有明アリーナ(ありあけアリーナ、英: Ariake Arena[9])は、日本の東京都江東区有明一丁目に所在する屋内競技施設、コンサート・イベント施設(アリーナ)である。
2020年東京オリンピックおよびパラリンピックの競技会場として、2017年(平成29年)4月21日着工、2019年(令和元年)12月9日竣工[5]。東京都が所有・管理する施設であるが、スポーツ競技施設としては国内初の公共施設等運営事業(コンセッション方式)により、民間の営利企業が運営するスポーツ・文化拠点として、2022年(令和4年)8月20日に再開業した[10]。
概要
2020年東京オリンピックおよびパラリンピックの競技会場として建設された7つの新規恒久施設のひとつであり[11][注 1]、バレーボール競技と車いすバスケットボールの予選リーグ・決勝トーナメントが行われた[12][13]。2016年東京オリンピック構想では、バレーボール競技会場は国立代々木競技場の西側に新設される代々木公園アリーナ(収容人員15,000人)とされたが[14]、2020年東京オリンピック構想では本施設に変更された[12]。
五輪開催後は、電通を代表企業とする国内10社によるコンソーシアムが出資する株式会社東京有明アリーナが運営を行い、コンサートやイベント等にも活用される[注 2]。民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)に基づくコンセッション方式によるアリーナ運営は国内でも初めての試みとなる[15]。施設の総工費370億円や立地条件に対して、2046年3月末まで25年間の運営権対価は約94億円(年間支払額約3.8億円)とされている。また、業績に連動して運営権者は各事業年度の税引前純利益(運営権対価支払後・業績連動支払前の純利益)の50%を都に支払うことになっている[16][17]。「五輪のレガシー」の活用が課題とされるなか、新規恒久施設の中で唯一年間収支の黒字化が見込まれている[11]。
歴史
2016年(平成28年)1月、東京都は設計・施工の落札者を発表し、竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業異業種特定建設共同企業体に決定した[18]。総工費は約360億円[19]。
2017年(平成29年)4月21日着工。2019年(令和元年)12月9日に竣工し[5]、同月21日には内部を報道陣に初めて公開した[5]。2020年東京オリンピックおよびパラリンピックの開催期間中は競技会場として使用された。
2022年(令和4年)8月20日、国内初の公共施設等運営事業(コンセッション方式)により、スポーツイベントやコンサート、都民参加イベントなどが開催できるスポーツ・文化拠点として再開業した[10]。
年表
特徴
立地
江東区の有明北地区に位置する。敷地の北側と東側は東雲運河に面し、西側に木遣り橋を渡る都道(有明通り)と首都高速10号晴海線の高架が通る。運河沿いの一帯は2022年8月に有明親水海浜公園として部分開園し、有明アリーナと有明展示場(旧有明体操競技場)、有明アーバンスポーツパークを含むエリアは「有明オリンピック・パラリンピックパーク」と命名された[23][24]。
最寄り駅はゆりかもめ東京臨海新交通臨海線の有明テニスの森駅および新豊洲駅からそれぞれ徒歩約8分。東京臨海高速鉄道りんかい線の国際展示場駅および東雲駅からそれぞれ徒歩約17分。
アリーナ近隣は倉庫や高層マンションが並ぶ区画でコンビニエンスストア等は少ない。国際展示場駅からの途上に有明ガーデンがあるが、ここには東京ガーデンシアター(最大8,000人収容)と有明四季劇場があり、イベント日程が重なる場合は混雑が予想される。
施設
北側にメインアリーナ、南側にサブアリーナおよび交流広場が位置する。隣接するマンション住民への配慮から、メインエントランスは建物北面2階にある[25]。付帯施設として、1階にレストラン、2階にスポーツジム・スタジオが入居する。駐車場・駐輪場はサブアリーナ・スポーツジム・レストランの利用者向けで、イベント来場者は利用できない。
メインアリーナは地上5階建て、高さ37 mで、1階がアリーナフロア、2〜4階がスタンドフロアとなっている。限られた敷地面積を活用するため、客席断面構成に合わせて下面を絞った立面形状としている[25](周辺の公園や住宅に与える圧迫感を減らすという意図もある[26])。工期短縮のため、屋根をサブアリーナ上の仮設構台上で9回に分けて組み立て、レール上をスライドさせる工程を繰り返す「トラベリング工法」を採用した[25]。中央が凹面状に窪んだ屋根の形状により、内部空間の気積を減らすことで、空調負荷等の軽減を計っている[25]。
天井や壁には国産の杉が多用されており、2020年のオリンピックおよびパラリンピック大会用に東京都が整備する施設の中で、国産木材の使用量が2,300 m3と最も多い[27]。
2022年8月の開業後はNTTドコモが提供する「高密度Wi-Fiサービス」により、60席に1つのアクセスポイントが常設される[28]。
スペック
[29]
- メインアリーナ
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- 面積:約4,100 m2(長辺76 m × 短辺54 m)
- 高さ:約23 m
- 収容人員:約15,000人
- 2階 固定席2,734席、車いす席(随行者席)/付加アメニティー席229席、可動観客席2,928席(全12段展開時)
- 3階 固定席4,408席、車いす席(随行者席)/付加アメニティー席32席
- 4階・5階 固定席4,090席、車いす席(随行者席)/付加アメニティー席8席
- 各種スポーツ大会のほか、コンサートや大規模な式典などに使用可能
- サブアリーナ
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- 面積:約1,400 m2 (長辺40.5 m × 短辺34.5 m)
- 高さ:約12.5 m
- 各種スポーツ大会(メインアリーナの控室や補助会場としての利用も可)、小規模な式典などに使用可能
飲食店舗
詳細は公式サイト内「ARIAKE ARENA
FOOD&DRINK」[30]を参照。
- ARIAKE ARENA DINING MOON RIVER(レストラン / 毎日11時30分から21時まで / 定休日 月曜(定休日が興行開催の場合翌日))
- 有明アリーナカフェ(カフェ / 興行時間に準ずる / メインアリーナ興行開催日のみ営業)
- 売店(売店 / 公演時のみ営業)
主な大会・イベント
スポーツ
音楽ライブ・イベント
- GENERATIONS from EXILE TRIBE『LIVE×ONLINE』(2020年10月31日)※こけら落とし公演としての無観客配信ライブ
- 『ANIMAX MUSIX 2021 ONLINE』(2022年1月30日・31日)※無観客配信ライブ
- Perfume『Perfume9th Tour 2022 "PLASMA"』(2022年8月20日)※初の有観客ライブ
- ビリー・アイリッシュ(2022年8月26日)※海外アーティスト初
- 浦島坂田船『浦島坂田船 SUMMER TOUR 2022 Toni9ht』(2022年9月10日・11日)※有観客ライブでは男性アーティスト初
- Hey! Say! JUMP『Hey! Say! JUMPLIVE TOUR 2022 FILMUSIC』(2022年9月17日 - 19日)※ジャニーズ初
- 『BanG Dream! 10th LIVE』(2022年9月22日 - 25日)※声優ユニット初
- Superfly『Superfly 15th Anniversary Live “Get Back!!”』(2022年11月23日)※女性ソロアーティスト初
- 日向坂46『ひなくり2022』(2022年12月17日・18日)※女性アイドルグループ初
- 香取慎吾『Black Rabbit』(2023年1月21日、22日)※男性ソロアーティスト初
- 小田和正『KAZUMASA ODA TOUR 2023 こんどこそ、君と!!』(2023年6月3日、4日)・『KAZUMASA ODA TOUR 2025 みんなで自己ベスト!!』(2025年8月6日、7日開催予定)
- King&Prince『King&Princeとうちあわせ』(2023年7月2日)※初のファンミーティング
- 水樹奈々『NANA MIZUKI LIVE PARADE 2023』(2023年9月1日 - 3日)※声優ソロ初
- 兎田ぺこら1st兎田ぺこらいぶ「うさぎ theMEGAMI!!」初ソロライブ (2023年12月6日)
- 乃木坂46『35thSGアンダーライブ』(2024年6月7日 - 9日)
使用チーム
主な出来事
ギャラリー
工事記録
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2018年8月撮影
木遣り橋より見る(着工17ヶ月)
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2019年2月撮影
木遣り橋より見る(完了10ヶ月前)
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2019年4月撮影
木遣り橋より見る(完了8ヶ月前)
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2019年6月撮影
木遣り橋より見る(完了6ヶ月前)
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2019年10月撮影
木遣り橋より見る(完了2ヶ月前)
完成後
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2019年12月撮影
有明通り木遣り橋より見る
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同左
同左
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同左
有明通り交差点より見る
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同左
南東側より見る
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同左
北東側より見る
アクセス
興行開催時の公共交通の混雑緩和、来場者への快適なアクセス手段の提供のため、イベント開催日に東京駅近辺⇔有明アリーナ近辺
(帰りは新宿駅行きも有り)の有料シャトルバスが事前予約制で運行されている。このシャトルバスの運営・運行は、BEENOS Travel(ビーノス トラベル)株式会社のシャトルバスサービス「FanVas(ファンバス)」となっている[35]。
会場にイベント来場者専用の駐車場がないため、会場側は極力公共交通機関での来場を呼びかけている[36]。
鉄道・モノレール
路線バス
路線バスでの来場については、2023年4月より、連節バスも運行する大量輸送型・快速運行の東京BRTの幹線ルート「新橋~国際展示場・東京テレポート」間が増便されており、虎ノ門ヒルズ・新橋方面から、有明テニスの森駅付近まで短時間でアクセス可能であることから、ゆりかもめ・りんかい線とあわせて、こちらの利用も検討するよう呼びかけている。併せて、イベント当日の都バス都05-2系統(東京駅丸ノ内南口~東京ビッグサイト)については、混雑により乗車できないケースが発生しているため、利用を配慮するよう呼びかけている[38]。
- 有明テニスの森駅より徒歩約8分
- 幹線ルート(新橋駅<汐留・日テレタワー前> - BRT勝どき<環二通り> - 豊洲市場<環二通り> - 有明テニスの森駅 - 国際展示場駅 - ※東京テレポート駅<土休日>)
- ※Suica、PASMOの利用で新橋駅、豊洲市場にて晴海・豊洲ルートに乗り継ぎ可能
- 晴海・豊洲ルート(虎ノ門ヒルズ駅 - 新橋駅<汐留・日テレタワー前> - BRT勝どき<環二通り> - 晴海BRT - 豊洲 - 豊洲市場<ミチノテラス豊洲>)
- ※Suica、PASMOの利用で新橋駅、豊洲市場にて幹線ルートに乗り継ぎ可能
- 有明小中学校前より徒歩約2分
- 東雲都橋より徒歩約10分
- 東15 東京駅八重洲口 - 勝どき駅 - 豊洲駅 - 東雲都橋 - 深川車庫
- 業10出入 新橋 - 勝どき駅 - 豊洲駅 - 東雲都橋 - 深川車庫
- 新豊洲駅より徒歩約8分
- 陽12-2 東陽町駅 - 豊洲駅 - 新豊洲駅 - 市場前駅 - 豊洲市場 ※平日・土曜運行
- 陽12-3 東陽町駅 - 豊洲駅 - 新豊洲駅 - 市場前駅 - お台場海浜公園駅 - 東京テレポート駅 ※土曜・休日のみ運行
- 市場前駅より徒歩約10分
- 市01 新橋駅 - 勝どき駅 - 市場前駅 - 豊洲市場 ※平日・土曜運行
- 急行06 森下駅 - 門前仲町 - 豊洲駅 - 市場前駅 - 東京ビッグサイト駅 - 日本科学未来館 ※土曜・休日のみ運行
脚注
注釈
出典
参考文献
ウィキメディア・コモンズには、
有明アリーナに関連するカテゴリがあります。
外部リンク
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