初期のWindows NTの特色である高い移植性が保たれており、ARM、SuperHをはじめとした様々なCPUアーキテクチャーに対応している。Windows CE 6.Xからはカーネルが近代化され、メモリーは2GB、プロセス数は32000までに拡張され、プロセスのカーネル階層への移動など負荷の重いタスクへの対応や高速化が図られている。
必要な機能のみを選択して搭載することができるという特徴を生かして、Windows CEを搭載するPOSレジや、ビデオプロジェクタ、カーナビ (Windows CE for Automotive)、ゲーム機(ドリームキャスト)、ポータブルAVプレーヤー (Portable Media Center)、シンクライアント端末 (Windows-based Terminal、Smart Display) なども存在する。これらにはPDAに見られるようなOSとしてのGUIを実装していないものも多いが、レジでは最近タッチパネルを搭載してボタンと組み込みOSの操作で作業の効率化を図る傾向がある。
UI開発手法として上記Visual Studio 同梱のRAD開発ツール、Blend for Visual Studioの利用が推進された一方で、これまでのHPC Shell機能やコントロールパネルUIはサポートが削除された。.NET Compact Frameworkとしては v3.9がサポートされている。
アプリケーション開発環境
Windows Embedded CEのアプリケーション開発は、現在ではネイティブコード開発とマネージドコード開発の2とおり開発手法が用意されている。
ネイティブコード開発ツールとしては当初 Visual Studio 6.0にアドオンして使用する Windows CE Toolkit for Visual C++/Visual Basic 5.0や2003 が使用されたが、Windows CE 3.0以降では無償で入手できる eMbedded Visual Tools 3.0 / eMbedded Visual C++ 4.0 が利用されるようになった。CE5 / 6.0 / Compact7 では Visual Studio 2005 / Visual Studio 2008 Pro以上でネイティブコード開発が行われるようになったが、これらの開発製品は有償で入手する必要があった。
当初はマネージドコード開発のみのためにVisual Studio ( Visual C# / Visual Basic ) 2003 が利用された(ネイティブコード開発はできなかった)が、その後の Visual Studio 2005 および Visual Studio 2008 では一つの環境でネイティブコード開発とマネージドコード開発の両方が可能になった。
RAD開発
Windows Embedded CE 6.0 R3 や Compact 7 / 2013 ではアプリケーション開発手法として Silverlight for Windows Embedded が利用可能である。これはExpression Blend または Blend for Visual Studio を利用して作成したデザインにC++で開発した処理コードを組み合わせるという、ハイブリッドな開発手法である。
上記ツールキットを使用すると、OEMのニーズに応じたOS機能のみを搭載したカスタムWindows CE OSを作成することができるが、これらカスタム機器(通常よりも使用可能API少ない)で正常に動作するネイティブコードアプリケーション開発をサポートするために、ツールキットにはカスタム機器で使用可能なヘッダーファイルとライブラリのみをまとめて出力する、カスタムSDK作成機能が備わっている。この機能を用いて作成されたカスタムSDK は eMbedded Visual C++ やVisual Studio 2005/2008、Visual Studio 2012/2013/2015 + Application Builder環境で使用することができる。
Windows CE Platform Builderを利用してカスタムWindows CE OSを開発しこれを機器に搭載して製品出荷する場合、組み込みOSとしての使用料をマイクロソフトに支払う必要がある。その際には代理店経由で契約を締結し、COAと呼ばれるシールを製品に貼付して出荷する。Windows CEの組み込みOSとしてのライセンス料は使用OSコンポーネントによりいくつかのカテゴリに分けられるが、およそ1台あたりUS $3 から US$16の範囲とされている[9]。
PDAでの利用
PDAと呼ばれる製品群にはWindows CEをOSとするものがあり、これらPDA用に必要なデバイスドライバやウェブブラウザなどの機能をマイクロソフトがまとめた製品が「Handheld PC」や「Pocket PC」である。「Handheld PC」や「Pocket PC」はOSを示すものではない。例えば、NECの「モバイルギア」の「MC-R530」という製品の場合は、Windows CE Ver.2.11を搭載した、Windows CE Handheld PC Edition Ver.3.01仕様の製品というようになる。
2000年7月13日発表。Windows CE 3.0ベースになったことを機に改称。ウェブブラウザ (Pocket Internet Explorer)、ファイルエクスプローラ搭載。左下にあった「スタート」ボタンが廃止され、左上のプルダウンボタンからタスクを開く形態となった。プラットフォーム準拠のアプリには終了ボタンが付かなくなった。略称:PPC。
2003年6月30日発表。Windows Mobile 2003 software for Pocket PCが正式名称。Windows CE.NET 4.2ベース。
Pocket PC 2003 Second Edition
2004年7月6日発表。Windows Mobile 2003 Second Edition software for Pocket PCが正式名称。VGA画面をサポート。
Windows Mobile 5.0
2005年8月23日発表。インタフェースを若干変更。Officeアプリケーションの機能向上。Windows Media Player 10 Mobile搭載など。.NET Frameworkのサブセットである.NET Compact Frameworkの実行環境が搭載されている。
Windows Mobile 6
2007年2月12日発表。インタフェースを刷新し、Vista風デザインとなる。Officeスイートを改良。HTMLメールをサポートしWindows Live Mailに対応。このバージョンからWindows Mobile StandardとWindows Mobile Professional、そして機能面ではWindows Mobile Professionalと同じだが、通信機能がオプション扱いの主にPDA向けのWindows Mobile Classicの三つのエディションに分けられる。バージョン番号はCE 5.2で、CE 6.0カーネルの搭載は見送られた。
携帯電話の高機能化がPDA全体の販売数が減少した一因、という意見もある。Windows CEはスマートフォン向けのWindows Mobile for Smartphone(日本未発売)やWindows Mobile for Pocket PC Phone Editionというバージョンを出し、携帯電話へのシフトを強めている。
PDAの現状
日本国内での各種携帯端末への採用
WILLCOMW-ZERO3シリーズ - 2005年12月に初代機WS003SH(W-ZERO3、シャープ製)が発売。OSにはWindows Mobile 5.0 for Pocket PCが使われている。