペシャルライブ2023「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」
全2公演
3月6日 鎌倉芸術館 大ホール 3月7日 鎌倉芸術館 大ホール
その他イベント
年
タイトル
公演規模・会場
2010年
アミューズ 第32期定時株主総会後イベント [ 149]
出演
※すべて個人での出演によるもの。
NHK紅白歌合戦出場歴
テレビドラマ
映画
公開年
タイトル
役名
1990年
稲村ジェーン
受付の看護婦
ラジオ番組
CM
出演年
企業名
プロモーション商品など
テーマ
1987年
ダイハツ工業
リーザ
—
1990年
ミキハウス
マンスリーミキハウス
—
1991年
カゴメ
ニュートマト
—
カシオ計算機
Celviano
—
1992年
日清シスコ
シスコーン
—
2004年
日本航空
JAL銀婚旅行
—
2022年
ユニクロ
スフレヤーンニット
ふだん着の日が、人生になる。
MV
その他
脚注
注釈
出典
^ 原由子のプロフィール | ORICON NEWS オリコン 2010年7月29日配信 2021年3月23日閲覧。
^ SONGS Archives 2007-2019 NHK 2021年3月23日閲覧。
^ a b c d プロフィール 原由子 SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE 2020年7月29日閲覧。
^ a b 原 由子が福山“龍馬”にプレゼントしたもの BARKS 2010年6月28日配信 2021年5月28日閲覧。
^ a b 映画『ももへの手紙』完成披露試写会で語られた家族愛と手紙のエピソード 週刊アスキー 2012年4月11日配信 2021年3月25日閲覧。
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参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
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シングル
オリジナル
1981年 1982年 1983年 1987年 1988年 1989年 1990年 1991年 1997年 2007年 2009年 2011年
配信
楽曲 アルバム
番組 関連項目 関連人物
カテゴリ
桑田佳祐 (ボーカル・ギター) | 原由子 (キーボード・ボーカル) | 関口和之 (ベース) | 松田弘 (ドラム) | 野沢秀行 (パーカッション) 元メンバー : 大森隆志 (リードギター) シングル
オリジナル
1970年代
1980年代
1990年代
90年 91年 92年 93年 95年 96年 97年 98年 99年
2000年代
2010年代
配信
アルバム
楽曲 企画作品 ライブ 出演 関連項目
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