アメリカのレコードレーベル「エピック・レコード」については「エピック・レコード 」をご覧ください。
「EsCl 」はこの項目へ転送 されています。E♭クラリネットについては「小クラリネット 」をご覧ください。
エピックレコードジャパン (Epic Records Japan )は、ソニー・ミュージックレーベルズ の社内 レコードレーベル 、「エピック」という通称で知られている。
かつては「エピックソニー 」というレーベル名であり、規格品番 の「ES 」はこれにちなむ。
EPICの名は1953年 に米 ・コロムビアレコード が傘下に設立した、ジャズ ・クラシック音楽 部門を販売するためのサブレーベル名エピック・レコード にその起源をもつ。メインレーベル「Epic Records」は、会社名とは異なり「Japan」の表記はない。
2001年10月にソニー・ミュージックエンタテインメントの製作部門からソニー・ミュージックレコーズ 、キューンレコード 、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ と共に分離・独立。2014年4月にレーベルビジネスグループ再編により発足した、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズの社内レーベルとなる。エピックのレーベルは、ソニー・ミュージックレコーズに次いで二番目に歴史が古い。EPICと言えばニューミュージックやロックのイメージが強いが、設立当初はばんばひろふみ や因幡晃 のフォーク系や、真田広之 や渡辺徹 の俳優系、内海美幸 やオール巨人 の演歌系も手掛けていた。
沿革
1971年 7月 - CBS・ソニーレコード株式会社から新レーベル「EPIC 」が発足。
1976年 3月 - EPICレーベルの邦楽部門を廃止。CBS・ソニーレーベルに統合。
1978年 8月 - 株式会社EPIC・ソニー [ 注 1] を設立、但しCBS・ソニーから発売されたEPICの邦楽音源(中島まゆこ、浅田美代子 、麻生よう子 他)はCBS・ソニーが引き続き管理。
1988年 3月 - CBS・ソニーに吸収合併。同時期よりCDの背面ジャケット等に「EPIC/SONY RECORDS 」の表記が使用される様になった。
1991年 - CBS・ソニーがソニー・ミュージックエンタテインメント に商号変更。これに伴いレーベルロゴを変更。「Epic/Sony Records」に改称する。
1994年 6月 - 株式会社アンティノスレコード (Antinos Records)が設立される。CDの販売をSMEに委託しており、同グループの一員となる。社名は「アンチ ソニー(Anti Sony)」の意味で、Antinosのnosは、sonyの文字を逆さまにしてyを外したものである。A&R システムを本格導入した会社である。
10月 - Epic/Sony Records内に新レーベル「dohb discs」を設立(2000年5月頃にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ 傘下に移管後、同年7月にレーベル運営終了)。dohbはepicのスペルを前にずらした造語で、時代の一歩先を常にリードしていくという意味がこめられていた。制作部もエピックと異なり下北沢に設置するなど、独自性の強い展開がなされた。
1998年 10月 - 「Epic/Sony Records」から「Epic Records」へレーベル変更。
2001年 10月 - SMEの製作部門から分離、再度独立。同時にレーベルロゴを変更する。洋楽部門はソニー・ミュージックジャパンインターナショナル (SMJI)へ移行。
2002年 7月 - アンティノスレコードを吸収合併する。アンティノスはエピック内の一レーベルとなる。
2003年 2月 - 会社設立25周年を記念したイベント「LIVE EPIC 25 」を開催。
2004年 3月 - 会社合併により2002年7月以降経営を行っていた「アンティノスレコード」が運営終了。「アンティノスマネージメント」も「ソイツァーミュージック」と合併し「ブルーワンミュージック 」となる。
2005年 - 新レーベル「kowalski」(コワルスキー)設立。
2014年 4月1日 - ソニー・ミュージックレコーズ がレーベルビジネスグループの7社を吸収合併し、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ が発足[ 4] 。エピックレコードジャパンは同社の社内レーベルとなる。
ロゴマークの変遷
初代(1971年7月 - 1973年3月)、5代目(2000年1月 - 現在):大文字の「EPIC 」の周囲に、楕円型に放射線状の線が飾られている。日本では旧CBS・ソニーレコード の一レーベルとして発足した初代ロゴマーク、および2024年 現在使用中の現行(5代目)のロゴマークだが、アメリカでは1953年 にエピック・レコード が設立され、その7年後となる1960年に若干のリニューアルを実施し、2代目のロゴマークとして使用された[ 注 2] 。現在のアメリカのエピック・レコードのロゴマークは後述する日本での3代目のロゴマークが再び使用されており、日本でも洋楽の一部アーティストに使われている。このロゴマークは日本コロムビア 時代の1968年 6月30日までに発売されたエピックレーベル(通称・EPICコロムビア)の新譜(レコード)にも使用されていた。
2代目(1973年4月 - 1978年7月):四角い枠の中に丸でレコードの溝をかたどった「e」のマークの下に「Epic」と書かれている。
3代目(1978年8月 - 1991年3月):筆記体 の「Epic 」の表記で、安定感のあるロゴマーク。日本でのEPIC・ソニー黄金期に使われており、エピックレコードジャパンを象徴するロゴマークでもある。1988年2月末までは連綿で「ES 」のロゴの下部に「EPIC/SONY 」のロゴも併用されていた。当時発売されていたCDに於ける背表紙の上に表記されている記号は正方形 [ 注 3] で、これは当時のCBS・ソニー でも使用されていた。1988年2月末からは前述の連綿の「ES 」ロゴに代わり「EPIC/SONY RECORDS 」の表記が使用される様になった。
4代目(1991年4月 - 1999年12月):アルファベットの「E 」を模ったロゴマーク。3本の細い楕円 に左に斜め向きの線が入る、牧歌的な雰囲気を持つロゴマークで、下部に小文字で「epic 」の表記がある。背表紙上部の記号も正方形から楕円に変更されている。この頃から背表紙に「Epic Sony Records 」の表記[ 注 4] が使用される様になった。
レーベル
Epic Records(エピック・レコード・メインレーベル)
LAUNDRY POLE RECORDS(ラウンドリー・ポール・レコード) - キョエ のプライベートレーベル。
かつて存在したレーベル
BOOGIE WOOGIE(ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンド 、竜童組 、所ジョージ プライベートレーベル。宇崎竜童 の離脱と共に消滅)
Sweet Donuts (1979 - 1981年)CBSグループ外から買い付けたヨーロッパのキャンディ・ポップの国内流通専用レーベル。ドリー・ドッツ とユー & アイ のみに使用。
コワルスキー(Kowalski、2010年運営停止)ESCL-
アンティノスレコード(1997 - 2004年、Antinos Records)ARCJ-
SO What? RECORDS(1999年 - 2000年、ロゴマーク は$ をもじったもの)
dohb discs(1994年 - 2000年)ESCB-
MINT AGE(1997年 - 1998年)ESCB-
mf(佐野元春 プライベートレーベル。佐野の独立とともに消滅)
NeOSITE DISCS (もともとはエピックレコードのレーベルであったがソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ(2000年)を経てキューンレコード(2001年 - )のレーベルへと移行した)
Robin Discs(福岡智彦 がプロデュースした音楽レーベル。かつては松谷卓 等も所属した。現在[いつ? ] はEpic Recordsに統合)
Cha-DANCE(東京パフォーマンスドール のプライベートレーベル。TPDの活動休止に伴い廃止)
アンティノスレコード
1994年6月、ソニー・ミュージックエンタテインメント 副社長丸山茂雄 により設立。同年にTMN の活動を終了し、音楽プロデュース業に力を入れ始めていた小室哲哉 のソニー側受け皿となるよう、従来型と異なるレーベルが必要とされたことが設立のきっかけである。
小室の中では「今までのシステムは音楽業界の中では、レコード会社が一番偉かったんです。デビューしたいと思えば、レコード会社の門を叩いて判断されるけど、気付いたら知らないディレクターやプロデューサーが付けられていたという馬鹿な事が起きる。自分でディレクター・プロデューサーを決めなかったら、理想の音作りはできない。それを防ぐ為にアーティストとレコード会社が対等な関係になる必要がある」という狙いがあった[ 5] 。
差別化として、具体的には「欧米風A&R を導入し、レコード会社・音楽出版社・マネジメント会社の関係を整理し直して、金の流れと役割分担を明確にし、所属するアーティストのプロモーション・ギャランティを増やすこと」「音源制作に当たって、所属アーティストのわがままをレコード会社がフォローする必要が無い。事前に決められた経費以上にかかった費用はアーティストが自腹を切るから、経費削減につながる」を特色として挙げていた[ 5] 。
社名の由来は「ANTI(アンチ)」「SONYのロゴを反転させる」経緯で決まり、「既成の業界構造を引っくり返す」というコンセプトを持たせている[ 5] 。
関連会社として芸能プロダクション アンティノスマネージメント、音楽出版社 アンティノスミュージック(のちにソイツァーミュージックに改称)を設立しアンティノスグループを形成。また、アメリカにも支社を設立している。外部のプロデューサーやアーティストがマスターテープの完成品を納品した後、作品を「商品としての承認するかどうか」の判断から宣伝・販売プランの構築までを受け持ち、流通はソニー・ミュージックエンタテインメントに依頼していた[ 6] 。
しかし、レーベルの芯となるはずだった小室哲哉はエイベックス との関係を深めていき、結局アンティノスレコードからのリリースは小室のプロデュースによるANISS のシングル「PRIDE」、ライブアルバム「tk-trap 」とプレイステーション 向けゲーム「Gaball Screen」のみであった。
レーベル初期は丸山の人脈で他レーベルから移籍したTHE MODS やGAKU-MC 、フラワーカンパニーズ などが主なメンバーとなり、知名度は高いものの当時セールスが低迷していた彼らの再起を狙うのが当初の目標とされた。
1996年5月、浅倉大介 プロデュースによりT.M.Revolution がデビュー。1997年から1998年にかけてシングル・アルバム共にミリオンセラーを果たすなど、以降レーベル末期まで経営の柱となる。1999年には浅倉が自身の参加するユニットIceman と共にエピックレコードから移籍。藤井隆 、Fayray 、コタニキンヤ 、サカノウエヨースケ 、RUN&GUN 等の新人も浅倉にプロデュースを依頼するなど、レーベル全体として浅倉への楽曲依存が高まり、リリースの大半は浅倉の手掛ける作品となった。ただし浅倉のプロデュースしたアーティストが全てアンティノスに在籍したわけではなく、他社のアーティストもプロデュースしていた(木村由姫 =パイオニアLDC ・pool bit boys =avex tune 等)。浅倉は「音色については、全て僕の好きな様に作ることができた」と振り返っている[ 6] 。
2002年7月、会社機能がエピックレコードに吸収され、同社の一レーベルという扱いになり、以降は流通販売もエピックレコードが担当。2004年3月、ソニー・ミュージック内の会社再編に伴い法人としてのアンティノスレコードは解散。アンティノスマネージメントとソイツァーミュージック(旧:アンティノスミュージック)は合併し、2004年4月付でブルーワンミュージック (現:ソニー・ミュージックアーティスツ )となる。これによりアンティノスグループは2004年3月を以て終了した。
ロゴマークは設立当初から1997年頃まで、上がくり抜かれた円の中にラフな手書き風でAと書かれたもの。下に「antinos」と表記されている。1998年頃から終了までは握り拳で棒状の物体を真っ二つに打ち砕く姿をモチーフにした物が使用されていた。握り拳で打ち砕かれて2本に分かれた棒状の物体には「ANTINOS」「RECORDS」の文字が刻まれている。
現在所属しているアーティスト
五十音順
1〜0、A〜Z
かつて所属していたアーティスト
1971年10月から1976年3月までCBS・ソニーの邦楽部門の一レーベルとして存在していたEPICレーベルのアーティストについては、
あ - か行
さ - な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
wyolica (1999年 - 2004年)(インディーズへ移籍)
WILD STYLE (1995年 - 1997年)(解散)
渡辺徹 (1982年 - 1995年)(その後は俳優、タレント業に専念 → 2022年死去)
渡辺満里奈 (1986年 - 1992年)(Sony Recordsへ移籍)
コンピレーション・アルバム
発売日
タイトル
規格品番
2000年7月19日
DAynamite Mix Juice1~You know beat?~
ARCJ-143
2001年9月27日
MUSIC MAGIC~N.U.K.E.S.GROOVE 2@ZIP
ARCJ-2005
2002年7月24日
一番熱かった夏 ~熱闘甲子園の歌~
ESCL-2321
2002年8月21日
星空楽曲群 ~弘兼憲史 セレクション~
ESCL-2327
2002年11月20日
EPIC25 1980~1985
SCL-2347
2002年11月20日
EPIC25 1986~1990
SCL-2348
2002年12月4日
A cappella Love Songs ~A cappella Base Camp Vol.1~
ESCL-2339
2003年1月1日
Epic 25 ~Special Edition~
ESCL-2372
2003年9月18日
FM802 presents MEET THE EPIC BEAT~FUNKY EPIC 25~
ESCL-2447
2003年10月22日
ROCK AND ROLL JAPAN
ESCL-2458
2003年11月19日
ZIP-FM presents ラヴ・アワ・プラネット
ESCL-2467
2004年9月1日
emu
ESCL-2575 ESCL-2693
2005年1月26日
Colla Bo Gumbos Vol.1
ESCL-2620
2004年2月25日 2005年7月27日
SUZUKI MANIA 鈴木雅之トリビュートアルバム
ESCL-2497 ESCL-2675
2005年11月23日
勝手にしやがれ presents 7o'clock jump
ESCL-2745
2005年12月21日
山崎まさよし トリビュート・アルバム「ONE MORE TIME,ONE MORE TRACK」
ESCL-2716
2006年6月21日
THE MODS TRIBUTE SO WHAT!!Vol.2
ESCL-2846
2006年9月27日
emu2 モースト・タッチング
ESCL-2895
2007年1月17日
ハチミツとクローバー COMPLETE BEST
ESCL-2914 ESCL-2917
2008年4月2日
COVERS
ESCL-3053
2009年3月18日
JUDY AND MARY 15th Anniversary Tribute Album
ESCL-3177
2010年1月20日
すごくおいしいうた
ESCL-3348
2011年7月27日
青空エール 吹奏楽音楽集
ESCL-3733
2012年12月5日
映画「今日、恋をはじめます 」オフィシャル・アルバム
ESCL-3993
2014年3月26日
私とドリカム -DREAMS COME TRUE 25th ANNIVERSARY BEST COVERS-
ESCL-4182
2014年11月19日
四月は君の嘘 僕と君との音楽帳
SCL-4302
2014年12月10日
アオハライド "MUSIC RIDE"
ESCL-4321
2015年3月25日
四月は君の嘘 トゥインクル リトルスター
ESCL-4390
2015年4月1日
SUZUKI MANIA DELUXE -鈴木雅之トリビュートアルバム-
ESCL-4415
2015年4月1日
私とドリカム2 -ドリカムワンダーランド2015 開催記念 BEST COVERS-
ESCL-4394
2016年8月17日
青空エール サウンドトラック&吹奏楽曲集
ESCL-4670
2016年9月7日
四月は君の嘘 サウンドトラック & クラシック音楽集
ESCL-4680
2018年1月10日
週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.1
ESCL-4955
2018年4月4日
週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.2
ESCL-5044
2018年7月4日
週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.3
ESCL-5082
2018年8月15日
ペンギン・ハイウェイ オリジナル・サウンドトラック
ESCL-5094
2019年4月3日
機動戦士ガンダム 40th Anniversary BEST ANIME MIX
ESCL-5199
発売していたゲームソフト
かつて、任天堂 のファミコン などコンピュータゲーム 産業にも手を出したことがあった。主に同社に所属するアーティストを題材にしたキャラクターゲーム が多かった。現在[いつ? ] は撤退している。ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE)がソニー 系列のコンピュータゲームメーカーとして存在している。
脚注
注釈
^ この当時はアルファベットが登記上使用できなかったため、実際の表記は株式会社エピック・ソニー として登記された。詳しくは「商号#商号登記 」を参照。
^ アメリカでの初代ロゴは大文字の「EPIC 」の周囲に、正円型に近い楕円型に放射線状の線が飾られている。
^ 1988年までは黄色の正方形が使用されていたが1989年から1991年3月までは赤色の正方形が使用されていた(親会社のCBS・ソニーも1988年までは黄色の正方形だったが1989年から1991年3月までは青色の正方形が使用されていた)。
^ 1998年10月以降は「Sony 」の部分が取れて「Epic Records 」の表記に変更されている。
^ 2009年9月までBMG JAPANの一レーベル、同年10月から新設されたアリオラジャパン の1レーベルとなっており、事実上SMEに復帰したこととなる。
出典
外部リンク
レーベル アーティスト& ミュージックビジネス ビジュアル& キャラクタービジネス エンタテインメント ソリューションビジネス 関連会社 過去のレーベル&グループ会社 関連項目 関連カテゴリ
カテゴリ