『テイルズ オブ シリーズ』または『テイルズ シリーズ』[注釈 1](英: Tales of series)は、バンダイナムコエンターテインメント(旧ナムコ)より発売されているRPGシリーズ。第1作『テイルズ オブ ファンタジア』が1995年に発売されて以降、ゲーム作品の発売や、ゲームを中心とするメディアミックスの展開が行われている。第1作のPlayStationへの移植でプロダクションI.Gによるムービー追加等がなされ、シリーズの方向性を決定づけた[1]。
対戦型格闘ゲームのような操作性の戦闘システム「リニアモーションバトルシステム」をはじめ、作品ごとで各種の独特のシステムを持つ。また、アニメ風のキャラクターデザイン、声優によるキャラクター(以下キャラ)の声、アニメーション付きの主題歌など、アニメ的な手法を取り入れているのも特徴[2]。
シリーズの世界累計出荷数は2021年の時点で2,500万本を超える[3]。2011年の時点でファンは10代から30代の若年層が中心で[4]、男女比はゲーム自体は男性7割で女性3割[5][6]、イベントやグッズに関しては女性が9割5分[6]。2015年以降はローカライズ化に加え、パッケージ販売やダウンロード販売、Steam向けの配信を開始したことで、国内のみならず海外のファン層が拡大しているとバンダイナムコエンターテインメントは発表している[7]。
シリーズ作品は、新キャラクター・物語が提供される作品やその正統続編であるオリジナルと作品を越えてキャラクターが交わるクロスオーバーの2種類に分けられる[8]。
以前は「本編」・「外伝」という区分が使用され[9]、2007年以降は[10]シリーズにおいて「母艦」のような存在となるマザーシップタイトルと「外伝」であるエスコートタイトルの2種類に分けられていた[8]が、エスコートタイトルは様々な種類を内包する区分であり、その後加わった新たな区分であるモバイルにエスコートタイトルの一部作品の主戦場が移ったことから、エスコートタイトルという括りの意図がぼやけていった[8]。また「“マザーシップ”のみが本流である」という見え方になっていることも懸念した結果、シリーズ25周年となる2020年に新たな区分となる「オリジナル / クロスオーバー」が制定されることになった[8]。新たな分類は「どちらが本流」といった類のものではなく、シリーズ作品をどちらかの区分に閉じ込める狙いはないし、上下関係もない[8]。また、両方の要素を併せ持つ作品が現れることも予想され、『テイルズ オブ クレストリア』がそれに当たるとされる[8]。
作品のタイトルは多くのゲームに見られる一律のタイトルに番号を振る形式でなく、「テイルズ オブ」に続く言葉を作品ごとに変えている。ナンバリング形式でないのは、「数字で続けると直線の繋がりしかできないが、異なるタイトルならそれぞれの派生作品の制作により、横軸と縦軸で平面的に広げられる」と考えられたため[11]。
作品ごとには独特のジャンル名が付けられる[12]。第1作『テイルズ オブ ファンタジア』には存在しなかったが、第2作『テイルズ オブ デスティニー』にプロモーション担当の吉積信がつけたコピーが一部でジャンル名として紹介され、それ以降「なんとなく」ジャンル名になっていった[13]。
オリジナルと明言されている作品のみ記載[14]。★は元マザーシップタイトル。
クロスオーバーと明言されている作品のみ記載[14]。
テイルズ オブ シリーズでは一部の作品を除き、世界の根本を司る存在として精霊が登場する(『エターニア』世界では晶霊と呼ばれる)。彼等は大いなる力を持っており、世界の危機に際して主人公達に力を貸してくれる。
火の精霊イフリートは主に炎を纏う人型、水の精霊ウンディーネは穏やかな性格の女性、風の精霊シルフは少年や少女のような姿で描かれる[18]。地の精霊ノームは作品によって姿が異なるが、ユーモラスな姿とマイペースな性格で描かれることが多い[18]。雷の精霊ヴォルトは、初期には雷を纏う球体として描かれ、人間には理解できない言葉を話していた[18]。氷の精霊セルシウスは格闘家の少女の姿で描かれる[18]。
光の精霊は三日月に乗った女性の姿で描かれるルナ、巨大な鳥の姿で描かれるアスカ、翼を持った女性の姿で描かれるレムの3体がいる[18]。闇の精霊は、闇という実態が曖昧なものを司るためか作品によって大きく姿と性格が変わるシャドウや、「冥界の王」プルートがいる[18]。
また、これらの精霊の上位に位置する存在として、老人の姿で描かれ、元素(分子)を司る精霊マクスウェルと、槍を携えた男性の姿で描かれ、全ての源を司る精霊の王オリジンも登場する[18]。
これら以外にも、作品によって固有の精霊が登場することがある。
精霊が登場しない作品には『アビス』『イノセンス』リメイク版『デスティニー』などがある(オリジナル版『デスティニー』には戦闘中のみ登場する)。
『ファンタジア』、『シンフォニア』などのタイトルでは、エルフと人間の混血(第一世代のみ)としてハーフエルフが存在する。シリーズ中のエルフは魔法が使え、エルフと人間の混血であるハーフエルフも魔法が使えるが、「魔法が使える人間」として、人間からもエルフからも忌み嫌われている。
作中のハーフエルフの耳は尖耳か丸耳のいずれかで、どちらになるかは分からない。エルフは約1000年と非常に寿命が長く、ハーフエルフもエルフの特徴を受け継いで青年期が大変に長いのが特徴である。
物語の構成や繋がりに係わらず、各シリーズ作品にたびたび登場するキャラが複数存在する。
基本的に各作品は独立した世界設定である。別作品のキャラが何らかの形で登場することはあるが、それらはゲストとしての登場にとどまる。
しかし、一部の作品は以下のように世界設定を共有している。ただし、作品によっては設定がかみ合わない個所も存在する。
『イノセンス R』と『ハーツ R』は、異世界「トライバース」と関連がある。トライバースでは「トライバース語」という言語が使用されているほか、『イノセンス』の世界の物語が伝承として伝わっている[23]。
トライバースでは、『イノセンス R』のキュキュや『ハーツ R』のガラド[24]が所属する国と、『イノセンス R』のコンウェイが所属する国の間で戦争が起きており、キュキュは戦争に勝利するため、トライバースから『イノセンス R』の世界に技術を学びにやってきている[25]。ガラドが『ハーツ R』の世界に送り込まれたのは20年ほど前だったが、そのころのガラドの国はまだ平和だった[24]。
異世界に渡るためには、「トライバースゲート」と呼ばれる門を潜る必要がある。
戦闘方式に関しては、シリーズ作品共通で「リニアモーションバトルシステム」(Linearmotion Battle System;LMBS)と呼ばれる方式を採用している。作品によっては「リムス」という愛称が使われている。
RPGでよくあるターン制や、素早さの順番でキャラが行動するシステムではなく、同じ直線上に配置された敵・味方全てがリアルタイムで動き、行動することで戦闘が展開するシステム。キャラのステータスや特殊技能といった基本的なRPGの概念だけではなく、キャラごとの動作の個性、敵と味方との位置関係、攻撃を受けることで行動が阻害される「仰け反り」など、アクションゲーム的な概念を取り入れている。敵を全滅させると勝利となり、逆に味方が全滅すると敗北とみなされ、ゲームオーバーとなる。
操作方法は対戦型格闘ゲームに似ているが、格闘ゲームにありがちな必殺技などの複雑なコマンド操作を覚える必要はなく、通常攻撃(方向ボタンと組み合わせて攻撃の種類が変化)、術・技(方向ボタンに対応させて自分で設定し、同時に押すと発動)、防御といった基本操作のみである。デフォルトでは主人公が操作キャラになっているが、設定を変更することで他のキャラも操作出来る。プレイヤーが操作するキャラ以外は、プレイヤーの指定した「作戦」(ターゲット、TP消費、間合い、術主体か技主体か回復主体かなど)にしたがってオートで行動する。プレイヤーが操作せずにすべてをAIに任せることも可能で、その場合でも、メニュー画面から術技の発動を指定出来る。#術技形態も参照。
『テイルズ オブ エターニア』以降、特殊な操作によって発動する「秘奥義」が多くの作品で搭載されている。秘奥義発動時には発動者のイラストが挿入される(カットイン)。PS3版『ヴェスペリア』ではカットインに動作が加わった。
LMBSは上記のシステムを基本に、作品ごとに改良や独自の工夫が凝らされている。各システムの詳細はその作品の項目を参照のこと。
テイルズ オブ シリーズではほぼすべての作品で、戦闘の難易度を調節することが出来る。最初、戦闘難易度は「ノーマル」に設定されており、多くの場合デフォルト状態では1ランク上の「ハード」かどちらかを選択可能。作品によってはノーマルより下の「イージー」「シンプル」などもある。クリアデータを引き継いで始めたデータではハードより上の「マニア」、作品によってはさらに上の「アンノウン」なども選択出来る。難易度が高いほど敵のパラメータが高くなり、低難易度では使用しなかった術技を使用してくるようになる場合もあり、より緊張感のある戦闘を楽しめる。また、戦闘難易度が高いとコンボボーナスによる経験値やGRADE(後述)が増える作品もある。
一部の作品には「コンボコマンド」というアイテムが存在し、これを操作キャラに装備させることで格闘ゲームのようにコマンド入力によって術技を使用出来る。基本操作の場合には使用出来る術技がセットしたものに限定される(戦闘中にセットし直すことは可能)が、コマンド入力であれば全ての術技を使用出来るというメリットがある。当然、コマンド入力に失敗すると術技が発動しないというデメリットはある。
サブイベントをこなすことによって、各キャラ(SFC版『ファンタジア』ではクレスのみ)にそのキャラを象徴する称号が与えられる。称号は装備可能で、メニュー画面で変更出来る。『エターニア』までは、一部を除き飾りのようなものに過ぎなかったが、『デスティニー2』以降は能力の上昇や付加をするなどの影響を与え、キャラのカスタマイズに幅を出すためのものになった。後に、能力値上昇の役割はその作品の世界観をより意識させる要素が受け持つようになり、称号は戦闘面以外の特殊能力の付加やサブイベントの発生条件、服装の変更などの役割を担うようになった。
町やダンジョンマップの中ではなく、専用の画面上でキャラが会話するシステム。内容は次の目的地に関することや、世界観の補完、キャラクターの設定などさまざまである[26]。大半はパーティメンバー同士の会話だが、一時的にパーティメンバーに同行するサブキャラなどが登場することもある。作品によって細かな表現方法が異なり、「チャット」か「スキット」かの名称も変わる。基本的に、画面左下にタイトルが表示されたときに開始のボタンを押すことでキャラが会話を始める。
PS版『デスティニー』のアクティブパーティウィンドウ(APW)が原型で、これは好評だったもののある程度時間を置かなければ見ることができなかったため、PS版『ファンタジア』以降はワンクッション置くことで簡単に見ることができるようになった[27]。APWはマップ上で常に表示されるウィンドウ内のキャラにより会話が行われたが、PS版『ファンタジア』ではキャラクターの顔部分が画面上に表示されて会話を交わすという「フェイスチャット」が採用された[26]。『エターニア』ではチャットタイプのスキットはなく、ゲーム中のモデルを動かす形でのスキットを採用している[26]。『デスティニー2』ではキャラの顔だけでなく、立ち絵を動かす「スクリーンチャット」を採用し、表現がよりアニメに近づいている[26]。また『デスティニー2』以降は、特定の場所やタイトルメニューのサウンドテストなどで1度見たことのあるスキットを再閲覧することが可能となる[26]。『シンフォニア』では再びフェイスチャットを採用、スキットごとのタイトルが表示されるようになる[26]。以降細かな違いはあるが、システムの大きな変更はなく、フェイスチャット、スクリーンチャットのどちらかが採用されている[26]。
PS版『ファンタジア』から採用されているシステムの1つ。作品によって細かい違いがあるが、入手したレシピに基づいた食材を消費して料理を作り、それを食べることで料理ごとの効果を得る。料理の効果はHPやTPの回復から、一時的なパラメータアップや状態異常回復の効果を持つものもある。レシピの入手方法は作品によって異なり、主に後述の「ワンダーシェフ」から入手する。システム確立までは、数多い食材を「フードサック」に入れることで、移動中に自動的に食材を消費して味方全員の体力が回復するシステムが存在していた。
各料理には熟練度が設定されており、熟練度が低い内は料理を失敗しがちで、失敗すると100%の効果を得ることが出来ない。熟練度はその料理を作ることで上昇し、高まるにつれ失敗の確率が低くなる。一度料理するとパーティは満腹になるため、次の戦闘後まで料理は出来ない。料理はメニュー画面で行うのが常だが、作品によっては特定の料理をオートに設定しておくことで戦闘終了時に自動的に食べられたり、ショートカットにより戦闘終了画面で料理をしたりと、メニューを開く手間を省けるものもある。
料理を作るキャラを選べる作品もあり、キャラごとに熟練度が設定されている。料理が不得手なキャラは初期熟練度が低く、失敗する確率も高い。また、熟練度が上がるとキャラに応じた追加食材を使えるようになる。追加食材は必須ではないものの、使えば食材に応じた追加効果が得られる。ここでキャラの好き嫌いが大きく反映され、そのキャラが嫌いな食材や料理だとなかなか成功せず、熟練度も上がりにくい。中にはとんでもない食材を追加するキャラもいる。
食材は他のアイテムに比べて安いものが多く、回復およびパラメータアップの手段として重宝される。だが、序盤の料理は回復量が小さい、1つの料理を作るための食材集めに町を転々とする必要がある、1度しか使えないため効率が悪い、などの欠点がある。
テイルズ オブ シリーズの多くの作品は、ニューゲームとは別にクリアデータを引き継いで最初から冒険を始めることが可能で、前回クリアデータの内容の一部を引き継いだり、おまけ要素を付加することが出来る。また、クリアデータを引き継いで始めたデータでのみ発生するイベントがある作品もある。初期は図鑑の内容を引き継ぐ程度だったが、『デスティニー2』以降はGRADEショップの導入により、多数のおまけ要素を追加出来るようになった(ただしほとんどの作品では「強くてニューゲーム」のようにレベルなどの全てを引き継ぐことは出来ない)。おまけ要素は「経験値2倍」「術・技引継ぎ」などプレイする上で有利に働くものから、「経験値半分」「初期HP減少」のようなやりこみ向けのもの、最大ヒット数によって経験値が大きく左右される「コンボ命」など、プレイヤーの判断で選べる項目が幅広く用意されている。
クリアデータを引き継いで新たに冒険を始める場合のおまけ要素を得るために、自分が得たいおまけ要素に応じたポイントが必要となることがある。この時に必要なポイントがGRADE(グレード)である。いわばGRADEは、「おまけ要素を買うための通貨」として機能する。このようなシステムをGRADE SHOP(グレードショップ)と呼び、GRADEを多く溜めていれば選べるおまけ要素が増える。余ったGRADEは次回の冒険に繰り越されるため、次にクリアしたときのために取っておくことも出来る(一部、新しく周回を始める際にGRADEを使用しても減らず、増えていくのみの作品もある)。
作品により入手方法は異なるが、大まかに2種類に大別される。
1つ目は戦闘時に戦闘評価点として得るパターン。『ハーツ』までの作品で主流だった方式。戦闘に勝利すると通貨であるガルドや敵が落とすアイテムの他に、その戦闘の内容に応じたGRADEを入手することが出来る。評価基準は作品ごとに異なるが、戦闘中の様々な行動が評価対象となり、短時間で戦闘を終了する、敵の攻撃をガードする、連携を繋げるなどの効率的な行動を取る事で加点され、ダメージを受ける、攻撃をガードされる、戦闘不能になるなど被害を受ける、回復アイテムを消費する、または非効率的な行動を取ることで減点される(減点が無い作品もある)。最終的な和がその戦闘の評価点となり、マイナス点が多い場合はこれまで取得したGRADEの総数から減点されてしまう。そのため、ただ単に戦闘を重ねれば増えていくわけではないのが特徴である。『デスティニー2』で初めて戦闘評価点をGRADEとして使用するシステムが採用された。戦闘評価のシステム自体は『エターニア』が初出だが、この時はGRADEとしておまけ要素の購入には関わっていなかった。この方式の場合、GRADEは際限なく入手することができるので、理論上GRADE SHOPのすべてのおまけ要素を購入することが可能である(経験値取得量を増減させるものなど同時取得が不可能なものを除く)。
2つ目はゲームのやり込み度に対する評価点として得るパターン。『グレイセス』以降の作品で主流となっている。サブイベントを行う、コレクターブックなどを一定以上集めるなどの行動にあらかじめ対応するGRADEが設定されており、引き継ぎ時点で達成していた分だけのGRADEを利用することができる。この方式では獲得できるGRADEに上限があり、すべてのおまけ要素を購入してゲームを引き継ぐことはできない。
ゲーム中のすべての音楽、シナリオや術技のボイスなどが聴ける。作品によっては、ムービープレイヤーもある。また、2周目の初回起動時に聴ける曲・ボイスが増えることがある。
シリーズの戦闘システムにおける術および技は、他のRPGにおける魔法や必殺技などと同じ役割を持っている。またシリーズの戦闘システムは他のRPGよりも対戦型格闘ゲームに近いものであり、格闘ゲームにおける必殺技に近いものとも言える。
大概のRPGでは「MP(マジックポイント)」を消費して魔法や必殺技を発動するが、シリーズにおいては、術技は主に「TP(テクニカルポイント)」を消費して発動する。シリーズの戦闘では、その特性上、術技の使用が頻繁なものとなるため、回復アイテムの使用や宿屋での宿泊といったRPG定番の回復手段以外に、戦闘終了時にTPが一定量回復するようになっている。
シリーズにおける攻撃の手段は「通常攻撃」「技」「術」の3つに大別される。それらについて、以下で説明する。
武器を用いた攻撃法は「通常攻撃」と「技」に分けられる。リバース以前の作品では1つの武器に「斬り」と「突き」の攻撃力が別々に設定されていることが多く、同じ武器でも攻撃の動作によってダメージが異なっていた。通常の剣は斬り攻撃と突き攻撃のバランスが取れており、槍や細身の剣は斬り攻撃力が低く突き攻撃力が高い、斧は斬り攻撃力が高く突き攻撃力が弱いという特徴がある。作品の世界観によって術、技ともに定義や原理、名称が異なる。
「通常攻撃」とは、TPを消費せず行える攻撃行動のこと。これは術技には属しない基本行動の1つであり、全てのキャラクターが最初から行える。初期の作品では1回ずつしか繰り出せなかったが、PS版『テイルズ オブ ファンタジア』、『テイルズ オブ エターニア』以降の作品では通常攻撃を連続で繰り出せるようになった。何回連続で繰り出せるかはキャラクターによって異なる。作品によってはスキルやアイテムの効果で、通常攻撃を繰り出す回数を増やすことができる。また、作品によってはこれがヒットすることによりTPも回復する。
「技」は、剣を振って衝撃波を放ったり、一連の攻撃動作のパターンを繰り出したりといった、物理的、武術的な術技である。敵を攻撃するものが大半で、回復や防御を目的としたものは少ない。
技は「特技 (Base Arte) 」「秘技 (Master Arte) 」「奥義 (Arcane Arte) 」などの様に何段階かに分類されることが多い。上位の技は下位の技に比べ威力が高く、形態は下位の技が強力になったものや、2種類の下位の技を組み合わせたもの、全く別のものもある。技はある技からある技へと連続で繰り出すことができる。この連携のパターンは作品により様々であるが、下位から上位の技に繋ぐのが基本であり、同位の技や下位の技に繋ぐ事は基本として出来ない。但し、特定のスキルやアイテムによって可能になる作品もある。
「術」は、「呪文を唱えて不可思議な現象を起こす」、いわゆる魔法である。攻撃目的が大半である技に対し、術は敵を攻撃するものやHPを回復するものなど様々な効果がある。
術を発動するには「詠唱時間」すなわち「術を発動するための呪文を唱える時間」が必要で、技のようにすぐに発動することはできない。術の発動を選択するとキャラクターは呪文の詠唱を開始し、一定の詠唱時間を経て術が発動する。この間、キャラクターは他の行動をとることができず、敵の攻撃を受けるなどして詠唱が途切れると術は発動しないので、術を使うキャラクターは敵からの距離を保つ必要がある。敵に近付かれてしまった場合は、防御することで自発的に詠唱を解除できる。
術も技同様に「下級」「中級」「上級」などのように何段階かに分けられることもあるが、詠唱時間が必要な術は技のように連携する事は難しいため、術の階級は威力や効力の大小および消費TPの大小、詠唱の長さなどを表すものに過ぎない場合が多い。
「秘奥義 (Mystic Arte) 」は、そのキャラクターの切り札である強力な術技。作品によっては存在しなかったり、名称が違う場合がある。通常の術技を大幅に上回る威力を持つ他、発動と同時に画面が暗転、使用キャラクターのイラスト(カットイン)が一瞬画面に割り込み、使用者以外はその時点で一旦行動が停止するなど特別な演出がなされる。
強力な反面、通常の術技のようにTPの消費だけでは発動できないことが多く、使用するには幾つかの条件を満たす必要があり、基本的に連続使用は出来ない。秘奥義にも技と術の区別があり、後者は作品によって発動するのに詠唱時間を要する。味方キャラクターやラストボスが使用する他、作品によっては秘奥義を使う敵キャラクターが複数存在することもある。敵の秘奥義を受けた時、1でダメージが止まる作品もあれば、戦闘不能になる作品もある。
大半の「術」や一部の「技」は属性を持っている。登場する属性の種類や数は作品により異なるが、火、水、風、地、光、闇の6種類、次いで雷(光や風に統一されるか、火、風の両方とされることもある)、氷(水に統一されることもある。『ヴェスペリア』では水と風に統一)の2種類がよく登場する。敵が弱点とする属性の攻撃は通常よりも威力が増し、逆に敵が耐性を持つ属性の攻撃だと威力が低下し、最悪の場合はHPを回復させてしまう。PS2版『デスティニー』では音、打、斬、矢が、『エターニア』では元、時の属性が登場した。また『レジェンディア』では光は海、闇は呪として扱われる。
通常攻撃は基本的に「無属性」であるが、装備武器などが属性を持っている場合は属性を持つ。この場合、無属性の「技」も通常攻撃同様に属性を持つ。作品によっては無属性の攻撃に耐性を持つ敵も存在し、そういった作品では無属性は「属性が無い」と言うよりも「『無属性』という属性」と言える。
シリーズの多くの作品では、各術技の使用回数がカウントされる。作品によっては、術技の使用回数が一定以上になるとその術技の性能が向上したり、称号を得られるなどの特典がある。また、下級の術技の使用回数が、上級の術技を修得するための条件になっている場合もある。
シリーズでは、各作品ごとに「技」と「術」の呼び名が異なる。これは、その原理やパワーソースの設定が各作品によって異なる為であり、「術」の場合そういった原理やパワーソースに準じた呼び名が与えられる事が多い。一方、「技」はそういった特殊な原理やパワーソースに依存しない通常の武術という扱いである事が多く、ストーリーの上で特別な呼び名を与えられる事は少ない。
以下は、各作品ごとの呼び名を記したものである。
(発売順)
g PS版,PSP版はよーみによるカヴァーバージョン。編曲者が異なる。
2007年7月4日より、シリーズ(『ファンタジア』~『テンペスト』(『アビス』除く))の主題歌集「The Best of Tales」がリリース。
h メインシナリオ・エンディング曲。
i キャラクタークエスト・エンディング曲。
j 継続プレイ時にのみ流れるエンディング曲。
『ファミ通Xbox360』2009年3月号での樋口義人からの言によると「ハードを決めてから企画を考えるのではなく、企画を立ててそこからハードを選択する」。
シリーズに休みはなく、ある作品が発売されても、次の作品も常に製作されている[28]。
制作会社は多数存在する。初期の作品は日本テレネットにより行われ、2003年からはナムコ・テイルズスタジオ、2012年からはバンダイナムコスタジオが開発を担当する。外伝作品ではアルファ・システムが度々かかわっている。
作品ごとのメディアミックスに関しては各項目を参照。
シリーズに関連するアニメーション作品。
2008年以降、ファンイベント「テイルズ オブ フェスティバル」が行われており、アーティストや声優陣などを集めてイベントを行ったり、グッズを売ったりもしている。「ジャンプフェスタ」などでもシリーズのイベントを行っている。
2021年からは、各作品の単独イベント「TALES OF READING LIVE」が、オンラインで開催。声優陣による新作朗読劇をメインとし、出演者によるトークコーナーなどの内容となっている。
『NAMCO x CAPCOM』『ソウルキャリバー レジェンズ』『ヴィーナス&ブレイブス〜魔女と女神と滅びの予言〜』『PROJECT X ZONE』『アナザーエデン 時空を超える猫』[注釈 3]といったシリーズ外の作品にも、本シリーズのキャラクターがゲストとして登場している。
PS3版『ヴェスペリア』では『ケロロ軍曹』とコラボレーションが行われている。カロルの衣装にケロロが登場したり、ケロロの衣装時にパティを一緒に戦闘に出した際の戦闘勝利時の台詞に日向夏美のものが混在している(これはカロルを演じたのがケロロ役の渡辺久美子でパティを演じたのは日向夏美役の斎藤千和であるため)。
2010年発売のニンテンドーDS用ソフト『ケロロRPG 騎士と武者と伝説の海賊』はテイルズスタジオが製作に関連しており、バトルシステムやフェイスチャットなど本シリーズの要素が取り入れられているほか、予約限定特典としてケロロ小隊の5人とテイルズキャラクター(クレス、ジェイド、ヴァン、コーダ、カロル)が書かれたクリアファイルがつく。人選はケロロ小隊のメンバーの声優5人が歴代『テイルズ オブ』シリーズで演じたキャラクターたちである(対応キャラはケロロ=カロル〈声 - 渡辺久美子〉、タママ=コーダ〈声 - 小桜エツ子〉、ギロロ=ヴァン〈声 - 中田譲治〉、クルル=ジェイド〈声 - 子安武人〉、ドロロ=クレス〈声 - 草尾毅〉)。
また、これ以降のシリーズではメインキャラクターの声優にちなんださまざまなアニメ作品とのコラボが行われている。『グレイセス』では『コードギアス 反逆のルルーシュ』(アスベル=枢木スザク〈声 - 櫻井孝宏〉)、『エクシリア』では『STAR DRIVER 輝きのタクト』(レイア・ロランド=アゲマキ・ワコ〈声 - 早見沙織〉)とのコラボが行われており、DLCで各作品のキャラクター衣装がダウンロードできる。
「バナフェス!タウン」のテイルズ オブ シリーズ専用のコミュニティ、『テイルズ オブ キズナ』の提供サイトのひとつ「Mobage」といったSNSでは利用者のアバター用のガシャポンがあり着せ替えアイテムが入手できる。
本シリーズと同じくバンダイナムコゲームスから発売されている「アイドルマスターシリーズ」とは、キャラクターが何らかの形で相互に出演している。『アスタリア』では当時展開中だった4シリーズ(『プラチナスターズ』『シンデレラガールズ』『sideM』『ミリオンライブ』)とそれぞれコラボが行われた。
マーボーカレー(麻婆カレー)とは、麻婆豆腐とカレーを混ぜた料理、またはそれを米飯に掛けたカレーライスであり、「テイルズ オブ シリーズ」に登場する料理として、食品メーカーとのタイアップによる商品化もされた。一部外食チェーンでも提供されている。
マーボーカレーはテイルズ オブ シリーズとのタイアップとしては3回商品化されている。2008年に『テイルズ オブ ハーツ』の発売を記念して、ゲームの製作元であるバンダイナムコゲームスとコンビニエンスストアであるサークルKサンクスにより、弁当形式で期間限定商品(2008年12月9 - 22日)として販売された[32]。甜麺醤を加えた広東風の仕上がりとなっている。
また2009年には『テイルズ オブ グレイセス』の発売にあたり、ハウス食品とのタイアップにてレトルト食品として商品化された[33]。こちらは豆板醤を利かせた「コクの中辛」と、野菜やオイスターソースの旨味を加えた「まろやか中辛」が用意されている。2種類の味になったのは、テイルズ オブ シリーズのファンに女性も多いことをハウス食品のスタッフがイベントで実感したため[34]。なお、同社では初めて豆腐を食材に利用したカレーである[35]。2010年12月6日より『テイルズ オブ グレイセス エフ』発売に合わせて12月末まで期間限定で「マーボーカレースペシャル」が発売された[36]。
2015年1月にはテイルズ オブ ゼスティリアの発売を記念し、セブンイレブンにて「マーボーカレーまん」が期間限定で発売された[21]。
テイルズ オブ シリーズとのタイアップでないマーボーカレーを提供する店もある。松屋では2008年5月22日よりメニューとして「マーボカレー」が加わり、全国の店舗(一部店舗を除く)で販売され、その後、再度販売されている。ただし、こちらは麻婆豆腐ではなく代わりに茄子を入れたマーボーナス仕様である[37][38]。またCoCo壱番屋も2013年5月1日から7月31日までの期間限定メニューとして、「麻辣豆腐カレー」を販売した[25]。
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